ペーパーレス化の方法や使うツールとは? 成功事例もご紹介

最終更新日: 2023.01.16 公開日: 2020.03.27

ペーパーレス化が必要な理由と推進方法

近年、多くの企業が在宅勤務やテレワークを推進している中、注目されているのがペーパーレス化――すなわち、場所を問わずアクセスできる、デジタル化された資料の管理体制です。

クラウドサービスの普及によって、以前よりもペーパーレス化を推進するための環境が整備されてきており、オフィスのペーパーレス化が進んでいる企業も増加しています。

本記事では、ペーパーレス化の必要性を改めて振り返り、ペーパーレス化のポイントやメリット、便利なツールをご紹介します。


ペーパーレス

目次

ペーパーレス化とは

ペーパーレスとは、文字通り「紙をなくすこと」という意味合いの言葉です。「ペーパーレス化」といえば、これまで紙で取り扱っていた書類などを電子化する活動を指します。

    <ペーパーレス化の例>

  • 見積もりや請求書送付などをオンラインのみで完結
  • 会議資料は印刷せず、PPTやPDFを各自の端末で閲覧
  • パンフレット、カタログ資料などの営業ツールをデータ化
  • 業務マニュアルをクラウドで運用

ペーパーレス化の現状

ペーパーレス化の現状を知るため、ペーパーロジック株式会社が実施した調査の結果を見てみましょう。同社では、2021年12月13日から同月15日までのあいだに「ペーパーレス化に伴う2022年度予算」に関する調査を実施しました。なお、同調査は東京都内に本社を構える企業の経営者や役員105名を対象にしています。

この調査によれば、2021年に社内でペーパーレスを推進した企業は72.3%との結果になりました。「2021年にペーパーレスの推進を実施したか」との問いに対し、31.3%が「積極的に行った」、41%が「ある程度行った」と回答しています。

実に多くの企業がペーパーレス化への取り組みを加速化させている一方で、新たな問題が発生している企業も増えています。同調査では、「現在社内におけるペーパーレスは課題になっていると感じるか」との問いに対し、31.4%が「非常に感じる」、46.7%が「少し感じる」と回答しており、およそ8割もの企業がペーパーレスに課題を感じていることが分かりました。

さらに、「どのような場面で課題を感じるか」との問いには、「紙より無駄なコストが発生している」が59.8%、「業務が非効率になっている」が50%、「セキュリティリスクの懸念」が35.4%となっています。

このように、多くの企業がペーパーレス化へ取り組み始めている一方で、課題の発生に頭を悩ませる企業も多いことが調査の結果から分かりました。

参照:「ペーパーレス化に伴う2022年度予算」に関する調査

ペーパーレス化の推進がうまくいかない理由

ペーパーレス化の推進がうまくいかない理由としては、まず導入コストが挙げられます。また、電子化やオペレーションの変更に対する抵抗や、システム障害への懸念によってペーパーレス化が阻害されるケースも少なくありません。

導入コストがかかる

ペーパーレス化には、さまざまな機器やツールの導入が必要です。PCやタブレット端末などのデバイスをはじめ、サーバーのセキュリティ対策、クラウドサービスの導入などの費用が発生します

このように、さまざまなコストが発生することでペーパーレス化が妨げられてしまうのです。低コストで実現できるのならまだしも、ペーパーレス化には多額のコストが生じます。そのため、ペーパーレス化を進めたいと考えてはいるものの投入できる資金がなく現実的には難しい、といった企業が少なくありません。

導入コストを抑えたい場合、IT機器の導入やデジタル化に関連する補助金の利用を検討してみましょう。国や自治体が、企業のIT化やデジタル化を促進するための補助金を用意しています。要件を満たせば補助金を利用できるため、導入コストの抑制につながります。

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作業の流れが変わることへの抵抗感

ペーパーレス化に伴う電子化やオペレーション変更に対して従業員が抵抗感を抱くために、移行が進まないパターンもあります。特に、これまで長く紙媒体を用いたアナログな手法で業務に携わってきた従業員であれば、電子化やオペレーション変更に抵抗を抱いても不思議ではありません。

このような従業員が多いと、ペーパーレスの推進はうまく進まないでしょう。無理に取り組みを進めようとした場合、抵抗感をもつ従業員からの強い反感を買う恐れがあります。組織に亀裂を生み、業務に支障をきたす懸念もあるため、強引に取り組みを進めるのはおすすめしません。ペーパーレス化の必要性や、業務にどのようなメリットがあるのかなどをきちんと説明したうえで、理解を得ることが大切です。

システム障害やセキュリティへの不安

ペーパーレス環境では、さまざまなIT機器やツール、サービスを利用するため、システム障害への懸念をもつ従業員も少なくないでしょう。組織の役員や多くの従業員が、システム障害やハッキング、情報漏洩などのリスクに懸念を抱いている場合、ペーパーレス化を進めるのは難しいかもしれません。

実際、上記のようなリスクが生まれる可能性は十分あります。万が一、ハッキングを受けて重要な情報が外部に漏れたとなると、企業としての信頼も失いかねません。ただし、これらの懸念は解決できます。たとえば、「電子データと紙媒体を併用して保管する」「障害時の復旧対策を万全にする」「強固なセキュリティ環境を構築する」といった対策を取ることでリスクを軽減できます。

ペーパーレス化が求められる理由

これまでビジネスにおいて紙は欠かせない存在でしたが、テクノロジーの進化によって徐々にデジタルへの移行が進められるようになっています。ではなぜ、昨今はペーパーレス化がしきりに叫ばれているのでしょうか。大きな理由は以下の4つです。

  • 生産性向上のため
  • 環境保全につながるため
  • 国が推進しているプロジェクトのため
  • 働き方改革推進につながるため

生産性向上のため

ペーパーレスを進めるべき理由として、生産性の向上が挙げられます。著しい進歩を見せるテクノロジーに追いつきビジネスへ活かすには、生産性を高めなくてはなりません。いまだに紙ベースで業務を遂行している状態では、業務効率と生産性の低下を招きます。

また、少子高齢化に伴い、労働人口は今後ますます減少すると考えられています。企業の人材獲得はより難しくなり、限られたリソースを活用して利益を生み出さなくてはなりません。そのためには、効率よく業務を遂行できる環境や体制の構築が必須です。

ペーパーレス化を成功させれば、従来の業務で発生していた無駄を省けるため、効率よく業務に取り組める環境が整い、結果的に生産性が高まります

環境保全のため

ペーパーレス化を進めるべき2つ目の理由は、環境保全のためです。紙をつくるためには原料となる木が必要であり、日々多くの森林から木が伐採されています。つまり、紙を使い続ける限り地球上のどこかで木が伐採され、自然破壊が続きます。

ペーパーレス化に取り組み、紙の使用をなくす、または少なくすることによって環境保全が可能です。紙の使用が少なくなれば、原料となる木を大量に伐採する必要がなくなり、自然の森をのちの時代へと残せます。子どもや孫の世代に破壊された地球を引き継がせないためにも、真剣に環境保全へ取り組まなくてはなりません。

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国による働き方改革やDX推進政策のため

国の主導で始まった働き方改革には、3つの柱があります。それが、長時間労働の解消と社員の格差是正、高齢者の就労促進です。日本の少子高齢化は著しく、将来的に深刻な労働力不足に陥る懸念があります。労働力不足を解消するための取り組みが働き方改革であり、それを実現するには、長時間労働の解消や高齢者の就労促進などを進めなくてはなりません。

ペーパーレス化に成功すれば、紙の資料を作成する、書類を使って稟議するといったことがなくなり、業務効率化が実現します。業務を効率よく遂行できる環境が整えば、従業員の業務時間短縮につながり、残業の削減ひいては長時間労働の解消にもつながります。

効率よく働ける労働環境が整備されれば、人材の確保もしやすくなるでしょう。リモートワークにも対応すれば遠方の方を採用でき、幅広く人材を確保できます。

働き方改革やDXの実現にはペーパーレス化が不可欠です。「e-文書法」や「電子帳簿保存法」といった法律の制定・改正も、ペーパーレス化による働き方改革やDXの実現に向けたものと考えられます。

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ビジネスにおけるペーパーレス化のメリット

上記で紹介した生産性の向上や働き方改革にも関連して、実際の業務の中でペーパーレス化を行うメリットをより具体的にご紹介します。

業務の効率化

デジタルデータとして保存された資料は、紙媒体と異なり検索・閲覧が簡単です。また情報の共有も、デジタルデータならばメールやチャットツールを介することで容易に行えます。
特に近年はクラウドストレージを利用することで、アクセスする場所や端末を選ばずに、いつでも同じ環境を利用できるようにもなりました。外出先や自宅からでも資料を閲覧しダウンロードできるようにすれば、より一層業務の効率化を進められます

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多様な働き方への対応

ペーパーレス化が進んでいれば、企業が在宅勤務を導入するのは比較的容易です。自宅でも外出先でも社内と同じ環境で働ければ、より柔軟な人員配置も可能でしょう。

逆に、資料がほとんど紙媒体という状態では、従業員は社外で満足な仕事ができません。「紙の書類に判子を押す」という行為もテレワークを阻害してしまうため、現在はペーパーレス化とともに脱はんこ化が叫ばれています。

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コストの削減

ペーパーレス化によって、印刷コストや保管コストが削減できます。例えば、A4サイズのモノクロコピー1枚あたり3円のコストがかかりますから、マニュアル全てで1,000ページ、店舗が100店舗あれば、合計で30万円ものコストカットになります。

会議の資料などもペーパーレス化すればさらなるコストカットが見込めるでしょう。従来は紙で郵送していた書類を電子化すると、郵送費も削減できます

セキュリティ面の強化

紙で書類を保管しようとすると、資料保護のためのスペースや警備会社への依頼コストが発生しがちです。かといって誰でも閲覧できる場所に紙の資料を放置してしまうと情報漏洩のリスクが高まるうえ、破損・紛失することもあるでしょう。

一方、デジタルデータで保存されている資料ならば資料ごとにアクセス権限をかけることも可能なため、セキュリティを担保した情報管理が非常に容易です。紙媒体と異なり、破れたり汚れたりすることもありません。

特に企業が作成する資料には、法定保存期間に則り長期保存をしなければいけないものが多く、中には永久保存や30年間保存しなければならない資料なども存在します。こういった重要な書類こそ、セキュリティ面でも保存面でも安心できるデジタル媒体にするべきです。

バックアップやアップデートが容易

資料のデジタル化は、有事のためのバックアップを保持し、資料を更新する際の負担を軽減する点でもメリットがあります。紙媒体は万が一火事などで焼失すれば、失われた書類を復元することはほぼ不可能です。しかしデジタル化した資料をクラウド上に保存していれば、バックアップから容易に復元できます

またマニュアルなどは改定を重ね日々アップデートをしていくものですが、紙のマニュアルを使用していた場合、検索・作成・編集・管理全てに多大な工数がかかります。こういった資料のアップデートにおいても、ペーパーレス化は非常に有益です。

ビジネスにおけるペーパーレス化のデメリット

さまざまなメリットが得られるペーパーレス化ですが、いくつかのデメリットがあることも覚えておく必要があります。従来の使い慣れた紙に対する優位性が実感できない場合、導入が失敗してしまう恐れがあるのです。

無差別なペーパーレス化は逆効果になる

ペーパーレス化は「組織を一つ上のステージに押し上げ、より高いビジネス目標の達成を可能にすること」という「目的」を達成するための「手段」でしかありません。そこを履き違え無差別に紙を削減してしまうと、足下の作業効率が大幅にダウンし、本末転倒です。

  • 書き込みし易い、記憶に残りやすいなど、紙媒体の良さも把握しておく
  • 電子媒体にすることでメリットがあるもののみをペーパーレス化する
  • 紙媒体の資料なども利用しやすい環境で、セキュリティに注意して保管する

上記を踏まえずに電子化し、「紙のほうが便利だった」あるいは「紙がなくて困った」という状況になると、ペーパーレス化は浸透せず、結局元の状態に戻ってしまうこともあります。

ペーパーレス化の目的や意義の周知が必要になる

オフィスでの運用に関わる施策は、従業員全員の理解を得て合意形成を行うことが重要です。当然ペーパーレス化でも以下のような内容をしっかり周知し、従業員の理解と協力が得られる環境作りが重要です。

  • 会社としてのペーパーレス化の必要性と目的
  • 従業員にとってのメリット
  • ペーパーレス化の具体的方法

もしペーパーレス化を推進するチームが周知を蔑ろにしてしまえば、「彼らは何が目的なのだろう」「現状のままでも何か不都合があるのか」と周囲は感じてしまうでしょう。その結果、ペーパーレス化が中途半端に頓挫してしまったり、結局紙の資料が使われたりすることになってしまいます。

従業員のITリテラシーに歩調を合わせる必要がある

せっかくペーパーレス化をするためにツールの導入などを進めても、使いこなせないのであれば却って不便です。また単に不便に感じるだけならまだしも、使用者のセキュリティ意識が欠けていれば取り返しのつかない事態を招くこともあるでしょう。

特に注視すべきは、デジタルネイティブではないシニア世代の従業員と、導入を決定する経営者や管理職自身です。上の世代がペーパーレス化やそのためのツールの有用性を理解して使いこなさなければ、社内浸透にはなかなか至りません。従業員ごとに異なるITリテラシーの度合いを測り、ペーパーレス化の推進と同時並行して教育を行う必要があります。

端末や通信環境に左右されやすい

ペーパーレス化の実現によって、PCやタブレット端末などで電子化したデータを閲覧できるようになります。一方で、デジタルデバイスでは端末によっては紙資料のように複数のページを同時に閲覧できなかったり、目的のページへ一気に飛べなかったりすることも起こります。

例えば、「作業手順書の5ページと10ページを見比べたい」「資料を行き来しつつ閲覧したい」といったケースがあるとします。このような場合、紙媒体であれば大して難しい作業ではありませんが、デジタルデータでは難しい可能性があります。
また、文字の大きさはデバイスの画面に依存するケースが多く、見にくくなる懸念もあります。文字を拡大できる機能があれば問題なさそうですが、今度はページ全体が見にくくなってしまいます。

さらに、オンラインでデータをやり取りするため、通信環境によって操作の快適性が左右されやすいことも覚えておきましょう。データが送れず業務に支障をきたす恐れもあるため、安定した通信環境の構築が求められます

直感的なメモや書き込みがしにくい

紙の資料であれば、そのとき感じたことや必要なことをメモとして書き留められます。会議のときに書き込んだメモをあとから振り返る、といったことも容易です。一方、デジタルデータの形式によっては気軽に書き込みができないため、不便さを感じることもあるでしょう。

そのため、資料はタブレット端末などのデバイスで閲覧しつつ、別途用意したメモ帳に書き込む、といったことが必要になるケースも考えられます。従業員にとっては余計な持ち物が増えるため、不満を募らせる恐れもあるでしょう。

ペーパーレス化ができる書類とできない書類

ペーパーレス化への取り組みを始めるにあたっては、電子保存できるものとそうでないものをきちんと把握しておかねばなりません。ペーパーレス化といっても、すべての文書を電子化できるわけではなく、e-文書法や電子帳簿保存法などの法律にしたがって取り組む必要があります。

ペーパーレス化できる書類

ペーパーレス化が可能な書類には、帳簿や決算書類といった国税関係書類が挙げられます。また、社内のミーティングなどで使用する会議資料をはじめ、パンフレットやカタログといった販促活動に用いる書類のペーパーレス化も可能です。

国税関係書類

会社の資産や負債、収益など、企業活動で発生した取引を記録する総勘定元帳をはじめ、現金出納帳や仕入台帳、売上台帳といった帳簿書類は電子保存が可能です。また、企業が調達した資金の使い道や財務状況を記した貸借対照表、会社の利益を記した損益計算書などの決算書類も電子化できます。

証憑書類も、法律で電子化が認められています。証憑書類とは、取引を証明する書類のことです。たとえば、商品を納入したことを証明する納品書や、契約の締結を示す契約書などのほか、給料の支払明細書や出勤簿、賃貸借契約書などが該当します。

会議資料

会議資料の電子化も可能です。企業によっては、会議のたびに紙の資料を印刷して参加者に配布しているケースも少なくないでしょう。このようなケースでは、毎回資料の作成や印刷、配布などの手間やコストが発生します。

会議資料の電子化によって、資料を印刷する手間やコストの削減が可能です。たとえば、パソコン上で作成した資料のデータをタブレット端末などで共有できれば、わざわざ紙に印刷して配布する必要がありません。

用紙やインク代、印刷にかかる電気代などの削減につながるほか、手間を省けるため人的コストも削減できます。ペーパーレスで会議を開催できる環境が整えば、わざわざ会議のたびに会議室へ移動する必要がなくなり、個々のデスクからオンラインで会議に参加できるのもメリットです。

販促物・パンフレット・カタログ

営業活動で使用する資料やチラシといった販促物、パンフレット、カタログなどの電子化も可能です。これらの書類を電子化できれば、印刷の手間がなくなり、リソースをより有効に活用できます。

また、業務効率化につながるのもメリットです。たとえば、紙でチラシを作成した際、内容に誤りがあったとしましょう。このケースでは、データに修正を加えたうえで印刷をし直さなければなりません。一方、電子データであれば端末上で容易に修正でき、すぐ公開できます。

大幅なコストダウンを見込めるのもメリットです。チラシやカタログなどを定期的かつ大量に作成するとなれば、相当なコストがかかります。作成する手間や用紙代、印刷代などがかかりますが、電子データであればこれらのコストを削減できます。

ペーパーレス化できない書類

法律により電子保存が認められていない書類があるため、覚えておきましょう。電子保存が認められない文書に関しては、従来通り紙媒体で保管しなくてはなりません。

ペーパーレス化できない書類としては、許可証や免許証のように現物を保有、携帯することで効果を発揮する文書が挙げられます。また、船舶に常備する手引書など、緊急時の閲覧を要する文書などはペーパーレス化ができません。
なお、e-文書法には罰則規定が設けられていないため、違反したとしても罰則を受けることはありません。ただ、e-文書法の要件を満たさない電子文書は認められないため注意が必要です。

ペーパーレス化の進め方

ペーパーレス化をスムーズに進めるには、経営層や従業員に必要性やメリットなどの理解を得た上で協力してもらえる体制を整える必要があります。また、「資料を使いやすいよう整頓する」「段階的に取り組みを進める」「リスクへの備えを万全にする」といったことも大切です。

1.経営層にペーパーレス化の目的を伝え、必要性を理解してもらう

そもそも会社としてどういった課題があり、それを解決するためになぜペーパーレス化という手段を用いるのかを経営層に伝えましょう。ペーパーレス化は日頃の業務そのものを変えることであり、経営層の許可なしには進められません。ペーパーレス化を成し遂げることで具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのか、計画推進の上で障害となりそうなものは何かを整理しましょう。

2.従業員の理解を得て、ペーパーレス化に協力してもらえる体制を整える

ペーパーレス化の取り組みを支えるのもペーパーレス化がなされた環境で働くのも、従業員です。現場は普段の自分たちの仕事の進め方に慣れていますから、それを少しでも変化させるのは大きな負荷がかかります。ペーパーレス化を社内全体で推進していくためには、現場の声を聞きながらペーパーレス化の目的と意義を従業員全員で共有し、理解しましょう

3.社内の資料を「整理」し、資料を利用しやすいように「整頓」する

社内で保管しているさまざまな文書を整理しましょう。必要なものとそうでないものに仕分けし、さらに電子化できるものと紙のまま保管するものとに分類します。

書類の整理ができたら、使いやすい状態へと整頓をしましょう。カテゴライズや保管場所、方法などを考えます。整頓時に重要となるのは、必要なときに求める文書をすぐ取り出せるかどうかです。

4.段階的にペーパーレス化を実践する

最初から組織全体で一斉にペーパーレス化を進めることはおすすめできません。オペレーションが大幅に変わることで業務に支障をきたす恐れがあります。現場が混乱し、従業員の反感も招きかねません。

ペーパーレス化を進める目的は、業務効率化や生産性の向上であるにもかかわらず、現場の混乱や従業員の反感を招いて業務に支障をきたすようでは本末転倒です。ペーパーレスを実現するには、従業員の理解を得ることが不可欠であるため、現場の混乱や反感を買うような進め方はおすすめしません。

いきなり全社挙げてのペーパーレスに取り組むのではなく、段階的に移行する方法がおすすめです。まずは、一部の部署やグループから取り組み、徐々に対象となる範囲を広げていくとよいでしょう。このようなスモールスタートであれば、失敗したときのリスクも最小限に留められます。また、試験的に運用できるため、課題の抽出もできるでしょう。試験運用で発生した課題の分析により、対象範囲を広げた際にも改善策を反映させられます。

5.システム障害などリスクへの備えをする

ペーパーレス化の懸念として、システム障害が挙げられます。システム障害が発生した場合、求めるデータを取り出せなくなり、取引先や顧客への対応の遅れを招く恐れもあります。また、大切なデータが消失し、甚大な被害を被る可能性もあるでしょう。

このようなリスクを軽減するため、しっかりとした備えが必要です。具体的な対策としては、データのバックアップが挙げられます。万が一、システムのトラブルなどでデータが消失しないよう、定期的にデータをバックアップしましょう。

また、システム障害が発生したときの復旧措置も考えておく必要があります。迅速な復旧が行われなければ、業務に支障をきたし機会損失にもつながります。障害が発生した際は誰に連絡をするのか、どのように対処するのかなど、具体的な対策を整理しておくとよいでしょう。

ペーパーレス化に活用できるサービス・ツール

ペーパーレス化を実現するサービスやツールには、オンラインストレージやWeb会議システム、OCRツールなどがあります。また、既存文書を効率的に電子化するには、外部のスキャニングサービスの利用が有効です。

オンラインストレージ

オンラインストレージとは、インターネット上でデータを保存・共有できるディスクスペースのことです。
チームで作業をする際には一つの資料やタスクを複数人で共有することがありますが、これらのサービスを利用すると、リアルタイムで作業が同期され情報の共有が可能になります。無料で使えるサービスも多いのでぜひ利用しましょう。

Web会議システム

最近はWeb会議システムの機能や付随サービスを利用して、Web会議もペーパーレス化できるようになっています。
例えば資料共有機能を使って各拠点と資料を画面共有しモニターやプロジェクターに映すことも可能ですし、会議自体を録画して手書きの議事録代わりにもできます。

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OCRツール

OCRツールとは、印刷された文章や手書き文字を認識し、デジタルデータへと変換できるツールです。一般的にカメラやスキャナーなどで文書を読み取った場合、画像として取り込まれますが、OCRツールを利用した場合テキストデータが読み取られるのです。

テキストデータを保持した書類のメリットとしては、検索しやすい点が挙げられます。タイトルや文章内の文字列などで検索できるため、求める情報へスピーディーにアクセスできるのです。ただ、OCRツールの読み取り精度によっては癖の強い文字を認識できなかったり、誤って認識されてしまったりすることも起きるため注意が必要です。

OCRツールはさまざまな製品がリリースされていますが、選定時には読み取り精度のチェックが欠かせません。ツールによって読み取りの精度が異なるため注意が必要です。レビューや口コミを参考にするほか、トライアル利用できるのであれば実際に試用してみるとよいでしょう。

また、対応している言語も確認が必要です。業務において外国語の書類を扱う場合、多言語に対応していないOCRで読み取ると精度が下がる恐れがあります。処理したい言語に対応している製品を選定しましょう。

PDFなどの電子文書保存

PDFは、複合機やスキャナー、Wordのエクスポート機能などを用いることで容易に作成できます。紙と同様のレイアウトを実現でき、必要に応じてプリントアウトも容易に行えます。

PDFはあらゆるOSや端末で閲覧でき、ファイルサイズを小さくできるのもメリットです。メール添付での送信や共有ファイルの保管も気軽に行えるため、テレワーク環境下においても有効です。

スキャニングサービス

スキャニングサービスは、書類のスキャンを代行してくれるサービスです。自社でスキャンを行う必要がなくなり、従業員への負担軽減やコスト削減につながります。

膨大な文書の電子化に対応してもらえるほか、大判サイズのスキャニングをサポートしている業者も少なくありません。データの納品形式やトータルの費用、サービスの範囲などは各業者により異なるため、慎重に検討を進めましょう。

サービス選定時には、納期の確認も必須です。期間を定めてペーパーレス化を進めるのであれば、いつまでにスキャンが完了するのかも把握しておかなければなりません。また、解像度の設定やOCR処理、ホチキス留めされた書類や付箋への対応、納品方法などもあわせて確認をしておくと安心です。

電子マニュアル作成サービス「Teachme Biz」

紙で作成した既存のマニュアルを電子に移行すれば、大量のマニュアルを紙で保管する必要がなくなり、より運用が簡易になります。

Teachme Biz」の場合なら、画像・動画・テキストを駆使することで「誰でも簡単に内容を理解できる手順書」を作成できます。
また、クラウドでデータが同期されているため、改訂時もすぐに内容を更新でき、即座に現場へ伝えられます。手順書作成にお悩みの方、業務効率化を図りたい方はぜひ一度「Teachme Biz」にご連絡ください。

マニュアルのペーパーレス化の成功事例

「Teachme Biz」をご利用いただいているお客様は、業務効率化やDX、人材育成の効率化などさまざまな効果を実感されています。以下では、中でもペーパーレス化に成功した導入事例をご紹介します。

全社員がミスなく同じ質で業務を行うために|株式会社一の湯様

300年以上の歴史がある温泉宿、株式会社一の湯様は、かねてより紙の業務手順書を使用していました。ただ、紙の業務手順書では、お客様のニーズにあわせて柔軟かつスピーディーにアップデートすることが難しい、といった課題を抱えていました。

同社が「Teachme Biz」を導入したのは、こうした課題を解決するためです。顧客のニーズにあわせてスピーディーに内容をアップデートでき、生産性の向上にもつながるとの考えから導入に至りました。

現在では、業務手順書としてだけでなく、お客様向けのサービスにも「Teachme Biz」を活用しています。従来は、客室に館内案内などをバインダーにして配置していましたが、内容が古くなったり、破損したりといったトラブルが少なくありませんでした。

そこで現在では、館内などの案内を記載したWebページへアクセスできる、QRコード付きの印刷物を客室へ配置するようにしています。これによって、最新の情報を正確に伝えられるようになり、バインダーが破損するといったリスクも回避できるようになりました。

 

市民が安心できるデジタルサービスを提供するために|石狩市役所様

石狩市役所様では、人事異動に対応する手順書を整備するため、「Teachme Biz」を導入しています。役所ゆえに毎年大勢の人員が異動しますが、これまでは引き継ぎの手順書が標準化されていませんでした。そのため、うまく引き継ぎができない、知識が共有できないといった課題が発生していました。

そんな折、役所の業務システムをクラウド化する方針が打ち出されます。新たに導入するシステムの使い方を職員へスムーズに伝える方法はないか、と考えた結果、「Teachme Biz」の導入に至りました。

いきなりすべての部署を対象にするのではなく、総務課からスモールスタートで取り組みを始めたとのことです。新人教育などに活用しつつ段階的に導入を進め、少しずつ所内へ浸透させていきました。

今後は、市民を対象とした手続きの手順書をペーパーレス化したいそうです。紙の大幅な削減につながるのはもちろん、ひいてはより質の高い市民サービスの提供も実現できるとの展望を抱いています。いずれは周辺の自治体とも連携を進め、さらなる取り組みを進めたいとのことです。

 

伝えるべき情報をタイムリーに伝える体制を整えたい|株式会社ワッツ様

株式会社ワッツ様は、本部から運営している店舗へ情報をタイムリーに伝える体制を整備すべく、「Teachme Biz」の導入を決意しました。それまで同社では、グループウェアを活用して情報のやり取りや業務マニュアルの共有などをしていたものの、大切な情報が埋もれてしまう、一方通行なやり取りになってしまう、といった課題が発生していました。

運営側から店舗へ一方的に情報を発信するだけでなく、現場の声をピックアップするための手段として、同社では「Teachme Biz」を活用しています。また、店舗ごとに教育レベルの差が生じないよう、標準化の取り組みも始めました。

同社は今後、評価制度や売り場づくりにもツールを活用したいそうです。部下がどのような行動をしたのかをツールに記録し、それに基づく正当な評価が実現できるのでは、とのことです。

ペーパーレス化の取り組みに悩んだらまずはマニュアルから

上記でご紹介したオンラインストレージやWeb会議システムは、すでに自然に利用しているという企業が多いかもしれません。そのうえで、もし「ペーパーレス化の取り組みに行き詰まりを感じている」「さらなる効果を得たい」という場合は、マニュアルの電子化に取り組んでみてはいかがでしょうか。

マニュアルをペーパーレス化するメリット

  • いつでもどこでも誰でも参照でき、活用が活発化する
  • 分からないことがあればワード検索で参照できる
  • 変更や更新があった場合に即座に周知し、社内浸透を図れる
  • テレワークでも新人教育が容易になる

以上のように、マニュアルのペーパーレス化は日常的なあらゆる業務において、従業員の生産性向上に結びつきます。ぜひ、わかりやすいマニュアルの作成をご検討ください。

まとめ

ペーパーレス化は国策としても推進されている、ビジネス上欠かせない取り組みとなっています。一方で推進が進まない現状があるとすれば、経営層や従業員にペーパーレス化の目的がしっかりと伝わっていないことが原因かもしれません。きちんと社内全体が歩調を合わせながら少しずつペーパーレス化を進めていくことが、成功の鍵となります。
もし取り組みに行き詰まりを感じていたら、生産性向上につながるマニュアルのペーパーレス化を検討してみてください

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