業務効率化に欠かせないSOP (標準作業手順書)とは?良い例・悪い例を見本で解説
「SOP」と聞くと、皆さんは何を想像しますか?あまり聞き慣れない言葉ですが、SOPは自動車業界や医療・製薬業界などをはじめとした製造業で比較的使用されることが多く、また、海外においては日本以上にその浸透している言葉のようです。わかりやすく言い換えるとSOPは「手順書」や「マニュアル」を指します。
私たちが提供するTeachme Bizは「ビジュアルSOPマネジメントプラットフォーム」という名称でサービスを展開していますが、マニュアルではなく意図して「SOP」という言葉を用いています。わかりやすく言い換えると、動画や画像を使った手順書を管理・共有できるプラットフォームということになります。同じような意味で使用される「マニュアル」と「SOP」にはどのような違いがあるのか、わかりやすく解説します。
目次
SOPとは?
SOPとは、Standard Operating Proceduresの略で、日本語では「標準作業手順書」と表し、「スタンダード・オペレーティング・プロシージャーズ」と発音します。「Procedure」は「手順」を意味し、SOP(標準作業手順書)は、業務や作業を進めるための手順について詳細に記された指示書のことです。「標準作業」とは、手順に無駄がなく、安全で効率的な作業方法のことです。SOP(標準作業手順書)があることで、作業が標準化され、業務品質を均一に保つことが可能です。SOP(標準作業手順書)には、製品やサービスの信頼性や確実性を担保するために守られるべき事項や作業順序がまとめられています。SOP(標準作業手順書)があることで、作業や業務をスムーズに進めることができるので、業務効率化につなげることができます。
SOP(標準作業手順書)とマニュアルの違いは?
SOP(標準作業手順書)と似た性質をもつものとして「マニュアル」があります。マニュアルは、作業や業務に関するノウハウや注意点についてまとめた文書のことです。機器で言うところの取扱説明書にあたります。
マニュアルには、手順だけでなく業務を円滑に進めるための規定や規則など、総合的な内容が求められます。一方、SOP(標準作業手順書)は、作業工程や動作についてまとめた内容です。SOP(標準作業手順書)とマニュアルは、情報範囲の広さ、細かさに大きな違いがあります。
SOP(標準作業手順書)作成のコツや注意点
SOP(標準作業手順書)を作成する前にまず作業手順を見直す
SOP(標準作業手順書)を作成する目的は、作業を無理なく、ミスなく、早く、安全に確実に行うためです。そのため、正しい作業工程や作業の進め方の記載が求められます。今行っている作業方法を書き記すのではなく、正しい作業工程を設計し、SOP(標準作業手順書)を作成しましょう。
SOP(標準作業手順書)を作成するツールを決める
SOP(標準作業手順書)の作成には、ワードやパワーポイント、エクセルなどのoffice系ソフトが使用される場合が多いです。最近ではTeachme Bizのようなマニュアル・手順書作成ツールの使用する企業も増えてきました。SOP(標準作業手順書)を使用する人数や、共有のしやすさなどを考慮して自社にあった最適なツールを選びましょう。
>>【2021年版】マニュアル作成ツール徹底比較!失敗しない選び方
SOP(標準作業手順書)の文章は簡潔にわかりやすく
SOP(標準作業手順書)の説明文は、簡潔で読みやすい文章にすると効果的です。作業順序ごとにステップバイステップになっていると、使用する人の理解が進みます。ステップバイステップは「手順を1つ1つ確認しながら業務を進められる」「ここまで終わったら次の作業へ進むということが分かりやすい」というメリットがあります。また、専門用語や業界用語には説明をつけて初心者でも理解できるようにすることを心がけましょう。
※ステップバイステップ形式のSOPサンプル
【サンプル】令和2年分(2020年分) 年末調整等の用紙記入方法
SOP(標準作業手順書) の良い例・悪い例
では、どのようなSOP(標準作業手順書)が、使用する人に理解しやすく、業務効率化につながるのでしょうか。見本のSOP(標準作業手順書)をご用意しましたので順番に見ていきましょう。
【悪い例】SOP(標準作業手順書)
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悪いSOP(標準作業手順書)のポイント
- 文字だらけで読みづらい
- 文章が難解すぎる
- 初心者にわからない専門用語が書いてある
- 1つの作業を流れで追えない
文字が多く、文章も難解であるため、理解に時間がかかるタイプのSOP(標準作業手順書)です。読むことが難しいと感じる手順書は敬遠され、作業工程の周知が遅れる原因になります。SOP(標準作業手順書)の精読より、すでに作業工程を理解している人への質問が行われる事態になると、教える側の業務が増えるという悪循環が発生します。
【良い例】SOP(標準作業手順書)
次にSOP(標準作業手順書)の良い例をご紹介します。
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良いSOP(標準作業手順書)のポイント
- 簡潔で読みやすい文章
- 画像や動画の適切な使用
- 図解やフローチャート、リストなどでわかりやすく整理されている
- 作業方法が手順に沿ってステップごとに記されている
画像と合わせて簡潔な文章で補足されています。作業工程がステップバイステップでわかるのも良いSOP(標準作業手順書)の特長です。
これを見ながら作業を行い、誰でも間違いなく標準作業を行うことができれば、業務品質の均一化や業務効率化が実現します。
SOP(標準作業手順書)の導入事例
SOP(標準作業手順書)の導入を行い、統一した作業工程や状況判断が可能になった企業もあります。ぜひ、参考にしてみてください。
具体性のある統一されたマニュアルで効率化と正確性が向上
物販を行う流通企業のベイシアグループ様では、生産性の向上を目指して、店舗オペレーションの再構築を図りました。それまで使われていた紙のマニュアルのほとんどが更新されない・または閲覧されないなど、積極的に活用されていないという悩みを抱えていたからです。
また大型店舗のマニュアルでは、小型店舗に対応できないという問題もありました。そこで、大型店舗で外部委託していた業務を小型店舗ではマニュアル化するなど、各店舗の形態に合わせて細かく作成することで、問題を解決したのです。
また、プリントしたマニュアルが使えないという問題もありました。たとえば生鮮食品を扱う場合、商品の色で廃棄しなければならないというケースでも、印刷したインクの色あせで標準的な色が分からなくなるといったトラブルです。しかし、SOP(標準作業手順書)の導入により、従業員が統一した色を判断できるようになったため、作業の効率化・正確性の向上が実現したのです。
手順書の作成時間を大幅に短縮
研磨業界のワンストップソリューション企業であるMipox様では、品質マネジメントシステムの「ISO9001」と環境に関する「ISO140001」を取得し、厳しい基準で製造工程と品質管理を行っています。
ISOの基準を満たすための手順書や維持管理は膨大な量に上ります。しかし作成者によって作業手順に偏りが出たり、文字の割合が多くなりすぎたりと、さまざまな問題が発生しがちです。また、作成に大変な時間がかかり、周知に時間がかかりすぎるということに悩みを抱えることも少なくありませんでした。しかし、SOP(標準作業手順書)の導入により、紙だったSOP(標準作業手順書)をペーパーレス化することで、統一された作業工程の周知徹底が可能になると同時に、作成時間の大幅な短縮を実現することができました。
まとめ
SOP(標準作業手順書)は作って終わりではありません。使用して、更新して、どんどんアップデートしていく必要があります。SOP(標準作業手順書)を小さいサイクルでしっかりと運用していく「アジャイル型」運用が必要です。アジャイルとは「俊敏」「スピーディー」という意味を持つ単語で、長じてアジャイル型は「機敏・柔軟性を持った開発・運用」とされています。頻繁なアップデートが求められるSOP(標準作業手順書)は、まさにアジャイル型の運用が望ましいといえるでしょう。
また、出来栄えの良いSOP(標準作業手順書)を作ることが第一の目的になってはいけません。作業する人がいかにSOP(標準作業手順書)を素早く理解し、準拠して業務に取り組めるかどうかに重点を置き、内容を浸透させることが重要です。
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「Teachme Biz」は写真やイラスト、動画、テキストを駆使することで、より分かりやすく、より業務効率化を図ることを可能にしたビジュアルSOPプラットフォームです。
SOP(Standard Operating Procedures)とは、具体的な作業や手順を作業ごとに順序立てて説明したものです。ビジュアルSOPプラットフォームを用いることで、テキストだけでなく画像や動画を効果的に使った「誰でも簡単に内容を理解できる手順書」を作成することができます。
- スマートフォンやタブレットで写真や動画を撮影する
- 説明文を入力する
- 伝わりやすくするために写真や動画にマーキングをする
- 手順書を公開・共有する
Teachme Bizを使った手順書作成の流れは以下の4ステップです。
クラウドでデータが同期されているため、改訂時もすぐに内容を更新でき、即座に現場へ伝えることができます。
またTeachme Bizでは無料トライアルをお申し込みいただけます。「自分達でも簡単にマニュアルが作成できるのか試してみたい」「実際に使ってみて自社に合うか相談したい」という方はぜひ無料トライアルをご利用ください。
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