業務の標準化とは?生産性や業務効率アップに重要な理由とその進め方

最終更新日: 2022.12.20 公開日: 2021.12.10

業務の標準化とは?
組織の拡大に伴い、業務の標準化を進めたいとお考えの方も多いのではないでしょうか。標準化は生産性や業務効率の向上において重要な役割を果たすため、企業成長には欠かせない取り組みです。そこで今回は、業務の標準化が重要な理由とその進め方について、企業成長における標準化のメリットとあわせて詳しくご説明します。

属人化解消ハンドブック

業務の標準化とは

業務の標準化とは、誰もがいつでも同じように作業できるように業務手順を最適な内容にすることです。業務の標準化を行うと、仕事の進め方や判断基準が会社のルールとして統一され、作業者ごとの手順にばらつきがなくなります。
業務の標準化は属人化の解消に直結し、結果として企業の生産性や業務効率の飛躍的なアップに繋がります。

業務の標準化は「業務フローの標準化」と「タスクの標準化」の大きく二つに分けられます。

「業務フローの標準化」とは、その業務についての認識を統一し、業務全体の流れを最適化・標準化することを指します。一方で「タスクの標準化」とは、業務手順を統一することです。
業務標準化の効果を最大限発揮するためには、業務フローとタスクの両方を標準化することが重要です。

業務の標準化を行う重要性

もちろん標準化をせず業務が属人化していたとしても、仕事は進められます。その際の懸念点は、業務効率が悪くなり、目には見えない無駄なコストが発生している可能性です。会社としても大小のリスクを背負うことになるでしょう。
以下では標準化をしない場合のコストやリスクについて詳しく解説します。

イレギュラーな人員変動への対応が遅れる

会社では、優れたスキルを持った人がいつでも同じように働けるわけではありません。病欠や休職などのリスクは常にありますし、退職や異動など、急な人員の変動は企業に付き物です。
そんなときに業務が標準化されていないと、引き継ぎがスムーズに行えません。おざなりな引き継ぎによって、業務ミスや対応漏れが発生することもあり得ます。最悪の場合は会社の利益や信用の損失につながるでしょう。

業務品質にバラつきが生まれる

業務が標準化されていないということは、同じ業務でも従業員のスキルや知識量によって品質に差が生まれやすくなってしまうということでもあります。一見仕方がないように思われるかもしれませんが、業務はやはり誰がやっても同じクオリティになるのが理想です。
例えばこれが担当者が不在で代わりに他の社員が担当する、といった場合であっても同様です。誰がどんな業務をしたとしても、対応時間がかかりすぎる、ミスが多くなるといった不要なコストがかかるような状況は防ぎ、品質を均質にしたいところです。しかし、これは標準化がされていないと難しいでしょう。

作業量が偏る

業務が属人化している、すなわち「その人でなければわからない業務がある」という状態では、一部の従業員にだけ業務負担が集中します。作業量が偏った結果、負担の大きい人がボトルネックとなり業務全体に遅れが発生し、クレームにつながることがあるでしょう。
また一部の人だけが残業続きになればワーク・ライフ・バランスが崩れ、頼りにしていた従業員がピンポイントで離職してしまう、といった状況も考えられます。

業務の標準化のメリット

ここまでにご紹介したのは、「標準化されないことによるデメリット」でしたが、逆に標準化によって得られるメリットも数多くあります。

業務のムダがなくなり効率化される

普段行う業務の内容や手順がはっきりと見える化されれば、最適な手順で効率的に業務を行えるようになるため、これまで無意識に発生していた無駄・非効率な業務手順をなくせます。
新入社員や異動してきて業務に不慣れな人でも、すみやかに業務をマスターできるようになるでしょう。オンボードまでに必要な時間が短縮され、会社としてはコスト削減につながります。

業務の品質が向上する

上記のような形でスムーズに業務にあたれば、作業の抜け漏れや担当者による作業のばらつきを減し、業務の品質向上も期待できます。その結果、会社としては顧客からの信頼度が高まりますし、顧客満足度がアップすれば業績にも好影響が出ます。

多能工化(マルチスキル化)につながる

作業員が状況に応じて複数の業務に対応する「多能工化」を実現できるのも、業務標準化の大きなメリットです。標準化によって一つひとつの業務を習得するハードルが下がり、従業員をどんどんスキルアップさせられるのです。
会社全体の技術力の底上げになるほか、人員の変動があってもほかのメンバーがカバーしやすくなります。

多能工とは何か? メリット・デメリットと単能工との違い

部署間連携がしやすくなる

業務のルールやフローが明確になれば、誰がいつどんな業務を行っているのか、情報の集約がしやすくなります。このため、例えば複雑な業務でも進捗を見える化することで部署間連携や引き継ぎがスムーズになりますし、常に情報共有されているためトラブル発生時も即座に対応できます。「誰かがどうにかしてやってくれているはず」という状況にはならないため、ボトルネックがあればすぐに把握し、会社として生産性向上のための取り組みも戦略的に図れるでしょう。
チーム同士が連携することで職場に良好なコミュニケーションが生まれ、従業員の定着率向上にも寄与します。

より創造的な業務に専念することができる

標準化により業務にかかる時間が削減され、空いた時間を創造的な業務に充てられるのも利点です。
特に現代は、社会の変化に応じて既存事業だけではなく新規事業にも積極的に取り組む必要があるため、従業員が新たな仕事に従事する余地が生まれるのは、非常に有益なことです。


属人化解消ハンドブック

業務標準化を実践するための5つのステップ

では具体的にどのように属人化を解消して業務標準化すればいいか、対策方法について5つのステップで解説します。

Step1.業務内容の洗い出し

まずは属人化している「標準化すべき業務」を洗い出して、いつ、どこで、誰が、どのように業務を遂行しているのか、内容や手順を見える化します。
このとき、どこからどこまでを一つの業務として捉えるのか、仕事の範囲や開始時期を明確に決めておきましょう。

Step2.標準化する業務の選定

業務内容を整理したら、標準化すべき業務を選定します。最初から全てを標準化するのではなく、まずは属人化が著しい、品質のバラつきも大きいなど課題となっている業務を優先的に選びます。
成果が出やすいところからスタートすることで成功体験が生まれますし、標準化を進める担当者のモチベーション維持にもつながります。

Step3.最適化

業務内容を整理したら、それが最適な手順になっているかも見直します。二度手間になっている部分や無駄な工程などがあれば徹底して省き、必要であればITツールなども導入して、効率的な方法を探ることが大切です。

Step.4多くの人員が業務をこなせるよう、マニュアルを作成する

最適化した業務をマニュアル化すれば、社員が誰でも簡単に業務を行えるようになります。これがすなわち、「業務標準化」の肝となる段階です。

最初から完璧なマニュアルを作ろうとすると挫折してしまうため、まずは簡単に業務の流れを書いたものを作成し、徐々にブラッシュアップしていくといいでしょう。業務の担当者が忙しい場合は「マニュアル作成担当者」を新たに立てて、少しずつ時間を取ってヒアリングしながらスモールステップで作成することをおすすめします。

Step.5PDCAを回していく

業務標準化は、マニュアルを作って終わりではありません。実際にマニュアルを用いて業務に取り組んでみると、問題点や改善点が出てくる場合がほとんどだからです。「マニュアル通りにやってもらえば大丈夫」と放置した結果、トラブルや思わぬアクシデントに見舞われる恐れもあります。

業務を標準化してからも、定期的に社員に意見を聞いたりしながら、マニュアルの内容をブラッシュアップしましょう。一度設定した内容を更新して効果を検証する、いわゆるPDCAを回していくことが業務標準化では重要です。

業務標準化を阻む「マニュアルを作成できない・使われない問題」

5つのステップでご紹介した通り、業務標準化の要とも言えるのがマニュアル作成です。しかし、そもそもマニュアル作成や更新自体に時間がかかってしまう、あるいはせっかくコストをかけて作ったマニュアルが上手く活用されないなど、いくつかハードルがあるのが実情です。
こうしたデメリットを回避して、「使われるマニュアル」を簡単に作る方法について、以下のホワイトペーパーにまとめました。ぜひ一緒にチェックしてみてください。


マニュアルホワイトペーパー

マニュアルを用いて業務標準化を図った事例紹介

ホワイトペーパーでもご紹介していますが、当社が提供しているTeachme Bizは、わかりやすいマニュアルを作るためのツールです。ここからは、実際にTeachme Bizを活用して業務標準化を図り業務の属人化から脱した事例を簡単にご紹介します。

【IT・情報通信業】株式会社Phone Appli様 事例

組織が拡大していく中で、業務の属人化やマニュアルの有無、作成フォーマット・格納場所の違いといった、さまざまな課題が顕在化していました。
そこでTeachme Bizを導入し「Teachme Bizを見れば一人でも仕事が出来る」という状況を構築。その結果、「質問しなければわからない」状態を解消し、新しく人が入ってきたときや新しいものを入れたときでも、迷わず仕事に取り掛かれるようになりました。

Teachme Biz導入が
スタートアップの急成長を支える
PhoneAppli様がTeachme Bizについて語る画像

【卸売業・小売業】株式会社山崎文栄堂様 事例

以前はお客様ごとの細かい対応などの情報共有ができておらず、担当者が休んだり退職したりすると仕事が滞ってしまい、問題が起きることがありました。
しかし、Teachme Bizで顧客ごとの対応表など属人化しがちな情報に対するマニュアルを作成し、しっかりと情報共有できるように。結果的に細々とした作業に費やす時間が大幅に削減され、前年度比で月間11時間も残業時間を減らせました。

属人化しがちな情報をマニュアル化!
担当者が不在でも対応できる環境を整備
コミュニケーションロスや雑務を削減!残業を前年度比11時間/月削減した卸売・小売業事例の画像

【IT・情報通信業】株式会社ワークスビジネスサービス様 事例

これまではチームごとに手順書のフォーマットや運用方法がバラバラで、業務標準化が大きな課題となっていました。
そこで、従来の手順書の品質や保管方法の統一を図るためTeachme Bizを導入。ビジネスプロセスマネジメントのツールと組み合わせることによって、引き継ぎの作業自体を約50%削減できました。
また、1時間かかっていた画像編集作業が20分に減り、手順書全体の作成時間で見ても、2時間の作業時間が約30%の30~40分程度にまで抑えられました。

手順書の属人化を解消し、引き継ぎ作業を50%削減!株式会社ワークスビジネスサービス様

【公務】石狩市役所様 事例

毎年100名以上の職員が部署異動をしており、マニュアルが存在しない・標準化されていないといったことが原因で、新任職員への引き継ぎや知識の共有がうまくできていないという課題を抱えていました。
Teachme Bizの導入後、まずは職員の実務にまつわる手順書作成からスモールスタートし、特定の職員に属人化していた業務の運用ルールを手順書として共有。職員の誰もが同じように業務を行えるようにしました。Teachme Bizの導入は段階を踏んで所内へ拡張中で、いずれは市民サービスへの応用も視野に入れています。

ペーパーレス化の実現と行政サービスにおける
利便性の向上を目指す。
石狩市役所様様

属人化した業務を標準化するには「Teachme biz」がおすすめ!

Teachme Bizは、マニュアルを簡単に作成・閲覧・管理できるクラウド型のマニュアル作成ツールです。画像や動画をベースにしたビジュアルにより視覚的に理解できるので、作業手順をわかりやすく共有することができます。

    Teachme Bizを使ったマニュアル作成の流れはたったの4ステップ!

  1. スマートフォンやタブレットで写真や動画を撮影する
  2. 説明文を入力する
  3. 伝わりやすくするために写真や動画にマーキングをする
  4. 手順書を公開・共有する

Teachme Bizは、クラウドでデータが同期されているため、改訂時もすぐに内容を更新でき、即座に現場へ伝えることができます。

ユーザーメリットの高い機能が備わっているTeachme Bizについて、取得した特許や具体的な機能についてお知りになりたい方はこちらをご覧ください。

詳しい機能を見る

マニュアル作成の基本から、簡単に作成できるコツをご紹介した「プロが教えるマニュアル作成の教科書」を無料で差し上げます。マニュアル作成にお悩みを解決し、伝わりやすいマニュアルを作成する第一歩として本資料をご活用ください。

\プロが教える/マニュアル作成の教科書!

あわせて読みたい
業務の属人化を解消する方法とは?原因と標準化の進め方を解説

この記事をSNSでシェアする

STEP2 マニュアルに取り組もう

関連カテゴリ

「業務効率化」の最新記事

人気の記事

マニュアルで生産性革命をおこそう

マニュアルは、上手く扱えば「単なる手順書」以上に大きな効果を発揮します。
生産性の向上はもちろん、「企業を大きく変える」可能性を秘めています。

Teachme Bizは、マニュアルであなたの企業にある課題を解決し、
生産性を向上するパートナーでいたいと考えております。
「組織の生産性を向上したい」「変える事に挑戦したい」と思う方は、
わたしたちと生産性の向上に挑戦してみませんか。

マニュアル作成・共有システム
「Teachme Biz」はこちら