属人化した知見を組織の資産へ。
新人の視点を活かした安全管理の標準化、バックオフィスの効率化、CPD単位取得の取り組み

  • 建設業
  • #100名以上500名未満
  • #業務の標準化
  • #業務品質向上
  • #人材育成・研修
  • #属人化解消
  • #情報共有
ポイント
導入目的 若手への確実な技術継承と品質安定化、誰もが学びやすい教育インフラの構築
課題 個人の知見が「机の引き出し」に眠る属人化と、多忙な現場での口頭指導(OJT)による教育の限界
効果 属人化した知見を組織の資産へ。現場の安全管理の標準化とバックオフィスの生産性向上、全社を横断した教育インフラの確立

Teachme Bizを導入し、教育を起点とした組織変革を推し進める川崎設備工業株式会社。前編では、建設業界の深刻な人材不足と、社員が持つ属人化した知見を「組織の資産」へ変えるためのツール選定の経緯を伺いました。後編では、新入社員が自らマニュアルを作成するユニークな教育カリキュラムや、建設業独自の「CPD(継続教育)制度」への対応、そして現場の安全管理を改善した「標準化」の成果について、現場・バックオフィスの皆様の声を交えて詳しくご紹介します。

導入背景を紹介している【前編】はこちらをご覧ください。
熟練の勘とコツを組織の教育資産へ。現場の負担を軽減させ、人手不足時代に品質を守り抜く技術継承の仕組み

お話を伺った方々
高橋 一郎 様 技術統括本部 技術企画部長
松澤 優馬 様 経営統括本部 情報システム部 兼 総務部 主任
佐伯 理奈 様 経営統括本部 総務部
栗本 大志 様 岐阜支店 工事部
野原 滉介 様 岐阜支店 工事部

「教わる側」がマニュアルを作るからこそ、本質的な理解につながる

―――具体的な活用法について伺います。特に新入社員研修での取り組みが非常にユニークだそうですね。

高橋様 単にマニュアルを見せるだけでなく、新人自身に「マニュアルを作成させる」カリキュラムを導入しています。他人に伝える形に再構成することで、本人の理解が格段に深まります。新人の「まっさらな目線」で作られたマニュアルは自身が理解しづらかったところをカバーしているので、非常に分かりやすい。また、教えた先輩にとっても、自身の指導が正しく伝わっているかを客観視するきっかけになっています。

「教わる側」の視点で作成することで、誰もが直感的に理解できるマニュアルに

作成したマニュアルを体系的に整理。迷わずに自己解決できる仕組み作り

バックオフィス業務の変化。問い合わせ数が「ほぼゼロ」に

―――事務系業務ではどのように活用されていますか。当時の課題も交えて教えてください。

松澤様 バックオフィス部門では、システムの操作方法やFAQに加え、郵便物の仕分けといった細かなルーティンワークまで幅広くマニュアル化しています。

なかでも効果が大きかったのは情報システム部門です。以前は新システムを導入するたびに1日10〜20件の問い合わせがあり、初期の検証作業を含めると1件の対応に1時間ほど要することもありました。

Word等で作成していた従来のマニュアルもありましたが、更新のたびにレイアウトが崩れ、その対応自体が負担になっていました。

その点、Teachme Bizは画像挿入やテキスト入力のフォーマットが固定されており、更新が非常に容易です。そこで、入社1年目の佐伯さんに導入した新システムの操作手順を教え、そのままマニュアル化してもらいました。

複雑なシステム設定も、画像とテキストでわかりやすく説明

佐伯様 フォーマットが統一されており、挿入する写真や画像も簡単に編集できるため、新人の私でも直感的に作成できました。文字だけでは伝えにくい画面上の操作も正確に表現できるのがありがたいですね。入社後の半年間で、50本以上のマニュアルを作成することができました。

経営統括本部 情報システム部 兼 総務部 主任 松澤 優馬様(左)
経営統括本部 総務部 佐伯 理奈様(右)

松澤様 彼女が作成したFAQをポータル機能で整理して公開したところ、従業員が自ら解決できるようになり、新システムに関する問い合わせはほぼゼロでした。

以前はこうした対応や検証作業が本来業務を圧迫し、残業の要因にもなっていました。その負担が解消されたことで、生産性向上に向けた新たな取り組みを考える余裕が生まれました。

関連マニュアルをポータルに集約。知りたい情報にすぐたどり着ける

「自己流の安全管理」を排除し、安全水準を統一

―――工事現場ではどのような変化がありましたか。

栗本様 ベテランほど、長年の経験から「自己流の安全管理」を固めてしまいがちですが、施工管理の担当ごとにルールが異なると、複数の現場を渡り歩く作業員さんは混乱し、重大な事故リスクを招きます。 

私たちの役割は、協力会社の作業員さんを指揮・監督する「施工管理」です。そのため、常に最新の安全基準やルールを徹底させる必要がありますが、以前は情報の共有が月1回の会議中心で、どうしてもタイムリーさに欠けていました。現在は「4月からの新ルール」といった最新情報や「現場で起こった事故報告」などリアルタイムでTeachme Bizで共有できるようになりました。 

最新の安全基準をリアルタイムに共有

野原様 私は2024年に入社しました。当時は全く分からない状態でしたが、Teachme Bizには実務に必要な情報がまとまっています。現場に出る前に動画で手順や安全ルールを「予習」できる環境は、非常に大きな安心材料です。

事前に正しい動きをイメージしておくことで、現場で作業員さんの作業を見た際に「これは正しい」「ここが違う」という判断が自分なりにできるようになり、自信を持って是正や指示ができるようになりました。 

岐阜支店 工事部 栗本 大志様(右)
岐阜支店 工事部 野原 滉介様(左)

栗本様 現場は「生物(なまもの)」で一つとして同じ条件はありません。しかし、高所作業や重量物の運搬など「土台となる考え方」は統一できます。だからこそ、管理側が「正解の標準」を正しく理解し、土台となる基礎を共通認識として持っておく必要があります。

指導担当が正解を知っていれば、もし作業員さんが自己流の不安全な作業をしていても、その場で即座に指摘して止めることができる。この「標準を知っていること」が、事故の未然防止に直結します。

写真と動画で、点検のポイントを一目で把握

「自社のマニュアルで学ぶ時間」を公的なCPD単位へ

―――建設業界独自の「CPD(継続教育)制度」との連携についても教えてください。

高橋様 技術者の継続的な学習を評価するCPD制度への対応においても、Teachme Bizを活用しています。一般的なeラーニング教材は実務に関係の薄い内容も少なくありません。私たちは、自社の実務マニュアルを深く学ぶ時間こそが、技術者の成長に有効と考えたのです。

ただし、公的な単位認定を受けるには、ガイドラインに定められた「早送りやスキップの禁止」といった厳格な受講管理が必須となります。そこで、再生制御が可能な「Teachme Player」を導入しました。このアプリを使えば、作成したマニュアルを音声付き動画のように再生できるだけでなく、最後まで視聴しなければ「完了」にならない制限をかけられます。

また、認定には「誰が、いつ、何を、最後まで確実に視聴したか」という客観的な証明(ログ)が求められますが、必要なログはCSV形式で一括抽出できるため、集計や申請業務も劇的に効率化されました。

これにより、自社の実務マニュアルによる学習が、正式な公的単位として認められる仕組みを確立しました。隙間時間で学べる手軽さもあり、導入初年度から1,000単位を超える実績を達成。技術者のスキルアップを助ける仕組みとして定着しています。

自社マニュアルを配信し、学習したら技術者の公的な実績(CPD単位)として認定

「教える想い」を仕組み化する。ベテランのノウハウを次世代の武器に変える全社教育プラットフォーム

―――今後の展望についてお聞かせください。

高橋様 Teachme Bizを、アクセスすれば必ず実務に役立つ知識が見つかる「図書館」や「アカデミー」のような情報インフラ、いわば「マルチプレイス」に育てたいと考えています。 直近では、スキル項目とマニュアルを紐付け、習得状況を可視化する「キャリアパス」との連動を計画しています。上長が部下の不足しているスキルを正確に把握し、計画的な人材育成を行える体制を構築していく予定です。

―――最後に、導入を検討中の方へメッセージをお願いします。

高橋様 デジタルネイティブである「今の若手」の感性にマッチし、隙間時間で反復学習できるクラウドの強みは圧倒的です。教育において大切なことは「どう伝え、どう定着させるか」です。教わる側が理解をしやすく、教える側の想いを仕組み化できる点に、Teachme Bizの真髄があると感じています。

また、ツールそのものだけでなく、ユーザーコミュニティ「Teachme Compass」の存在も大きな魅力です。業種を超えたユーザー同士が活用ナレッジを共有し、互いに高め合える場があることは、導入後の大きな支えになります。

私自身、このコミュニティでの交流を通じて、マニュアルと連動した「キャリアパス」の構築に関する貴重なヒントを得ることができました。そうした点も含めて、変革を志す企業に強くお勧めしたいですね。

ユーザーコミュニティ「Teachme Compass」について

※掲載している内容、所属や役職は取材を実施した2025年12月当時のものです。

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https://biz.teachme.jp/casestudy/kawasaki-sk-part2/ (事例動画なし)

会社概要
会社名 川崎設備工業株式会社
URL https://www.kawasaki-sk.co.jp/
所在地 愛知県名古屋市中区大須一丁目6番47号
事業内容 空調、給排水・衛生、電気等の建築設備の設計・施工・保守管理

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