マニュアル作成のコツを書き方や手順別にまとめ!作成が上手い人の特徴も

最終更新日: 2024.05.17 公開日: 2019.07.11

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新人教育や業務品質の維持向上を図るために、業務マニュアルは非常に重要な役割を果たします。しかし、マニュアルに記載すべき内容は非常に広範囲に及ぶため、効率的に作成するコツを押さえていないと挫折してしまいがちです。また、マニュアルは読み手の視点に立った内容にする必要がありますが、そのためには具体的にどう書けばいいのか困っている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、読み手にとって分かりやすい業務マニュアルを効率的に作るためにはどうすればいいのか、基本的な考え方や書き方、作成手順ごとのコツなどをステップ別に解説します。


マニュアル作成の教科書

目次

マニュアル作成の目的・役割をおさらい

そもそもマニュアルとは、業務に関するノウハウや方針、全体的な流れをまとめた資料です。似たような言葉に手順書がありますが、範囲が業務全体に及ぶマニュアルに対して、手順書の範囲は作業のプロセスや進め方に限定されています。

マニュアルの作成には、主に3つの目的ないし役割があります。

  • 生産性向上とコスト削減につながる
  • 品質を安定させる
  • ノウハウとナレッジを共有できる

それぞれの詳細については、以下のとおりです。

生産性向上とコスト削減につながる

マニュアルの目的は、新人も含めて各従業員が自立して業務に取り組めるようにすることです。マニュアルを読むことで、新人や異動直後の従業員でも、業務遂行で必要なポイントを簡単に把握し、多くの疑問や問題を自己解決できるようになります。

これによって、教育期間の短縮や指導役の負担軽減が促進されるとともに、各自の業務が効率化します。結果として生産性向上や教育・研修コスト、残業代の削減などを実現可能です。また、マニュアルに書かれた作業手順を自社のベストプラクティスとして共有することは、初心者の勝手な自己判断による予想外のトラブルとその対応業務を防ぐためにも役立ちます。

品質を安定させる

マニュアルは業務のクオリティ維持や、製品やサービスの質を安定させるためにも役立ちます。個人の経験や感覚に任せて業務を進めると、サービスや製品の品質は安定しません。経験豊富な従業員であれば、平均よりクオリティの高い成果物を提供できるかもしれません。一方で、経験の浅い従業員によってクオリティの低い成果物が提供された場合には、品質の不安定さが企業の管理体制に対する不信感につながります。

マニュアルが用意されていない状態で複数の指導者がいると、指導内容が異なるケースもあります。指導者によって指導や指示内容が異なれば、指導を受ける従業員は判断に迷ったり、指導方針に疑問を抱いたりするため建設的ではありません。

ノウハウとナレッジを共有できる

マニュアル作成の大きな目的のひとつは、各従業員が持つ業務に関するノウハウやナレッジを組織全体で共有し、活用できるようにすることです。多くの場合、経験豊富な従業員は、業務を効果的に進めるために役立つ知識を数多く所有しています。しかし、このようなノウハウが誰にも共有されていないと、その従業員が休んだり退職したりした途端、業務に停滞や問題が生じがちです。

「この業務はこの人にしかできない」という状態に陥ることを、「業務の属人化」と呼びます。マニュアルの作成と共有は、この属人化を防ぐために有用です。マニュアルに従業員の価値あるノウハウを蓄積していくことで、個人の知識を組織の知識へと昇華し、誰でもいつでも業務に対応できるようになります。属人化の解消は、特定の従業員に業務負担が集中することを防ぐためにも重要です。

マニュアル作成の目的についてさらに詳しく知りたい方は、以下の関連記事もご参照ください。

あわせて読みたい
マニュアル作成の目的と必要性とは?上手に活用するためのポイント

基本的なコツ|マニュアル作成を始める前に

マニュアルを作成する際には、以下の点に気をつけることが重要です。

  1. 内容を見通せるテーマにする
  2. 要点を明確にする
  3. 読み手のことを考えた文体にする
  4. 図解を入れる
  5. 完璧なものは目指さない


マニュアル作成「基本のキ」

1. 内容を見通せるテーマにする

まず重要なのは、そのマニュアルではどのような業務について説明しているのか、そしてその職場や対象業務で何を実現したいのか「テーマ」を明確にすることです。

この「テーマ」とは、マニュアル化の対象となる業務内容やその目的を指します。例えば、レストランの接客マニュアルならば、「顧客満足度を最大化する接客サービス」がテーマになりえます。

業務マニュアルといっても、その職場全員に共通のものをひとつ作ればいいとは限りません。部課や職種、場合によっては一人ひとりに別々のマニュアルが必要な場合もあります。レストランの例でいえば、接客マニュアル以外にも、調理マニュアルやバックヤード業務のマニュアルなども当然必要になるはずです。

そのため、マニュアルを作成する前は、「その仕事や職場で強く求められるのは何か」を十分に考え、そのテーマに沿って仕事の流れや考え方を記述しましょう。

マニュアルを使う側も、何がテーマで何を重視した内容になっているかが一目で分かれば、理解を深めやすくなります。将来的に業務や仕事をとりまく環境に変化があったとしても、自分に課せられている目的やテーマを理解していることで、柔軟に対応することが可能です。

2. 要点を明確にする

上記のテーマも含め、そのマニュアルで特に伝えたい要点は明確に示せるように工夫しましょう。ドキュメントの分かりやすさとは、要点の見つけやすさと同義です。

例えば、レストランの接客マニュアルで見出しを設定する際、「接客の基本1」「接客の基本2」と書くのではなく、「オーダーの受け方」「料理の出し方」のようにすれば、接客のポイントがすぐに分かります。全体としてもっとも伝えたい部分はもちろんのこと、手順や業務内容ごとなど、ブロック単位でどこが一番重要か、ポイントを意識しながら作成しましょう。

マニュアルを作成する側からしても、全体の重要ポイント → ブロック(項目)単位の重要ポイントという流れを意識することにより、効率的に作成しやすくなります。作成する側はどこがポイントなのかをしっかり把握し、マニュアルを使う側にも伝えなければなりません。業務上のポイントをしっかりつかむためには、業務に対する深い理解がなにより重要です。

3. 読み手のことを考えた文体にする

分かりやすいマニュアルにするためには、文体も配慮すべき部分です。「である」調は読み手に高圧的な印象を与えやすいので、基本的には「です・ます」調の丁寧な文体で記述しましょう。

ただし、その仕事や業務の理念、考え方、目的など、まさに本質的な部分を伝えたい「ここぞ」という部分では、丁寧さにとらわれない書き方も必要です。ときには、いわゆる「熱い」書き方など、話し言葉に近いような書き方をした方が伝わりやすい場合もあります。

例えば、「お客様には笑顔で接しましょう。」と書かれているよりも、「お客様にはニッコリ元気に笑いかけよう!」などと書かれていた方が、そのお店でどんなパーソナリティが求められているのかイメージしやすいのではないでしょうか。このように、意識的に文体を変えることで、より効果的に意図を伝えやすくできます。

4. 図解を入れる

マニュアルに限りませんが、ドキュメントを理解しやすくするためには図解が非常に有用です。グラフや表などの数字で表せる部分だけでなく、業務の流れや手順をフローチャートで表現するなど、さまざまな部分で図解を入れていきましょう。

文章を書いていて複雑あるいは冗長に思える部分があれば、積極的にイラストや画像、あるいは動画などを活用するのもおすすめです。例えばシステムの操作方法や製品の外観上の特徴など、現物の画像(動画)を提示した方がスムーズに説明できることは多々あります。強調したい文章を赤字で表示するなど、カラーを使ってメリハリをつけるのも有効です。

これまで述べたように、マニュアルでは手順やワークフローだけでなく理念や考え方を伝えることが重要です。図解は手順の説明に限らず、特に伝えたい部分を強調するのにも役立ちます。マニュアルを分かりやすくするための補助手段として、ぜひ有効活用しましょう。

なお、マニュアル作成には、いわゆるコツ以外にも注意すべき点がいくつかあります。詳しくは、下記の記事をご参照ください。

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マニュアル作成を行うために重要な7つのコツとは!?フォーマットの選び方などもご紹介します

5. 完璧なものは目指さない

業務をとりまく環境は日々変化していきます。昨今のように、あらゆる面でIT化やグローバル化が進む世の中では尚更です。いったんマニュアルを作成しても、運用するうちに内容と実際の業務との間で乖離が生じることはむしろ自然です。

もちろん最初にその仕事や業務に入る方にとっては、具体的な手順やワークフローの説明が欠かせません。しかし繰り返し述べているように、業務そのものの理念や考え方をいかに伝えられるか、といった点がそれ以上に重要です。

実際の業務内容がマニュアルの内容と相違してしまうことがあっても、理念や考え方がしっかり伝わっていればいくらでも応用がききます。手順やワークフローにおいては完璧でなくとも、理念や考え方・そのポジションに求められるものはしっかり伝えられるマニュアルを目指しましょう。

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読まれるマニュアルとは?活用されやすいマニュアルの書き方のコツ

書き方のコツ|分かりやすいマニュアルにするには

マニュアルを作成する際には、下記の5項目を盛り込みましょう。

  • 全体像
  • 考え方の軸
  • チェックリスト
  • 到達目標
  • ノウハウ

5つの項目をマニュアルに明記することで分かりやすく、かつ目的を果たせるマニュアルを作れます。それぞれの項目の詳細を解説します。

仕事の全体像を把握できるように書かれている

マニュアルを分かりやすくするには、使う人が業務内容やワークフローの全体像を直感的につかめるようにすることが重要です。直接は関わりがない部分も含め、業務の全体像が俯瞰できる内容にすることを心がけましょう。

各業務の価値や意義を正しく理解するには、それらがワークフロー全体、あるいは事業全体から見て、どのような役割を担っているのか把握することが重要です。例えば、この作業が正しく行われないと事業やほかの業務にどんな影響が出てしまうのかについて、全体との関係から説明することで、自分の役割やポジションの重要性を認識しやすくなります。

考え方の軸が書かれている

マニュアルでは、単に作業手順を記述する以外に、その作業の根底にある理念や考え方の軸を読み手に理解させることが重要です。これは換言すれば、各作業に関して、「なぜその作業が必要なのか」「なぜこの方法で行うのか」という理由や意義を明確にすることでもあります。

マニュアルに記述した内容が各作業についての説明に終始していないか、全体の作業の中での立ち位置を説明できているかといった点を常に意識しましょう。

チェックリストが掲載されている

マニュアルを分かりやすくするには、チェックリストの掲載も効果的です。作業の抜けを防止するというチェックリスト本来の効果はもちろん、最初から最後までしっかり読みこなさなくとも、全体像を把握しやすくなる効果も期待できます。

業務内容やワークフローだけでなく、各パートやカテゴリにおける説明内容のポイントなどを「大事なことリスト」「理解度チェック」のような形で抜き出してチェックリスト項目にするのもおすすめです。分かりやすくするのと同時に、「理解しているかどうか」を逐次確認するためにも、チェックリスト方式は役立ちます。

到達目標が明確に書かれている

業務全体や個々の作業について、目標を明記することも重要です。具体的な到達目標が示されることで、読み手は自分に求められていることは何なのか把握しやすくなります。

ゴールが見えれば、そこにいたる手続きや作業の意味・必要性も明確になります。最終地点から逆算して考えることは、分かりやすさという意味でも非常に有用な考え方です。

仕事のノウハウが書かれている

作業内容に関する深い理解を促すためには、実際に作業している現場のノウハウをマニュアルに落とし込むことも重要です。マニュアルは業務を外から観察したような視点で記述されることもありますが、現場で作業にあたった人でなければ見えてこない、「気づき」は必ずあります。

マニュアルを読んだ人が実際に作業にあたる段階になれば、そうしたノウハウが役立つ状況に直面することも少なくありません。こうした経験を経ることで、業務や作業そのものに対する理解を深めるとともに、マニュアルへの信頼感も強められます。


フォーマット

手順のコツ|スムーズにマニュアル作成するには

マニュアル作成は、6つの手順に沿って進めると効率的です。

  1. 作成のスケジュールを決める
  2. マニュアルの内容を検討する
  3. 情報の収集や整理をする
  4. テーマや構成を決定する成
  5. マニュアルを完成させる
  6. マニュアルを運用する

それぞれのプロセスについて解説します。

1. 作成のスケジュールを決める

まずはいつからマニュアルが必要になるのかを把握し、そこから逆算してマニュアル作成のスケジュールを決めましょう。例えば、マニュアルの対象者が新卒社員なら一般に4月スタートなので、4月に間に合わせるならいつから作り始めればいいのかを計算します。製品に関するマニュアルの場合も、製造を開始する時期や、商品開発がスタートする時期に間に合うようにスケジュールを策定しましょう。

2.マニュアルの内容を検討する

スケジュールを決めたら、次はマニュアルに記載すべき内容を検討します。実際の業務の流れに沿ってマニュアルの内容をチェックすることで、より実践的なマニュアルに仕上げることが可能です。

また、どのようなフォーマットやサービスを使ってマニュアルを作成・運用するかも決めておきます。一般的にはWordやExcel、PowerPointといったOfficeソフトが使われることが多いですが、専用のマニュアル作成ツールを利用するのもおすすめです。

こうしたマニュアル作成の準備作業については、以下の記事で詳しく解説しています。
マニュアル作成を行うための準備と作成方法|会社の業務をスムーズに行おう!

3. 情報の収集や整理をする

マニュアルを作成する作業の中で、非常に重要なのが情報収集です。業務の内容を説明・解説するには、その業務の内容をできるだけ正確に把握できていなければなりません。

ケースにもよりますが作成者自身の業務内容だけでなく、可能な限り、ひとつのワークフローに関わる多くの人や部署から情報を集めるようにしましょう。より正確な全体像の把握につながり、それがマニュアル自体の分かりやすさにもつながります。

4. マニュアルのテーマや構成を決定する

次に必要なのが、マニュアルのテーマや構成を決定することです。例えば、レストランの接客マニュアルの場合、まさにこの「接客」が主題であり、「席への案内」「メニューの提示」「給仕」「会計」などが個別の項目になります。これらの業務内容に、「その業務で何を実現したいのか」という理念や考え方を付加することで、そのマニュアルのテーマが出来上がります。

個別の項目や作業のテーマは、業務全体の理念や考え方との整合性を保つことが重要です。まずは全体のテーマを決め、それにあわせて個別のテーマを決めた方がスムーズに作成を進められます。例えば、全体のテーマが「迅速な接客サービスの提供」なら、レジ会計のテーマは「1分以内のスピード会計」などが考えられます。作成者のその思考過程をそのままマニュアル内に盛り込むことで、読み手にとっても各作業の意義や立ち位置が分かりやすくなります。

構成はマニュアルの重要な要素です。以下の記事もご参考にしてください。
わかりやすいマニュアル作成には目次・構成が重要!ポイントを徹底解説

5. マニュアルを完成させる

業務ごとに情報を集め、理念や考え方と照らしあわせて整理し、図表などを組み合わせて分かりやすくしていくといった作業は、やり始めればきりがありません。そのため、どこかの時点で「完成させる」という区切りが必要です。

新卒社員の入社に間に合わせる、次の会議までに完成させるなど、必要となる時期が明確な場合はそこで区切って完成させなければなりません。また実際の事業の流れに沿ってマニュアルを作成している場合は、納期などワークフロー終了の時点を目安にすれば良いでしょう。

6. マニュアルを運用する

マニュアルが完成したら、いよいよ実際に運用を開始します。マニュアルは新しく業務に就く人はもちろんですが、今まで同じ業務にあたってきた人たちにとっても、普段の業務を見直す大きなきっかけとなりえます。

マニュアル作成者自身も、そのマニュアルを利用する立場でもある場合は、マニュアルの内容に沿ったワークフローを率先して進めていきましょう。全体でマニュアルの内容を実行していくことで、業務に関わる人全員が同じ方向に向かって動けるようになり、それが生産性向上につながります。

運用のコツ|作成したマニュアルを存分に生かすには

マニュアルを運用する際には、「役職が高い人ほど使う」「クラウドで管理する」「ブラッシュアップする」の3つのコツを押さえることが重要です。これにより、運用を進めながらマニュアルの精度を高められます。

役職が高い人が率先してマニュアルを使う

役職の高い人こそ、マニュアルの内容を実践していくことが必要です。上司がマニュアルを軽んじる姿勢を日頃から見せていたら、部下も自然とマニュアル記載の指示を守らなくなるおそれがあります。

マニュアルの作成者となるのは、部・課長など業務の責任を負う立場の人になる場合も多いでしょう。作成者は誰よりもそのマニュアルの内容を把握しているため、実践しやすく、修正が必要となった場合でも、どこを修正すべきなのかがもっともよく分かる立場にいます。

生産性を向上させるには、マニュアルを指針に、全員が同じ方向を向いて業務にあたることが重要です。

クラウドで管理する

マニュアルはクラウド上で管理・共有するのがおすすめです。紙のマニュアルの場合、印刷するのに時間やコストがかかります。従業員全員分を用意したり、改訂のたびに刷り直したりすることを考えると、この負担は小さくありません。

デバイス上で管理する場合にも、改訂のたびに現場のデバイスへインストールし直すのは手間です。その点、クラウド上で管理すれば、上記のような負担を軽減し、最新のマニュアルをスムーズに従業員に開示できます。

あわせて読みたい
クラウドでマニュアルを作成する4つのメリットとは

マニュアルのブラッシュアップをしていく

マニュアルは完成後も継続的に見直しを行い、必要に応じて修正していくことが必要です。運用していく中で問題を発見した場合はもちろん、時間が経つにつれ業務をとりまく環境が変化すれば、それも反映させていかなければなりません。

あるいは、多くの人がマニュアルを参照する中で、「ここはこうした方がいいのでは」といったアイデアも出てくるでしょう。あまりにも頻繁に業務内容が変わるのは避けたいことですが、ワークフローごとの区切りなど、期間を定めてマニュアルの内容を見直すのは有意義です。


作ったマニュアルが社内で活用される仕組みづくりのコツ

効率化のコツ|マニュアル作成でテンプレート等を活用するには

マニュアル作成には多くの労力と時間がかかります。この負担を軽減するには、既存のテンプレートやマニュアル作成ツールを活用し、作成作業を効率化するのがおすすめです。

テンプレートの活用|簡単かつ高品質なマニュアルに

最初に試みたいのが、既存のテンプレートの活用です。インターネットには、有料無料問わず、マニュアル作りで活用できる便利なテンプレートが数多く公開されています。これらを活用することで、1からデザインやレイアウトを考えることなく、簡単に質の高いマニュアルを作成することが可能です。おすすめのテンプレート集としては、例えば以下のようなものが挙げられます。

SILAND.JP

会員登録不要で利用できるテンプレートサイトです。無料で利用できる多種多様なテンプレートが公開されており、その中には操作マニュアルや運用マニュアルなどでの活用に適したフォーマットもあります。
(参照元:http://siland.jp/shift/

Officeテンプレート

Microsoft社が、WordやExcelなどのOffice環境での利用を想定して公開しているテンプレート集です。会員登録や料金不要で利用できます。ビジネス向けの資料共有ノートや引き継ぎ書などのテンプレートがあるので、これらを基にすればマニュアルも効率的に作成できます。
(参照元:https://www.microsoft.com/ja-jp/office/pipc/

bizocean

ビジネスパーソン向けのテンプレートが非常に充実しています。マニュアルに関しても、Wordなら労務・庶務業務マニュアル、PowerPointなら操作マニュアルというように、Word、Excel、PowerPointそれぞれの特長を生かしたテンプレートが数多くそろっているので使いやすいです。利用は無料ですが、会員登録をする必要があります。
(参照元:https://www.bizocean.jp

マニュアルで使えるテンプレート集について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参考にしてください。
【保存版】誰でも簡単に業務マニュアルが作成できるテンプレート集をご紹介

ツールの活用|マニュアル作成や運用のサポートに

見やすいマニュアルを効率的に作るなら、マニュアル作成ツールの活用も検討しましょう。こうした専用ツールにも質の高いテンプレートが用意されているので、1から作る必要がなく時短になります。

また、クラウド管理できるツールであれば、チームを組んで作成にあたる場合にも効率的です。マニュアルの編集や指示をクラウド上で共有できるため、個別の編集や連絡の手間を削減できます。さらに、運用のコツで述べたように、改訂したマニュアルを現場に開示する作業もスムーズです。

クラウド型のマニュアル作成システムとしては、「Teachme Biz」がおすすめです。詳しくは後述しますが、Teachme Bizならテンプレートに沿って文字や画像、動画などを入れていくだけで、簡単に分かりやすいマニュアルが作成可能です。Web上で公開されているテンプレートでは上手くいかない場合は、導入を検討してみましょう。


マニュアルホワイトペーパー

失敗しないコツ|意外と陥りやすい事態を防ぐには

マニュアルの作成や運用に失敗する原因には、以下の3つが挙げられます。

  • 見にくい・分かりづらい
  • 作成を一人に任せる
  • 作ったまま放置する

マニュアルの作成や運用が失敗に陥らないように、原因を把握しておきましょう。

見にくい・分かりづらい

いくらテーマ設定や文体が優れていても、見にくい・分かりづらいマニュアルは業務に活用されず失敗します。図解や写真などは有用ですが、レイアウトが悪いと見た目がごちゃごちゃしてしまいます。

図や写真を活用する際は、テキストと図の関係が一目で分かるようにレイアウトを統一することが大切です。重要な部分は太字や色文字で強調するなどの工夫も取り入れましょう。

また、範囲が全体に及ぶ業務マニュアルは、情報量が多くなりがちです。そのため、内容に漏れやダブりがないように、5W1Hを意識することが大切です。「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」を意識し、漏れなくダブりなく情報をマニュアルに盛り込むようにしましょう。

誰か一人だけに任せている

一人の従業員だけにマニュアル作成を任せると、失敗の可能性が高くなります。なぜなら、業務ごとに適したマニュアルの作成は、作業量が多いからです。通常の業務と並行して作成を進めることは難しく、途中で挫折するか、クオリティの低い成果物があがるかのどちらかになります。

また、多岐にわたる業務の内容や進め方に精通する従業員は稀です。たとえ専念させたとしても、すべての現場の実情を理解したマニュアル作成はハードルが高くなります。そのため、チームを組み、プロジェクトとしてマニュアル作成に取り組むことが重要です。複数人で作成する際には、作成者によって書き方に違いが生じないよう、フォーマットを統一することを意識しましょう。

一度作ったまま放置されている

有用なマニュアルを作成するためには、ブラッシュアップを繰り返すことが重要です。DXの推進など、業務の進め方や取り組み方が大幅に変わる場合もあります。そのため、定期的に更新しなければ、役に立たないマニュアルになってしまうおそれがあります。現状の業務に対応するためにマニュアルを定期的に更新し、業務に有効活用できるようにしましょう。

マニュアル作成が上手い人の特徴

マニュアル作成のチームを編成する際は、以下のスキルを有した人材が選考の候補になります。

  • 読み手のレベルを意識した文章作成能力
  • 目次の活用術
  • 図や写真の構成力

普段の業務で作成する資料などを判断材料にして、チーム編成の参考にしましょう。

読み手を意識している

マニュアル作成が上手い人は、誰がマニュアルを読むのかを意識し、読み手のレベルにあわせた文章を作る能力に優れています。例えば、新人が担当する業務に関するマニュアルなら、専門知識が乏しくても理解できる言葉に置き換えて、分かりやすいマニュアル作りを意識することが重要です。他方で、経験を積んだ従業員のみが担当する業務のマニュアルなら、専門用語を用いて端的に表現した方が、読み手にとって使いやすいものになるでしょう。

また、漢字が多すぎたり、行間が詰まっていたりすると、文章は読みにくくなります。漢字とひらがなのバランス、適切な改行や句読点の配置なども、読みやすい文章の要素です。想定される読み手によって文章レベルを使い分け、文章の読みやすさに配慮できる人をマニュアル作成のチームに編成しましょう。

目次を分かりやすく整理している

マニュアル作りが上手い人は、目的の情報がすぐに見つけられるように目次を活用します。情報量が多くなりがちな業務マニュアルにおいて、どこに欲しい情報が記載されているのか分からず闇雲に探していては、時間を浪費してしまいます。冒頭に目次を設置すれば目的の情報を探す手間を抑えられるため、見やすいマニュアルを作成するうえでは重要な要素です。

また、ひとつのカテゴリ内も、大見出しや小見出しを活用して情報を整理すると読み手は理解しやすくなります。テキストだけで手順を説明する場合、文章が途切れず続くより、「大見出し→中見出し→小見出し」と構造的に文章が整理されている方が理解は容易です。マニュアル作りが上手い人は、目次や見出しを活用して情報を整理します。

図表を上手く配置している

図や表、写真は文章より早く、多くの情報を伝えられます。図表やイラストを用いた視覚的にも分かりやすい情報整理術の活用は、マニュアル作りが上手な人の特徴です。しかし、図表やイラストは多用しすぎたり、配置が不適切だったりすると読み手は混乱します。伝えられる情報量が多い分、適切な配置や数を意識することが大切です。

そもそもマニュアルは誰が作るべき?

マニュアルの作成業務は一般に、その業務に関する知識や経験が豊富な先輩従業員が担当するケースが多いです。その業務に必要なコツや、よくあるトラブルの対処法なども十分に心得ているため、現場で役立つマニュアルを作ってくれると期待できます。

ただし、マニュアル作成と並行して通常業務もこなす必要があることが多く、マニュアル作成に十分な時間を割けない場合もあります。また、ベテラン従業員にとっては当たり前の知識が、新入社員にとっては全く新しいものであることを見落しがちです。

そこで発想を逆転させて、新入社員にマニュアルを作成させた企業の事例があります。新入社員が作成したマニュアルには、ほかの新人も直面するはずの疑問や問題に対する解決策が新人目線で解説してあり、予想外の好評を博したそうです。

ベテラン従業員がマニュアル作成を主導する場合でも、その業務に不慣れな従業員にも関わってもらうことはおすすめの方法です。これにより、マニュアルが初心者にも本当に分かりやすい内容になっているかを確認し、改善に役立てられます。

上記で紹介した事例について詳しく知りたい方は、こちらの記事でご覧ください。
マニュアルを「新入社員」が作ると、意外とうまくいく

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