読まれるマニュアルとは?活用されやすいマニュアルの書き方のコツ
「作成したマニュアルがきちんと読まれているだろうか?」マニュアル作成の担当者にとって、これは非常に気になるポイントではないでしょうか。
本記事では「読まれないマニュアル」の特徴をふまえ、「読まれるマニュアル」の作成を目指す担当者が心掛けたいポイントや、取り入れたいテクニックについてご紹介します。
目次
マニュアルを作るにあたって心得ておきたい5つのポイント
マニュアルの作成・管理には5つのポイントがあります。作成時に役立つコツとして、ぜひおさえておきましょう。
見やすい・読みやすい
文字だらけのマニュアルは、読む人に負担を与えます。冗長な文章は控え、シンプルで読みやすい表現を心掛けましょう。特に文章で伝わりづらい部分はイラストや画像を配置して一目でわかるようにするとよいです。ただし、見やすさを追求するあまり過度にデザインにこだわりすぎてはいけません。シンプルでも要点を確実に伝えられるマニュアルが理想的です。
読み手の理解度を考慮する
マニュアル作成担当者からすれば日常的に使用する専門用語でも、読む人が初心者や畑違いであれば、理解度に大きな差があります。専門用語は必要最低限におさえ、より多くの人が理解できる表現を使いましょう。専門用語が多用された文章に拒否感を覚えれば、読み手はマニュアルよりも経験者に質問をするようになります。質問された側は本来の業務の時間を削られ、結果として全体の作業効率の低下に繋がりかねません。
判断基準の明確化により次の行動を促す
1つの事象に対し、マニュアル内で判断基準が明確化されていない場合、読み手は自分だけの判断に不安を覚え、次の行動に移ることを躊躇います。曖昧な表現は避け、はっきりと記載することを心がけましょう。
「作業結果がAであれば次の作業へ進む」と具体的な判断基準が記載されていれば、読み手は自信を持って次の作業へ進めるでしょう。判断基準を明確化することは、読み手の不安を取り除き、自信を与える効果にも繋がります。
マニュアル内の情報を探しやすくする
マニュアルの情報はできるだけ整頓し、検索しやすい状態に整えましょう。そのときに必要としている情報をすぐにピックアップできないマニュアルは、読み手にとって必要性を感じられなくなってしまいます。
また読み手は初心者だけではなく、マニュアルの対象である作業者すべての人であることを意識しましょう。
作業に慣れていない人、作業に慣れたが改めて確認したい人など、さまざまな立場の人がすぐに知りたい情報をピックアップできるマニュアルが理想的です。
▶マニュアルが活用される秘訣は「検索性」にあり!効率的なマニュアル運用
情報のアップデートと管理・共有を重視
古い情報しか記載されていないマニュアルは読み手にとって価値はありません。新しい情報が入るたび、アップデートが必要です。「このマニュアルにはいつも最新の情報が記載されている」という事実は、読み手に安心感と信頼感をもたらし、マニュアルの価値を高め、つねに意識される存在になります。
同時に、管理や共有についても気を配る必要があります。いつでも見られる、誰でも見られる状態にしておけば、「ちょっとあの工程が気になるな」程度の気持ちでも、マニュアルを確認する流れを生み出せるようになります。作業工程や判断基準の周知がより深まり、全体的に作業のミスを減らすことに繋がるでしょう。
マニュアルの情報更新の重要性については以下の記事も参考にしてください。
▶マニュアルは整備し続けなければ意味がない!?更新・運用のポイントと注意点
読まれるマニュアルで使う文章テクニック
読まれないマニュアルには共通した特徴があります。とくに読みにくい文章は、読まれないマニュアルの最たる特徴です。読みやすく、かつ情報を的確に伝えられる文章テクニックとあわせ、ぜひ確認してみてください。
5W1Hを明確にする
マニュアル作成の担当者は、自分がもし初めての業務を覚えなければならないとしたら、どのような手順で書かれていると最も理解しやすいのか考えることが重要です。その分野や業務の初心者でも理解できるように、分かりやすい文章でマニュアルを作成することが「読まれる」ポイントです。
「なぜ、いつ、どこで、誰が、何を、どうやって」。マニュアル内の文章でこの項目が欠けていると、作業経験のない初心者はマニュアルに書かれている状況を明確にイメージできず、理解が難しくなってしまいます。読みながら状況の光景が浮かぶよう、必要な5W1Hを組み込んだ文章を心掛けましょう。
曖昧な表現を使わない
やや厳しい言い方になりますが、曖昧な表現で完結させたマニュアルは、マニュアル作成者の「逃げ」にほかなりません。読み手は作業工程をはじめとしたマニュアル内容に明確な回答を求めています。開いても曖昧なことしか書いていないのであれば、読むよりも経験者に質問したほうが早いと思ってしまうでしょう。
例えば、進捗状況報告に関するマニュアルの場合、「進捗状況を伝える」と説明文を書いても表現が曖昧で、実際どのように進捗状況を報告すべきなのかわかりません。「毎日、チャットで進捗状況を伝える」人もいれば、「週末のみメールで進捗状況報告をする」人もいるように、連絡手段や頻度がバラバラで、逆に進捗状況を確認する作業が煩雑になってしまう可能性があります。そのようなことを防ぐために、「毎週水曜日と金曜日、終業時にチャットで進捗状況を報告する」など明確に記載するようにしましょう。
一文を短く端的に
文字量が多い上に一文が長いマニュアルは、読み手が敬遠してしまいます。一文をシンプルにし、端的な表現にすると分かりやすくなります。
どうしても長くなってしまいそうなときには箇条書きで重要事項をピックアップし、そのあとに解説を入れると読みやすくなります。箇条書きで先に項目が頭に入っている分、解説部分を肉付けとして捉え、理解度が深まることも期待できます。
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業務効率化に欠かせないSOP (標準作業手順書)とは?良い例・悪い例を見本で解説
「読まれる」マニュアルにするための編集テクニック
マニュアルの文章テクニックとともに意識しておきたいのは、「読まれる」マニュアルにするための「見せ方」のテクニックです。
ここからは、「読まれる」マニュアルにするために押さえておきたい編集のテクニックをご紹介します。
一目で分かる視覚的構成にする
マニュアルを開いたとき、視覚的に受け入れやすい構成であることも効果的です。具体的には画像や写真を適度に活用し、文字とのバランスを考えて構成するのが望ましいでしょう。
グラフや図解で示す情報はシンプルに、伝えたい重要ポイントが目立つように配置します。付け加えたい情報があれば、解説をつけてフォローしましょう。
また、最近は動画を使った情報伝達も増えています。「参考動画はこちら」のようなナビゲーションを記載したり、マニュアルの一部、あるいは全体を動画にするのも有効な作成方法です。
見出しのフォントで印象を操作する
文字部分が続く場合は、タイトルのフォントを変えて目立たせるのも効果的です。読み手が「ここで話が変わるのか」と意識することができます。また、必要な情報を探すときにも目印になるため、初心者だけではなく経験者の知識確認の際にも役立ちます。
効果的なフォントの選び方についてはこちら
▶見やすいマニュアルを作るフォントの使い方を徹底解説!
チェックリストをつける
読み手が記入できるチェックリストをつけるのも効果的です。重要項目をリスト化することにより、読み手が「何をしたか、し忘れているか」というチェックを頻繁にできる環境を作り出すことができます。チェックによってミスの防止に繋がり、作業品質の向上、効率化を目指せるでしょう。
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- スマートフォンやタブレットで写真や動画を撮影する
- 説明文を入力する
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