テレワーク

テレワークとは?リモートワークとの違いやメリットについてご紹介!

時間や場所などの制約に縛られることなく、柔軟な働き方ができる「テレワーク」を導入する企業は急増しています。感染症予防の観点だけでなく、ワーク・ライフ・バランスの実現や地域の活性化にも効果をもたらすことから、注目が高まっています。本記事では、テレワークとは何か、どんな種類があるのか、またテレワークのメリットについてわかりやすくご紹介します。

テレワークとは

テレワークとは、情報通信技術(ICT)を活用してオフィス以外の場所で働く勤務形態を言います。その名の通り、テレワークは「tele=離れて」と「work=働く」を掛け合わせた造語で、日本国内では2000年代に普及した働き方です。令和の現代ではテレワークを導入する企業も増え、世間一般でも広く使われる言葉として認知されています。

主に、パソコンやインターネットを使用して働くテレワークですが、情報通信技術(ICT)の発展により実現していることは言うまでもありません。ICT(Information and Communication Technology)には、コンピューターやインフラだけでなく、メールや電話、チャットサービスなどのソフトウェアを使ったコミュニケーションツールなども含まれます。ICT関連のソリューションを有効的活用することがテレワークの導入やテレワーク時の生産性向上に繋がります。

テレワークの種類

テレワークの種類
種類 特徴
在宅勤務 自宅を就業場所として働くこと
モバイルワーク カフェやホテル、電車内などを就業場所として働くこと
サテライトオフィス シェアオフィスやコワーキングスペースで働くこと

テレワークにはいくつかの種類があります。自宅を就業場所として働く「在宅勤務」、カフェやホテルなどで業務を行う「モバイルワーク」、本拠地であるオフィスから離れた場所に設置した共有オフィスを使用する「サテライトオフィス勤務」があります。また最近では観光地や帰省先などの休暇先で仕事をする「ワーケーション」の人気も高まっています。「ワーク(仕事)」と「バケーション(休暇)」を由来としており、テレワークの新しいスタイルと言えるでしょう。

在宅勤務

在宅勤務は、自宅にインターネット環境があれば行うことが可能です。介護や育児などと、仕事を両立させたいという方にはぴったりの働き方です。しかし、監視の目がないため、自発的に働ける人でないと生産性が低下してしまう可能性があるため注意が必要です。

モバイルワーク

モバイルワークは、出張や外出の際に飛行機や新幹線などで作業を行う、打ち合せの合間にカフェや宿泊先のホテルで仕事を行うことを指します。移動中や外出中に効率よく業務を行えるのが魅力で、生産性を向上させることができます。営業等の外出が多い職種の方に適した働き方です。

サテライトオフィス

サテライトオフィス勤務は、在宅勤務やモバイルワークと違って、サテライトオフィスへの移動が発生します。サテライトオフィスに行けば仕事に必要な環境が整っており、仕事に集中できるのが特長です。近年、会社が契約しているサテライトオフィスを使用するのではなく「コワーキングスペース」といった共用タイプのワークスペースを個人で契約して仕事をするという人も増えています。「CO-WORKING」は、(CO)共同で(WORKING)仕事するという意味を持っています。

テレワークの歴史

テレワークを日本で初めて導入した企業は、NEC(日本電気株式会社)で、1984年に東京都の吉祥寺エリアにサテライトオフィスを設置したのが始まりとされています。1984年というと、日本でインターネットが始まった年でもあります。40年近く前に、サテライトオフィス型のテレワークを導入していたというのは驚きですね。

また当時は、女性は結婚や出産を機に退職するのが一般的な時代でした。郊外にサテライトオフィスを設けることで女性の退職者を減らしたいという狙いもあったようです。
1990年代後半には、テレワークに関する取り組みを政府が主導して行うようになりました。インターネットが一気に普及した2000年代には、テレワーク支援の特別融資なども導入され、テレワークが全国的に広まったのです。

その後、リーマンショックをきっかけにテレワークへの動きは落ち着くものの、2010年代後半には働き方改革を皮切りに、柔軟な働き方を実現するための環境整備としてテレワークを実施する企業が増加しました。さらに2020年には、新型コロナウイルス感染症の拡大防止を目的としてテレワークの導入が加速したのです。

参考:働き方改革とはなにかを簡単にご紹介!働き方改革の推進に必要なこととは?

テレワーク・リモートワーク・在宅勤務の違い

テレワークの種類
名称 言葉の意味 備考
テレワーク 離れた場所で働くこと 総務省や厚生労働省など政府機関が使用する
リモートワーク 遠隔勤務 IT企業フリーランスの方が使用する
在宅勤務 自宅で働くこと 終日在宅勤務、部分在宅勤務などに種類に分かれる

テレワークの基本情報や歴史を紹介できたところで、「リモートワーク」や「在宅勤務」との違いについて簡単に解説します。

テレワークとリモートワークの違い

テレワークと同様の意味で使用される言葉として、「リモートワーク」があります。これは「リモート(遠隔)」+「ワーク(仕事)」を組み合わせた造語で、遠隔勤務を意味する言葉です。意味だけを見れば、テレワークとリモートワークに大きな違いはありません。

あえて違いを挙げれば、リモートワークは「IT企業で使われるケースが多い」という特徴があります。エンジニアなどは、離れた場所からリモート接続をして開発を行うことも多く、リモートワークのことを「リモート」と略して呼ぶこともしばしばです。一方、厚生労働省をはじめとした政府の機関においては、リモートワークではなく「テレワーク」の言葉が使われるケースが多くなっています。

テレワークと在宅勤務の違い

種類の項でも記述した通り、在宅勤務はテレワークの一種です。在宅勤務が「自宅で働くこと」を意味する言葉なのに対し、テレワークは「自宅に限らず離れた場所で働くこと」を意味します。育児や介護などを行っている人にとって、仕事と両立しやすい勤務形態です。在宅勤務には1日の業務を全て自宅で行う終日在宅勤務と、出社や外出後に帰宅後業務を行う部分在宅勤務があります。在宅勤務制度を導入している企業は多く存在しますが、日本では毎日在宅勤務を行うのではなく、週に数回在宅勤務を導入している企業が多くなっています。

意味合いが似通っている分、混同されて使用されることもありますが、大まかな違いは上記の通りです。

以下の項では、テレワークのメリットを、従業員・企業・社会の3つの視点に分けて紹介します。

テレワークのメリット

テレワークのメリット
従業員のメリット ワークライフバランスの向上
業務の効率化
企業のメリット
オフィスコストの削減
採用力の強化
従業員のエンゲージメントの向上
ペーパーレス化
BCP対策
社会的なメリット
地球環境への配慮
雇用創出・地方創生

従業員がテレワークで働くメリット

ワーク・ライフ・バランスの向上

従業員は、通勤や移動にかかっていた時間を削減できます。それによって、育児・介護、自己啓発などに使える時間を増やすことができるためワーク・ライフ・バランスの向上が期待できます。

業務の効率化

これまで行っていたペーパーワークが不要になることや、通勤や移動の時間を業務に充てられる、ITツールを活用することなどによって業務の効率化が期待できます。

企業がテレワークを導入するメリット

オフィスコストの削減

従業員がテレワークで就業するようになると、オフィスに関するコストが削減できます。賃料、椅子や机などの備品、カフェスペースに設置されたウォーターサーバー、光熱費などを大幅に削減することも可能です。また通勤や外出にかかる交通費も削減できます。

採用力の強化

時間や場所に縛らない働き方である「テレワーク」を活用することで、地方在住者や介護や育児で就業が難しい人材を確保することができるため、採用力を高めることができます。

従業員エンゲージメントの向上

従業員のワーク・ライフ・バランスが向上することで、従業員エンゲージメントの向上にも効果を発揮します。それによって従業員の離職防止や業績向上に繋げやすくなります。また、従業員エンゲージメント向上の副次的な効果として、採用コストの削減も期待できます。

ペーパーレス化

テレワークによって契約書やマニュアルの電子化が進み、研修や会議がオンライン化することで、企業はペーパーレス化を加速することができます。例えば、対面での研修や会議では、資料を人数分印刷して配るというケースも少なくありません。それに対してテレワーク時の研修や会議では、資料をデータで共有できる分、わざわざ印刷をする必要がないのです。

参考:在宅勤務をするならペーパーレス化?ペーパーレスの本当のメリットと目的とは?

BCP対策

テレワークは災害時の事業継続にも力を発揮します。従業員がオフィス以外の場所でも仕事ができる環境を構築しておくことで、有事の際にも事業再開・継続が容易になります。

テレワークが普及する社会的なメリット

地球環境への配慮

テレワークは、企業と従業員だけでなく社会にとっても大きな効果があります。例えばテレワークの導入によって照明や空調の使用時間が削減できれば、電力消費を削減することができます。また、テレワークによってペーパーレス化や移動時に排出されるCO2の削減が進めば、地球温暖化対策にも繋がります。

雇用創出・地方創生

近年叫ばれている人手不足についても、テレワークの活用によってこれまで働くことができなかった人が就業機会に恵まれやすくなるでしょう。端的に言えば、テレワークは労働者の雇用対策にも貢献します。また、働く場所に囚われないため地方に移住することも考えられます。テレワークは雇用創出、地方創生などにおいても大きな可能性を持っています。

テレワーク導入企業の事例

テレワークを導入する企業は急増しています。中でも、IT・通信業界においてテレワークは一般的な働き方として定着しており、実際にICT関連サービスやPC等を提供する企業の多くが、テレワークを導入しています。最近では、IT・通信業界以外の業界でもテレワークを導入している企業が増えています。

ここではテレワークを導入している企業の事例をご紹介します。

富士通株式会社

富士通株式会社では、全社員35,000人を対象に、自宅やサテライトオフィス、出張先など、場所にとらわれないフレキシブルな働き方を可能とするテレワーク勤務制度を2017年4月より導入しています。

参照:ICTを活用した富士通の「働き方改革」 : 富士通

2020年7月には、新型コロナウイルス感染症拡大を受けて、ニューノーマル時代における新たな働き方として、テレワークを提案。従業員が働く場所を、それぞれの業務目的に最も適した形で自由に選択できるようにするほか、オフィス全席のフリーアドレス化を打ち出しました。2022年度末までに、オフィスの規模を最適化、現状の50%程度に最適化すると発表しています。

日本マクドナルド

テレワークの波は飲食業界にも広がっています。日本マクドナルドでは、2009年10月に在宅勤務を導入しました。当初は100人規模でスタートしましたが、東日本大震災をきっかけに在宅勤務利用者は約300人に増加しています。震災による電力不足への懸念を受け、電力使用量を削減することを目標にかかげている日本マクドナルドは、在宅勤務はそれらの目標達成に必要な施策の一つと位置付けています。BCP(事業継続性)の観点からもテレワークの活用は企業にとって有効な施策であることがわかります。

参照:本社社員の6割が在宅勤務を経験 | 日経クロステック(xTECH)

トヨタ自動車

製造業界でもテレワークの導入は進んでいます。トヨタ自動車は、2020年3月26日から東京本社と名古屋オフィスで勤務する従業員を原則在宅勤務としました。その他にも、多くの自動車メーカーがテレワークを導入しています。自動運転や電動化など目まぐるしく進化する自動車産業では、エンジニア人材の確保が急務です。テレワークが可能な環境を構築することで、優秀な人材を採用することに繋げることが狙いではないでしょうか。

参照:新型コロナ/「テレワーク」試行錯誤続く テレビ・ウェブ会議活用 | 日刊工業新聞

企業でテレワークを導入するには?

参考:テレワーク導入のポイントとは? 2021年 日本の働き方を変える考え方を解説 !

具体的なテレワークの導入方法については、上記ページにて紹介をしているのでご参照ください。テレワークを導入する具体的な手順や注意点、導入に役立つ助成金制度に至るまで、詳しく解説しています。

大手企業の導入実績から、テレワークの導入を検討している方も少なくないでしょう。企業でテレワークを導入する場合は、テレワークに関するわかりやすいルールやマニュアルの作成が不可欠です。ルールやマニュアルを作らず、形だけのテレワークを導入すると、従業員間で業務上の連携や情報共有などが円滑に行われにくくなります。結果として、生産性の低下や情報漏洩などの事故にも繋がりやすくなるのです。

テレワークで業務を進めるため、マニュアルは紙ではなくインターネット上で作成、閲覧できることが最低条件です。また、ワードやパワーポイントといったオフィスソフトでは、作成や更新の負荷が高いため作成しても形骸化することが多いためおすすめできません。

テレワークのためにマニュアルを作成する際は、マニュアル作成ツールを利用することが好ましいです。昨今、さまざまな作成ツールが開発・提供されているため、目的や利用用途に合わせて選ぶとよいでしょう。

マニュアル作成ツールを比較し、どう選べばよいか解説したこちらの記事をご覧ください。

参考:【2021年版】マニュアル作成ツール徹底比較!生産性が向上するマニュアルツールの選び方

まとめ

今回は、テレワークの歴史や種類、メリットについてご紹介してきました。ご自身にあったテレワークのスタイルを見つけることができれば、普段の業務がより効率化され生産性向上に繋がります。

テレワークを導入するには、業務環境の整備や、稟議書や請求書などのデジタル化、ペーパーレス化は避けて通ることができません。そのため業務を円滑に行うためにクラウド型ツールの導入が必要になります。そして、物理的に離れている相手とツールを使ってコミュニケーションを取りながら業務を進めていくためには、ツールの使用方法を始め、業務内容や手順がわかりやすく記されたマニュアルは、必要不可欠な存在です。

「自社でもテレワークを導入したい!」とお考えの方、「テレワーク導入しているがうまくいっていないな」と感じている方は、まず業務の洗い出しとマニュアル整備に取り組んでみましょう。

既にマニュアル作成を進めているがどうやって作ればいいかわからない、簡単に作成したいという方はマニュアル作成のプロがまとめたこちらの資料をご覧ください。

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また、テレワークによって変化したのは働き方だけではありません。マネジメントやチームビルディングも大きく変化しました。Teachme Bizを運営する弊社が独自に調査したテレワーク時代の従業員マネジメントの調査結果を大公開!テレワークに従業員やマネージャーがどんな課題を感じているかぜひ確認してみてください。

参考:テレワーク時代のマネジメントの変化