業務フローや企業風土に変革をもたらすDXを推進
現場で活用されるマニュアル作り
ベイシアでは、商圏ニーズに応じたさまざまな形態の店舗を展開。衣食住を総合的に扱う『スーパーセンター』、食品特化型のなかでも大型の『スーパーマーケット』や小型の『ベイシアマート』など、全国各地に出店しています。
―――Teachme Bizを導入した背景を教えてください。
株式会社ベイシア 執行役員 流通技術研究所 所長 重田様(以下敬称略): Teachme Biz導入のきっかけは、『ベイシアマート』が生産性の向上を目指して、店舗オペレーションの再構築を決めたことです。それに伴って、マニュアルを整備し直すことになりました。
と言うのも、それまではマニュアルや店舗運営基準書のフォーマットを決めて作成し、ファイルに格納していましたが、多くのケースが更新されない・閲覧されないという状態でした。実際のところ、研修を受けた時や業務を担当した当初は見るのですが、その時だけ。作業が変わってもマニュアルは追いついておらず、上手く活用されていないという問題を抱えていました。そんな時に、出会ったのが、Teachme Bizでした。
―――導入の決め手は?
重田: 他社サービスも検討しましたが、私たちにとっては、マニュアルを最新の状態に保てることが第一でした。Teachme Bizなら、動画や静止画を使ったマニュアルをサクサク作れて変えるのも見るのも簡単なので、誰にでも分かりやすい。だから、一方的に本部側で作るのではなく、店舗で作業しているスタッフと一緒に“つまずいている”ところを確認しながら、作り上げていくことができます。現場と乖離のないものにするためにも、そういった特長は重要なポイントでした。また、コスト面で決断しやすかったことも後押しとなりました。
具体性のあるマニュアルで生産性アップ
―――実際にどのようなマニュアルを作っていますか?
株式会社ベイシア ベイシアマート商品部 部長 戸枝様(以下敬称略): 『ベイシアマート』の担当になってまず気づいたのが、大型店舗のマニュアルは小型店舗で使えないということでした。例えば、大型店舗では外部委託している清掃等も、小型店舗の場合は自力でやらなければなりません。そのため、清掃方法などもマニュアル化しました。
それ以外にも、「この色になった果物は売らない」という基準を示したマニュアルは、プリンター性能や色あせによって、「本当は何色なのか分からない」という状況に陥っていましたが、Teachme Bizならタブレットで見ることができるので、そのような問題は解決されました。
マニュアルのペーパーレス化で年間数百万円のコスト削減
―――導入の効果はいかがでしたか?
戸枝: まずはペーパーレス化することによって、カラープリントした場合に比べて、年間数百万円のコストを削減できたこと。また、これまでは1つあたり1時間以上かかっていたマニュアル作成が10分以内でできるようになっています。しかし、最大の成果は“作業のコツ”が共有できるようになったことではないでしょうか。それまでは作業のやり方を指定されていなかったため、個人によってバラバラでしたが、Teachme Bizの導入後は、作業を標準化できたことで生産性も大幅にアップしました。なかでも品出しの作業時間は、効果が高かった店舗では1/3ほどになりました。
今後、そういった優秀なスタッフが持っている“コツ”や良い売場の事例なども、どんどん共有したいと考えています。それによって店長同士やスタッフ同士が競い合うように、切磋琢磨してもらえればいいですね。
Teachme Bizの全社展開によって顧客サービスを向上させたい
―――今後の活用計画を教えてください。
戸枝: 小型店である『ベイシアマート』16店舗における一定の導入効果が認められたので、スーパーセンターの『ベイシア』142店舗にも展開予定です。そして、ゆくゆくは全社的にマニュアルをTeachme Bizに統合していこうという方針も示されています。ただし、単にマニュアルどおりにやることが正解というわけではありません。マニュアルを認識してベースにした上で作業を組み立てられる人材を育てていくこと。私たちに求められているのは、そこだと思っています。
重田: 今後いかに活用できるかは私たち次第でもあり、マニュアルをブラッシュアップしていくことは、現場の対応力をより高めることにもなります。そして、最終的に目指すべきところは、お客様に対するサービスレベルの向上であり、そこは十分に期待できると考えています。