業務改善のアイデアと役立つフレームワーク! ツールや事例もご紹介
働き方改革の推進や、人口減少による人手不足などにより、業務改善は企業において欠かせない取り組みとなっています。生産性向上のためにも重要視されている業務改善ですが、いざ取り組もうと思ってもポイントを知らなければなかなか上手く行きません。そこで、業務改善について、進め方から役に立つフレームワークやポイント、成功事例まで分かりやすく紹介いたします。
目次
業務改善とは具体的にどういうこと?
業務改善とは一体何を意味している言葉なのでしょうか?
業務改善とは?
業務改善とはその名の通り、業務の内容や目的、業務全体のフローを見直し、改善することです。同じような言葉で、業務削減、業務効率化や経費削減がありますが、それらは業務改善の一貫になります。そのため、業務改善を行う際には必然的に業務削減、業務効率化、経費削減のいずれか、または全てを行うことになります。
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業務改善はなぜ必要なのか?
近年は労働人口の減少や働き方改革の推進といったことが要因で、今まで以上に少人数・短時間で業務をこなしていくことが求められています。労働者の一人一人が生産性を上げるために業務改善は必要不可欠です。
また、業務改善はワークフローを見直すきっかけにもなります。業務停滞が発生する主な原因は、ワークフローに「ムリ・ムダ・ムラ」があることです。「ムリ・ムダ・ムラ」とはそれぞれ以下のような状態を指します。
- ムリ
- ムダ
- ムラ
…達成困難な作業量やスケジュールにより、能力以上の負荷がかかっている状態
…過剰生産や余計な動作、作業がある状態
…適切なフローが標準化されていないために、ムリとムダが混在している状態
それまで行っていた「ムリ・ムダ・ムラ」な業務の洗い出しを行い、よりスムーズに業務を進めるためにも、企業は業務改善に努める必要があるでしょう。
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業務改善による効果とは?
業務改善は業務を効率化し、生産性を上げることを目的としています。業務改善を行うことで、業務の無駄が省けるだけではなく必要な業務に必要なだけ時間をかけられるようになるため、労働環境の改善や生産性の向上が見込めます。
ここでは、業務改善による4つの効果について解説します。
業務効率化
業務改善の一環でワークフローを見直すことにより、これまで発生していた「ムダ」な作業を洗い出し、改善することができます。最適なワークフローを再設定して標準化することで業務の効率化が期待できるでしょう。
生産性向上
生産性とは「労働者数または労働時間に対して生産される成果物の割合」を示したものです。
業務改善により業務を効率化すると、一つの業務にかかる時間を短縮することができます。そこで余った時間を他の業務に充てることで、従来と同じ労働時間内に多くの成果物を生みだし、企業全体の生産性向上を達成できるのです。
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コスト削減
「ムダ」な業務の削減により、それまで発生していた印刷費や輸送費などの金銭的なコストや時間的なコストを削ることが可能です。また、労働力を新たに導入する際の教育コストも、業務改善により削減することができるでしょう。
労働環境の改善
人手に見合わない作業量やスケジュールが求められる「ムリ」な業務が発生すると、従業員は十分なパフォーマンスを発揮することができません。業務改善を通じてそうした「ムリ」な業務をなくすことで、残業時間の削減や従業員エンゲージメントの向上などを実現することが可能です。
業務改善のより良い進め方
業務改善を行う際には闇雲に一つ一つの業務を見直していくのではなく、業務改善に適切な手順に沿って進めることで成功へと近づけることができます。ここからは業務改善を成功に導く進め方をご紹介いたします。
業務の見える化をする
まずはじめに既存業務の見える化を行いましょう。誰がどのような業務を行い、どこにどれだけ時間がかかっているのかをはっきりさせることで、改善するべきポイントの洗い出しができます。見える化をする際にはマニュアル化することが有効です。業務をマニュアルとして可視化することは、既存業務の効率化が進むだけではなく、特定の人しか行えない業務を減らす役割もあります。
業務のマニュアル化について詳しくはこちらをご覧ください。
業務効率化に欠かせない「SOP」とは? 標準作業手順書の良い例・悪い例を見本でわかりやすく解説
改善目標を設定する
業務の見える化により改善ポイントが見つかったら、「何が問題でどのように改善していくのか」を明確にした上で、改善目標を立てましょう。ここでの改善目標は個々の業務についてだけではなく、業務フロー全体から部署ごと、個人ごとについてそれぞれ目標を立てましょう。
優先順位をつける
目標を立てたら、それぞれの改善点について
- 取り組みやすさ
- 改善による効果の大きさ
- かかる費用
などについて考慮しながら業務改善の優先順位を付けましょう。
まず優先順位の上位には「取り組みやすく、改善による効果が大きい」業務、下位には「取り組みにくく、改善による効果が小さい」業務を置き、その後かかる費用によって細かく順位付けをするのがおすすめです。
改善計画マニュアルを作成する
優先順位を付け業務改善の見通しを立てたら、改善計画の手順をまとめた改善計画マニュアルを作成しましょう。業務の見える化を行う際は一つ一つの業務についてマニュアル化を行いますが、ここでは業務ごとの詳細な改善計画だけではなく、これから行う改善計画全体についてのマニュアルを作成しましょう。計画を具体的なマニュアルにすることで、施策の目的から目標達成までの手順が明確になるため、計画の方向性がブレることなく業務改善を進めることができます。
マニュアル作成について詳しく知りたい方は以下のページを参考にしてください。
マニュアル作成・運用のコツやポイントをご紹介「マニュアル作成ナレッジ」
計画を実施して定着化を図る
改善計画に基づいた業務改善施策がひととおり完了したら、各施策の効果測定を行います。効果があった施策については現場に定着するよう、継続的に繰り返し実施しましょう。
また、期待した効果が得られなかった施策についても再度業務改善のPDCAサイクルを回し、効果が出るまで続けます。
業務改善のアイデア・手法
業務改善の課題や必要性を充分に認識していたとしても、業務改善を実現するためには膨大な工数や労力が必要となります。そこで、できるだけ速やかに業務改善を実現するために有効なアイデア・方法が以下の通りです。
無駄な業務をなくす
第一の方法が無駄な業務の排除です。時間や労力ばかりがかかって全く意味をなさない無駄な業務は、真っ先に手をつけるべき改善ポイントです。例えば、目的やゴールの不明確な会議を何度も繰り返し行っても、結論が出ずただ時間を浪費しただけになってしまいます。会議の場合、目的・時間・参加者・頻度・内容にスリム化できる要素がないか考えてみましょう。
また、ただのルーティンとなってしまっている報告書や手順書の作成も、できる限り削減しましょう。あくまで報告書や手順書は業績を向上させるための業務のひとつです。書類作成そのものが目的になっていないか再検討し、無駄な要素が大きければ業務そのものをなくしましょう。無駄な業務をひとつでも削減できれば、業務改善に大きく近づけます。
業務マニュアルを作成する
業務の進め方やルールはできるだけマニュアル化しましょう。マニュアルにまとめて標準化すれば、業務を教える時間を減らしたり作業品質の均一化を図ったりすることができるため、生産性向上および属人化解消といった業務改善を実現できます。
また、業務マニュアルは新入社員が読んでも理解しやすい内容にまとめなければ意味がないため、誰が読んでも分かるよう、各業務の目的や手順を細かく洗い出してマニュアル化しましょう。この過程を経ることで、不要なフローがないか業務内容を見直すきっかけにもなります。マニュアル作成を通して、業務改善への土台づくりができるのもメリットのひとつなのです。
作業の自動化をする
単調で同じ作業を繰り返す業務は、システムやツールを使って作業を自動化してしまえば、大幅な効率化が実現できます。スピーディーな作業により業務時間を削減できるほか、人の手を使わないため品質のむらがなくなるなど、生産性向上や属人化解消といった業務改善に大きく寄与できるでしょう。
新たなITツールを導入しての自動化はややハードルが高いかもしれませんが、ExcelやGoogleスプレッドシートのマクロ機能を使った自動化でも一定の効果を得られるので、検討の価値有りです。
業務をアウトソーシングする
他社にアウトソーシング(業務委託)することも効果的です。特に、単純な業務やマニュアル化しやすい業務は、他社へ外注することで人的リソースを確保しましょう。
また、会社でノウハウを蓄積したい業務は社内で対応し、単純なルーチンワークをアウトソーシングする、というように役割を分担すれば、従業員はコア業務に集中できるためさらなる生産性向上が期待できます。人員不足が原因で適材適所への人員配置ができていない企業は、アウトソーシングをうまく活用することで劇的な改善が見られることも少なくありません。
業務の担当を見直す
人員配置を見直すことも業務改善の重要なポイントです。
従業員の能力を最大限に生かすために、保持しているスキルや得意分野を確認し適正な人員配置に調整すれば、担当者のモチベーションアップや業務の効率化が見込めます。また、重複している手順がある場合は、担当を統合することで手順をひとつ減らせるため、さらなる業務効率化を図ることも可能です。
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業務改善に役立つフレームワーク10選
業務改善においては特定のフレームワークを利用すれば、より円滑に施策を遂行できます。業務改善に利用されるフレームワークの中から、特に利用されている10のフレームワークを厳選しました。
ECRS(イクルス)
ECRS(イクルス)とはEliminate(排除)、Combine(結合)、Rearrange(交換)、Simplify(簡素化)の頭文字をとったもので、これら4つの視点から業務改善を行うフレームワークです。
- Eliminate(排除)
- Combine(結合)
- Rearrange(交換)
- Simplify(簡素化)
不必要な業務、工程がないかを検討
例)形骸化している会議の廃止
複数の部署や複数の業務にまたがる業務を1つにまとめ、同時に行えないかを検討
例)連携が必要な部署の会議を同時に開催して伝達時間を削減する
既存業務、工程を変更し、より効率的になる方法はないかを検討
例)業務の担当部署の変更
複雑な業務、工程を一部省略、簡素化できないかどうかを検討
例)工程の一部をIT化、RPA化
PDCAサイクル
PDCAサイクルとはPlan(計画)、Do(実行)、Check(確認)、Action(改善)の頭文字を取ったもので、PDCAの順に1つのサイクルとして回す、業務効率化によく用いられるフレームワークです。
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(評価)
- Action(改善)
目標達成のための実現性の高い計画を立てる
例)残業時間〇〇時間削減のために業務削減
計画に沿って実行を行い、実行した記録を残す
例)〇月〇日残業時間〇〇時間
実行した記録から実際にどのように機能し目標がどこまで達成しているのかを評価する
例)目標達成まであと残業時間〇時間削減
評価をもとに、悪い点は改善し良い点は継続して続けられるように計画を改良する
例)業務時間あたりの業務量が減っていないため、業務削減、効率化をより促進。
ロジックツリー(決定木分析)
ロジックツリーは木構造をしたフレームワークで、一つのキーワードから派生するキーワードを広げていき、問題の原因を多角的に掘り下げることができます。ロジックツリーを活用するためには、まず一つ問題となってること(例:残業が多い)を書き出し、その周りに原因(例:業務が多い、人手不足など)を書き出します。書き出した原因においても同様に繰り返すことで、問題を解決するための根本的な原因を分析することができます。
BPMN(ビジネス・プロセス・モデリング表記)
BPMNは業務プロセスを可視化し、課題点を発見するためのフレームワークです。フローチャートのように図形や矢印などを用いることで業務工程のフローや担当者などを可視化します。
出典:Questetra BPM Suite「SaaS BPMS for Workflow Automation」
KPT
KPTとはKeep(継続)、Problem(問題)、Try(トライ)の頭文字を取ったもので、業務改善の基本方針を示したフレームワークです。
- Keep(継続)
- Problem(問題)
- Try(トライ)
上手く機能しているため、今後も継続していきたいもの
例)作業を一部自動化したことにより作業時間が削減された
実行してみたが問題があり改善が必要なもの
例)操作が複雑で操作ミスが多発する
KeepやProblemを踏まえ、これから新たに実行したいもの
例)操作ミスを減らすために分かりやすい作業マニュアルを作成
バリューチェーン分析
バリューチェーンとは、開発、生産からマーケティングやアフターサービスまでの一連の事業に関わる業務を機能ごとに分類し、どの工程において価値が生まれるのかを分析するフレームワークのことです。バリューチェーンを用いて業界分析をすることで競合と有意差を付けるポイントを把握することができます。バリューチェーン分析を行う際には、製造、販売などの主活動と、それに伴う調達活動、技術開発などの支援活動の2つに分類し、どこにどれだけコストがかかっているのか、どこが強みになるのかを分析します。
MECE(ミーシー)
MECE(ミーシー)とは、「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字を取って略した言葉で、ロジカルシンキングの基本となる考え方であり「漏れなく、ダブりなく」という視点で事業を列挙するフレームワークです。
例えば、日本国民を都道府県別に、北海道民・青森県民というように47都道府県全部の住民に分類した場合は「漏れもダブりも」ありません。しかし、以下のような例はMECEではないため、物事全体を捉えた後に構成要素を細分化する「トップダウンアプローチ」や、要素を一通り列挙した後、全体像を把握する「ボトムダウンアプローチ」を使って、漏れやダブりをなくすよう心がけてください。
- 「ダブりはないが漏れがある」
- 「漏れはないがダブりがある」
- 「漏れもダブりもある」
ある商品のターゲットを、20代・30代・40代の年齢層に分類した場合、ダブりはありませんが10代以下や50代以上の年齢層が漏れています。
ターゲットを男性向け・女性向け・老人向け・子供向けと分類した場合、ターゲット層に漏れはないものの、子供の男性や老人の女性などそれぞれダブりが生じてしまっています。
ターゲットを小学生・中学生・高校生・予備校生、というように「学生」で分けた場合、ターゲット層に大学生・大学院生が入っておらず「漏れ」が生じています。また、予備校生には高校生などが含まれるため「ダブり」も生じています。
このMECEを業務や事業内容についての分類を行う際に活用すれば、全体把握がしやすくなるのでぜひ試してみてください。
マンダラート
マンダラートとは、アイデア出しや情報整理に役立つフレームワークです。仏教の曼荼羅(マンダラ)をイメージにした3×3の9マスにテーマを書き込み、そこから放射状に広がるイメージでアイデアを書き出していきます。全81個以上のマスを埋めていくため、アイデアをたくさん出したい場合に有効な手法です。また、書き出すことで考えや情報を整理できるので、目標達成に向けた行動整理や必要項目の確認に役立ちます。
4象限マトリクス
4象限マトリクスとは、業務の優先度を判断する際などに効果的なフレームワークです。タスクを4つの領域に分類することで、決められた時間の中で効率的に複数タスクをこなすための適切な優先順位をつけることができます。
4象限マトリクスで主流な方法は、「重要性」と「緊急性」の2軸を使い、各タスクを「緊急かつ重要」「緊急ではないが重要」「緊急だが重要ではない」「緊急でも重要でもない」4つの領域に分類する方法です。それ以外にも、目的に合わせてタテ軸とヨコ軸に「要素」または「流れ」を設定して要素の整理・分析を行うことで、優先順位を整理できます。
5W2H
5W2Hとは、5W1Hに「How Much / How Many」を加えたフレームワークです。
以下の5W2Hに沿ってタスク管理を行うことで、漏れなく効果的に業務を改善できます。また、大きな業務以外でも、計画の段取りをするときや、計画の説明時などにも活用できる手法です。
- When(いつ) :スケジュール(時間、時期、期間、期限等)
- Where(どこで):場所(待ち合わせ場所、作業場所、実施場所等)
- Who(誰が) :実施体制・役割分担(誰が、誰と等)
- What(何を) :内容定義・要件(作業内容、依頼内容等)
- Why(なぜ) :背景・経緯・目的
- How(どうする):方法・手段(どのように行うか、どのような状態にするか等)
- How Much / How Many(いくら、いくつ):コスト・予算
業務改善を進める上で重要なポイントと注意点
QCDを考える
QCDとは、Quality(品質)、Cost(費用)、Delivery(納期)の頭文字をとったもので、業務改善を行う上で重要な鍵となる三要素を示しています。品質を高め、費用を抑えつつ納期を早めることは理想ですが、品質を求めると費用は上がり納期が延び、費用を抑えたり納期を早めたりすると品質は下がるように、これらは互いにトレードオフの関係になっています。そのため、以下に示す優先順位を念頭に置きながら、QCDそれぞれを向上させる施策を行いましょう。
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目的を明確にする
業務改善を行う上で重要なことは、目的を見失わないことです。経費削減のための業務改善と働く環境の改善のための業務改善では、改善内容の優先順位が変わってきます。ただ業務改善を行う、といった抽象的な目的に向かって行動するのではなく、具体的な目的を設定しましょう。また、目的を明確にすることで、従業員の業務改善への理解、協力にもつながります。
現場の意見を聞く
業務改善を計画するのは主に管理職や上層部ですが、実際に業務を行う現場の状況を知らないまま業務改善を行っても、成功にはつながりません。例えば、これまで1週間かけて行っていた業務を3日で行うように指示をだしても、現場は対応できません。時間がかかる業務には部署間でのやり取りや外部企業との連携の必要があるなど、何かしらの理由があります。そのため、現場の意見を聞きながら、本当に改善が必要なのか、どうしたら業務改善ができるのかを考えましょう。
長期的な目線で計画する
業務改善は長期的な目線で計画を立てましょう。長期的に継続できないその場しのぎの業務改善では、その後の業務に影響が出たり、同じ課題に再びぶつかるなどの無駄な工程が増える可能性があるため、注意しましょう。
業務改善に役立つツール
業務改善を進めるうえで、業務の効率化を図るためのツールを導入・活用することも効果的です。業務の効率化に有効なツールは無料・有料問わずさまざまな種類がありますが、「導入が目的」とならないよう注意してください。現状課題を把握・使用目的の整理を行ったうえでのツール活用を心がけましょう。
オンラインストレージサービス
オンラインストレージサービスは、任意のメンバー間でデータの共有・同期が可能なサービスを指します。自社のサーバーやシステムは不要なため、インターネットが使用できるデバイス(パソコンやスマートフォン)があれば気軽に利用できる点が魅力です。
代表的なサービスには「Google Drive」や「Dropbox」があり、無料で使うこともできます。ただし、無料版には容量に制限があるため、容量の大きいデータや機密性の高いデータを取り扱う場合は有料版を導入しましょう。
RPA
RPAは、「Robotic Process Automation」の頭文字を取って略した言葉で、単純作業や定型業務をロボットによって自動化できる「ソフトウェアロボット」のことです。
RPAはAIとは異なり、自分で判断したタスクを遂行することはできませんが、判断を伴わない単純作業を正確かつスピーディーに完了させることができます。
そのため、これまで人間が担ってきた膨大なデータに対する業務管理をRPAによって自動化できれば、大幅な時間削減につなげられること間違いなしです。
タスク・プロジェクト管理サービス
チーム単位でタスクやプロジェクトを可視化・管理できるサービスのことで、代表的なサービスには「Backlog」や「Trello」があります。基本的にタスク管理やカレンダー、チャット機能がついており、進捗状況をチーム間で共有できます。
タスク管理を個人に任せていると、タスクの漏れが発生したり、作業中のタスクと完了済のタスクが混在してどのタスクを進めれば良いか分からなくなってしまったりするなど、業務の進捗に遅れが出てしまうおそれがあります。
しかしこれらのサービスを使えば、スケジュールの遅れやタスクの漏れにも気づきやすく、業務の優先順位付けや担当者の変更・追加等の管理に役立ちます。
コミュニケーション/チャットツール
コミュニケーションを円滑にするチャットツールは、メールや電話と比べて手軽かつリアルタイム性が高いので、コミュニケーションのスピードアップによって業務の効率化に期待できます。代表的なサービスには「Slack」や「Chatwork」があります。個人でのやり取りはもちろん、プロジェクト別のグループチャットを作成してグループ内でやり取りするなど、用途に応じてコミュニケーションができるため、ビジネスにおいては非常に有用なツールです。
クラウド型マニュアルサービス
クラウド型マニュアルサービスは、時間や場所を問わず効率的にマニュアルを作成・修正・閲覧できます。通常、マニュアルを一から作成するには、構成や含める画像データを考えたり、見やすいデザインに調整したりと、膨大な工数と手間を要します。その点、クラウド型マニュアルサービスにはテンプレートが豊富に用意されていることが多く、テンプレートに沿って必要な情報を入力するだけで、誰でも簡単に見やすいマニュアルを作成できます。テンプレート通りに進めるだけなので、悩む時間も少なく、作成時間を大幅に削減することが可能です。
業務改善に成功した事例をご紹介!
業務改善といっても、具体的にどのような取り組みをすればいいのか分からない、という場合も多いのではないでしょうか。そこで、業務改善に成功した事例を3つほどご紹介いたします。業務改善に取り組む際にぜひ参考にしてみてください。
標準化を進めて生産性を向上を実現(卸売業・小売業)
商圏ニーズに応じたさまざまな形態の店舗を展開する株式会社ベイシア様。生産性の向上を目指して、店舗オペレーションの再構築を決めた際、マニュアルの整備のためにクラウド型マニュアルサービスを導入しました。マニュアルをペーパーレス化することによって、年間数百万円のコストを削減できただけでなく、従来は1つあたり1時間以上かかっていたマニュアル作成も10分以内でできるようになりました。また、作業が標準化され、作業のコツが簡単に共有できるようになったことにより、生産性の大幅アップを実現しました。
作業の“コツ”の共有による標準化推進で生産性向上を実現した事例
既存のマニュアルを整理して残業時間を前年度比11時間/月削減(卸売・小売業)
オフィスの仕事を円滑に進めることを目的としたサービスを提供している株式会社山崎文栄堂様。WordやExcelなどで作成したマニュアルが点在し、せっかく作ったマニュアルが活用されていないことが問題となっていました。そこでクラウド型マニュアルサービスを導入したところ、マニュアルがどこでも簡単に閲覧できるようになり、コミュニケーションロスや雑務が大幅に減少。残業時間を前年度比で11時間削減することに成功しました。
Teachme Bizで働き方を大改革!残業を前年度比11時間/月削減した事例
年間で20,000時間の業務のRPA化を実現(物流・運輸・運送・配送業)
低温輸配送・低温保管等を営む関係会社の管理を行うニチレイロジグループ様では、物流業界全体に存在するの労働不足問題に際して、業務革新に向けた取り組みを開始しました。その1つがRPAによる業務の自動化です。より効果的な業務革新を行うために、全国50箇所で業務革新に関するセミナーを開催。さらに、RPAについて学ぶ女性限定合宿の実施や、クラウド型マニュアルサービスの導入といった工夫を凝らし、年間20,000時間の業務のRPA化を達成しました。
年間で20,000時間の業務をRPA化!労働力不足の問題もクリアした事例
まとめ
いかがでしたでしょうか?業務改善のフレームワークを用いながら事前にしっかりと計画を立て、目標に向かって従業員全員で協力しながら取り組むことが、業務改善の成功につながります。成功事例からも分かるように、業務改善は従業員の働く環境や今後の収益にも大きく影響します。新型コロナウイルスの流行により、業務の仕方や働き方が大きく変わるこの機会に業務改善に取り組んでみてはいかがでしょうか?
業務改善に向けたマニュアル作成は「Teachme Biz」がおすすめ
業務改善のうち「マニュアル作成」は属人化解消や生産性向上に役立つ有効な施策のひとつです。しかし、作成に手間がかかる・作成しても見てもらえない・更新や管理が大変など、マニュアルに関する課題を抱える企業は少なくありません。
Teachme Bizは、写真や動画を用いた分かりやすいマニュアルをクラウド上で簡単に作成・共有・管理できるサービスです。クラウド上で完結できるので、社内での周知もしやすく、テレワークの際にも各端末から簡単に確認ができます。
さらに、マニュアルが増えてくると「あのマニュアルどこだったかな」「この作業はマニュアルの何ページだったかな」と探すのに手間を取ってしまいがちですが、Teachme Bizには検索機能があるため、すぐに該当ページにたどり着けます。また、管理者は検索履歴を確認することができたり、作ったマニュアルがちゃんと使われているのかアクセスログなどで活用状況を分析したりすることも可能です。マニュアル作成にお悩みの方は、ぜひ「Teachme Biz」をお試しください。
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