【徹底解説】マニュアルとは? 種類や作成に必要な情報まとめ

最終更新日: 2022.08.21 公開日: 2022.08.15

マニュアルブログ

ひと口にマニュアルといってもさまざまな種類があり、用途や目的によって記載すべき内容は異なります。また、マニュアルの作成においては、いくつか注意すべき点もあります。本記事では、マニュアルの種類や作成するメリット、注意点、作成のコツなどについて解説します。

マニュアルとは

マニュアルとは、業務フロー全体の流れや各作業手順、仕事に取り組むうえでの注意点などを整理したドキュメントです。業務マニュアルや規範マニュアル、作業標準書などさまざまな種類があり、目的によって記載内容は大きく異なります。

マニュアルと手順書の違い

手順書は業務を構成する具体的な作業の手順について詳しく説明したドキュメントであり、作業に要するツールをはじめ、コツや注意点などが記載されます。読んで手順に従えば誰でも同じ成果を再現できるように作成するため、イラストや写真などの図表を用いて、行うべき手順を明確に提示します。

マニュアルと手順書は業務の進め方について記載する点で共通します。しかし、マニュアルは細かな手順を記載せず、包括的な業務の進め方や規則をまとめたものであり、作成する目的が異なります。
そのため、それぞれ作成時に意識すべきポイントも変わります。マニュアルと手順書の違いについては以下の記事で詳しく解説しています。

「マニュアルと手順書の違いとは?作成のポイントから運用方法を解説」

マニュアルの種類

マニュアルには、業務マニュアルをはじめ、企業理念・方針を示した規範マニュアルなどがあります。目的により記載すべき内容が異なることを理解しておきましょう。

業務マニュアル

業務マニュアルは、業務全体のおおまかな進め方や流れ、基準などを記載したものです。業務の全体像を把握させるために作成することが多く、オペレーションマニュアルとも呼ばれます。

業務の全体像をつかめないと、従業員は自身が取り組んでいる仕事にどのような意味があるのかわかりません。業務マニュアルで全体像を把握できれば、自身の作業が他の仕事とどう関わっているのか、どう貢献しているのかを理解できます。

規範マニュアル

規範マニュアルは、組織の内部統制を目的に作成されます。組織としての方針や理念、行動に関するルールなどを周知し、企業活動を円滑に進めるために活用できます。

組織に属する従業員としての心得や守るべき社会のルール、またルールに反したとき組織にどのような影響を及ぼすのかといった内容が盛り込まれます。

取扱説明マニュアル

取扱説明マニュアルは、業務で用いるツールやシステム、設備機器などの操作方法や注意点、メンテナンス方法などをまとめています。操作マニュアルや操作手順書、操作説明書、取扱説明書などと呼ばれることもあります。

ツールやシステム、設備の操作方法などを文書化していないと、従業員は不明なことがあるたびに上司や担当者に確認しなくてはなりません。作業を効率化するために、従業員が自ら操作方法をチェックできるようマニュアルを整備します。

作業標準書

作業標準書は作業手順書とも呼ばれ、前述の通り作業の手順を詳しく解説したマニュアルです。ひとつの作業を細かく解説し、ステップごとに明確な説明を記載します。
誰が行っても同じ品質で作業を完遂するのに必要なプロセスを整理しており、作成することで作業の標準化に役立ちます。

教材・訓練用マニュアル

教材・訓練用マニュアルは従業員の育成に用いられます。従業員のスキル、モチベーションアップを目的として作成され、実務で役立つテクニックやコツ、ノウハウなどのほか、業務理解に役立つ内容を盛り込みます。

新人育成を目的としたコンテンツであれば、単なるテクニックやスキルの向上を目的とした内容は重視されません。社会人としての精神やビジネスマナーから、業務に関する基礎知識など、組織の一員として必要な情報を説明することが求められます。

マニュアルの作成が必要な理由

マニュアルを作成する目的としては品質の安定化や業務の効率化が挙げられます。従業員が各々のやり方で業務を行うと、製品やサービスの品質が不安定になる、連携が取りにくくなるなど、非効率な状況の発生も招きます。また、マニュアルがないと、業務でわからないことがあった従業員に対し、その都度指導しなくてはなりません。指導する上司や管理者の手が止まり、時間コストも発生します。
これらの問題を解決するためには、誰もが同じスピード、品質のもとで業務に取り組める状況を作らなくてはならず、そのためにはマニュアルが必要です。

マニュアルの作成によって業務・作業の進め方、ルールなどを統一すれば、業務の標準化につながります。マニュアルがあれば、従業員は業務に必要な情報を自ら得ることができ、誰もが高い水準で成果を挙げる手法を一律に身に着けることが可能になるため、従業員全体の成果を向上・安定化させることができます。また、業務フローの全体像から自身の業務の立ち位置や前後で発生する業務内容を理解することで連携が取りやすくなり、効率的な業務遂行にも役立つでしょう。

マニュアルを作成するメリット

マニュアルを作成するメリットとしては、作業時間の短縮、品質の安定化、属人化の回避などがあります。
従業員が作業の方法や流れ・注意点などを理解できれば、次に行うべき作業を判断したり、問題発生時の解決に悩む時間を減らせるため、時短につながります。また、先を見据えた業務遂行が可能となるため、ミスによる手戻りを防ぎ、効率的に業務を進められるようになります。

また、入社したばかりの人や、他部署から異動してきた従業員は、最初からスムーズかつ高いパフォーマンスで業務を進めることは困難です。マニュアルで業務の進め方やルールを提示していれば、内容に従って作業を進められるため、品質の安定化や迅速化につながります。

さらに、特定の従業員に業務が依存していると、一部の従業員がやむを得ず欠勤や退社した場合、他の従業員で再現するのが困難になります。マニュアル化によって、他の従業員でも業務をこなせる環境を作り出すことは、このような属人化を回避するうえで有用です。

業務をマニュアル化する4つのメリットとは?

マニュアルを作成する前に注意しておくこと

マニュアル作成には前述のようにさまざまなメリットがありますが、いくつか注意すべきこともあります。主な注意点は、業務への創意工夫が減少する可能性がある、作成に時間と労力がかかる、の2点です。

業務への創意工夫が減少する可能性がある点

厳格なマニュアル化によって業務上の禁止事項といった縛りが多い状況では、従業員はマニュアル通りに業務へ取り組むことのみを求められ、自身の創意工夫を取り入れることが難しくなります。「こうすればもっとよくなるのでは」と考えにくくなり、ミスが減って品質は安定するものの、低い水準で成果が止まってしまう可能性があります。

事業の転換をはじめ、人員の入れ替わりや技術の進歩といった状況の変化に伴い、マニュアルにおける仕事の進め方にもブラッシュアップが必要です。例えばコンプライアンスを重視するあまりインターネットを用いた通信を一切禁じていると、必要な取引や手続きにおいて効率よく連絡を取るための手段がなく、新たなシステムの活用を標準化している他社に競争力で遅れを取ることがあります。
また、マニュアルに記載されている内容しかできなくなる可能性もあります。このケースでは、マニュアルで想定していないイレギュラーな事態が発生したとき、従業員は自ら解決策を考えて行動できず、対応が遅れるかもしれません。その結果、現場に混乱を招き、大きなトラブルに発展する可能性もあります。

マニュアルを作成するための時間や労力が必要な点

業務内容や記載内容によっても変わりますが、マニュアルの作成・更新には時間と労力がかかります。
作成にあたり、やるべきことは多くあります。テーマや目次、構成などのフォーマットを決定し、テーマや目的に応じて盛り込むべき内容を考え、必要に応じて現場の従業員へヒアリングしながら作成します。

設定すべき事項が多く、作成における作業量が多ければ、時間と労力も増大します。従業員が本来の業務に取り組みつつ、マニュアル作成にも取り組むケースであれば、どちらかが中途半端になってしまうおそれもあるでしょう。

また、マニュアルは作成して終わり、というものではありません。従業員へと周知し、内容に沿って運用できているかどうか、また効果はどの程度かを確認・分析して必要に応じて内容の修正や追記など更新作業もしなけければなりません。

マニュアル作成のコツとは?

マニュアルは、業務の取り組み方や流れ、手順などを解説するだけでは不十分です。もちろん、これらは必要不可欠な要素ですが、それ以上に「従業員にどうなってほしいのか」を意識した内容が求められます。
そのためには、まずテーマを設定することが有効です。たとえば、ミスなく正確に作業できるようになることが目的であれば、それを意識して作業の流れやルールを設定、解説します。

そして、読み手を考えて記述するのも大切なポイントです。たとえば、新人を対象としたマニュアルなのに、説明のない専門用語を多用すると理解しにくく、また別途で情報を調べる必要があるなど、読むだけでも手間と時間がかかります。また、カジュアルすぎる文体は、人によって不快感を抱くおそれがあるため注意が必要です。

基本的には丁寧な文体を心がけるべきですが、対象によっては話し言葉を用いるのもよいでしょう。新卒で入ってきた新人の場合、話し言葉も交えたカジュアルな文体のほうが親近感を抱いてもらえる可能性があります。

また、写真やイラストといった図表を多く用いると、わかりやすいマニュアルに仕上げられます。作業によっては、文字だけでは流れや内容を理解しにくいものもあります。例えば業務フローは、表を用いるとそれぞれの関係性や全体像が理解しやすく、また機器や道具類の操作方法などは図があれば迷わずに使用できます。

「マニュアル作成のコツ|作成方法・手順5ステップと運用ポイントをまとめました」

新入社員にマニュアル作成を任せるのもひとつの手です。種類によっては難しいかもしれませんが、新人ならではの視点で優れたコンテンツを作成できる可能性があります。実際、新入社員にマニュアル作成を任せる取り組みを実施し、成功した事例もあります。

マニュアルを「新入社員」が作ると、意外とうまくいく

気をつけたい! マニュアル作成のNG例

NG例として、説明不足が挙げられます。前述の通り、マニュアルに画像や動画を用いるのは、わかりやすく仕上がるため有効です。しかし、画像や動画を貼り付けただけで、それがどのような意味を及ぼすのかがわからなければ、混乱を招きます。

画像であれば、伝えたいことを要点として整理し、記述する必要があります。そこまでやって初めて、何を伝えたい画像なのかが理解できるでしょう。
動画を用いる際にも同様です。動画内で詳しく音声やテロップで解説しているならまだしも、映像を流すだけでは内容が伝わりません。解説がある場合でも、重要な点はテロップで強調するなどの工夫が求められます。

また、複数の内容をひとつの項目に多数盛り込んではいけません。マニュアルを確認したいとき、項目名や動画名で検索しても求める内容にアクセスできず、見つけるまでに時間がかかるのは非効率です。動画や文書は作業や工程ごとに内容をひとつずつ分け、必要なときに必要な情報をすぐ発見できる状態で保管しておくことが大切です。

マニュアルを「わかりやすく」する3つのポイント NG例と改善例を解説

マニュアルは整備が重要! 更新・運用のポイント

マニュアルを作成したにもかかわらず、社員が利用してくれないといったケースは少なくありません。このような状況に陥る理由のひとつとして、マニュアルの整備不足が挙げられます。

整備不足の例として、古い情報がいつまでも残っている、実務とかけ離れた内容になっている、といったことが考えられます。このようなマニュアルは信頼性に欠け、実際に使うことでかえってトラブルを招くおそれもあります。
このような事態を避けるためには、しっかりと整備を行える体制づくりが求められます。定期的に内容を見直し、必要に応じて修正や追記など更新を行うのです。

上記を実現するには、管理担当者を選任しておくとよいでしょう。担当者を決めず、誰でも変更できるような状況では、かえって情報の更新が遅れ、マニュアルを常に最新の状態に保つことが困難になります。マニュアルのボリュームが大きい場合は、複数の担当者を選任しておくと安心です。
また、マニュアル更新後には第三者に内容を確認してもらい、マニュアルとしての確実性を高めることも重要です。

マニュアルは整備し続けなければ活用されない!?更新・運用のポイント

マニュアル作成ツールにはどんなものがある?

マニュアルは、紙とペン、もしくはWord、Excelなどのツールがあれば作成可能です。ただし、これらの方法で作成するのは効率が悪く、内容の修正・更新などマニュアル作成後の運用面においても不向きなためあまりおすすめできません。

おすすめなのは、マニュアルの作成や管理を行える専用ツールの導入です。マニュアル作成ツールは、豊富なテンプレートを利用してスピーディーに作成でき、高品質なコンテンツに仕上げられます。また、製品によってはオンラインでマニュアルを共有できるものもあります。

テキストだけでなく、画像・動画マニュアルの作成に特化したツールもあり、作業の手順が複雑であり、テキストでは説明しきれない業務のマニュアル化において重宝します。

また、手順式マニュアルツールと呼ばれるタイプは、工程を複数のプロセスにわけてステップごとに説明できるため、わかりやすい内容に仕上げられるのがメリットです。

現在では、数多くのマニュアル作成ツールがリリースされており、機能や費用もさまざまです。特徴やできることも異なるため、複数のツールを比較しつつ目的に沿ったものを選びましょう。

【2022年版】マニュアル作成ツール徹底比較!失敗しない選び方

効果的かつ簡単にマニュアルを作成するなら「Teachme Biz」

「Teachme Biz」は、誰でも簡単にマニュアルを作成できるツールです。作成だけでなく、運用に役立つさまざまな機能を実装していることが特徴です。

Teachme Bizの大きなメリットは、直感的な操作でマニュアルを作成できる点です。用意されているテンプレートを利用し、テキストや画像、動画を入れていくだけの単純なステップでマニュアルを作成できます。ツール上で画像・動画編集も行えるため別途編集ソフトを用いる必要がなく、スマートフォンやタブレット端末、PCなど多様な端末で機能を利用可能です。

また、運用においては求める情報へ迅速にアクセスできる機能を備えています。キーワード検索のほか、QRコードを読み取るだけで求めるマニュアル・項目へとアクセスできるため、必要なときにすぐ情報を取得できます。たとえば、設備機器の操作方法を知りたいとき、QRコードを該当する機器に貼り付けておけば、作業者が迷うことはありません。

運用をサポートする機能も充実しています。たとえば、Teachme Bizには閲覧、検索ログ分析機能が実装されており、マニュアルの閲覧状況をチェックできます。そのため、社員がきちんとマニュアルを使用しているか、浸透しているかといったことを把握できるのです。

また、人材育成に役立つ機能も実装しています。トレーニングの進捗状況を可視化し、オンラインでチェックできる機能があるため、受講者がカリキュラムをどこまで進められているのかを容易に把握できます。
堅牢なセキュリティ環境も整備しているため、安全に運用できるのもメリットです。

まとめ

マニュアルの作成により、作業時間の短縮や品質の安定化、属人化の回避といったメリットを得られます。効率的に作成や運用を行いたいのなら、マニュアル作成ツールを利用するのが有効です。この機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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