生産性向上

29%の人が仕事以外のことをしてしまう?テレワークで生産性向上を実現するマネジメントとは

サテライトオフィス勤務や在宅勤務などを中心としたテレワークは年を追うごとに注目されており、自身や友人の会社で導入が決まったという方も多いのではないでしょうか。
時間や場所を有効に活用できるため総務省でもテレワークの導入を推進しており、地域の活性化や一億総活躍を狙っています。そんな中で、実際生産性向上できているのか?社員のメンタルケアや遠隔でのマネジメントはどうすればいいかなど、今までにはなかった課題が顕在化している状況です。今回はその課題とメンタルケアなどの解決策についてマネジメント目線から記載しておりますので、ぜひご覧ください。

テレワークの現状とは?


出典:令和元年版情報通信白書(総務省)
総務省による2019年の調査では、企業におけるテレワークの導入状況は導入予定も含めると約26%で、4社に1社は導入しているか、導入を予定している状況です。2020年に入り、ますますテレワーク推進の流れが加速していると想定されます。

テレワークを実施して生産性は向上しているのか

企業側から見た際、テレワーク導入の効果としては コスト削減や離職防止に加え生産性の向上が大きなメリットとして考えられます。
2020年3月にアドビ システムズ 株式会社が実施した調査結果では、テレワークを実施して、自身の生産性は上がったと思いますか?という調査の結果で、「とても上がったと思う」34%、「どちらかといえば上がったと思う」52%と、計86%の従業員が生産性向上を実感している状態です。
テレワーク導入の目的が生産性向上であれば、現在は概ね達成できていると言えます。

>>そもそも生産性向上とは何か?指標や計算方法についてはこちら。
生産性向上とはどういう意味? 企業が実施できる7 個の対策方法  

テレワークを実施する際の研修はあるか?

テレワークの導入にあたり、社内研修や説明会が実施されることがほとんどです。主な実施事項は下記になります。

  • ・会社として、テレワークを導入する目的の説明
  • ・事前申請等の運用方法、勤怠に関する周知
  • ・セキュリティに関する注意

あわせて、 会議に参加する際に使用するツールや、社内チャットの運用について説明があるケースも多くあります。

>>WebミーティングツールZoomの使い方はこちら
【マニュアルでわかりやすい!】テレワークや教育現場で活用されている「Zoom(ズーム)」の使い方

テレワーク3つの課題と解決策

出典:テレワーク勤務のメリットや課題に関する調査
テレワークの目的やツールを選定して導入まで至っても、導入してからが「始まり」になります。実際導入した後、部下や他部署からどのような課題がでてくるのでしょうか。また、その課題の解決方法や注意するポイントをお伝えします。

課題1:ペーパレス化できていないため業務が滞る

出社していた際は気に留めていなかったものの、実際テレワークを開始すると「あの資料、スキャンしていないから会社に行かないと確認できない…」「いつも○○さんのデスクに置いている手順の資料がないと対応できない…」などペーパーレス化出来ていないことが浮き彫りになります。
そのせいで業務が滞ることが39.6%あるという結果が出ており、 せっかくリモートワークを導入して生産性向上を図ってもペーパーレス化出来ていないことが障壁になることが多いのが現状です。

対策として、まずテレワークを導入する際に、あわせて「業務に必要な資料」のペーパーレス化がどの程度進んでいるか把握することが必要です。
実際に現場の業務担当者にヒアリングし、紙の書類を見ながら対応していることがないか、その書類はオンライン管理できているか確認しましょう。

>>ペーパーレス化の落とし穴や推進のポイントはこちら
在宅勤務をするならペーパーレス化?ペーパーレスの本当のメリットと目的とは?

あわせて、業務手順などは常に最新の手順書が管理できるクラウドツールの導入を検討することも有効です。

課題2:仕事の進捗管理が出来ない

マネジメントとして大きな課題になってくるのが「部下の仕事の進捗管理」です。社内コミュニケーションツールやチャットツールで離席中の状態が長い気がする…「なかなか返信が帰ってこないが、ちゃんと仕事をしているのだろうか…」など、目に見えない場所にいるためいままで簡単なコミュニケーションで補ってきた部分が問題として顕在化してくることが往々にしてあります。
かといって、どの時間に何をやっているか全てを管理しようとしたり、テストしようとしたりすると管理者の負担が大きくなってむしろ生産性が悪化してしまいます。
基本に立ち返り、Salesforceの進捗管理をもれなく入れてもらうなどの管理ツールで解決するか、Webミーティングでチームの進捗を確認する時間を入れるなどして仕組み化しましょう。

課題3:新しい業務の教育ができない

今までやってもらっていた業務についてはリモートでも対応してもらえているが、追加で新しい業務を依頼したい時や手順が一部変更した際に「リモートでは教育できない」ということが発生します。
いままで特段手順書やマニュアルを作成していなかった場合は、特にOJT(On-The-Job Training)での教育に頼っていた形になるので課題が顕著に現れます。かといって「出勤しているから」という理由だけで別の部下に仕事を教えると、不満、不公平感を与える懸念があるため対応策としては 「リモートワークでも教育できる環境を整える」ことが重要です。
そのためには 分かりやすいビジュアルベースの手順書やマニュアルを整備し、「見たら同じように対応できる」という状態にすることが有効です。

テレワークでのマネジメントにおけるポイント


テレワークの中でも、フルリモートや在宅勤務が多くなると今まで毎日顔を合わせていた部下やメンバーと合わない日が多くなります。今まではちょっとした会話や雑談でコミュニケーションをとっていたり、様子がおかしいな?と気づくことができていましたが、社内チャットツールだとどうしてもコミュニケーションの難易度が上がってしまいます。
そんな中でマネジメントをしていくにあたって重要なポイントをお伝えいたします。

部下の勤怠を細かく管理しようとしすぎない

テレワークが開始した後、「目に見えない部下の勤怠を、しっかり管理する」ことが重要だと思っていませんか?もちろんテレワークの目的は違うところにあるのですが、今まで目に見えていた出勤、退勤が勤怠システム上の打刻になるとマネジメントをする立場としては非常に気になってしまうものです。
しかし、実際に テレワークを実施している社員の約29%のは「つい仕事以外のことをしてしまう」という調査結果が出ています。(参考:テレワーク勤務のメリットや課題に対する調査)そんな中で、本当に時間ぴったりテレワークをしていたかにこだわり始めるときりがなく、本末転倒です。逆に、出勤していても雑談や立ち話が盛り上がったり、喫煙所に行ったり、コンビニに行ったりとパソコンに向かい合っていない時間はあったはずです。「勤怠を細かく管理する」ことだけにこだわらず、進捗管理ツールやミーティングなどを仕組み化し、出した成果で管理するようにしましょう。

部下のメンタルケアを第一に考える

テレワークが開始すると、部下のメンタル状況が見えづらくなります。もちろん今まで提出していた日報より急に短くなった、1度も遅れたことのない納期に遅れたなど分かりやすい変化があれば別ですが、表情や話しぶりなどのちょっとした変化には気づきづらいものです。
そこで重要にしたいのが「部下のメンタルケア」です。今までと違う環境で仕事をするため、変化があるという前提で、いままで月に1回だった1on1(1対1の面談)を月に2回にしたり、確認の際にチャットですませず電話に変更し、雑談をすることが有効です。
社内チャットで雑談しているよ、という会社もあるかと思いますが、実際マネジメント層に見えている部分は一角だけです。直接のコミュニケーションを一層大切にし、作っていくよう意識しましょう。

部下の評価は定量的に実施する

テレワークを導入した後にポイントになってくるのが「部下の評価」です。もちろん今までもマネージャーの頭を悩ませてきたポイントですが、特に個人の仕事の成果が見えづらくなります。それは部下同士でも同じで、「あの人仕事してなさそうなのに評価が高いらしい」「家で他のことしているんじゃないか」等の見えないがゆえの不安から不満につながってしまう事が多くあります。
その不満を解消するためには、 評価は今まで以上に定量的に実施し、広く基準や評価のポイントを公表することが重要です。

まとめ

2020年に入り一気に加速したテレワークの流れですが、あわせてたくさんの課題やマネジメントの問題も浮き彫りになっています。こちらの記事に記載した大きな問題以外にも、各社様々な課題が出ている状態です。
しかし、改めて「なんのためにテレワークを導入しているのか?」「どういった効果を見込んでいたのか?」を整理するとともに、 より定量的で公正なルールや手順を周知していくことで部下のメンタルケアもあわせて実施していきましょう。

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