無料Web会議ツール4選を比較!特徴からメリット、選び方まで解説
働き方改革の推進や社会情勢の変化によって、現在多くの企業では「新しい働き方」としてリモートワークが導入されています。
自宅から会議に参加できる環境を整えるために欠かせないのが、Web会議ツールです。実際に使ったことはあっても、「自社に合ったWeb会議ツール」かどうかは、意外と見落としがちなポイントかもしれません。
この記事では、厳選された4つの無料Web会議ツールの特徴やメリット・デメリット、選び方のポイントまでご紹介いたします。
目次
Web会議ツールの基本
Web会議ツールとは
そもそもWeb会議とは、インターネットを利用してオンライン上の映像と音声で行われる会議のことです。Web会議は参加者が同じ場所にいる必要がないため、リモートワークには必要不可欠な要素になっています。
似ている言葉に「テレビ会議」がありますが、テレビ会議は会議室などの数人が集まる場所に据え置き型の専用端末をおいて行う会議を指します。
基本的な機能
多くのWeb会議ツールはただ単にオンラインで通話やチャットができるだけではなく、ビジネス利用に便利な基本的機能が備わっています。簡単に代表例をご紹介しましょう。
録画・録音
会議の議事録のため、利用中の動画や音声を録画・録音するのは基本機能の一つです。Web会議ツールでセミナーや講演会を開いた際も録画しておけば、オンデマンド資料として活用もできます。
ファイル共有
会議中に資料を共有し合うために、ファイル共有機能も備わっています。ファイルサイズが大きすぎると通話に支障が出る可能性があるため、容量制限には注意しましょう。外部のファイル共有サイトを使い、URLだけをチャットに貼る形でも共有は可能です。
仮想背景
リモートワークの普及により自宅でWeb会議ツールを利用する人が増えた結果、多くのツールに仮想背景が実装されました。これはプライバシー保護の観点で、通話中の背景を特定の画像へと差し替えられるものです。
企業が利用する場合は会社名や利用者の名前、肩書などが記入された専用の背景を使うケースが増えています。
Web会議ツールのメリット
基本的に無料で使える
Web会議ツールには無料のものから有料のものまで、さまざまなサービスが提供されています。基本的に無料でも十分な機能を持ち合わせているツールがほとんどで、有料の場合は人数や時間の制限がなく多くの機能を使うことができます。
まずは無料版を使ってみて使用感を確認し、さらに機能を充実させたい場合には有料版の利用がおすすめです。
活用用途が広い
Web会議ツールは社内外のミーティング以外にも、活用用途が非常に幅広いツールです。例えば人事領域一つ取っても、Web会議ツールを使えば会社説明会や面接を簡単にWeb上で行えます。海外人材の採用面接も、Web会議ツールを使えば国内にいながら実施できるのは大きなメリットです。
そのほかにもテレワークはもちろん、ウェビナーや営業、接客にいたるまで、工夫次第でさまざまな業種に活用可能です。
テレワークに使う場合はWeb会議ツールを常時接続して、オフィスで働いているような声掛けのしやすい環境を擬似的に再現する例もあります。またウェビナーならWeb会議ツールの機能を使って、対面と同じように参加者と登壇者の双方向的なコミュニケーションが可能です。接客なら小売店の販売員が店舗と同等、あるいはそれ以上の売り上げを出すような例が見受けられます。
生産性向上につながる
Web会議ツールによって業務の効率化やコスト削減を図れば、生産性の向上を期待できます。
例えば社内のメンバーと迅速にコンタクトを取れば、あらゆる案件の意思決定スピードが格段に速くなります。拠点が離れていてもわざわざ出張する必要がないため、交通費や移動時間も削減可能です。
またWeb会議なら資料などの印刷物の配布が不要です。ペーパーレス化になり、業務負担が軽減されます。
無料で使えるWeb会議ツール おすすめ4選
ここからはWeb会議ツールの中でも、利用者が多くおすすめの無料Web会議ツールを4つご紹介いたします。すぐに使える使い方マニュアルも公開中なので、ぜひご活用ください。
Zoom
Zoomは2011年に設立されたアメリカの企業の製品で、Web会議ツールの代表格ともいえる存在です。2021年の調査では日本の企業の約6割がZoomを利用していると報告されており、導入しやすくほかの企業との会議に利用しやすいことが人気の理由になっています。
Zoom
ベーシック | プロ | ビジネス | ビジネスプラス | |
---|---|---|---|---|
価格 | 無料 | 20,100円/年 | 26,900円/年 | 31,250円/年 |
最大利用人数 | 100名 | 100名 | 300名 | 300名 |
最大利用時間 | 40分 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
<メリット>
知名度が高く誰もが一度は使ったことがあるレベルで浸透しているツールのため、導入ハードルはかなり低いでしょう。通常のミーティングを行う分には、機能も過不足ありません。
アドオンプランが充実しており、必要な機能があれば費用を追加して機能強化が可能です。
<デメリット>
無料版は40分の時間制限があるため、頻繁に長時間のミーティングを行う場合は不便に感じるでしょう。
またミーティングを行うためにはURL発行が必要な分、社内で気軽にミーティングを行う場合には多少煩雑さがあります。画面共有は1名の画面しか行えないため、複数名での共同作業にも不向きです。
<向いているユーザー>
・社外の人との短時間のオンラインミーティングや商談が多い
・安定した通信環境で通話したい
Zoomについて詳しくはこちら
【マニュアル付き】Zoom(ズーム)とは? 使い方から便利機能を画像付きマニュアルで徹底解説!
Microsoft Teams
Microsoft Teamsとは、マイクロソフトが開発、提供するコラボレーションプラットフォームで、Microsoft 365アプリケーションの一部です。2017年3月14日に世界中でサービスを開始しました。
以前はOffice 365ではSkype for Businessというコミュニケーションツールが提供されていましたが、サービスが終了したためMicrosoft Teamsへの移行が推進されています。
Microsoft Teams
Microsoft Teams | Microsoft Teams Essentials | Microsoft 365 Business Basic | Microsoft 365 Business Standard | |
---|---|---|---|---|
価格 | 無料 | 430円/月 | 650円/月 | 1,360円/月 |
最大利用人数 | 100名 | 300名 | 300名 | 300名 |
最大利用時間 | 60分 | 30時間 | 30時間 | 30時間 |
<メリット>
Microsoft WordやMicrosoft ExcelなどのMicrosoft 365ファイルであれば、複数人で同時編集できるなど、ファイル共有の互換性が高いのが大きなメリットです。
またOffice 365のサービスを利用している場合は追加で出費する必要がないのもうれしいポイントです。
<デメリット>
Teamsの不満点としてよく挙げられるのが、操作性が直感的ではなく慣れが必要なことです。また、他社ツールに比べると通信データ量が多く、利用環境によっては通信が不安定になるケースも多いようです。
<向いているユーザー>
・すでにOffice365を導入している
・Office製品を用いた共同作業を頻繁に行う
Microsoft Teamsについて詳しくはこちら
【マニュアル付き】Microsoft Teamsとは?導入のメリットから使い方まで徹底解説!
Google Meet
Google MeetはGoogleが提供するオンライン会議ツールです。以前は有料のG Suiteユーザーのみ利用できるサービスでしたが、2020年5月から無料のGoogleアカウントユーザーも利用可能になりました。
Google MeetはGoogleアカウントユーザーであれば誰でも利用でき、専用アプリケーションをインストールする必要もありません。手軽にオンライン会議を導入しやすい点が大きなメリットです。
Google Meet
Google Meet | Business Starter | Business Standard | Business Plus | |
---|---|---|---|---|
価格(※1) | 無料 | 680円/月 | 1,360円/月 | 2,040円/月 |
最大利用人数 | 100名 | 100名 | 150名 | 500名 |
最大利用時間 | 24時間(※2) | 24時間 | 24時間 | 24時間 |
※1 有料版はGoogle Workspace(旧G Suite)の利用
※2 参加者が3名以上の場合は60分
<メリット>
Google MeetsはGoogleアカウントで利用できる機能の一つであり、そのほかのカレンダーやストレージ、メール機能などとシームレスに連携しています。Googleの機能に慣れた人であれば、違和感なく利用できるでしょう。また、ブラウザ上のみで全ての機能を利用できるのもメリットです。
<デメリット>
無料プランの場合、3人以上の会議は60分の制限があり、録画機能も利用できません。特に録画機能は必要になる場面が多いため、ビジネスで利用する場合は有料プランへの移行を検討するのがおすすめです。
<向いているユーザー>
・Googleアカウントを頻繁に利用している
・ブラウザでWeb会議ツールを使いたい
Google Meetについて詳しくはこちら
【マニュアル付き】Google Meetの使い方を徹底解説!便利な機能から他ツールとの違い
Webex Meetings
Webex Meetingsはアメリカのシスコシステムズの製品です。同社はネットワーク機器の最大手として著名で、Webex meetingsも世界で最も利用されていると言われるほど浸透しています。
通信の安定性が高く、ホワイトボード機能や録音録画機能など無料版でも機能が充実しており、あらゆる端末から参加可能な点が人気です。
Webex Meetings
無料プラン | Starter | ビジネス | |
---|---|---|---|
価格 | 無料 | 1,700円/月 | 3,400円/月 |
最大利用人数 | 100名 | 150名 | 200名 |
最大利用時間 | 50分 | 24時間 | 24時間 |
<メリット>
Webex Meetingsは音声・映像が高品質で、通信も安定している点が大きな特徴になっています。また多言語対応しており、100以上の言語をリアルタイム翻訳可能。ミーティング後の文字起こし機能なども搭載しています。
またセキュリティに力を入れているためさまざまな情報が暗号化されており、安心して利用できます。
<デメリット>
無料プランの場合は参加人数こそ100名ですが、最大時間が50分なのがネックです。また接続は安定しているものの、挙動が若干遅い点、操作や設定がやや煩雑な点はデメリットです。
<向いているユーザー>
・セキュアな環境でWeb会議ツールを使いたい
・多国籍なチームで利用する
おすすめの無料Web会議ツール4選を比較
無料Web会議ツールのおすすめ4選の機能の違いを以下の表にまとめました。利用目的にあわせて適切なWeb会議ツールを選びましょう。
無料Web会議ツールの比較
Zoom | Microsoft Teams |
Google Meet |
Webex Meetings | |
---|---|---|---|---|
参加可能人数 | 100名 | 100名 | 100名 | 100名 |
時間制限 | 40分 | 60分 | 24時間 参加者が3名以上の場合は60分 |
50分 |
向いているユーザー | ・社外の人との短時間のオンラインミーティングや商談が多い ・安定した通信環境で通話したい |
・すでにOffice365を導入している ・Office製品を用いた共同作業を頻繁に行う |
・Googleアカウントを頻繁に利用している ・ブラウザでWeb会議ツールを使いたい |
・セキュアな環境でWeb会議ツールを使いたい ・多国籍なチームで利用する |
※無料版の比較
Web会議ツールを選ぶポイント
最後に、Web会議ツールを選ぶ際に重視したいポイントについて5つご紹介します。特に重要なのは自社の利用用途や規模に合っているかどうか。一つひとつのポイントをじっくり吟味しましょう。
利用人数や利用時間
Web会議ツールによって利用人数や利用時間に制限があるため、どの規模でどれくらいの時間利用する予定なのかは非常に重要な要素になります。
定例会議のように短時間で終わる会議に利用する場合は、使える機能の便利さが重要になりますが、大人数を集めて行うセミナーや講義として利用する場合は利用人数や利用時間をよく見て選びましょう。
セキュリティ
会議における危機管理対策は企業にとって必要不可欠な要素です。
今回ご紹介している4つのWeb会議ツールはいずれもセキュリティ対策が行われていますが、安いからという理由でセキュリティ対策のされていないツールを使ってしまうと、情報漏洩やハッキングの被害にあってしまう可能性があります。必ず信頼度の高いツールを利用するようにしましょう。
例えばURLを発行すれば参加可能なツールの場合、URLが漏洩すると意図しないユーザーが参加してしまうリスクがあります。
ツールによっては会議の入室を制限するために待機室を設置したパスワードを設定できたりするものもあるため、セキュリティ対策の機能がどれくらいあるのかも必ず確認しましょう。
そのほか代表的なセキュリティ機能は以下のような内容です。
- 暗号化機能
- 接続IDの設定
- IPアドレスの指定
- 端末認証
利用のしやすさ
多くの企業でWeb会議は、社内だけではなく取引先や顧客との商談にも利用されています。なるべく多くの企業が利用しているWeb会議ツールを選べば、円滑に会議を開催できるでしょう。
あまりニッチなツールを利用すると、事前にアプリのインストールや会員登録が必要だった場合、会議を行うまでに手間がかかってしまいます。
特にグループ会社や関わりの多い取引先がすでに特定のWeb会議ツールを利用している場合は、同じものを利用することをおすすめします。
価格
Web会議ツールの利用頻度や用途によっては有料プランの利用が必要になります。このとき、有料プランで使える機能と実際の利用用途が釣り合っているかどうかは、しっかり精査しましょう。
何かツール利用時にトラブルがあった場合にサポートを受けられるかどうかも、事前確認しておくと安心です。
機能
今回ご紹介したように、Web会議ツールにはさまざまな便利な機能が搭載されています。自社がどのようにWeb会議ツールを利用するのかを鑑みて、必要な機能はあらかじめリストアップして明確にしておきましょう。
例えば社内会議が多く議事録も必須であれば、文字起こしまでできる自動議事録作成機能のあるツールがおすすめです。ほかにも外国人とのミーティングが多いのであれば同時通訳機能が便利ですし、説明会やセミナーを行う場合は投票やアンケート機能が搭載されていると、利用の幅が広がります。
まとめ
今回は無料で使えるWeb会議ツールについてご紹介いたしました。業務の中でも特に会議は長時間に及んでしまうことが多く、生産性に大きな影響を与えてしまいます。会議を快適に行うためにも、これを機に現在利用しているWeb会議ツールを見直してみてはいかがでしょうか?
本ブログでは、Web会議ツールであるZoomやMicrosoft Teams、Google Meetについて以下の記事でより詳しくご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
Zoom Meetingsについて詳しくはこちら
【マニュアル付き】Zoom(ズーム)とは? 使い方から便利機能を画像付きマニュアルで徹底解説!
Microsoft Teamsについて詳しくはこちら
【マニュアル付き】Microsoft Teamsとは?導入のメリットから使い方まで徹底解説!
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【マニュアル付き】Google Meetの使い方を徹底解説!便利な機能から他ツールとの違い