eラーニング×OJTによる効果的な人材育成方法とは?
人手不足や新人・若手が育たず辞めてしまうという問題は、業種・事業規模に関わらずさまざまな企業に共通する課題です。そのため、配属してから一日でも早く戦力として活躍し、収益に貢献してもらえる「即戦力」な人材を求める企業も多いのではないでしょうか。ですが、実際に人材の即戦力化をしようと思っても、具体的な手段がわからず実現できない、という場合も多いと思います。そこで今回は即戦力化を実現するための方法を、教育手法に注目してご紹介いたします。
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目次
なぜ今人材の即戦力化が必要なのか
人材の即戦力化の重要性
業種・事業規模にかかわらず、多くの企業において新人社員・若手社員の即戦力化は重要な経営課題となっています。時間とお金をかけて良い人材を採用しても、人材育成をしっかりと行われなければ戦力にはならず、さらに人材が早期に辞めてしまってはさらなるコストがかかるという問題があります。人材は会社にとって貴重な財産であるため、確保するだけでなく即戦力化することで生産性を向上しましょう。
eラーニングの導入は加速している
日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)が2015年11月~2016年1月に行った調査(国内企業360社対象 e ラーニングに関する実施状況調査)では、社員教育におけるeラーニングの導入率は80.0%と高い割合であることが分かりました。また、eラーニング戦略研究所が2020年に実施した調査(大学におけるオンライン授業の緊急導入に関する調査報告書)では、大学教育現場におけるオンライン授業の実施率は97%に上る結果となりました。新型コロナウイルス感染拡大の影響でテレワークやオンライン授業などが増加している現在、eラーニングの導入は更に加速することが予想されます。
人材を即戦力化するためには
人材の即戦力化には人材育成の方法の見直しが必要です。人材育成の手法として、集合研修やeラーニング、OJTなどがありますが、それらを上手く組み合わせて利用することで改善が期待できます。中でも、eラーニングとOJTの組み合わせは即戦力化に重要な学習効果のアップが期待できます。
eラーニング
eラーニングとは
eラーニングとはパソコンやタブレット、スマートフォンなどのデバイスを使い、インターネットを利用して学ぶ学習方法のことを指します。もともと、集合研修における時間やコストなどの課題を解決し、運用を効率化するために開発されました。
eラーニングのメリットとデメリット
メリット
- eラーニングを実施できるデバイスがあれば、時間、場所に関わらず学習できる
- 多数の人に対して同一の教育ができる
- 学習の進捗状況やテスト結果などのフィードバックがすぐに確認できる
- 一度教材を作ってしまえば、改訂がない限り使いまわすことができる
デメリット
- 受講者同士のコミュニケーションがとれず、仲間意識や会社への帰属意識が生まれない
- ディスカッションやロールプレイなどの応用や実技が伴う研修には適していない
- 直接教育される訳ではないので、モチベーションが維持できない
OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)
OJTとは
OJTとはOn-The-Job Training(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)の略称で、職務現場において実際に業務を行いながら教育する方法のことです。
OJTはもともと、戦時中にアメリカで膨大な数の軍隊を育成するために生まれた「Show(やってみせる)」、「Tell(説明・解説)」、「Do(やらせてみる)」、「Check(確認・追加指導)」の4段階からなる「4段階職業指導法」です。
日本には、戦後の高度経済成長期に輸入され、「Plan(計画)」、「Do(実行)」、「Check(評価)」、「Act(改善)」のPDCAサイクルに基づく社員教育が、社員研修の基本の一つと認識されるようになりました。
OJTのメリットとデメリット
メリット
- 直接教育するため、その場で生まれた疑問や不安を解決できる
- 教えるためには、教える技術も必要となるため教える側のスキルアップにつながる
- コミュニケーションをとることで信頼関係が築ける
デメリット
- 教育の質が教える人のスキルに依存する
- 実際に業務をして学ぶため、業務の全体像を学びにくく体系的に学びづらい
- 教育される側、する側の両方のスケジュールの調整が必要であり、上司が忙しい場合には放置されやすい
eラーニングとOJTの違いとは?
eラーニングとOJTについて理解したところで、それぞれの特徴、相違点について考えてみましょう。eラーニングは実践を伴わない知識の習得について教育をする際に有用であり、OJTは個人のペースに合わせた実践的な学習に有用です。
eラーニングとOJTはそれぞれ異なる特徴を持つため、2つをうまく組み合わせることで学習に必要な条件をクリアすることができます。
eラーニングとOJTによる効果的な学習方法
これまで紹介してきたように、eラーニングとOJTにはそれぞれメリットとデメリットがあります。そのため、2つを組み合わせることでそれぞれのデメリットを補い、学習の効果をあげることが期待できます。eラーニングとOJTの効果的な学習方法の代表的なものとしては反転学習があります。
反転学習とは?
反転学習とは、簡単に説明すると、授業をしてから復習を行うのではなく、予習をしてから授業をするという学習方法になります。つまり、知識の習得は予習の段階で済ませておき、授業ではその確認をするという作業になります。
▼詳しくはこちらの記事をご覧ください。
反転学習は本当に効率がいいの?反転授業とはなにか、事例からやり方までをご紹介
どのように組み合わせればよいのか?
反転学習でいう「予習」はeラーニング、「授業」はOJTに該当します。そのため、まずeラーニングで業務について体系的に学び、知識を習得したうえでOJTを行うことで社員教育に反転学習を取り入れることができます。これにより、eラーニングで取得した知識をOJTを通じてフィードバックをもらいながら学べるため、人材の即戦力化を実現することができます。また、OJTにおける教育時間を減らすことができ、実践的なスキルを教えるための時間をより多くとることができるだけではなく、体系的な学びができるという利点もあります。
eラーニングとOJTを活用した3つの事例をご紹介
これまでeラーニングとOJTによる学習方法を紹介してきました。では、実際どのようにeラーニングとOJTを組み合わせた学習を活用しているのでしょうか?Teachme Bizをeラーニングとして活用した3つの事例をご紹介いたします。
自宅や通勤時に予習復習ができる(飲食業)
今までのOJTをメインとした研修では教える時間が足りず「自分でやった方が早い」と、店長がどんどん仕事を抱えてしまっており、アルバイトスタッフがなかなか仕事を覚えられませんでした。しかし、調理に関わる業務(微妙な焼き加減など)もTeachme Bizなら写真1枚で伝わるので、隣でつきっきりで教える必要がなくなり、スムーズに研修を進めることができました。また、スマートフォンでいつでもどこでも閲覧できるので、自宅や通勤時間で予復習ができるのも大きな効果がありました。
知識はTeachme Biz、接客は人を通じて学ぶ(宿泊・サービス業)
今までは教育者が新人につきっきりで業務を教えていましたが、清掃業務など、マニュアル的な仕事はTeachme Bizで教えて、接客業務などの人から教えた方が伝わりやすい仕事は、人を介して教育するようにしました。清掃手順などに関する教育時間がなくなった分、接客を丁寧に教えられるようになりました。
言葉では伝えづらい細やかなサービスを動画で「見える化」(宿泊業)
新人教育は基本的にOJTですが、人員増加により教育担当者の手が回らなくなってきました。担当者によって教育の質にばらつきが出始め、現場からの問題提起も増えました。ホテル業のサービスは、目に見えないものなので、言語化して教えるのが難しいです。OJTで教えていたものをTeachme Bizを使って動画に置き換えることで、アルバイトやパートの戦力化につながりました。
まとめ
これまで人材の即戦力化の必要性からeラーニングやOJTのそれぞれの利点や相違点、反転学習の方法や導入事例などをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
どの企業においても人材の即戦力化が必要となっている現在、教育方法の見直しは必要不可欠です。教育方法のなかでもeラーニングとOJTにはそれぞれ得意とする教育内容があるため、反転学習に取り入れたり、教育内容に合わせて効果的に組み合わせることで十分な効果を発揮することができます。人材の即戦力化を目指し、先ほど紹介した導入事例を参考に、教育方法にeラーニングとOJTの利点を最大限活用して会社の更なる成長を目指しましょう。
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