働き方改革とはなにかを簡単にご紹介!働き方改革の推進に必要なこととは?

最終更新日: 2022.06.17 公開日: 2019.11.18

働き方改革関連法案が施行されましたが、一体どのようなものなのか理解できていない方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、働き方改革とはなにかを簡単に説明しつつ、働き方改革の推進に必要なことやツールについても紹介をしていきます。

働き方改革について興味があるけれど、難しそうなのでよくわからないという方のために、制度の目的や背景、意義についてまで簡単に解説していますので、ぜひ参考にしてください。

働き方改革とは簡単に言うとどのような改革?

働き方改革という言葉はなんとなく聞いたことあるけれど、具体的にどのような改革なのと問われたら説明できないという方が多いのではないのでしょうか。まずは、働き方改革についてできるだけ簡単に紹介していきます。

働き方改革の必要性が叫ばれはじめた背景や、関連法案の施行時期についても解説をしています。働き方改革がよくわからないという方は参考にしてみてください。

働き方改革の目的と背景

働き方改革とは簡単にいうと、一億総活躍社会を実現に向けた労働環境改善のための一連の施策です。以下で働き方改革の目的と背景について詳しく解説をしていきましょう。

現在、日本の15~64才の労働力人口(生産年齢人口)は、少子高齢化の影響で減少しています。特に問題なのは、これが総人口の減少を上回るペースで進んでいるということです。

2013年時点での日本の総人口は約1億2,730万人ですが、現在のペースのまま減少していけば、2050年までには9,000万人、さらに2105年には4,500万人と減少の一途をたどることが予想されています。

これに対して労働力人口は、2013年には約8,000万人ですが、2051年には5,000万人にまで減少すると予想されているのです。労働力人口の減少の何が問題かといえば、国全体の生産力や成長力の低下が起こるという点にあります。

結果として格差の固定化が進み、世界中が経済発展をする中、日本だけは経済発展することができず取り残されていく可能性が非常に高くなります。

働き方改革はこうした事態を防ぐためのものです。つまり、総人口が減少して少なくなった労働力人口でも効率よく日本の経済を回していくための改革といえます。

働き方改革はいつから施行されるのか

働き方改革関連法案はすでに成立しており、2019年4月から「残業時間の上限規制」、「有給休暇取得の義務化」、「勤務間インターバル制度の普及推進」、「産業医機能強化」、「高度プロフェッショナル制度の創設」、「フレックスタイム制の改訂による清算期間の延長」がといった内容が順次施行されています。

2020年4月には、大企業において「同一労働同一賃金の義務化」が開始される予定です(中小企業の場合は2021年4月から)。さらに、2023年4月からは「中小企業の時間外割増率猶予措置の廃止」が行われます。

ちなみに働き方改革関連法案は、「労働基準法」、「労働安全衛生法」、「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法」、「じん肺法」、「雇用対策法」、「労働契約法」、「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」という8つの法律からなります。

働き方改革による改革①:労働の効率化を目指す

昭和の時代には美徳とされた「モーレツ社員」という考え方があります。「24時間戦えますか」という栄養ドリンクのCMソングもありましたが、同じ成果を出していたとしても、長時間働く社員のほうが、短時間働く社員より評価されることもあったのです。

合理的に考えれば後者の社員の方が生産性は高く優秀なのですが、長時間働くという理由だけで、前者が評価されていました。

こうした長時間労働に対する信仰は世界から見ればおかしなものであり、OECD加盟国で日本の労働生産性は35ヵ国中22位、主要7ヵ国の中では最下位でした。

働き方改革においては、労働の効率化をすることで生産性向上を行うと同時に、「労働時間の上限規制」にて36協定の特別条項を見直しています。従来は実質的に制限がなかった残業時間の上限を「年間720時間、月100時間未満、複数月80時間」と制定したのです。

働き方改革による改革②:労働の多様性を確保する

従来の考え方では、毎日同じ時間にオフィスへ出社して、定時まで働き帰るというのが一般的でした。しかし、働き方改革では、「高度プロフェッショナル制度の創設」や「フレックスタイム制の改訂による清算期間の延長」により、労働時間を柔軟に設定できるようにしています。

また、働き方の多様性の確保を目的として、毎日会社へ出社することなく在宅で仕事のできる「在宅ワーク」や「テレワーク」の導入も進められているのです。これにより毎日オフィスへ出社することが難しい育児中の女性の労働を促すと同時に、出生率も上げようと考えています。

さらに、今までは禁止している会社が多かった「複業・兼業」など、多様な働き方を選ぶことができるように働きかけているのです。

働き方改革による改革③:長期間社会で活躍できる環境づくり

働き方改革においては、労働力人口を増やすという目的で、外国人の受け入れを積極的に行っています。また長期間社会で活躍できる環境づくりとして、定年を迎えたけれど、まだまだ働くことのできる元気な高齢者の再雇用も推進しているのもポイントです。

長期間社会で活躍できる環境づくりは高齢者のみならず女性をも対象にしています。従来の働き方では、女性がキャリア形成をするためには、出産と育児を諦めるケースも多くありました。その結果として、女性の社会進出の高まりにあわせて出生率の低下が生じている可能性が指摘されています。

働き方改革では、「在宅ワーク」や「テレワーク」、「同一労働同一賃金」の導入を進めることにより、女性のキャリア形成が出産や育児で途切れないようにすると同時に、一旦職を離れても社会復帰が容易になるような施策を行っています。

働き方改革でなにが変わるの?

次に、働き方改革によって何が変わるのか、わかりやすく具体的に説明をしていきます。働き方改革は自分には関係ないかもしれないと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。働き方改革は働く人の立場、視点で取り組まれるものですから、誰しも何かしら関係がある可能性は高いでしょう。

テレワーク(モバイル勤務)の普及推進

従来の考え方では、仕事はオフィスで行うものでした。そのため、毎日オフィスへ出社する必要があったわけです。テレワーク(モバイル勤務)を導入することで、オフィスという場所に縛られることなく、どこでも仕事をできるようになります。

結果としてオフィスへ通勤するための移動時間やコストを削減することができ、肉体的・精神的負担が減ることで生産性の向上にもつながります。

時短勤務制度や育児・介護休暇制度の整備

通常8~17時まで勤務しなければならないところを、8~15時までといったように調整する時短勤務制度や育児・介護休暇制度は、すでに導入している企業も多くありますが、今後はさらに制度の拡充が進むことが予想されます。

現状では育児休暇や介護休暇を取得するのは圧倒的に女性が多くなりますが、男性もこうした制度を利用しやすくしたり、時短勤務の時間を午前中だけにするなど柔軟に設定できるようになったりと、より制度が整備されていくでしょう。

フレックスタイム制の導入

フレックスタイム制は働き方改革が推し進められる前から採用している企業も多いでしょう。現状のフレックスタイム制は1か月の範囲内で始業時間と終業時間を柔軟に変更できますが、働き方改革ではこの期間が3か月へと延長されます。

たとえば、9時~18時までが就業時間の場合、フレックスタイム制を採用していれば1時間早く出社すれば17時には帰宅できます。また、1時間残業した場合、翌日は1時間早く帰ることができるといった運用が可能な制度です。

非正規社員と正社員の格差是正

日本の非正規社員の賃金は、正社員の自給換算賃金の約6割です。欧米ではこれが8割といわれているので、日本における非正規社員と正社員の格差はかなり激しいと言わざるを得ません。

非正規社員の待遇改善に向け、2020年4月には、大企業で「同一労働同一賃金の義務化」が開始されます。中小企業の場合は2021年4月から開始です。

同一労働同一賃金とは、労働により同じ付加価値をもたらす人には同額の賃金を支払うべきという考え方です。たとえば、非正規雇用のベテラン社員が、新卒採用の正社員よりも賃金が格段に安いといった場合は是正しなければならないと検討されています。

長時間労働を改善する36協定の見直し

36協定とは、休日労働を行わせる際には必ず結ばなければならない協定です。労働基準法第36条に基づくことからこう呼ぼれます。

本来36協定では、1か月45時間、1年間360時間までしか残業を認めていないのですが、「特別条項」を加えることで、実質無限に労働時間を延長することが可能でした。

しかし、働き方改革関連法案が2019年4月に施行され、時間外労働の上限規制が設けられました。これにより、年間720時間、単月100時間未満(休日労働を含む)、2か月~6か月での平均80時間(休日労働を含む)が残業時間の上限となったのです。

また、繁忙期の規定として月45時間(もしくは42時間)を超えていい回数は、年6回までとなりました。

高齢者の雇用を促進しシルバーパワーを活用する

現在、高齢者の半数以上が65歳以上でも働きたいと考えていますが、実際に65歳以上で働いている人は全体の2割程度です。

労働力人口は減少の一途を辿っていますが、老年人口に関しては、2040年には約4,000万人前後となります。働き方改革では、継続雇用延長・定年延長の支援を行うことにあわせて、高齢者のマッチング支援を行うことが検討されているのです。

高齢者の雇用を促進して、元気な高齢者の力(シルバーパワー)を活用することで減少している労働力人口を増やしていけると期待されています。

なぜ働き方改革に失敗する?企業が陥る2つの失敗要因

企業で働き方改革に取り組んだ際には失敗することもありますが、そこには共通する理由があります。たとえば、単純に「育児休暇」、「短時間勤務制度」、「フレックスタイム制度」などの勤務時間を短くする施策をとっただけでは失敗する可能性があるでしょう。

ここでは、働き方改革が失敗する2つの要因について解説していきます。

残業時間を設けただけだった

働き方改革として、単純に「育児休暇」、「短時間勤務制度」、「フレックスタイム制度」を導入し労働時間を短くする施策をとった結果、逆に残業時間が増えるということがあります。

単純に労働時間を短くしたとしても、社員一人に与えられた仕事量は変わりません。きちんと現状把握をしないと、早く家に帰ることはできても家で仕事を行う、翌朝早く出社して仕事を終わらせるという悪循環が生まれることもあります。

現在無駄な仕事をしていないか、その仕事にかかる時間はもっと短縮できないかなど、業務効率化のための改善をした上で労働時間を短くする施策に取り組む必要があるといえるでしょう。

チーム間の連携が悪くなった

チームを組むメリットは、チーム内で分担をすることで業務をスムーズに進めることができ、生産性の向上が見込める点です。しかし、時短勤務制度やフレックスタイム制の導入によって仕事が属人的になった結果、チーム間の連携が悪くなるという失敗事例もあります。

仕事の属人化とは、ある業務を特定の人が担当していたために、その人がいなくなると業務をどのように進めればいいのかがわからない状態になることです。こうした事態を防ぐためには、マニュアルを作り業務を標準化することが重要といえるでしょう。

働き方改革での重要な鍵が「生産性の向上」

働き方改革で重要になるのが「生産性の向上」です。前述した失敗事例からわかるように、単純に勤務時間を短くしても失敗する可能性は高くなります。仕事をする量が変わっていなければ、勤務時間が短くなったところで、結局どこかで残業して終わらなかった仕事をしなければならなくなってしまうでしょう。

ここからは、働き方改革の鍵を握る生産性の向上について解説していきます。

生産性の向上とは

生産性の向上とは、一言でいえば「保有する資源を最大限に活用して、最小限の投資で最大の成果を生み出すこと」です。

生産性の向上は業務効率化と混同されてしまいますが、業務効率化は業務の「無駄・無理・ムラ」を省くことで、時間的・費用的なコストの削減を目指すものであり、生産性の向上のひとつの手段といえるでしょう。

生産性向上のメリット

生産性のメリットとしては、「企業の利益拡大」、「社員の給料の上昇要因」、「社員に余暇が生まれる」の3つが挙げられます。

少ない投資で大きなリターンを得ることができれば、利益も大きくなります。企業が増益すれば給料として社員に還元される可能性も高くなるでしょう。

また、従来の方法では10時間必要とする仕事が、生産性の向上によって3時間で済むようになれば、残りの7時間を違う仕事に充てたり、休暇にしたりでき、社員のワークライフバランス改善にもつながります。

生産性を向上させるための方法とは

生産性を向上させる方法はいくつかありますが、まずは「業務の見える化」が挙げられます。
やみくもに生産性を向上させようとしても、現状を把握して改善点やゴールを設定しないと思うような成果は期待できません。現在の業務を可視化することで、課題やボトルネックを発見して、生産性向上に向けた道筋を立てることが重要です。

業務効率化という意味では、業務の標準化や従業員のスキルアップも欠かせません。そのために必要になってくるのが「マニュアル作成」です。マニュアルによって業務の正しい手順を全社員が共有することで業務効率化に役立つだけでなく、仕事の属人化を防ぐ効果も期待できます。

「Teachme Biz」が働き方改革におすすめの理由

Teachme Biz」は、時間や場所を問わずマニュアルの作成、閲覧ができるクラウド型マニュアル作成ツールです。画像、動画、テキストを活用した「ビジュアルSOP(Standard Operating Procedures=標準作業手順書)」により、文字ベースのマニュアルよりわかりやすく作業手順を明確に定義できます。作成したデータの共有、管理も容易です。

ここでは、「Teachme Biz」が働き方改革において有用である理由をご説明します。

資料のクラウド化でどこからでもアクセス可能

「Teachme Biz」は資料をクラウド化することが可能です。どこからでも作成したデータにアクセスできるので、フレックスタイム制や時短勤務制度を利用する場合でもチームメンバーとの情報共有が容易になります。

自身が在宅ワーク、テレワークをする場合でも、資料がクラウド化されていれば仕事の属人化を防ぐことができます。オフィスにいるメンバーとの連携が悪くなることもないため、生産性向上につながるでしょう。

言語問題を改善してトレーニング費用を削減

働き方改革では外国人労働者の受け入れも進められています。外国人と仕事をする上では言語の問題が存在するでしょう。「Teachme Biz」は、画像や動画で視覚的にマニュアルや手順書を作成できるだけでなく、多様な言語を併記することも可能です。

外国人労働者でも現場で簡単に正しいマニュアルや作業手順を確認できるため、日本人社員が外国語をトレーニングするコストを削減することにもつながります。

資料の作成時間削減

「Teachme Biz」はマニュアルや指示書作成も容易なので、マニュアルを作る側の負担を軽減できるのもメリットです。写真や動画を撮影しながら編集もできる「Teachme Biz」を活用することにより、導入前には1つの業務の手順書作成に1日を費やしていたという企業も、30分程度で作成が可能になったという事例もあるのです。

「Teachme Biz」では社員の業務をスムーズに進行させられるだけでなく、無駄なコストを削減することで、生産性の向上につながります。

「従業員ごとのスキルに差があり業務に無駄が多い」「紙ベースのマニュアルは膨大な手間がかかる割に機能していない」、「そもそもマニュアルを作成する時間が取れない」といったことでお悩みなら、ぜひ「Teachme Biz」を活用した業務効率化のためのマニュアル作成を検討してみてください。

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