生産性向上

生産性向上とはどういう意味?実際に行える生産性向上の事例も紹介

企業の成長のために、生産性向上が必要不可欠であるということは誰もが感じていることではないでしょうか。一方で、生産性向上を単なるコスト削減と捉え、正しく意味を理解していない人も少なくありません。

そこでこの記事では、生産性向上という言葉が持つ意味や目的を解説し、しっかりと定義した上で、具体的に企業が行える対策などを紹介します。

目的を理解すれば何から手を付けていいかわからないということがなくなります。
ぜひ、真の生産性向上のためにお役立てください。

「生産性向上」という言葉が持つ意味

生産性向上と業務効率化という言葉は、似て非なるもの。しかし、実際に業務が行われる現場では、ふたつの言葉が混同されがちです。どちらも企業にとって必要な要素ですが、意味や目的を正確に理解することで、何から着手すべきかが見えてきます。

そこでまずは、生産性向上とは何なのか。業務効率化とどう目的が違うのかということをハッキリとさせておきましょう。

生産性向上の意味とは

まず生産性の意味とは、企業が投入した経営資源に対し、どれだけの成果を生み出せたかという効率の程度をいいます。計算式は「生み出された成果÷投入資源」です。

投入資源に対し、生み出された成果の割合が大きいほど生産性が高いといい、小さいほど低いといいます。例えば、従業員100人で1000個の成果を生み出した場合の生産性は10です。これを同じ従業員数で1500個生み出せるようになった場合、生産性は15となり、「高くなった」といえます。

つまり生産性向上とは、何らかの施策を実行し、生み出す成果の割合を増やすか、投入する資源の量を減らすかして相対的に組織の生産性を高める取り組みのことをいいます。

「生産性向上」と「業務効率化」の違い

生産性は投入した資源に対してどれくらいの成果があったかという効率性を計るためのものです。そのため、生産性向上のためには、成果に直接つながる行動が重視されます。

一方で業務効率化は、現状非効率とされていることを、より効率的にするための改善に向けた取り組みをいいます。

作業者のバラつきや無駄な作業を無くし、よりスピーディに業務を行うことを目的としているため、業務効率化ではコスト削減につながる行動が重視されます。

業務効率化も成果を生み出すのに寄与します。そういう意味では生産性向上に内包される概念ですが、その影響は微々たるものです。したがって両者を区別し、目的に応じた適切な施策を講じる必要があるのです。

生産性向上が企業にもたらすメリット

生産性が高くなることは企業にとってプラスに働きます。しかし、具体的に何がどう良くなるのかということを説明できる人は少ないのではないでしょうか。そこで、生産性が高まることで企業にどのようなメリットがあるのか紹介します。

人手不足への対応力が上がる

帝国データバンクの調査によると、正社員が不足していると回答した企業は全体で52.5%。放送、情報サービス、運輸・倉庫の3業種については7割を超えています。

こうした深刻な人手不足は企業の大きな課題ですが、生産性を向上させることで人手不足への対応力を上げることができます。

具体的な対策としてはロボットやRPAの活用です。これまで人が手作業で行っていた仕事をデジタルツールに代替し、自動化させることでひとり当たりの生産性を向上させることができるのです。

国際競争力の向上

国際競争力ランキング(WEF)では、日本は2008年以降9位前後で横ばいです。国際競争力を高めるためには、商品を安価で国際市場に流通させるなど価格競争力を高める必要があります。そしてそのために生産性向上は避けては通れない道といえます。

公益財団法人日本生産性本部の資料によると、日本は、2018年度の時間あたりの労働生産性がOECD加盟36カ国中20位。主要先進7カ国に限っていえば、1970年代以降最下位の状況が続いています。

このデータからもわかるように、国際競争力を高めるためには、一刻も早い生産性向上が必要といえるでしょう。言い換えれば、生産性向上を実現することは、企業の国際競争力の向上にもつながるということなのです。

労働環境の改善

生産性向上の施策を講ずることは、労働環境を改善することを意味します。なぜなら、生産性が高くなるということは、これまでと同じ労働時間で、より高い成果を生み出せるということだからです。

例えば、これまで10個の成果物を10時間かけて生み出していたものが8時間で済むようになれば、残業時間を大幅に減らすことができます。長時間労働は心身を害する要因となるため、生産性向上によって労働環境が改善されるということになります。

生産性向上のために企業がやれる7個の対策方法

生産性を高めることで企業に多くのメリットがあることはわかりました。それでは、実際どのような方法で生産性を向上させれば良いのでしょうか。

RPAなど、耳馴染みのない言葉も出てきたので「難しそう」と感じた方もいるかもしれません。しかし、対策自体はどの企業でもすぐにできることばかりです。そこで、生産性向上のために企業がやれる対策方法を7個紹介します。

業務内容を明確にする「見える化」

あなたの職場では、きちんと業務マニュアルが整備されているでしょうか。大した作業じゃないからといって、情報が古かったり、細かい手順が抜け落ちたりしていないでしょうか。

一見簡単に見える作業ほど、自己流になりやすく品質にバラつきが出るものです。正確なマニュアルを用意し、最新の状態を保つことで作業の品質を担保できます。

また、マニュアルを整備することで業務内容が明確になり、無駄な作業の撤廃や見直しにもつながります。まずは現在の業務内容を「見える化」しましょう。

力を入れている業務(コア業務)への投資

業務は成果を直接生み出すコア業務と、コア業務をサポートするノンコア業務に分けられます。例えば、決まりきった文言のメール送信、報告書作成のためのデータ抽出などはルーチンワークであり、これ自体が成果を生み出すものではありません。

生産性向上の目的は少ない投資で成果を最大限にすることです。そのため、投資はノンコア業務よりも、コア業務に集中させるべきです。

メール送信であればテンプレートを充実させる。データ抽出であれば自動化させるなどして、浮いたリソースをコア業務に割くようにしましょう。

ムダな業務の洗い出し

これまで当たり前に行ってきた業務のひとつひとつに対して、あなたは何のためにやっているのか説明できるでしょうか。もし説明できないのであれば、それはムダと化している業務かもしれません。

コア業務でもノンコア業務でもないムダな業務は、貴重な経営資源を食い尽くすばかりでなく、社員のモチベーションも下げてしまいます。

例えば、ミスがあった時の報告書について、それが再発防止を目的としたものなら必要ですが、懲罰的な意味合いだけで行われているのであれば必要とはいえません。このような生産性向上を妨げる業務は一刻も早く廃止すべきでしょう。

個人単位でのスキルアップ

生産性向上のためにすべきことは、何もデジタルツールの利用だけではありません。いくらIT化が進んだからといって、人の手を介さなければ行えない業務もまだまだたくさんあります。

人の手を介する業務は個人をスキルアップさせることが鍵となります。個人のスキルが高くなれば、作業スピードも上がり、自然と生産性も高まるからです。

そのためには社員を教育することが必要不可欠です。一度教えたらそれきりというのではなく、習熟度に応じたフォローアップ研修や、勉強会などを定期的に実施するといいでしょう。

実際に働く人間のモチベーション維持

「つまらない」「やる気がでない」などモチベーションが低い時は仕事に集中できないことが多いのではないでしょうか。

集中が欠けるとミスが増えたり、仕事のスピードが落ちたりします。つまり、モチベーションの低下というのは、生産性向上を妨げる要因になるのです。反対にモチベーションを維持または向上させることは、仕事への集中度合いを高めることになります。

人によってモチベーションの上がり方は違いますが、劣悪な労働環境や、定量化されていない評価制度など明らかにモチベーションを下げる原因があれば、早急に取り除くようにしましょう。

社員同士の信頼関係を築く

生産性を向上させるためには、社員同士の信頼関係を築くことが大切です。なぜなら、企業における仕事はひとりだけで行うものではないからです。

チームであればもちろんですが、たとえ個人で行う作業であっても組織で働いている以上必ず関連する人が存在します。信頼関係を築ければ、協力し合って仕事を進めることができ、それが生産性向上につながります。

どんなに優秀な人材でも、ひとりで挙げられる成果には限界があります。誰にでも足りない部分があるため、それを他人と補い合うことで、より高い生産性を目指すことができるのです。

IT技術の積極的な利用

IT技術を積極的に取り入れることで生産性を向上させることができます。具体的にはRPAなどの導入です。RPAは、Robotic Process Automationの略語で、パソコンで行う定型化できる作業をプログラム上のロボットに覚えさせ自動化する技術です。

一度覚えさせれば、人の手で数時間かかっていた作業も一瞬で終わります。その分コア業務に集中することで生産性を高めることができるでしょう。

マニュアルをクラウド上で共有するというのも立派なIT技術です。紙のマニュアルだと探しにくいものも、クラウド上にデータとしてあればすぐに検索できるので効率的です。

生産性向上を行う際に避けなければならないこと

具体的な方法がわかり、さっそく着手してみようと思った方もいるかもしれません。しかし、その前にやってはいけないこともぜひ押さえておいて欲しいと思います。

これを知らずに施策を行ってしまうと、生産性を下げることにもつながりかねません。生産性向上を行う際に避けなければならないことを3つ紹介します。

長時間労働を課す

長時間労働を課すことは心身に影響を与え、集中力の低下や病気の発症を招き、最悪の場合過労死にもつながります。

かつての日本では、働く時間が長ければ長いほど、たくさんの成果を挙げられると信じられてきました。また、長時間労働を美徳とする文化もありました。残念ながら一部の企業では、今でもそうした文化が根強く残っているようです。

確かに労働時間を増やすことで、短期的には生産力が上がるでしょう。しかし、長期的にみれば大きなリスクでしかありません。真に生産性向上を目指すのであれば、長時間労働は避けるべきといえるでしょう。

複数業務の同時進行(マルチタスク)

マルチタスクは、複数の業務を同時に進行させることです。もともとはコンピューターの用語で、複数のソフトウェアを同時に実行することを指しました。

しかし、人間の脳はコンピューターとは違います。マルチタスクの方が効率的に思えますが、さまざまな研究結果から生産性を低下させることが科学的に明らかになっているのです。

また、マルチタスクはコルチゾールやアドレナリンといったストレスホルモンを増やすこともわかっています。生産性向上を行う際は、マルチタスクを避けるようにしましょう。

経営陣が一方的な施策を発案する

生産性は企業の成果に直結する基準であるため、つい経営陣が一方的な施策を押し付けてしまいがちです。しかし、現場の状況を十分理解していない施策は、的外れで意味のないものになりかねません。

また、数値的には改善されたとしても、現場に多くのしわ寄せがきて、社員のモチベーションを大きく下げてしまうこともあります。

現場で施策を発案できるのがベストですが、どうしても経営陣が発案するのであれば、しっかりと現場の声に耳を傾けるようにしましょう。

まとめ

多忙な会社であるほど、生産性向上の施策がとりづらく、目の前の業務に追われる日々になってしまいます。しかし、それでは悪循環のループにはまり、ますます生産性は下がるばかりです。

本文でも紹介したように、定型化できる作業はデジタルツールに代替することでリソースを生み出すことが可能です。また、スキルアップのために教育したくてもできない、という場合はわかりやすいマニュアルを用意しておくことで自己学習させることもできます。

生産性向上には長期的な視点を持つことが大切です。目先のことにとらわれず、長い目でみて本当に必要とされる対策を取るようにしていきましょう。

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