マニュアルの効率的な運用で業務効率化させる方法・運用のメリット

最終更新日: 2023.05.23 公開日: 2022.11.15

マニュアル運用

マニュアルを作成しても、効率よく運用できなければメリットや効果が半減してしまいます。効率よく活用するには、マニュアル運用に関する課題についても把握しておかねばなりません。本記事では、マニュアルの効率的な運用で業務効率化させる方法や運用のメリットなどについて解説します。

マニュアルを上手く運用するメリットとは

マニュアルを上手く運用すれば、従業員は業務の不明点や疑問点を速やかに解決できるため、効率的に業務を遂行できます。また、新人教育や引き継ぎなどを効率化できるのもメリットです。

業務効率化

マニュアルを整備しておけば、業務効率化を実現できます。従業員が業務における不明点や疑問点を抱いたとき、マニュアルを閲覧すれば速やかに答えを見つけられるためです。業務の手を止めて上司を探しに行くといったこともなくなり、効率的に業務を遂行できます。

業務で生じるトラブルを回避できるのもメリットです。業務の流れや注意点などをマニュアルに盛り込んでおけば、従業員はそれに従って作業を進めていけばよいため、余計なトラブルを回避できます。

また、業務の標準化も進みます。業務に取り組む際の正しい手順や具体的な作業方法などを記載しておけば、従業員がその通りに進めるだけで品質が均一化されます。各々が好きなように作業を進めているケースでは、どうしても品質や作業スピードにばらつきが生じてしまいます。

業務の属人化も回避できます。特定の人にしかできない作業があると、その従業員が休職や離職した際に対応できません。場合によっては業務がストップするおそれもあります。一方、マニュアルを整備しておけば、コンテンツを閲覧して誰もが同じように作業できます

教育の効率化

教育を効率化できるのもマニュアルを整備するメリットです。たとえば、新たな人材を採用した際には、現場で問題なく業務に取り組めるよう教育を施さなくてはなりません。しかし、新人に付きっ切りで指導するとなると、先輩指導者は本来の仕事ができず組織全体の生産性が低下するおそれがあります。

一方、マニュアルがあれば上記のようなリスクを回避できます。詳しい作業の手順や注意点、トラブルが起きたときの対処法などを網羅したマニュアルがあれば、わざわざ先輩が付きっ切りで指導を行う必要はありません。最低限のことだけを指導し、あとはマニュアルを活用してもらいながら作業に取り組めるでしょう。

新人を即戦力にできるのもメリットです。業務に関するあらゆる情報が網羅されたマニュアルであれば、閲覧しつつ業務に取り組むことで新人でも即戦力として活躍できます。育成にかかる期間が短くなれば教育コストも削減でき、企業にとっては大きなメリットです。

業務の分担や引き継ぎの必要性が生じたときも、マニュアルがあればスムーズです。口頭であれこれと説明する必要がなく、マニュアルを閲覧してもらえば理解が進みます。なお、業務をマニュアル化するメリットについては以下の記事でより詳しく解説しています。

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業務をマニュアル化する4つのメリットとは?

マニュアル運用の課題

適切な運用によってさまざまなメリットを得られるマニュアルですが、課題もいくつかあることを覚えておきましょう。よくある課題としては、マニュアルが活用されない、活用状況を把握できない、効果が分からないといったことが挙げられます。

マニュアル運用の課題1.マニュアルが活用されていない

時間をかけて高品質なマニュアルを作成したものの、活用されていないといったケースは少なくありません。マニュアルを作成しても社内ヘルプデスクへ頻繁に問い合わせがある、結局ベテラン社員が指導に駆り出される、といったことがあると、マニュアルの意味がありません。

マニュアルが活用されないのは、内容に問題があるのかもしれません。作成に携わった担当者が現場のことをほとんど理解せず作った場合、記載されている内容と実務が大きくかけ離れてしまい、役に立たないといったことが起こり得ます。

また、マニュアルの内容が理解できていない可能性もあります。新人を対象としたマニュアルの場合、難しい専門用語を使用してしまうと、理解できず結局先輩やヘルプデスクへ問い合わせをしてしまう、といったことが起こり得ると考えられます。

あるいは、そもそもマニュアルの存在が周知されていないことも考えられます。これでは、せっかく作成したマニュアルが無駄になってしまうため、しっかりとマニュアルの存在を周知して浸透させる必要があります

マニュアル運用の課題2.マニュアルが活用されているかわからない

マニュアルの活用状況が分からない、といった課題も考えられます。活用状況が分からないと、業務で生じている問題がマニュアルに起因しているものなのか、それとも別に問題があるのか判断できません。状況把握がしにくく、適切な対策ができないといった課題が発生します。

このような課題は、紙媒体のマニュアルを使用しているとよく発生するため注意が必要です。本人からきちんと活用している、と言われれば管理者はそれを信じるしかありません。ただ、口では活用していると言いつつも、実際は開いてもいないといったことも考えられます。

マニュアル運用の課題3.マニュアルの効果がわからない

マニュアルの効果がわからない、といった課題もよく耳にします。マニュアルに記載した知識やノウハウを従業員がきちんと習得できたのか、理解できたのかといったことがわからないと、ほかの業務に関する新たなマニュアルを作成してよいかどうかも判断できません。

また、マニュアルの効果がわからないとなると、経営陣への説明が難しくなる可能性があります。マニュアル作成にも一定のコストや手間が発生します。きちんと成果が出ていないものに手間とコストを割くことに対し、多くの経営陣はよい顔をしないでしょう。

効率的なマニュアルの運用方法

効率的にマニュアルを運用するには、活用しやすいマニュアルを作成しなくてはなりません。また、運用担当者を決め、使用状況や効果を可視化するのも大事なポイントです。

活用しやすいマニュアルを作成する

マニュアルが活用されないといった問題の多くは、活用しにくいマニュアルに仕上がっていることが大きな原因と考えられます。従業員が積極的に活用してくれるマニュアルに仕上がるよう、情報の整理や更新をしっかりと行い、必要に応じて内容も改善しなくてはなりません。

情報を整理する

情報が整理されていないマニュアルは使いにくいため、使用する方が使いやすいよう整理して記載しましょう。一ヶ所に整理されておくべき情報が散在していると、それを探すのに手間と時間がかかり、かえって業務が非効率になってしまうおそれがあります。

情報の整理と同じくらい重要なのが、わかりやすさです。マニュアルは、誰が読んでも内容を理解できなくてはいけません。読む方の知識、技術レベルによって理解度が異なるようでは問題です。特に、新人を対象としたマニュアルであれば、できるだけ難しい用語や言い回しは使わないほうがよいでしょう。

使用する方が直感的に理解できるよう、工夫を施すのも大事なポイントです。たとえば、イラストや図表、写真などの使用が考えられます。テキストだけではどうしても伝えられることに限界があります。一方、イラストや写真なども活用すれば、新人でも直感的に内容を理解できます。

マニュアル作成や管理専用のツールを導入するのもおすすめです。製品によっては、写真や動画などのコンテンツを使用でき、必要な情報をスピーディーに取得できるものもあります。オンラインで容易にマニュアルを共有できたり、使用状況の可視化ができたりといったツールもあるため、導入すればより効率的な運用が可能です。

最新の情報に更新する

マニュアルは常に最新の情報に更新しなくてはなりません。従業員はマニュアルに記載されている内容を信用して作業に取り組むため、古い情報がそのまま残されていると業務に支障をきたしてしまいます。作業の遅延や不良品の発生といった事態を招くおそれもあるため、常に最新の情報へ更新しましょう。

そのためには、メンテナンスルールの策定が有効です。いつどのようなタイミングで更新するのか、一度にどれだけの範囲を更新するのか、といったことをルール化しておくとよいでしょう。

更新作業を担う管理担当者を設定するのも有効です。担当者を決めていないと、更新の必要性が生じても「誰かやるだろう」と考え、結局誰も更新しないといったことが起こりかねません。その結果、いつまでも古い情報がマニュアルに残るといった事態が発生します。

情報更新と管理を行う担当者を設定し、業務の流れや注意事項に変更が生じたときは、速やかに更新が行われるような体制を構築しておきましょう。

内容を改善する

<マニュアルは一度作成して安心するのではなく、常に内容を改善し、ブラッシュアップしていくことが大事です。改善を繰り返すことで、より使いやすいマニュアルに昇華させられます。 運用過程で何かしらの問題が生じたときは、誰を対象としたマニュアルなのか今一度考えてみましょう。業務経験がある従業員と、入社したばかりの新人とでは、マニュアルに盛り込むべきコンテンツが大きく異なります。

マニュアル使用者へのヒアリングも実施してみましょう。実際にマニュアルを使用している方がどのように感じているのか、直接聞くのは改善のために必要なことです。運用を始めてから一定期間を空け、複数の使用者を対象にヒアリングをしてみましょう。

ヒアリングを実施すると、膨大な意見が集まるかもしれません。それらをすべて反映させるのは骨の折れる作業であるため、取捨選択も必要です。複数の利用者から取得したデータをもとに、優先順位を決めて反映させていくとよいでしょう。

マニュアルを運用する担当者を設定する

マニュアル運用の担当者を決めておくと、情報の更新漏れを回避できスムーズに内容のブラッシュアップも行えます。担当者を決めずに運用を始めると、アップデートが行われずマニュアルが機能しなくなるリスクがあります。

マニュアル運用の担当者は、数名選任するとよいでしょう。運用の担当者が一人では、マニュアルの内容に偏りが生じるおそれがあるためです。個人の主観が入り込んだり、担当者の専門分野のみの情報が多くなったりといったことが起こりかねません。

また、運用担当者を一人に絞ると、属人化が発生するおそれもあります。その人がいないとマニュアルの更新ができない、といったことが起こり得ます。

複数の担当者を設定すれば、さまざまな意見を取り入れつつコンテンツに反映させられます。内容の漏れやミスなども発見しやすくなり、スムーズな運用につながります。これらのリスクを避けるためにも、運用担当者は複数から選びましょう。

マニュアルの活用状況や効果を可視化する

マニュアルの使用状況を可視化しないと、従業員にどれだけ活用されているかがわかりません。業務で何かしらの問題が発生しているのは、マニュアルに問題があるのか、それとも従業員個人に問題があるのかもわかりにくく、適切な対策を打ち出せません。

このような状況に陥らぬよう、使用状況の可視化が求められます。ただ、これは紙媒体のマニュアルでは少々難しいため、オンラインのマニュアル作成、管理の専用ツールの導入をおすすめします。

マニュアル管理ツールによっては、マニュアルや特定ページの閲覧実績を可視化できます。誰が、いつ、どのコンテンツを何回見たか、といったことを数値やグラフで可視化してくれるため、スピーディーに活用状況を確認できます。閲覧状況から、従業員がどのようなコンテンツを求めているのかといったことも把握できるため、既存マニュアルの改善や新たなコンテンツの作成にも役立ちます。

知識やスキルの習得状況もチェックしましょう。従業員がマニュアルをきちんと閲覧していても、知識やスキルを習得できているかどうかは別の話です。チェックを行うには、ペーパーテストや実技テストなどが考えられます。

ツールによっては、知識やスキルの習得状況をチェックできる機能を実装したものもあります。このような機能が実装されているツールを利用すれば、わざわざペーパーテストの作成や実技テストの実施をする必要がありません。

まとめ

マニュアルを上手く運用すれば、業務効率化や教育の効率化を実現できます。マニュアル運用にはさまざまな課題もありますが、優れたツールの導入で解決が可能です。「Teachme Biz」であれば、誰もがわかりやすいマニュアルを作成でき、運用をサポートする機能も実装しているためおすすめです。

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