初期教育・社員研修

社員教育を効率化!研修動画のメリットと始め方~手順や注意点、成功事例を詳しくご紹介~


労働人口の減少に伴い、従業員1人1人の生産力は企業の未来において重要な要素になります。生産性を高めるために、より一層社員教育に力をいれる企業が増加することが予測されます。
では、社員教育を強化し効率化するためには、どのような施策を行えばいいのでしょうか。実際に上司から「社員教育を効率化するように」と言われても、何から始めれば良いのか分からない場合も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、効率化の手段の一つである「研修動画」に焦点をあて、動画を使った研修のメリットから作成の手順、実際の事例まで詳しく解説していきます。

研修を動画化することで効率的に研修を行う「動画研修」とは

はじめに、そもそも動画研修とはどのようなものなのか詳しくご紹介いたします。

近年注目されている「動画研修」

研修といえば、講師が授業形式で教える形を想像する方が多いのではないでしょうか。毎年決まった集合研修を実施している企業もたくさんあります。
ただ、毎回外部講師に依頼したり、会場を準備したり、交通費がかかったりと開催コストがかかるケースも少なくありません。
そんな中、それらのコストを削減し、社内研修を効率化できる取り組みとして近年注目されているのが「動画研修」です。

コロナ禍でテレワークへの移行が進み加速する「研修の動画化」

特に今年は新型コロナウイルスの影響によりテレワークを実施した企業が多く、オンライン上で研修を開催する企業が急増しました。研修のオンライン化に伴って、研修の動画化による動画研修は今後ますます増えることが予測されます。

動画研修とオンライン集合型研修の違い

オンライン会議システム(ZoomやTeamsなど)を使用した「オンライン上での集合研修」は、本記事での「動画研修」とは異なります。「動画研修」は事前に撮影した研修用の動画(研修動画)を、個々人で再生してもらう形式を想定しています。

社員教育に研修動画を活用するメリットとデメリット


では、社員研修に研修動画を活用するメリットやデメリットとはどのようなものがあるのでしょうか?

メリット

・既存社員の負担減
研修のたびに拘束時間が発生する従来の集合研修と異なり、一度撮影してしまえば、ある程度は使い回すことが可能です。

・講師が不在でも実施可能
社員に研修講師をお願いしようとする場合、スケジュール調整に難航することがあります。研修動画を使用すれば、研修講師、参加者それぞれのスケジュールを抑える手間が省け、スケジュールに左右されない安定した学習が提供できます。

・会場費・交通費・宿泊費がかからない
開催にあたり毎回かかる会場費や交通費、宿泊費などのコストが削減できます。対面で実施する集合型研修と比較すると大きなコスト削減効果が見込めます。

・何度も見返すことで理解が深まる
研修は一度受講しても、しばらくすると忘れてしまう可能性が高いです。研修を動画に残しておけば、必要なシーンを何度も見返すことができ、抜け漏れなくより深い理解が可能です。

デメリット

・流しっぱなしになり頭に入らない
動画が長ければ長いほどに、閲覧者の集中力は落ちていきます。個々人ですすめる形式だからこそ、長い動画になってしまうと流し見になる可能性が高まります。そのためここぞという場面だけ短い動画にすることが効果的です。

・誰がいつ受講したのか履歴を管理する仕組みが必要
研修をいつ受講しても良い状態にするのは受講側にとって魅力的です。ただし管理者側としては、受講者によって受講進度が異なる部分をうまく管理する必要があります。
受講者に動画を送るだけではなく、いつ誰がどこまで学習したのか受講状況を管理できるような方法を検討する必要があります。

・通信量がかかる、閲覧環境が良くないと見られない
動画をダウンロードするにはかなりの通信量がかかります。ダウンロードなしのツールで閲覧するとしても、端末やWi-Fiを整備する必要があります。

・一度作成してしまうとすぐに手直しできない
これは、長編の編集が行き届いた動画を作成した場合に大きなデメリットになりえます。一部分を抜き出しての修正が難しかったり、編集ツールを扱える社員が限られていたりすると、手直しに時間がかかってしまい、正しく最新の状態で活用できない場合があります。

・作成に手間がかかる
動画編集ツールの多くは、できることが多くこだわって作成できるため、どうしても時間がかかってしまいます。ある程度機能が制限され、研修動画に必要最低限の編集機能をもったツールを選定することがポイントです。

良い研修動画と悪い研修動画の例


研修動画を作成しても、従業員が視聴しにくいと結局活用されず、作成した意味がありません。そこで、研修動画を作成する際に気を付けるべきことについて、例を用いてご紹介いたします。動画作成前にぜひ1度目を通してみてください。

動画の長さ

動画が長過ぎる
研修動画のデメリットとしても紹介したとおり、長い動画は閲覧者側の負担になります。閲覧記録はあるものの、結局内容が頭に入らなかった、ということも起こりえます。

動画は細切れに
「動画でなければならない」場面だけを、細切れに動画化するのがおすすめです。動画でなくても伝わる部分は、静止画や図解を織り交ぜて作成しておくと、大切なポイントが伝わりやすいです。

動画編集

動画編集に手間をかけすぎる
効率化のために行う「研修の動画化」ですが、動画編集ソフトで凝って時間をかけすぎてしまうと本末転倒です。凝った動画で見やすくするのは良いですが、ほどほどで抑えるようにしましょう。

動画編集を手軽に
一度作成すれば使い回しができるかと思いきや、研修の教材には改定・追加がつきものです。いざというときに簡単に変更できるようにしておきましょう。作成者がいないと更新できない、という事態を防ぐことにも繋がります。

研修動画の管理

必要なとき、該当の研修動画へ閲覧者がすぐにたどり着けない
気合を入れて作成した研修動画も、閲覧してもらえなくてはその価値を発揮できません。作ったはいいものの、周知徹底されないとお蔵入りしてしまいます。
研修動画の置き場所を告知することはもちろんですが、必要な時に検索ができる環境を整えておくことが最重要です。

必要なときにすぐ簡単に研修動画を見つけることができる
研修動画をアナウンスする際には、メールやチャットなどを通して周知する他、社内ポータルサイトやイントラネット、掲示板などに置き場所を記載しておきましょう。よくあるお困りごととして、必要な研修動画が数々のファイルに埋もれてしまい、探し出すだけで一苦労というものがあります。
検索すればすぐに研修動画にたどり着けるようにしておくのがおすすめです。

動画研修に適している実例


今までの社内研修をそのまま動画にするだけでは、動画研修の利点を最大化することはできません。研修の中には、動画が適している内容もあれば、動画ではわかりにくい内容もあります。そのため、本当にその研修は動画が向いているのか、今一度立ち止まって考えてみましょう。


では、料理を例にして考えてみましょう。料理の手順について紹介している動画は炒めたり切ったりする様子が視覚的に分かりやすいため役に立ちます。
しかし、材料についての紹介が動画の中でのみ行われると、材料を確認するためにわざわざ動画を再生し、その場面で停止するのは大変非効率といえます。
動画とは別で、材料を紹介する画像や説明文があれば、見返す際に便利です。
画像や文字の説明で済むものまで動画の中に無理やり納めようとすると余計に使いにくくなります。

画像や文字の説明だけで分かるものは動画にする必要はありません。研修動画を作成する際、動画のストーリーを考えるときに、動画のほうがよいもの、静止画と説明文で表現したほうがよいものをしっかりと仕分けしましょう。

以下に動画研修に適している具体例を示します。参考にしてみてください。

適している例
・新人向けPCセットアップ(一部の分かりづらいものだけ動画化)
・業界研究・社内勉強会(実際の講義を転用)
・新人マナー研修(名刺交換など動きのあるもの)
・営業マンのロープレ研修(画像や文字では伝わない生感を動画で伝える)
・掃除の仕方
・小売店での棚卸の仕方
・機械の使い方(手元の動きのあるもの)

動画研修の活用に成功した事例


企業研修に動画研修を取り入れ、社員教育に成功した事例をご紹介いたします。参考になれば幸いです。

飲食店でのレシピ改善(株式会社フレッシュネス様)

動画と画像を使ったレシピを作成し、iPadでレシピを見ることができる環境を整えたことで新人スタッフを教育する場面でも活用。画像を用いることで使用する素材や仕上がりイメージが理解しやすく、動画も用いることで料理を作るときの動作を確認できるため、教育を担当するスタッフの負担も軽減されます。また、厨房で調理をする際にも、レシピの動画があれば注文が入ってすぐにレシピを確認することができるので、不慣れなスタッフでも先輩スタッフの指導なしに安心して作業を進められます。

ホテルでのチェックイン(日本ホテル株式会社 JR東日本ホテルメッツ様)

これまでは膨大な量に及ぶ紙ベースのマニュアルを使用しており、更新に手間がかかってしまう上視覚的に覚えるということもできませんでした。しかしツールを導入して動画研修を取り入れたことにより、分かりやすいマニュアルを簡単に作成できるようになりました。実際に利用している動画マニュアルの例として、接客のシチュエーションに合わせたチェックイン・チェックアウトフローの動画のほか、制服に合ったネクタイの結び方も動画で配信しています。

研修動画の形式


研修動画には大きく分けてセミナー形式、マニュアル形式、ドキュメンタリー形式の3つがあります。それぞれ適した研修内容が違うため、研修内容に合わせてどの形式で動画をとるのか決定しましょう。

セミナー形式【新人に向けたビジネスマナーの講義など】

セミナー形式とは、講義のように研修講師1人が複数人の生徒に対して話す形式です。
動画の場合、講師が生徒に向かって話しているように解説しているところを撮影するか、実際に参加者がいる講義を撮影するかの2通りがあります。
セミナー形式の動画は、新入社員の研修やマナー講習、社内勉強会などに活用されています。

マニュアル形式【接客や仕事の様子、クレーム対応など】

マニュアル形式とは、実際の仕事の流れや接客などの様子を説明するものです。主にアパレルや飲食、テーマパークなど文字や画像では伝わらない業務が大部分を占める接客業で活用されることが多いです。動画は実際にお客さまと接する様子を目や耳から理解できるため、新人にとってより実践がイメージしやすい研修になります。

ドキュメンタリー形式【社員インタビューや会社理念など】

ドキュメンタリータイプとは、実際の社内や働く様子を撮影した動画です。
特徴は社員が実際に働いている様子など、リアリティかつストーリー性をもたせていることです。ドラマのような内容なので、見ている人は飽きることなく理解できます。また、一緒に働く人の考えなどを知ることができるため、企業理念などをしっかりと伝えたい場合にもおすすめです。

研修動画作成の手順


動画は作って終わりではなく、閲覧してもらうことが目的です。実際に閲覧してもらうためには、作成前に決めておくべきことがたくさんあります。そこで、作りっぱなしでなく、実際に閲覧される動画を作るための手順をご紹介いたします。

①テーマを決める

まずどのような研修動画にするのか、テーマを決めます。研修対象者を決め、どのレベルまで引き上げたいのか、現状の研修では何が不足しているのかなどからテーマを絞っていくと良いでしょう。このテーマ決めによって、今後進行するなかで「(動画の中で)するべきこと」と「(動画の中で)しなくてもいいこと」の違いが明確になり、進めやすくなります。

②形式を決める

テーマに沿って、何分ほどの動画にするのかを決めます。動画マニュアルは、長すぎると見てもらえない、見ても途中で集中力が切れてしまい記憶に残らないという欠点があります。その点も踏まえ、「動画でないと伝えられない」と考える部分のみ2・3分の動画にし、細切れに作成すると良いでしょう。
研修講師が話している講義をそのまま動画化する場合はその限りではありませんが、60分の講義を1本の動画にするよりも、20分ずつなどにカットしておくと集中力を保ちつつ見てもらえる動画になります。

③閲覧方法を決める

会社配布のPC・スマートフォン、もしくは個人端末で閲覧するのか、閲覧方法の想定を決めておきましょう。近年では個人端末で閲覧してもらうことにより浸透を図る、BYOD(Bring Your Own Device)も増えてきています。ただし、そのような閲覧方法の場合、かなり通信量のかかるような長い動画は敬遠される可能性があります。

*1 BYODとは「Bring Your Own Device」の略で、社員がプライベートで使っているデバイスを仕事でも使ってもらうことを意味しています。

④配布方法を決める

ポータルサイトやイントラネットで公開するのか、それともメールで送付するのかなど、動画を配布するには様々な方法があります。研修動画は作って終わりではなく、実際に閲覧されスキル向上などに活用されてこそ意味があります。
まずは職場の現状を調査しましょう。活用されていると思っていた過去の研修資料のまとめなどが、実際にはどこにおいてあるかわからずにお蔵入りしている場合も少なくありません。特に、イントラネットだと重くて検索する気になれない、ポータルサイトだと情報が膨大すぎてほしいものまでたどり着けないという問題点があります。そのため、それらを解消できるような検索機能のついた適切な閲覧方法を決めましょう。

⑤更新予定を立てる

作成した動画について、更新までの見通しも立てると良いでしょう。更新頻度を1年に1度や、3年に1度など決めておくとスムーズに更新できます。日々の仕事にはマイナーチェンジがつきものです。ベテランは多少の違いも経験に基づき補完できますが、新人さんは多少の違いで「本当にこれでいいのかな?」と迷いが生まれてしまいます。
そのため、作成した動画が古くなり実際の現場との乖離が生まれる前に更新ができるように、更新の予定をあらかじめ立てましょう。また、更新が楽なツールを使い、現場の誰もが研修動画を作成できる環境を構築するのも手です。

誰もが作成できるようになると管理が大変です。しかし、例えばTeachme Bizなどツールを活用すると、作成した動画を承認する機能をつけることが可能なため、不必要な動画を勝手に作成される心配はありません。

⑥研修動画の作成

・台本を作る
長い動画になりすぎないようにストーリーを考え、台本を作成します。

・出演者を決める
台本に沿って講演者や登場人物を決め、事前にお願いしましょう。

・映像と音声をしっかり撮る
映像がブレていると、閲覧者にとって見づらい動画になってしまいます。三脚を使用するなどの工夫をしましょう。また、研修動画は、映像だけではなく音声も重要です。研修内容以外の雑音が大きくなりすぎないよう、撮影場所に注意しましょう。安価でも小型マイクがあると安心です。

・機材
撮影に必要な機材を準備しておきましょう。最近では、専門的な機材を使用しなくてもスマートフォンでも十分な解像度の映像を撮れるようになっています。使用場面に合わせてどの機材を使用するべきか確認しておきましょう。

研修動画を作成する注意点

研修動画を「作成すること」が目的化してしまう

よくある落とし穴が、研修動画を「作ること」が目的となってしまい、本来の目的を見失うことです。研修動画に着手したきっかけは、

  • ・教育の効率化
  • ・より高度な教育をするため
  • ・既存社員の負荷軽減

などであり、研修動画を作ることそれ自体がゴールではなかったはずです。作ること自体が目的化してしまうことによって「必要以上のクオリティにこだわってしまう」、「配布方法がおざなりで実際に閲覧してもらえない」などの問題が発生します。本来の目的を確認しつつ軌道修正を忘れないようにしましょう。

配布方法

作成した動画をどう閲覧してもらうのかは最重要と言っても過言ではありません。

・閲覧する端末
研修動画を閲覧するための端末は、社用スマートフォンにするのか、個人の私用端末からのアクセスも許可するのか、それともタブレットを導入し複数人で活用するのかを実際に利用する状況と合わせて決定しましょう。私用端末での研修動画閲覧を許可したことにより、空き時間で研修動画を閲覧できるようになり、教育期間が短縮したという事例もあります。

・閲覧チェック
動画を公開する際には、実際に研修動画が閲覧されているのかチェックする体制を整えましょう。「ここにあるから見ておいてね」と伝えても、日々の業務に追われる中で手がつけられないこともあります。そんな時、実際に閲覧していない人を特定しその人だけにリマインドをすることができれば、徹底して閲覧を促すことができます。

まとめ


いかがでしたでしょうか。今回は研修動画を活用した動画研修についてご紹介してきました。研修動画は、何より作りっぱなしにならないようにすることが重要です。
新しい施策を行う際は、ついついあれもこれもと要素が増えてしまう傾向があります。研修動画はうまく活用できれば大きな効果を発揮しますが、研修動画を作ったものの活用しきれないという企業が多く存在するのも事実です。

Teachme Bizを運営する私たちスタディストには、「動画をつくってみたけど閲覧してもらえない」、「手順が変わった際に想定より上手く使い回しできなかった」などのお悩みが数多く寄せられています。
Teachme Bizは、動画や静止画を使って伝わりやすい研修教材を作成できるだけでなく、閲覧状況をチェックする機能があり従業員への閲覧を促すことが可能です。
また、動画の編集も簡単に行えるため、本記事で紹介した研修動画の落とし穴である「動画作成に時間がかかりすぎて作成することが目的になってしまう」といった課題や、「閲覧してもらえずに作りっぱなしになってしまう状況」を回避することが出来ます。
研修動画による社内研修の効率化を目指したいとお考えでしたら、Teachme Bizをご検討ください。