仕事の段取りが上手になるコツは? 重要性や段取り力が高い人の特徴を解説

公開日: 2024.03.15

仕事の段取りが上手になるコツは? 重要性や段取り力が高い人の特徴を解説

どの職場にも、段取りが上手い人と下手な人がいるものです。段取り力の高低には素養も関係しますが、「段取り」というものを理解すれば、段取り力を身につけ、向上させることが可能です。本記事では、段取りとは何か、また段取り力を上げるポイントを解説しています。ぜひ最後まで読んで業務効率向上の参考にしてください。

そもそも仕事における段取りとは

「段取り」という言葉が指すのは、目標を達成しようとするときに準備することや、目標の達成に向けて最適な順序、適した方法などを考えることです。

例えば、客先を訪問して何らかの作業を行う場合、作業内容について顧客と事前打ち合わせをする必要がありますし、作業日時や所要時間などの話し合いも欠かせません。また、作業には何人で行くのか、どんな道具を持っていくのか、どのような順序で作業をするのか、といった検討も必須です。このように、仕事を成功させるための事前の検討や準備のすべてが「段取り」です。

段取り力が高い人は効率よく目的を達成し、利益を上げ、安全性も確保できます。一方、段取り力が低いと、納期遅れや事故が起きるリスクが上がり、それに伴ってトラブル対応の無駄な費用や労力が発生します。つまり、段取り力は効率・利益・安全に直結するスキルといえます。

「段取り」の語源は諸説あって明確ではありません。ただ、歌舞伎の進行上の区切りを「段」と呼んだことから、歌舞伎の構成が「段取り」となり、それが転じたという説があります。
また、建築現場での言葉で、階段を作る際に仕上がりの良し悪しを「段取りが良い・悪い」と評価していた、という説も存在します。

仕事における段取りが重要な理由

製造業界などで事前の準備の重要性を示す言葉に、「段取り八割」または「段取り八分」というものがあります。これは、「仕事の成功・失敗の大部分は段取りの仕方で決まる」という意味です。
実際に八割なのかはともかくとして、事前の準備ができていない仕事が上手くいかないのは、誰にでも容易に想像できることです。

例えば、何かの部品加工を行う場合、使用する材料や道具を準備したり、製造手順書を確認したりすれば、製造ミスを減らせます。内容によっては試作することも有効ですし、安全上の注意点をチェックしておくことも重要です。このように段取りをしっかり行っていれば、迷いなく作業ができて効率アップにつながる上、ケガやミスなどのトラブル防止もできます。

一方、適切な準備をせず、いきなり加工を始めると、迷いや疑問が生じて結果的に作業時間がかかり、ミスやケガの発生リスクも増えます。命に関わるようなトラブルが起きた場合、本人や家族の人生に多大な悪影響を与える上に、訴訟や賠償問題に発展する可能性も否定できません。これらの点を踏まえれば、段取りの重要性は明白です。

仕事の段取り力が高い人の特徴

段取り力は「個人の資質」と思われがちですが、ここで紹介する4点を意識すれば、誰もが段取り力を上げられます。自分自身の段取り力を上げたい方や、職場全体の段取り力を上げたいと思う方は、ぜひ以下のポイントを実践してみてください。

常に先を予測して動いている

「段取り力が高い」と言われる人は、現状のみならず、常に先に起こることを予見して備えています。このスキルは、まず業務の進め方を事前に理解しイメージできること、その上で各工程にどんなリスクがあるかを想像できること、という2要素に分解できます。業務上のリスクが事前に想像できていれば、問題を未然に防げますし、問題発生時にも適切に対処できます。
理解力や想像力に個人差はありますが、このように分解して考えれば、「段取り力が低い」とされる人を底上げすることが可能です。

周囲とのコミュニケーションを大切にしている

職場内やクライアント、パートナー企業と十分にコミュニケーションが取れている人は、気配り上手でもあります。そして、日々の気配りによって信頼関係を構築していると、自然と段取り力も向上していきます。「信頼できる人」からの依頼や質問には誰もが応じやすいため、日々の業務が円滑に進むようになるからです。また、何かで困ったときにも、「〇〇さんには日頃よくしてもらっているから」と、積極的に助けたいという意識が働きます。周囲の協力を得やすくなるように振る舞うことも、一種の段取り力と捉えられます。

緊急事態でも臨機応変に対応できる

トラブルが起こったときに臨機応変に対応できることも、段取り力の高さだと評価されます。緊急時に慌てず、冷静な判断ができることは個人の資質による部分もありますが、事前にリスクヘッジをして何か起こったときに対処しやすくすることは可能です。
また、当初の計画にこだわらず柔軟な対応ができるのは、仕事の進め方の引き出しが多いと言い換えることができます。「どうしたらいいかわからない」と思うとパニックになりがちですが、AがだめでもBの手段がある、とわかっていれば慌てる必要がないからです。

常に情報収集を行っている

情報収集力の高さも段取り力に直結します。社内の人員配置や設備・道具の使い方を把握していれば、効率的に計画立案ができますし、業務をスムーズに進められるからです。また、世の中の新しい技術や情報にアンテナを張ることで、仕事に対するさまざまな提案ができます。

仕事の段取りが上手くできない人の特徴

ここでは、「段取り力が低い」と評価されがちな人の特徴を示します。便宜上「人」としていますが、以下の情報は好ましくない人を排除するためではなく、欠点を減らすことやカバーすることに役立ててください。

目の前にある仕事から着手する

複数の業務があるとき、重要性や期限などの整理ができないと「段取り力が低い」と判断されがちです。この傾向がある人は、単純にスケジュールの整理が苦手であるか、組織が求める優先順位を理解できていない可能性があります。
スケジュール管理を上達させる練習には、業務を並べて、実際に優先順位をつけてみるのがおすすめです。スケジュール管理用のアプリも多数あるので、自分に合うものを探してみましょう。また、段取り上手な人と一緒にスケジュールを組むことで、業務に順序をつけるコツを教えてもらい、慣れていく方法も有効です。

一人で仕事を抱えてしまう

一人で仕事を抱え込んでしまう傾向がある人は、平均的に残業が増えがちで、仕事の質も低いところでとどまります。このタイプの人は、周囲の人に遠慮をしている、あるいは人に何かを頼むことに苦手意識を持っていることが考えられます。また、「人に頼むのは面倒なので自分一人でやろう」という考えもあるかもしれません。とはいえ、結果的に作業効率が落ちますし、納期遅れが発生すれば全体にとってマイナスが生じます。
このタイプの人は、抱え込むことがマイナスであるとマインドセットし直すこと、できるだけ普段から周囲の人とコミュニケーションを取って、相談や依頼をしやすい環境を作ることをおすすめします。

モチベーションを維持できない

仕事におけるモチベーションとは、仕事に対する意欲や、仕事への動機づけを指します。モチベーションが上がらないときや、ある程度のレベルを維持できないときは、仕事の効率が低下します。また、得意な仕事は進むものの、不得意な仕事が後回しになるなど、ムラの原因にもなります。

この傾向がある人の特徴としては、まず仕事上の不安や現状の評価への不満があること、目標がセットできないことなどが考えられます。そのため、自主的に上司や同僚に相談してメンタル上の問題を軽減することをおすすめします。ほかには、オン・オフの切り替えを意識して業務時の集中力を高めたり、モチベーションが高い人のまねをしてみたりする手もあります。
周囲にこのタイプの人がいる場合、不安や不満を解消できるように面談の場を設けることも有効です。

一つの仕事にこだわりすぎる

「こだわり」には良い面もありますが、一つの仕事や要点以外の細かいことに固執すると、必要以上の時間をかけがちで、全体が円滑に進みません。

こだわりの強さが段取り力の低さにつながっているのであれば、まず業務上の重要ポイントを整理することをおすすめします。また、納期や作業時間を意識して費やす時間やパワーを配分し、なおも足りない場合には上長へ相談してください。他者が客観視することで、こだわりが過剰だとわかればその部分にかける力を減らせます。他方、必要なこだわりだと認められれば、リソースを増やすなどしてクオリティ向上に貢献できる場合もあります。

仕事を着手するまでに時間がかかる

準備や段取りにある程度の時間をかけるのは良いことですが、迷っている時間ばかりが多く、スケジューリングも仕事自体も進まないのでは意味がありません。この傾向がある人は、まず日常的に行う業務の要素を分解・確認し、重要性の判断基準を作ることをおすすめします。

組織にとっての重要性が理解できれば、どの仕事を優先するかの判断が容易になります。それでも判断に迷う場合、同僚や上司に相談してみてください。段取り力がある人は業務の優先度判断も上手いので、判断基準のアドバイスをしてくれるはずです。

仕事の段取りが上手になるコツ

この項目では、仕事の段取りが上手になるコツ5選を紹介します。

仕事の目的と目標を明確にしておく

仕事をする前には、まず目的や目標を決めることが重要です。
目的とは仕事の最終到達点であり、目標は目的に到達するための指標やマイルストーンです。
例えば組織に指定された目的が新しい販路の開拓であれば、そこへ至るために行う、自社商品の認知度拡大、広報用のプラットフォーム作成などの目標設定が考えられます。
目的と目標が整理できていないと、単なる作業だけで満足してしまったり、目標と目的を勘違いしていつまでもゴールにたどり着けなかったりします。

作業リストやマニュアルの用意など事前準備を行う

段取り力を上げるには、消化すべき作業のリストアップを行うことが重要です。リストアップは作業工程を考えながら、重要な点を把握して行うように心がけてください。さらには、リストアップしたそれぞれの作業において、必要なマニュアルや手順書を用意することも忘れてはなりません。
このとき、マニュアルや手順書作りが目的や目標にすり替わらないように意識しつつ、効率よく作製できる適切なツールを利用することが重要です。

常に優先順位を考える

仕事を始める前に優先順位を決めたとしても、進めていく中で状況が変化することはあります。そのため、常に優先順位が適切なのかを考えることが段取り力アップにつながります。例えばA→B→Cの順に進めるつもりだったとしても、何らかの理由でBが進められなくなったとき、順序にこだわるとすべてが止まってしまいます。しかし、可能であればBよりもCを先行するといった優先順位の判断ができれば、無駄な時間を少なくできます。

余裕を持ったスケジュールを組む

段取り力が低い人は余裕のないスケジュールを組みがちです。スケジュールに余裕がないと、何らかの問題が起こったときに遅れを吸収できず、納期遅延につながります。また、スケジュールの厳しさは、焦りやストレスを感じさせて能力の低下を招くこともあります。
このような事態を防ぐには、タイムスケジュール表やガントチャートを作成して、誰もがスケジュールを把握できるようにすることが重要です。

評価・改善を繰り返す

段度りが下手な人は仕事が終わった時点で安心して気を抜いてしまい、その仕事で得た経験を次回に生かす取り組みはおろそかにしがちです。一方、段取り力が高い人は、毎回の業務で得た経験を生かすために反省・改善を行うので、次の機会には前回より質が高い仕事をできます。段取り上手になろうとする場合、仕事の終わりや節目ごとに評価・改善を繰り返すことが重要です。
具体的には、日常的にPDCAサイクルを意識して、無駄や無理、ミスを減らしていくことをおすすめします。

まとめ

仕事の段取り力をアップするには、目的や目標の理解や適切なスケジュール管理のほか、日々のコミュニケーションやモチベーション維持が重要です。また、業務効率化の手段として、手順書やマニュアルの整備なども欠かせません。

手順書やマニュアルを作成する場合、マニュアル作成・共有システム「Teachme Biz」の利用をおすすめします。「Teachme Biz」を使うと、業務に必要な手順書やマニュアルが効率的に作成できるのみならず、誰にとっても見やすい仕上がりにできます。
適切な手順書やマニュアルがあれば、職場全体の効率向上、ミスの削減、安全性アップなどにもつながります。ぜひこの機会に「Teachme Biz」の導入をご検討ください。

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