Teachme Biz トレーニング機能 開発秘話

最終更新日: 2021.05.11 公開日: 2020.02.12
男性二人がティーチミービズの看板を持つ画像

2020年2月3日に「従業員教育」に特化した、Teachme Biz トレーニング機能のオープンβ版をリリース。
手順書の作りやすさとわかり易さに優れているTeachme Bizだが、作成した手順書を実際に社内に浸透させるにはお客様社内での運用設計や創意工夫が必要でした。Teachme Bizの公式機能として、従業員教育のための教育カリキュラム(=以下コース)作成や学習進捗確認の運用をご支援することで、お客様の生産性向上を実現するトレーニング機能。この機能を開発することに至った背景や思いなどを、弊社CTO佐橘、プロダクトマネージャー井上に聞いた。
 
 
まず、トレーニング機能の開発に至った背景を教えてください

佐橘:Teachme Bizが扱う「手順書」が参照されるべき主なシーンは、「初めて」「変更」「久しぶり」の3つです。初めてでそもそも手順がわからないから参照する。業務改訂などによって変更が加えられた参照する。久しぶりで手順を忘れているから参照する。ひらがなの頭文字をとって3Hと呼びます。その中でも「初めて」が一番手順書を多く参照されるシーンなんです。正しい手順がわからないまま初めての作業を任されるのって不安ですし、正しい手順を知らなければ間違えてしまうのは当たり前ですよね。
 ならば、この「初めて」のシーンでTeachme Bizをより活用でき、人の学習の役に立ちお客様の事業に貢献していきたい。これがトレーニング機能のメインコンセプトです。

業務における3Hに関して説明した画像

手順書が参照される主なシーン
 

井上:Teachme Bizをよりご活用いただき、お客様の事業・業務の課題を解決したいと考えています。そのためにご利用いただいているお客様の活用状況を分析したり、実際にお客様を訪問して「どういった使い方をされていますか」「お困りごとはありますか」など多くのヒアリングをしていく中で、見えてきたことがあります。大前提として、ほぼ全てのお客様において、スマホ・タブレット・PCを利用して手順書の作成と共有が圧倒的に簡単で効率性が上がったと感じております。
 しかしながら、実際にお客様の中で現場サイドも含めて運用定着がうまくいっているお客様とそうでないお客様が分かれます。
 うまくいっているお客様で一つ共通していたのが「採用した人のはじめての教育シーン」に活用しているという点です。特に複数店舗を運営されているチェーンストア様においてその傾向が強かったです。

株式会社スタディストのCTOの画像

株式会社スタディスト 取締役CTO 開発部長 佐橘 一旗

佐橘:Teachme Bizは手順書をフォルダ構造で整理できるため、多くのお客様が部署毎や業務工程毎にフォルダを作成して運用されています。Teachme Bizの強みである手順書作成の簡単さから、ご活用いただいていると手順書がどんどん増えていき、最終的には業務の百科事典のようなものが出来上がります。そういった背景から昨年は詳細検索機能やQRコード出力、アーカイブなどお客様の手順書閲覧・管理機能を強化してきました。
 一方で、手順を学習したい個人の目線に立つと百科事典では学習に使いづらい。学生の頃の勉強を思い出してみてください。百科事典を渡されて、1ページ目から読んでねとはならないですよね?科目や理解レベルに合わせた教科書や参考書を渡されたはずです。Teachme Bizも同じで、多くのお客様が、「新人スタッフが最初の1週間で覚えるべき業務手順一覧」、「キッチン担当の必須修得事項」などを別途Eexcel等で作成して紙に印刷して運用されているケースがほとんどでした。
 その運用自体をTeachme Bizの公式機能としてご提供できればそれだけでもお客様のお役に立てますし、手順書とあわせて組織内の学習履歴データが蓄積されるようになることで、データを活用した様々な付加価値もご提供できるかもしれない。
こうした背景からトレーニング機能の開発がスタートしました。

 加えてもう一点、学習目的でTeachme Bizを活用いただく場合「反転学習」という理論が適用できると考えています。簡単にいうと、初めての業務を「OJTで教えてもらってから復習する」よりも、「事前に予習をした上でOJTに臨む」ほうが知識の定着度が高まるという理論なんですが、Teachme Bizはまさにそこにハマると考えています。画像や動画を中心としたビジュアルベースの手順書なので気軽に見ることができ、わかりやすい。手順書で見ただけでは分からなかったポイントを実践の場で学ぶ、という活用の仕方をしていくと、手順の修得は間違いなく効率化できると確信しています。

反転学習の有効性について説明した画像

反転学習とは?

今回はオープンβ版ということですが、どういったことができるのでしょうか?

井上:例えば新人スタッフが最初に覚えなくてはいけない手順をTeachme Biz内でピックアップするだけでコースのように見せることができます。そのコースを配信、スタッフはそのコースを見ながら作業を実行。最終的にそのコースに含まれる手順書を全てを見ることでコース修了、といったところまでがオープンβの提供範囲です。先ほどの例でいうと、お客様がExcelで対応されているところまでになります。現場で教育を受ける社員が、今自分は何を知らなければいけないのかを迷うことなく知ることができるようになると考えています。
 

オープンβ版でリリースしたのは何故でしょうか?

佐橘:大前提として、我々はITで仕組みを作るプロフェッショナルです。一方で、当然ながら実際の業務についてはお客様の方がプロフェッショナル。今回リリースする機能も複数お客様にヒアリング重ねて開発してきましたが、実際に多くのお客様に機能を触ってみて頂いてフィードバックをいただかなければ「本当に使いやすく、お客様社内での事業成果につながる製品」には仕上げられないと考えています。まずは最低限必要十分と思われる機能を開発できたので今回リリースを行っていますが、まだ我々が見えていない、気付いていない課題は絶対あるはずです。なのでまずお客様に使っていただき、フィードバックやディスカッションを通じて、プロダクトを継続的に磨き込みたい、積極的に仕様を進化させていきたいという思いを込めてオープンβ版とさせていただいております。

株式会社スタディストのプロダクトマネージャーの画像

株式会社スタディスト 開発部 トレーニング機能 プロダクトマネージャー 井上 大輔

プロダクトの正式ローンチはこの後になりますが、今後の展望などを教えてください

佐橘:短期的にはモバイルアプリ版のリリースと、お客様からいただくフィードバック事項を踏まえたそもそもの使い勝手改善が最優先ですが、大きなストーリーでいうと手順の習得を「個人の自己申告」だけでなく「上司による承認」によって保証できる機能を提供したいと考えています。
学習の5段階という考え方がありますが、Teachme Bizを使って手順を「わかった」だけでは意味がありません。実際にそれを「できる」「やっている」状態になって初めてお客様の事業成果につながる。。例えば「レジを打つ前にお客様に笑顔で「いらっしゃいませ」と言う」という手順があったとします。実際にやるべきと分かってはいても、出来ない人っていますよね?。なのでTeachme Bizを使って読んで「わかった」で終わらせずに、ちゃんとできているのか。できている、できていないを上長やトレーニング担当者が「ここができていないから、次はちゃんとできるようになろう」というフィードバックを健全にできるようにするっていうのが、正しい手順が浸透するっていうことだよねというところを作っていきたい。

井上:例えばチェーンストア様でいうと、ブランディングの一つとして店舗の業務品質平準化があると思うんですよね。同じブランドでもA店は良い対応だったが、たまたま別の駅にあったB店は対応が悪かった。そうすると「あ、このブランドはあまり対応が良くないな」と思ってしまうんですよね。特にチェーンストア様に対しては、一定の品質を期待して商品を購入したり店舗に足を運ぶと考えています。業務手順がわからなくて間違えたり、適切な教育がされていなくてお客様にご迷惑をおかけしたり、こうした業務品質がある店舗だけでなく全店舗で平準化されていることはお客様のビジネスにとって非常に大切だと思います。我々は手順書を中心としてお客様の生産性向上などのお役に立ちつつ、その先にいる消費者が良質な体験ができるような、そんな世界を目指してこれからもTeachme Bizやトレーニング機能のアップデートを行っていきたいと思います。

ありがとうございました

トレーニング機能 詳細資料

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