飲食店に必要なマニュアルの種類と作成のポイント! 接客や業務フロー改善に

最終更新日: 2024.04.09 公開日: 2023.03.09

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飲食店の業務は多岐にわたり、全てのオペレーションを効率よく行うためには「マニュアル」の導入が必要です。マニュアルを活用することで、全て口頭で伝達するよりも、正確かつ効率的にスタッフに伝えることが可能になります。健全な運営のために、マニュアルの種類や作成方法、注意点などを確認しておきましょう。


マニュアル作成の教科書1

飲食店にマニュアルが必要な理由

飲食店を健全に運営していくためには、マニュアルの存在が必須です。その意義が分かれば、どのようにマニュアルを作成すればよいのかを効率よく把握できます。そこで本章では、飲食店にマニュアルが必要な三つの理由について詳しく解説します。

サービス品質の維持

飲食店においてマニュアルが必要な理由のひとつに、一定水準を満たすサービスの提供を実現できることが挙げられます。ルールを設定すれば、個人個人の判断ではなく共通認識を持ってスタッフが業務を行うことが可能です。
スタッフ個人の判断に委ねサービスを提供している場合は、どうしてもサービスの内容やクオリティに、スタッフごとの差が生まれてしまいます。
しかしマニュアルによって業務の進め方に決まりを設ければ、スタッフによるサービスの差は縮まっていきます。サービスの質が一定水準に保たれていれば、顧客の満足度向上が期待できます。

教育の簡略化

マニュアルを用意しておけば、スタッフの教育にかかる時間や労力、費用などを削減することも可能です。

特にアルバイトなど入れ替わりのある雇用を行っている場合、新人への指導にかかるお店の負担は少なくありません。マニュアルがあれば、指導する内容を一から全て口頭で伝える必要がなく、スタッフに対して業務に関することを効率的に伝達できます。
これまで教育に割いてきた時間を別の業務に充てることもできるので、業務効率の向上にもつながります。

スタッフの学習促進

マニュアルは、スタッフの学習意欲を上げるためにも効果的です。
マニュアルがあれば、スタッフは都合のいいタイミングで学習できる上、業務フローを正確に把握できます。またわからないことがあってもマニュアルを活用し、手軽に復習できるので、スタッフにとって学習しやすい環境が整います。
マニュアルにより効率よく業務フローを学べることから、スタッフの学習意欲が向上し、迅速かつより良いサービスの提供につながります。

飲食店に必要なマニュアルの種類

飲食店に必要とされるマニュアルは大きく分けて「業務フローのマニュアル」「接客のマニュアル」「キッチン業務のマニュアル」「トラブル対応のマニュアル」の四つとされています。飲食店を運営している方がおさえておくべき四つのマニュアルの概要や、記載すべき主な内容について詳しくご紹介します。

業務フローのマニュアル

まずは飲食店の業務全体の内容や流れを説明した「業務フローのマニュアル」の作成が必要です。
店舗独自のルールや方向性、バックヤード業務などスタッフの仕事に関する事項をまとめておくことが重要となります。

記載すべき主な内容

業務フローのマニュアルには主に以下の内容を記載します。

  • スタッフの出退勤について
  • 店舗の開店、閉店時の対応について
  • レジや注文機械の使用について
  • 金庫の管理について
  • 清掃について など

必要に応じて、業務を行う手順や注意点なども記載しておくとさらに丁寧なマニュアルになります。

接客のマニュアル

飲食店には欠かせない接客の質を維持するために「接客のマニュアル」も作成しておく必要があります。
主な内容は、接客を行うスタッフの身だしなみや、言葉遣い、心構えに関する事項をまとめたマニュアルです。

飲食店の接客の質向上にはマニュアル作成がおすすめ! メリット・作成方法

記載すべき主な内容

接客のマニュアルには以下のような内容を記載しましょう。

  • 身だしなみについて
  • 言葉遣いについて
  • 心構えについて
  • 料理の提供方法について
  • オーダーの受け方について
  • 顧客の出迎えや案内方法について
  • 会計の方法について など

会計時や料理提供時など、シーンごとに細かく分けて記載すると、より質の高い接客につながることが期待できます。

キッチン業務のマニュアル

飲食店の主な業務のひとつである調理業務に関する「キッチン業務のマニュアル」も作成しておく必要があります。
主に使用する食材や管理方法、調理手順に関する事項をまとめたマニュアルです。

記載すべき主な内容

キッチン業務のマニュアルには、具体的に以下のような内容を記載します。

  • 調理器具の使用方法について
  • 調理手順について
  • 仕込みの方法について
  • 食材の分量について
  • 食材の管理方法について
  • ゴミ出しについて など

業務の流れのみならず、イレギュラーな場合や繁忙期対応の仕方を記載しておくと、キッチンの業務効率をより上げることができます。

トラブル対応のマニュアル

飲食店を運営する上でトラブルは避けて通れないため「トラブル対応のマニュアル」の作成も必須です。
主にはクレームが発生したときの対応方法や、責任者不在の場合の対応方法などをまとめたマニュアルです。

記載すべき主な内容

トラブル対応のマニュアルには、以下のような内容を記載すると好ましいです。

  • クレームの対応方法について
  • 予約ミスの対応方法について
  • 食材不足時の対応方法について
  • 人員不足時の対応方法について
  • 責任者が不在の場合の対応方法について など

トラブルの対処はお店の信用情報にも関わるため、内容を細かく記載することが重要です。

飲食店にあると便利なマニュアルの種類

前章でご紹介したマニュアルの他にも、作っておくと役立つ「店舗営業のマニュアル」「清掃のマニュアル」「商品紹介のマニュアル」「電話対応のマニュアル」の四つをご紹介します。業務フローのマニュアルで内容をカバーしきれていない場合に便利なので、ぜひ検討してみましょう。

店舗営業のマニュアル

飲食店が作成しておくと便利なマニュアルとして、まず「店舗営業のマニュアル」が挙げられます。
店舗の開店時間から閉店時間までの運営を円滑に行うためのマニュアルです。

記載すべき主な内容

店舗営業のマニュアルには以下のような内容を記載しましょう。

  • 現金の管理について
  • 開店時の準備について
  • 閉店時の作業について
  • ランチやディナーの切り替えについて
  • 鍵やセキュリティについて など

店舗の営業に関することもマニュアルとして可視化しておけば、大変便利です。

清掃のマニュアル

「清掃のマニュアル」も飲食店に備えておくと便利なマニュアルのひとつです。
お店の衛生状態を管理するために行う清掃の手順や内容などを記載するマニュアルです。

記載すべき主な内容

清掃のマニュアルには以下のような内容を記載しましょう。

  • 清掃内容について
  • 清掃方法について
  • キッチン、トイレなどの清掃箇所について
  • 清掃用品について など

マニュアルと併せてチェック表を作成し、いつ、誰によって、清掃業務が行われたかを明確にすると業務の効率化がより期待できます。

商品紹介のマニュアル

「商品紹介のマニュアル」を作成しておけば、飲食店の売り上げ向上につながります。
商品紹介のマニュアルとは自店のメニューや商品をよりオーダーしてもらえるようにする営業推進・販売促進のためのマニュアルです。

記載すべき主な内容

商品紹介のマニュアルには主に以下の事項の記載を行います。

  • メニュー、商品のおすすめポイントについて
  • おすすめの仕方について
  • 人気商品について など

電話対応のマニュアル

飲食店には「電話対応のマニュアル」もあると好ましいです。
予約やデリバリーなどの際に受ける電話の対応方法などを記載したマニュアルです。

記載すべき主な内容

以下が電話対応のマニュアルに記載する主な内容です。

  • 予約を承る際の対応方法について
  • 予約のキャンセルを承る際の対応方法について
  • デリバリーまたはテイクアウトを承る際の対応方法について
  • 話し方や言葉遣いについて など

電話対応はお店の印象を決める重要な業務なので、マニュアルを作成しておくことで、店舗運営によい効果をもたらします。

マニュアルの作り方

店舗運営におけるマニュアルの重要性は分かっていても、作成方法を知らないという方もいるはずです。作り方を押さえておけばより効果的なマニュアルを作成できるので、事前に確認しておきましょう。
大まかな流れは以下のとおりです。

    1)業務の内容を書き出す
    2)業務ごとに評価基準を設定する
    3)改善できる項目があれば書き換える

まずは業務の内容を洗い出し、自店のルールを書き出します。どれほど小さい業務でも、細かく書き出すことでより正確なマニュアルを作成できます。また、当たり前のことだと思っていても、自店独自のルールである可能性があります。そのため、何気なく行っている作業についても書き出しておくことをおすすめします。

続いて書き出した業務ごとに評価基準を定めます。例えば、「開店・閉店時の作業を一通り終わらせるまでの時間に制限を設ける」「一定の基準まで清掃できているかのチェック表を作成する」などのように、明確に評価のルールを設定しておきましょう。
業務を何分で終わらせるべきなのか、どの状態まで行えばよいのかなどの判断は人によって基準が異なる可能性があるためです。
一定の評価基準を設けることで、統一性のあるサービスの提供につなげられます。

まとめ終わったマニュアルは、必要な項目を記載すれば完成というわけではなく、その後も定期的に見直し、内容を改正していく必要があります。
例えば、厨房設備を新しくした場合、操作方法やオペレーションの流れなどを考え直さなければなりません。他にも顧客やスタッフの意見によって、変更すべき点が出てくる場合もあります。そのときの状況にそぐわないルールを参考に業務を行っていると、かえって業務効率が悪くなってしまうので、定期的な確認・修正を行うことが大事です。

なお、マニュアルの作成方法に関しては以下の記事で詳しく説明しているので参考にしてください。
飲食店の接客の質向上にはマニュアル作成がおすすめ! メリット・作成方法

マニュアル作成におけるポイント

ただマニュアルを作成すればよいというわけではなく、導入後には注意すべき点があります。せっかく時間とコストをかけて作成したにもかかわらず、負担が無駄になってしまったということのないように、注意すべきポイントを確認しておきましょう。ここからはマニュアルに関する三つの注意点を解説します。

マニュアルを意識しすぎない

まず注意したい点は、作成したマニュアルに頼りすぎないということです。

マニュアルの内容に縛られすぎると、マニュアルに記載のない事態が発生した場合、臨機応変に対応することが難しくなってしまいます。
マニュアル通りに業務を行うことはもちろんですが、お客様の気持ちを汲み取り、おもてなしすることがお客様の満足度につながる場合もあります。
スタッフには業務の基準としてマニュアルを捉えてもらい、想定外の事態にも対応できるように声掛け・指導を行っておく必要があります。

すぐに見られるようにしておく

マニュアルを作成したら、スタッフが確認しやすいところに置いておきましょう。

目立たない場所に保管してしまうと、スタッフの目につく機会が減ってしまいます。
時間がないときでもすぐにチェックできることが好ましいです。また、電子などのマニュアルであれば、スマホやタブレットから確認しやすいのでおすすめです。
確認しやすければ、マニュアルを手に取る回数が増える可能性が高く、スタッフの学習意欲の向上にもつながります。

定期的に修正をする

マニュアルに必要事項を全て記載できたとしても、完成というわけではありません。マニュアルは内容を随時、最新の状態に更新させていく必要があります。

例えば、お店の設備が新しくなると操作方法やオペレーションの方法が変わります。また、顧客や働いているスタッフの意見を反映させていくことも、より良いマニュアル作りには欠かせません。

細かいことだからと変更することを先延ばしにしてしまうと、知らないところでスタッフ間の認識に差が生まれ、かえって業務効率が低下する恐れがあります。
変わった点があれば些細なことでも修正していくことが重要です。

まとめ

Teachme Bizを活用すれば、テンプレートに沿って画像と文字をいれるだけで簡単にマニュアルを作成できます。
動画の挿入・編集も可能でスマホ・タブレット・PCでの操作に対応しています。その他にもフォルダごとにマニュアルを管理できたり、QRコードを印刷して現場に貼り出せたりなど、スタッフが利用しやすいように工夫されています。また、手順書を選ぶことによるトレーニングのコース化、進捗状況の可視化、分析機能なども利用できるので、スタッフの育成や業務の効率化に大変役立ちます。

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