業務の属人化を解消する方法とは?原因と標準化の進め方を解説

最終更新日: 2023.07.21 公開日: 2019.10.28

業務の属人化を解消する方法

「担当者が不在のときに、クライアントから問い合わせが来て困ってしまった」「担当者が休みで業務が滞ってしまった」……多くの方はこのような経験をしたことがあるのではないでしょうか。

特定の社員だけが業務を担当することで、結果的に仕事が停滞してしまう状態のことを、「属人化」と呼びます。しかし本来は、誰でも同じように取り組んで、一定のアウトプットを出せることが理想です。

そこでこの記事では、仕事が属人化してしまうリスクや原因について紹介します。また、属人化を解消するためにおすすめしたい「業務標準化」及び、マニュアル整備の重要性についても触れていますので、属人化を課題に感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。


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目次

業務の属人化とは

「業務の属人化」とは、特定の社員だけが業務を担当することにより、いざその当人が業務を離れた際、その内容や進め方がわかる人がいない状態のことを指します。

近年、企業が業務における生産性の向上や効率化を図るにあたって、問題視されている課題のひとつです。属人化が浸透してしまうと、担当している人が急に病気になったり退職したりしたときに、誰も業務の内容や進捗を理解していないという状態になり、あらゆるケースにおいて支障が起きてしまいます

「業務標準化されていない」状態が属人化

多くの企業は現在、国が提唱している「働き方改革」の推奨といった観点からも「業務標準化」に努めています。

業務標準化とは、マニュアルがきちんと整備され、誰もが業務に対して一定の知識を持って取り組めることを指します。業務標準化により業務フローをきちんと明確にし、取り組む手順等を統一することで、誰もが効率的に質の高い業務をおこなうことができます。例として、とりわけ以下のような業務は、標準化することで生産性を向上しやすいでしょう。

  • 特別なスキルや専門性を必要としない業務
  • 作業の手順が明確で定型的におこなえる業務
  • 安定した品質やスピードが求められる業務

常に同じ手順で作業を進め、同じ結果を出す必要がある業務に対して、「その人独自の判断、やり方」という不確定要素が組み込まれ属人化してしまうと、リスクが発生してしまう可能性もゼロではありません。

属人化によって起こり得る7つのデメリット・リスク

ここまで属人化するメリットについて解説しましたが、デメリットやリスクももちろん存在します。多くの場合、属人化により特定の担当者に大きな比重が置かれることで、「業務効率の低下」「品質管理ができない」「知識や技術の喪失」「業務のブラックボックス化」「ボトルネック」「ミスが発見されにくい」「テレワークで適切なマネジメントができない」といった7つの問題が発生します。これらについて、以下で詳しく解説します。

業務効率が低下する

業務が属人化した場合、業務を担当している社員に何が起こるのかを考えてみましょう。

まず、一人の従業員が多くの業務を抱えることになってしまうため、その担当者の働きぶりによって組織や社内全体の業務が停滞する恐れがあります。なんとか業務の停滞を防ごうと、その一人の担当者が必死に働くと、結果的に担当者の長時間労働を招きかねません。

長時間労働により疲労が蓄積すると業務効率は下がり、その状態が続くと心身の健康にも影響を及ぼすこともあります。なかには、休職や退職に追い込まれる人もいるかもしれません。

現在の日本では、働き方改革の推奨と新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけにテレワークが増加し、多くの企業で長時間労働が少しずつ是正されてきています。しかしながら、一部の企業ではまだまだ属人化による長時間労働があることも事実です。

実際に日本経済団体連合会の「2017 年労働時間等実態調査 集計結果」によると、長時間労働につながりやすい職場慣行として1位に「業務の属人化」が挙げられています。
職場慣行の事例グラフに関する画像
出典:(一社)日本経済団体連合会「2017 年労働時間等実態調査 集計結果」

また、属人化が恒常的になると、業務の進捗や状況が周囲から見えにくくなります。何か問題が発生したり、業務量が多すぎたりしても、上司や同僚からフォローをしてもらうのは難しいでしょう。

さらに、客観的にチェックできる第三者がいないため、業務の仕方が非効率的であっても誰も気付かないかもしれません。さまざまな視点や経験を持つ人たちから、業務改善のための良いアイデアやヒントをもらえる機会も失われてしまいます。

こうした属人化による負の連鎖は、業務効率を大幅に低下させてしまう可能性があります。

社員のスキルがバラバラになり品質管理ができない

業務が属人化することで、成果物の品質管理がしにくくなるというのも大きなリスクです。

通常、担当者が長期休暇を取るなど、何らかの事情で仕事に従事できないときは、多くの場合、ほかの社員が対応すれば解決します。しかし属人化している仕事の場合、普段は特定の社員のみに任せていて、業務の進め方すら共有されていないことが多々あります。そのような状態で業務に慣れていない別の社員が一時的に取り組んでも、同じレベルの品質を担保できません。

たとえ上司であっても、担当者の業務の詳細は知らないため、成果物の品質を正確に評価しようがない、といったことも起こり得ます。そうなると品質管理を確実におこなうのは困難でしょう。

TechFactoryの調査によれば、製造業における設計・製造品質の問題において、要因の2位が「「設計面での属人的な」、3位は「組織的なコミュニケーションの問題」と続いています。

また同調査において、品質管理について課題だと感じる点として「設計技術者のスキルレベルの低下/品質技術の伝承」がトップとなり、属人化が品質低下の根本的な原因になるケースが多いことが事実として挙げられています。

出典:TechFactory「製造業の約8割が品質問題に直面、「設計スキルの低下」が大きな課題に」

知識や技術が失われる可能性がある

一部の担当者に業務を任せきりにしてしまうと、その担当者が不在の場合、大きな問題が発生します。作業内容をマニュアルなどに残していなければ、それまで社内に蓄積されてきた知識や技術をすべて失うことになるため、「担当者がいなくなったから、会社全体の技術力が低下した」という最悪の状況を招く恐れもあるのです。

また、ベテラン社員が特定の業務を一人でこなし続けてしまい、若手社員を育成できずにいると、会社としてスキルやノウハウが継承されず、いずれはすべて失われてしまいます

業務のブラックボックス化につながる

ブラックボックス化とは、その名の通り「黒い箱の中」で行われているような業務のことを言い、一人ひとりがどのようなプロセスで作業しているかが見えなくなる状態を指します。

ブラックボックス化を引き起こす原因のひとつとして当てはまるのが業務の属人化です。1人の担当者に依存し、ナレッジも共有できていない属人化された業務では、たとえ作業工程に無駄が発生していても誰も気が付きません。それぞれ自分の仕事だけに専念し、従業員同士での連携やフォローも難しくなります。周囲の目が行き届かない状況のため、重大な不正がおこなわれていても発覚が遅れてしまうでしょう。属人化によるブラックボックス化は、多くのリスクを含んでいるのです。

業務の中でボトルネックができる可能性がある

ボトルネックとは水が入った瓶の首が狭くなっている部分を指し、水の流れがその部分で滞ることからその名が付きました。業務プロセスにおいては、以降の流れが滞ってしまう原因の部分を指します。

個人に任せきってしまう属人化された業務では、何らかの原因で担当者が業務を進行できない場合、部署内もしくは社内全体で業務プロセスの停滞が起きてしまいます。属人化されている業務が多ければ多いほど、このようなボトルネックの発生箇所が増え、業務プロセス全体に大きな支障をきたすでしょう。

業務の停滞が起こると、取引先や顧客にも悪い影響を与えてしまいます。最終的には会社全体の利益に悪影響を及ぼしかねないでしょう。

ミスが発見されにくい

ブラックボックス化でも触れましたが、属人化された業務ではミスが発見されにくい特徴があります。このことは、担当者以外の人たちが業務内容や流れを把握していないことに原因があります。

担当者が自分ですぐ気付き対応できれば良いですが、他人の目がないことから発見が遅れたり、ミスに気付いても隠蔽してしまったりする可能性も少なからずあるでしょう。そうなると、のちのち会社全体を巻き込む大事に発展してしまうかもしれません。

また、担当者が体調不良のときや多忙なときは、ミスの発生回数も増加してしまいがちです。そのような状況では、当人がミスを素早く発見して的確に対応することはますます困難になってしまいます。
このように、属人化が進行することにより、業務のさまざまな面でリスクを抱えてしまうのです。

テレワークで適切なマネジメントができない

新型コロナウイルスの流行や働き方改革の推進などにより、多くの企業がテレワークを取り入れている一方で、テレワークにはコミュニケーション不足に陥りやすい一面もあります。

オフィスワークでは直接コミュニケーションをとって解決できていた労働時間の調整が、各メンバーの進捗を把握しづらいテレワークでは難しくなります。属人化が進み、業務プロセスが明確でない状態ではなおさら、管理者が必要に応じて無駄な時間を削減したり、業務を振り分けたりすることが困難でしょう。
また、業務実態を把握しづらいため、適切な評価ができないという問題も発生します。


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属人化を招く3つの原因

属人化が起きてしまう原因は、労働環境や業務内容に起因する忙しさ、社員個人の意図といったものが考えられます。社内に思い当たる要因がないか、一度振り返ってみましょう。

業務を共有する人的・時間的リソースが確保できていないため

担当者が複数の業務に関わっていたり締め切りやクライアントの対応に忙殺されていたりして、結果的に業務が属人化しているケースが数多くあります。

別の人に任せようと思っても、そもそも人手が足りずほかの人にも余裕がない、あるいは本人が忙しいために業務を引き継ぐ時間が確保できず、結局「自分でやったほうが早い」という状況になってしまうことも珍しくありません。この状態が続くと、担当者が次々と業務を抱え込むという負のスパイラルに陥ってしまいます。

マニュアルが整備されていないため

属人化が起きてしまう原因として、社内で業務のやり方が標準化されていない、業務内容を共有できないことが挙げられます。この理由をさらに深く追求してみると、根本原因は「短時間で的確に業務を引き継げる体制が整っていない職場環境」にあるといえるでしょう。

つまり、業務マニュアルが整備されていないために業務標準化ができず、属人化が引き起こされている可能性があるのです。

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業務の標準化とは?生産性や業務効率アップに重要な理由とその進め方

属人化の解消が個人の評価につながりにくいため

属人化の解消には、社内研修の実施や業務マニュアルの作成が効果的です。しかし、綿密な業務マニュアルを作成し、研修で他の社員に上手に教えたとしても、それが個人個人の評価に直接つながることはほとんどありません。貴重な時間を割いて取り組んだ割には会社から評価されない上、「自分にしかできない」業務がなくなってしまうのでは、自分にとってデメリットしかない、と思う担当者も多いでしょう。

直接的、短期的な利益向上だけではなく、属人化解消など長期的な利益に結びつく業務も評価されるシステムがなければ、積極的に取り組む人はなかなか増えないかもしれません。

属人的な業務にすることによって社内でバリューを発揮するため

残念ながら、社員が自ら望んで業務を属人化させているケースもあります。理由としては、属人化することで自分の立場を優位にし、自分の存在に価値を持たせて評価が下がらないようにしている、というケースが考えられます。

本当は別の社員でも対応できる業務にもかかわらず、「これは自分にしかわからないから」と無理やり仕事を抱え込み、共有や引き継ぎをしない場合もあります。これではいつまで経っても属人化を解消できません。

属人化を解消するために標準化するメリット

属人化によるリスク 標準化による改善
業務効率の低下 ボトルネックの発生 専任の担当者がいなくても作業が進められるようになり、業務の停滞を防ぐ
慢性的な長時間労働 業務を適切に分配でき、社員一人にかかる負担を減らせる
ミスの発見の遅れ、隠蔽 業務の進捗状況が見える化し、ミスに気付きやすくなる
品質管理ができない 社員ごとにスキルレベルに大きな差がなくなり、品質が一定になる
知識や技術が失われる ノウハウを会社の資産として蓄積するため、適切に技術継承ができる
テレワークに対応できない テレワークでも進捗が把握しやすくなり、適切なマネジメントが行える

属人化により引き起こされるリスクは、業務の「標準化」を実施することで回避可能です。業務の標準化とは、「誰もが同じレベル、同じ手順で業務をおこなえるようになり、同じ成果を得られるようになる」ことを意味しています。
上記の表を見れば、業務を標準化することには、さまざまな面でメリットがあることがわかるでしょう。

ここからは、標準化によって得られる「業務効率の改善」「品質の向上」「ノウハウの蓄積」「社員のマルチスキル化」「テレワークへの対応」のメリットを解説します。

業務効率が改善される

標準化により、業務プロセス全体を効率的よく円滑に進めることができるようになります。なぜなら、担当者が不在でも他の社員が同じように業務をおこなえることで、属人化のリスクでもあったボトルネックが解消できるからです。

また、業務が立て込んでいる場合も分担することで特定の人にかかっていた負担が軽減され、作業時間を短縮できるかもしれません。たとえ作業中に問題が発生した場合も、複数人が業務を把握していることで問題解決のために協力できます。

さらに、複数の目があることから無駄な作業に気付きやすくなります。無駄な作業をなくしたり、もっと効率的な方法に変えたりするなど、業務フローの見直しがおこなわれるでしょう。効率的に作業できると、従業員のモチベーションも維持しやすくなります。

業務フローの見直しにより、業務内容も可視化されます。さらに、誰がいつまでにどのような作業をすれば良いかが明確になり、達成しなければならない目標に向かって作業を進めることができます。

このように、標準化を進めることで、個人として、組織としての業務効率が改善します。

品質の向上につながる

標準化により、新入社員からベテラン社員まで、レベルの違いにかかわらず、同じ品質の仕事をおこなえるようになります。また、効率化の良い方法や問題点について教え合ったり、話し合ったりすることができるので、品質をさらに高めることも可能でしょう。

もし担当者以外にノウハウを提供することなく安易に業務だけ分担してしまうと、品質にばらつきが出てしまうことがあります。それとは反対に、業務を標準化して重要なポイントを部署内の複数の社員が共有するなら、長期にわたって品質を高く保てるようになります

標準化により業務品質が向上することで、結果的にコスト削減やコンプライアンス強化につながります。また、顧客対応などの業務において標準化が徹底すると、担当者によって対応や方法が異なることがないので、顧客満足度も高まるでしょう。企業への信頼が高まり、顧客ロイヤルティ向上が期待できます。

ノウハウが蓄積される

属人化を解消し、標準化を進めていく中で社内にノウハウが蓄積されていくことは大きなメリットです。

一方、属人化されたままでは、担当者だけがノウハウを把握していれば良いので、担当者が急に退職してしまうと、そのノウハウは会社から失われてしまいます。場合によってはその後の業務が滞ったり、取引先からの信用を失ったりしかねません。

ノウハウが会社に蓄積されることで、新人教育や引き継ぎもスムーズになります。担当者の急な不在にも戸惑うことなく、ほかの社員が自信をもって対応できます。

また、今後の属人化を防止する要素として、蓄積されたノウハウは大きな意味があるものです。業務効率化にも役立ち、最終的には社内ナレッジとして活用できます。結果的に会社の利益につながるでしょう。

社員をマルチスキル化(多能工化)できる

さらにもう一つ紹介したいのが、業務標準化が進んだ先に生まれるメリット、「社員のマルチスキル化(多能工化)」です。マルチスキル化とは、一人の社員が複数の業務をこなせるような状態を指します。

業務標準化によって社員がさまざまなスキルを習得し、属人化するのではなく誰をどこに配置しても同じような成果を得られるようになれば、人的リソースが限られている状態でも人員配置が容易になり、スムーズに業務を進められます。

これは、現在日本の企業全体が不安材料として抱えている、さらなる人材不足に対しても有用です。業績を落とさずに企業として競争力を保持できる可能性があることは非常に魅力的です。
少子高齢化による労働人口の減少は今後避けられないものであるからこそ、今のうちに業務の属人化を防ぎ、業務標準化を進めておくことが、会社の未来を守ることにもつながると言えるのです。

テレワークに対応できる

属人化を解消し、業務の標準化を進めることで、テレワークでも業務を円滑に進めることができます。

前述のとおり、属人化により業務プロセスが明確でない状態では、テレワーク環境下で必要に応じて業務を振り分けたり、適切な評価を下したりすることが難しい問題があります。

業務の標準化を進めて業務内容やプロセスを明確にすることで、管理者が各メンバーの業務実態や進捗を把握でき、適切なマネジメントが行えるようになるでしょう。
また、属人化が解消されれば仕事を振り分けられるメンバーの選択肢も広がるため、よりフレキシブルに業務分担ができ、テレワークにおける業務効率の向上も期待できます

業務標準化の方法やコツ

では具体的に業務をどのように標準化させて、属人化を解消すればよいのでしょうか。具体的にどうしたらよいのかわからないという方に向けた対策方法を解説します。

業務内容を洗い出して最適化する

まずは、すでに属人化している「標準化すべき業務」を洗い出すことから始めましょう。これらの業務をいつ、どこで、誰が、どのように遂行しているのか、内容や手順をきちんと見える化します。

このとき、どこからどこまでをひとつの業務として捉えるのか、仕事の範囲や開始時期を明確に決めておくことも重要です。

業務内容を整理したら、それが最適な手順になっているかどうかも見直します。これまでなんとなくおこなってきた業務で、実は二度手間になっている部分や無駄な工程などが見つかるかもしれません。省略できる部分は徹底的に見直して、最大限の効率化に努めましょう。必要であればITツールなども導入して業務をシステム上で管理するなど、効率的な方法を探ることが大切です。

標準化する業務に優先順位をつける

洗い出された「標準化すべき業務」に優先順位を付ける必要もあります。優先順位が高いものとして以下の3つが当てはまります。

  • コアとなる業務や社内への影響が大きい業務
  • 接続IDの設定
  • 今後業務量が増えそうな業務
  • 問題が明らかな業務

問題が明らかな業務とは、担当者が休むと他の人がおこなえない完全な属人化した業務、業務がいつも滞るなどボトルネックになっている業務、担当者により品質の差が大きい業務などです。

これらの業務を、緊急度や重要度でさらに仕分け、優先順位を付けます。「標準化すべき業務」は、いずれはすべて取り組む必要があるものの、通常業務と並行しながら短期間で一気に完成させることは困難です。上記のように仕分けて順位付けし、優先度の高い業務から取り組んでいきましょう。

多くの人員が業務をこなせるよう、マニュアルを作成する

最適化した業務をマニュアル化すれば、社員が誰でも簡単に業務をおこなえるようになります。これがすなわち、「業務標準化」の肝となる段階です。

最初から完璧なマニュアルを作ろうとすると挫折してしまうため、まずは簡単に業務の流れを書いたものを作成し、運用しながら徐々にブラッシュアップしていくとよいでしょう。

担当者が忙しい場合、通常業務と並行してマニュアルを作成するのはなかなか難しいことです。そのような状態のまま見切り発車で作成を始めても、いつまでたってもマニュアルが完成せずに属人化するという悪循環にもなりかねません。

それを防ぐためにも「マニュアル作成担当者」を新たに立てて、少しずつ時間を取って業務の担当者にヒアリングしながらスモールステップで作成することをおすすめします。どんなときでも属人化の割合を確実に減らしていくことが大事です。

わかりやすいマニュアルを作成・運用するには、いくつかポイントがあります。それが以下の3点です。

  • ステップ形式で手順を細分化する
  • 画像や動画などを用いて誰でも視覚的にわかる内容にする
  • いつでも誰でも閲覧できるような状態で保存する

これらのポイントをおさえて、誰もが使いやすいマニュアル作りを目指しましょう。

PDCAを回していく

業務標準化は、業務を最適化してマニュアルを作って終わりではありません。実際にマニュアルを用いて業務に取り組んでみると、問題点や改善点が出てくる場合がほとんどだからです。マニュアルが完成し「あとはマニュアル通りにやってもらえば大丈夫」と放置した結果、トラブルや思わぬアクシデントに見舞われる恐れもあります。

マニュアルを用いて業務を標準化してからも、定期的に社員に意見をヒアリングしながら、適宜マニュアルの内容を見直し、アップデートをかけるようにしましょう。一度設定した内容を更新して効果を検証する、いわゆるPDCAを回していくことが業務標準化のためには非常に重要です。


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業務の属人化をマニュアルによって解消した事例

業務標準化のためにはマニュアルの作成が必須ですが、誰が見てもわかりやすいマニュアルを作るのは難易度が高いものです。また、普段の業務が忙しく、マニュアル作成にかける時間がなかなか取れないという方も多いのではないでしょうか。そんなときは、マニュアル作成ツールをうまく活用してみるのもの一つの方法です。

ここでは実際にマニュアル作成ツールを活用して、業務の属人化から脱した事例を簡単にご紹介します。

これから紹介する事例以外にも、さらに多くの事例を読みたい方はこちらをご覧ください。
導入事例 : 属人化解消

【卸売業・小売業】株式会社山崎文栄堂様 事例

株式会社山崎文栄堂様でも、以前はお客様ごとに異なる細かい対応などの情報共有ができておらず、担当者が休んだり退職したりすると仕事が滞ってしまい、しばしばトラブルが起きることもありました。

しかし、Teachme Bizで顧客ごとの対応表など、属人化しがちな情報に対するマニュアルを作成することで、お客様ごとに異なる個別の対応方法などもしっかりと共有できるようになったのです。結果的にこれまで人的リソースを割いて、細々とおこなってきた作業に費やす時間が大幅に削減され、前年度比で月間11時間も残業時間を減らすことに成功しました。
属人化しがちな情報をマニュアル化!担当者が不在でも対応できる環境を整備コミュニケーションロスや雑務を削減!残業を前年度比11時間/月削減した卸売・小売業事例の画像

【IT・情報通信業】株式会社ワークスビジネスサービス様 事例

株式会社ワークスビジネスサービス様では、これまでチーム単位で手順書のフォーマットや運用方法をバラバラに管理しており、社内では業務の標準化が大きな課題となっていました。

そこで、従来の手順書の品質や保管方法の統一を図るためTeachme Bizを導入し、ビジネスプロセスマネジメントのツールと組み合わせることによって、引き継ぎの作業自体を約50%削減することに成功しました。

また、これまで1時間かかっていた画像編集作業が20分に減少し、手順書全体の作成時間で見ても、2時間かけて作っていた手順書が30~40分程度の作業時間で作れるようになりました。
手順書の属人化を解消し、引き継ぎ作業を50%削減!株式会社ワークスビジネスサービス様

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業務改善のアイデアと役立つフレームワーク! ツールや事例もご紹介

属人化した業務を標準化するには「Teachme biz」がおすすめ!

上記で紹介した事例では、すべて「Teachme Biz」を導入しています。Teachme Bizとは、マニュアルを簡単に作成・閲覧・管理できるクラウド型のマニュアル作成ツールです。画像や動画をベースにしたビジュアルのマニュアルは、文字ばかりで読みづらいという印象を払拭します。実際の作業内容を視覚的に理解できるため、業務の分野にかかわらず専門用語や言語による壁がなくなります。

画像・動画ベース、STEP構造のマニュアルを作成

Teachme Bizは、なんといっても画像・動画ベースのわかりやすいマニュアルを簡単に作成できる点が魅力です。文字メインのマニュアル作成ツールの場合、システムを活用しようといざ導入してみたものの、操作が難しく活用できないまま断念してしまうケースも少なくありません。

Teachme Bizなら、作成時にはSTEP形式のテンプレートが用意されており、1つ1つの手順を画像・動画で確認しながら進められるため、再現性も高くなります。また、画像編集機能も充実しており、より視覚的にわかりやすいマニュアルの作成をサポートします。

マニュアルが探しやすく、共有も簡単

Teachme Bizでマニュアルを探すときはキーワード検索が利用できるため、いざ作業で必要となった場合も、すぐに見つけ出すことができます。また外部にマニュアルを共有したい場合、外部公開設定をすれば該当のマニュアルのURLを送るだけで簡単に共有することができます。

閲覧・検索ログを分析

閲覧・検索ログを分析する機能を活用すれば、誰が何回見たかといった閲覧状況を把握したり、検索されたキーワードも確認できます。マニュアルがどれだけ浸透しているか、どんなマニュアルが必要とされているかといったニーズを把握することで、一度作成して終わりではなく、しっかりとアップデートを重ねることが可能となります。その結果、さらなる業務効率化にもつながります。

上記で紹介した内容はほんの一部であり、Teachme Bizを導入することでもたらされる、経営効果や導入事例、費用など、もっと詳しく知りたいという方はサービス資料をぜひご覧ください。
ツールに不慣れでなかなか導入が難しいという方でもスムーズに進められるサービスを提供しています。

業務の属人化は個人レベルでなく、組織や企業全体で考えるべき問題です。忙しさや人員の不足により、つい業務の標準化を後回しにしていると、いつか取り返しのつかない失敗に見舞われることもあります。属人化することでメリットが生まれる特定の業務をのぞき、自社で抱える業務については属人化の見直しをはかることが重要です。必要に応じてツールを活用しながら、まずは業務マニュアルの作成からはじめてみてはいかがでしょうか。

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