テレワーク導入のポイントとは? 2020年 日本の働き方を変える考え方を解説 !

テレワーク労働者

新型コロナウイルスの影響で働き方において、「テレワーク」という選択肢の認知が広まり、今日においては一般的になってきました。

ただ、その恩恵を存分に受けているという実感を持っているという方はどれだけいるでしょうか。
思った以上に社内との連携に骨が折れたり、スピード感がなくなったりした経験は案外多いかもしれません。

今回は現状を明らかにしたうえで、「テレワーク」という働き方がスムーズに導入される際に大切な視点を提示できれば、と思います。

テレワークの導入率は増加傾向

テレワークとは

効率的な労働と長時間労働の是正を目指すうえで、「テレワーク」という働き方は外せないでしょう。

「テレワーク」を簡単に説明すると、ICT(情報通信技術)を利用して、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方のことです。
テレワークは、「リモートワーク」と表現されることもあります。

テレワークと言っても働く場所によって、

  • 自宅を就業場所とする「在宅勤務」
  • 顧客先や移動中など施設に依存しない「モバイルワーク」
  • 勤務先以外のオフィススペースで働く「サテライトオフィス勤務」

の3つに分けられます。この働き方の導入率は年々増加しており、総務省が公表した「令和元年通信利用動向調査の結果」によると、2019年のテレワーク導入率は導入予定企業も含めると29.6%となり2017年の18.2%から11.4%増加しています。これは新型コロナウイルス感染拡大前に実施された調査の結果ですが、東京都が公表した「テレワーク「導入率」緊急調査結果」によると新型コロナウイルスの感染者数が最も多かった2020年4月時点での都内企業(従業員30人以上)のテレワーク導入率は62.7%となり、3月時点の24.0%から38.7%増加しています。今後導入予定がある企業も含めると、3月時点の29.0%から39.8%増加して、4月時点では68.8%になっています。

2020年 テレワーク「導入率」緊急調査結果(都内企業) (資料)「テレワーク「導入率」緊急調査結果」(東京都)より作成


▶出典:東京都「別紙 テレワーク「導入率」緊急調査結果」

リモートワークとの違い

なお、テレワークとよく似た言葉に「リモートワーク」がありますが、リモートワークは「オフィス以外の場所で働く」ことをいいます。テレワークのように在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィスなどの分類がないことが大きな違いです。

テレワークのメリット

実際「テレワーク」の導入によって、業務上あらゆる面でのメリットを期待されています。

1) 生産性の向上

場所や時間にとらわれずに働けるので、通勤や移動時間の削減や会議時間の短縮につながります。
企業がテレワークを導入する目的の中でも「勤務者の移動時間の短縮」や「定型的業務の効率性(生産性)の向上」は約半数に上ります。

2) コストの削減

出張にかかる旅費や交通費、オフィスの費用を削減しコストを削減することができます。

3)労働環境の改善

決まった時間に決まった場所で業務を行わなければならないという制約がなくなることで、働きやすくなり働きがいの向上につながります。

>>生産性向上についてはこちら
生産性向上とはどういう意味? 企業が実施できる7 個の対策方法

データで見るメリット

また、数値でもその効果は裏付けられています。

テレワークの導入と一社当たりの労働生産性の推移

総務省が公表する「平成28年通信利用動向調査の結果」ではテレワークを導入している企業は、導入していない企業と比較して一社当たりの労働生産性が約1.6倍となっています。
※労働生産性=(営業利益+人件費+減価償却費)÷従業者数

これは、テレワークの有用性を示す重要な数値と言えるでしょう。

事例で見るテレワークの導入効果

その効果は実際の企業事例で確認することができます。

日本マイクロソフト株式会社では、実際にテレワークを導入することで多くの効果を上げています。
社員がフレキシブルに働くことを目的として2010年に取り組みを始め、2015年までの5年間でワーク・ライフ・バランス満足度は40%、社員一人あたり売上は26%改善され、残業時間は5%、女性離職率も40%削減しました。

日本マイクロソフト「働き方改革」主な成果

▶出典:Work×IT 「日本マイクロソフトが推進する働き方改革の最前線(後編) テクノロジーと商習慣のバランスが取れる、新しいハードワーカーとは」

フェイス トゥ フェイスでコミュニケーションをとることの大切さも理解しながら、各々の働き方の多用さも許容できたことや技術のみならず人事制度を含めた改革を行えたことが、労働生産性を始めとして多くの良い効果をもたらしたと言えます。

企業が感じる効果

企業が感じる効果として真っ先に挙げられるのが、業務効率化による生産性の向上です。

会社で仕事をしていると、ほかの仕事を急に頼まれる、ミーティングに呼ばれるなどして作業を中断せざるを得ない場合が少なくありません。その点、テレワークであれば業務に集中して取り組めるほか、モバイルワークなどで隙間時間を有効活用することもできます。

また、コストが削減できるのも大きなメリットで、テレワークを導入すればそれぞれの従業員に対して個別のスペースを用意する必要がないため、オフィススペースを縮小でき、支給する交通費の額も大幅に減らすことができます。

しかし、会社の立地によっては、豊富な知識や高いスキルを持つ優秀な人材を逃してしまうこともあるかもしれません。
その点、テレワークを導入することで、立地問題はなくなり、結婚や出産、育児、介護などをきっかけとした離職も回避しやすくなります。その結果、企業のイメージアップにもつながるといえます。

さらに、不測の事態への対処がしやすいのもテレワークの大きな特徴です。
大きな地震が起きて交通機関が停止してしまったような場合でも、テレワークを導入することで業務を継続することが可能です。業務への支障を最小限に抑えられるのは、企業にとって大きな安心材料だといえるのではないでしょうか。

従業員が感じる効果

特に東京や大阪を中心とした大都市で働く従業員にとっては、通勤時の精神的・身体的負担は相当なものになります。連日満員電車で通勤することによって、仕事を始める前から疲弊している人は少なくないことでしょう。
その点、テレワークを導入していれば会社以外の場所で仕事ができるため、通勤に伴う負担がなくなります。もちろん、通勤時間を短縮できるのも大きなポイントです。

また、テレワークは育児や介護と仕事を両立させる一助となります。出産や介護などによって、キャリアを中断せざるを得ない状況に追い込まれる女性は少なくありません。
しかし、テレワークが導入されていればスキルや経験を活かしながら無理なく両立して働き続けることができます。本人の人生にとってプラスになるのはもちろんのこと、家計にも大きく貢献することでしょう。

それと同時に、ワーク・ライフ・バランスも実現しやすくなります。テレワークなら自分の時間を確保しやすくなるため、家族と過ごす時間を増やしたり、趣味の時間を楽しんだり、スキルアップなどの自己啓発に取り組んだりできるようになります。ワーク・ライフ・バランスが実現すれば生活がより充実したものとなるため、仕事のパフォーマンス向上も期待できます。

テレワークの導入手順

テレワークの利点について理解したところで、実際に導入するには一体どのような手順で進めればよいのでしょうか?総務省が作成した「情報システム担当者のためのテレワーク導入手順書」をもとに導入手順をご紹介します。

導入目的の明確化

テレワークは企業、従業員の双方にとってメリットのある手法ですが、ただ導入するだけではなく、どのようなメリットを得たいかを考え、導入目的を定めることでよりよいテレワーク体制を整えることができます。導入目的としては以下のようなものがあげられます。

  • ・働き方改革
  • ・生産性の向上
  • ・人材の確保、育成
  • ・事業継続
  • ・コストダウン

導入目的を明確化し、導入そのものが目的とならないように気を付けましょう。

対象範囲の決定

テレワークを導入するにあたって、まずは「対象者」「対象業務」「実施頻度」について決めましょう。今回のような新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急性のある場合を除き、いきなり大幅な改革、変更を伴う導入を行うのではなくできるところから少しずつ導入し、対象範囲を広げていきましょう。

現状の把握

テレワークを実現させるために、現状ではテレワークをするための規則やICT環境は整備されているのか確認し、実現に向けた課題を洗い出す必要があります。主に現状把握するべき項目は以下の6つになります。

①就業規則
始業・終業、給与や手当などを確認し、変更点がある場合は修正を行う。

②テレワーク実施者の労働時間制度
各実施者の労働時間制度を把握する
 
③人事評価制度の確認とテレワーク時の勤怠管理・業務管理の方法
人事評価制度を確認し、各自の労働時間制度やマネジメント方法に対応した勤怠管理、業務管理を行う。

④テレワーク実施に関する申請・承認方法
申請書のテンプレートを作成しメールでの送付、承認を行ったり、スケジュール管理ツールを活用したりすることで申請、承認を行う。

⑤テレワーク実施に関するセキュリティルール
情報やファイルの取り扱い、資料・紙・データの持ち出しの可否と方法などを決定する。

⑥現在のICT環境の確認
現在利用しているICT環境を確認し、規模に合わせて運用しやすい導入方法を検討する。また、テレワーク実施者と職場が円滑に業務を進めるために勤怠管理、業務管理ツールやコミュニケーションツールを導入し、環境を整備する。

導入計画の策定

導入計画を策定することで、導入に向けての工程を明確にし、目標に向けた方向性を見定めましょう。テレワーク導入計画策定の実施スケジュールとして、以下の項目を取り入れるようにしましょう。

  • ・プロジェクト計画書作成
  • ・制度・ルールの確認
  • ・テレワーク環境構築
  • ・テレワーク実施者及びその上司・同僚への研修・セミナーの開催
  • ・テレワーク検証
  • ・実証事業終了後の継続計画の策定・報告

テレワークにおけるルールの共有

テレワークの導入を円滑に進めるためには、テレワークに対する従業員全員の意識を変える必要があります。そのため、テレワーク実施者だけでなく、従業員全員に対して導入教育を行いましょう。
内容としては以下の3つを盛り込みましょう。

  • ①テレワークの目的、必要性を理解する
  • ②テレワーク時の体制について理解する
  • ③テレワーク時のツールを操作できるようにする

テレワークの試行

テレワーク導入後、最初のうちは思うようにツールが操作できない、突発的なイベントと重なってしまうなどの可能性があるため、試行期間として少なくとも3ヶ月~6ヵ月を設定し検証を行いましょう。試行期間中に見えてきた課題、問題点を洗い出し、本格的な導入に向けて適宜修正を行いましょう。

テレワークの評価と改善

導入目的と照らし合わせて評価を行い、効果と課題を明らかにしましょう。例えば、実施頻度として週1日以上を推奨したにもかかわらず、実際には週1日以上テレワークを実施した人がほとんどいなかった場合、うまくいかなかった理由、背景について把握する必要があります。アンケート調査、ヒアリング、グループインタビューなどで量的調査、質的調査の両面で調査を行いましょう。

量的調査
量的調査の項目は、時間やコストなどの量的に評価できるものがあげられます。


▶出典:総務省「情報システム担当者のためのテレワーク導入手順書」

質的調査
質的調査の項目は、時間やコストなどの量的に評価できないパフォーマンスの質などがあげられます。

▶出典:総務省「情報システム担当者のためのテレワーク導入手順書」

テレワーク導入の際の3つのポイント

労務管理方法

テレワーク時でも労働関係法令を遵守することは必要となりますので、テレワーク勤務に関する規程を定めておきましょう。「まいにちdoda」の調査によると、34.2%の人がテレワークによって残業が増えたと感じているそうです。

▶出典:まいにちdoda「リモートワークで残業は増えた? 減った? ビジネスパーソンのはたらき方はどう変わったのか」

テレワークではオフィス勤務と違い勤務状況を簡単に確認できないため、知らないうちに従業員の残業が増えてしまうといったことのないように、テレワークでも従業員の勤務状況を把握できる体制を整えましょう。

セキュリティ

テレワークでは社用のPCや携帯電話などのIT端末がオフィス外に持ち出され、業務にかかわる情報をオフィス外で利用することになります。IT端末の紛失や盗難、通信内容の盗聴などにより業務にかかわる情報、すなわち会社の貴重な情報資産が流出する脅威にさらされやすくなるため、保護すべき情報資産を洗い出しセキュリティ対策を万全にしましょう。

コミュニケーション

オフィスであれば簡単にできる質問でも、テレワークではコミュニケーションをとることが難しくなります。業務を円滑に進めるためにもチャットツールやWeb会議を積極的に利用するなどして、コミュニケーションを積極的にとれるような環境を整えましょう。

テレワークの実態と限界

これまでテレワークの利点について数多く触れてきましたが、そうであれば皆が導入するはずです。

しかし、現状増加傾向であるとはいえ導入率は限定的です。
それはなぜなのでしょうか?

テレワークの現状

先ほど挙げた、総務省が公表した「令和元年通信利用動向調査の結果」の中でテレワーク未導入の企業は全体の約7割以上でした。

中でも導入しなかった理由の約7割が「テレワークに適した仕事がない」という理由を挙げています。
つまり、現状多くの企業がテレワークは必要ないというよりもテレワークの導入に意味を見いだせていないということです。

世界的に見ても日本を含むアジア圏ではテレワークの導入率はかなり低い水準です。

行政を主体としてテレワークの推進を試みる韓国でも導入率は日本と同水準です。
一方で、テレワーク発祥国であり推進国であるアメリカ合衆国では85%の導入率を誇り、勤務の一形態として広く普及しています。

テレワークの限界

また、日本において「テレワーク」を取り入れたとしても、必ずうまくいくわけではないことも事実です。
さらに言えば、テレワークの導入が上手くいく、という前提が崩れると「テレワーク」の豊富なメリットがデメリットにもなりかねません。

例えば、業務が切り分けられていないため確認事項が増える→コミュニケーションコストが発生してしまう→生産性の低下に。といったことです。
こうした、リスクがある以上テレワークを制度上だけ、あるいはツールだけ導入したとしても逆効果になってしまいます。
テレワークを日本で普及させていくことは無謀なことなのでしょうか?
実は、日本でテレワークを導入していくためには重要な考え方があるのです。

テレワーク導入時に立ちはだかる課題

ここまでご紹介したように、テレワークは企業と従業員の双方にとってたくさんのメリットがあり、助成金制度も用意されています。しかし、それでも導入時にはいくつかの課題に直面することになります。
ここでは、テレワーク導入にあたって考えなければいけない問題点についてみていきましょう。

セキュリティ面における課題

テレワークの課題として真っ先に挙げられるのが、セキュリティ面です。特にモバイルワークを行う際には、情報セキュリティの確保が重要な課題になるといえます。不特定多数の人が乗車している電車内などで機密情報が記載されている文書を開くと、どこに情報が洩れるか分かりません。情報漏洩が起きてしまった場合には、顧客を失う可能性はあるのはもちろんのこと、企業としての責任を問われることにもなりかねないでしょう。 そのため、テレワークを導入する際にはあらかじめセキュリティ対策準備をしておく必要があります。アクセス制限を設ける、情報取り扱いルールのマニュアルを作成して従業員に周知するなどの対応をする必要があります。 マニュアルの新規作成や、既存の手順を変更するなど手順書を整備する際、WordやPower pointで作成すると管理が煩雑になってしまいます。マニュアルをどこに格納したか分からない、誰が見たかわからないという状態になり、必ず守って欲しいセキュリティ手順が伝わらない懸念があります。手順書作成やタスク配信のツールを使用するのも検討すると良いでしょう。

コミュニケーション不足

従業員全員が会社に通勤して仕事をしていると、自然とお互いにコミュニケーションを取り、情報を共有することになります。しかし、従業員がテレワークをしている場合には、どうしてもコミュニケーションが不足してしまいがちです。
コミュニケーション不足をカバーするためには、必要な情報を確実に共有できるようにドキュメント化しておく必要があります。属人化している情報を整理して、誰でもアクセスできる状態をつくっておくことが大切です。
また、テレワークの開始に伴って新しく使用するツールや機器がある場合には、使用マニュアルも作成しておく必要があります。

労務(勤怠)管理における課題

テレワークを導入するということは、従業員が管理者の目の届かない場所で仕事をするということです。そのため、労働時間の管理は難しくなります。虚偽申告をする従業員が出てくる可能性も踏まえながら、公平性を保つために適切な労務(勤怠)管理を行う必要があります。
労務(勤怠)管理の方法としてはパソコンの使用時間から始業時間・就業時間を記録するなどの方法がありますが、そのほかにも多くのルールを設ける必要があります。ルールをきちんと明確化し全体に周知することが必要になります。

業務の「切り出し」がテレワークの肝

「そもそも」に立ち返る

日本でテレワークを普及させるカギは、「そもそも」という問いを立てることにありました。

そもそも、日本で中々広まらない「テレワーク」という勤務形態が、アメリカ合衆国ではなぜ勤務のスタンダードと言えるまでに普及しているのでしょうか?それは、アメリカと日本における「雇用形態」の違いに答えがあります。

アメリカはいわゆる「ジョブ型」と言われる雇用形態です。

この雇用形態では「ジョブ・ディスクリプション(職務記述書)」に記載されている職務が人事・賃金制度の判断基軸になっています。これにおいて、個人の仕事と責任の範囲が明確化されているので、主体的に業務が遂行できるのです。
加えて、昇給についても基準に基づいた業績が判断基準になることが多く、勤務場所が人事評定の障壁になりづらいといった背景もあります。
こうしたテレワークと相性の良い雇用形態が、アメリカ合衆国のテレワーク普及を後押ししているといえます。

一方で、日本や韓国で多く見られるのが「メンバーシップ型」の雇用形態です。

この雇用形態では、年功序列や終身雇用を前提としていて、職務範囲を明確には定めず、企業が必要に応じて部署の異動や転勤を命じることができます。これにおいて、個人の仕事の範囲がどこまで及ぶのかがわかりにくいということが言えます。

また、賃金は勤続期間によって賃金が定まるため、勤務時間を測定しづらいテレワークは普及しにくいといえます。
ここからわかることはなんでしょう?

日本では「業務の見える化」がされにくい

それは、テレワークには「業務の見える化」が不可欠だ、ということです。

アメリカの雇用形態と日本の雇用形態を比べた時、その特性上アメリカでは業務が可視化されていて、個人の責任の範囲が明示されていました。

これによって、従業員個人が行う業務内容とプロセスを明確にしたうえで、テレワーク勤務に必要な業務を切り出すことができていた、ということです。

そう考えた時、現在日本でテレワークが普及しないボトルネックを振り返るとわかることがあります。

前章であげた、テレワーク未導入企業がテレワークを導入した理由。その多くは「テレワークに適した仕事がない」という理由でした。

これは果たして本当なのでしょうか?

答えは「No」ということです。

ここで国土交通省が公表した「平成29年度テレワーク人口実態調査」の結果を見て、考察してみましょう。

テレワークの普及度合いと実施実態 (資料)「平成29年度テレワーク人口実態調査」(国土交通省)より作成

業種別にみた場合、テレワーカーは「情報通信業」(33.8%)、「学術研究、専門・技術サービス業」(27.0%)の割合が高く、「医療・福祉」(8.4%)、「宿泊業・飲食業」(7.2%)の割合が低くなっています。

一方、職種別で見た場合、テレワーカーは「管理職」(33.2%)、「営業」(29.2%)、「研究職」(28.7%)の割合が高く、「生産工程従業員」(5.0%)、「運送・清掃・包装従事者」(4.5%)の割合が低くなっています。

この結果では、自己管理的な業務や異動が多い業種・職種ではテレワークの活用が活発で、顧客と直接顔を合わせて業務を行うことが多い業種・職種ではテレワークの活用が進んでいないということがわかります。

ただ、テレワークが全く適用できない業種・職種はないとも考えられます。

現状、日本では業務の可視化があまり進んでいません。
つまり、業務の棚卸しと見える化によるテレワークに適した業務の「切り出し」が十分に行われていない可能性がかなり高いのです。

たとえ顧客と顔を合わせることが主な業務でも、「データの入力」や「資料・情報の収集」などの持ち出し可能な仕事は必ずあるはずです。

この文脈で、日本の企業で言われる「テレワークに適した仕事がない」という言葉は、テレワークに適した仕事を「見つけていない」と読み替えられるでしょう。

個人の業務を細分化してテレワーク可能な仕事を切り出す習慣がつけば、日本でのテレワーク普及率は上昇していくはずです。

テレワークに関する助成金制度


政府が推進しているテレワークは、導入するための助成金制度も整っています。 ここでは、「働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)」と「ふるさとテレワーク推進事業」の2つの助成金制度をご紹介します。

働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)

時間外労働等改善助成金(テレワークコース)は、労働時間等の設定の改善及び仕事と生活の、調和の推進のために在宅勤務、あるいはサテライトオフィスでのテレワークの導入に取り組む中小企業を対象とした助成金制度です。 なお労働時間等の設定の改善とは、労働時間や年次有給休暇に関する規定を多様な働き方に対応したものにすることをいいます。 中小企業にとって、テレワーク導入への大きな後押しになるといえるでしょう。

ふるさとテレワーク推進事業

ふるさとテレワーク推進事業は、地方のサテライトオフィスなどで都市部の仕事を行う働き方を支援する事業です。

現在は東京などの大都市に人口が集中していますが、地方からのテレワークを可能にすることによって、地方創生の実現が期待されています。
さらに地方でのテレワークによって柔軟な働き方が可能になれば、親の介護などを理由とした離職の回避にもつながるといえるでしょう。

業務の見える化=マニュアル化が有効

日本において、テレワーク導入の金科玉条は業務の「見える化」でした。
しかし、日本の雇用形態の特徴として業務の棚卸しと細分化ができていないということでした。

ここで、有効なのが「マニュアル化」です。
それは、マニュアルを作成すること自体が業務内容・プロセスの明確化に他ならないからです。

ただ、「どんな業務をするのか」業務内容を定義し、「どう業務を進めるのか」業務手順を可視化することを1からやろうとするのはかなり根気がいることです。

最近では、こうした煩雑なマニュアル化の工程をクラウド上のプラットフォームで作成し、配信や更新管理できるサービスが登場しています。

『Teachme Biz(ティーチミー・ビズ)』もその一つで、業務の定義や細分化を手助けしたうえで業務の担当者がスムーズにマニュアルを作成できます。
その上で、スマートフォンやタブレットで管理することができるためテレワークとも相性の良いサービスです。

テレワークを導入される際は、「そもそも」どんな業務を行っているのかを明確にしたうえで、マニュアル化することを心掛けてみてはいかがでしょうか?

クラウド型マニュアル作成・共有ツール資料はこちら

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