テンプレートを活用した作業手順書作成の方法や目的を解説!

最終更新日: 2024.04.09 公開日: 2022.10.08

作業手順書 テンプレート

なるべく時間をかけずに、わかりやすい作業手順書を作成したいと考えるのであれば、テンプレートの活用が有効です。テンプレートを活用すれば、業務効率化や属人化の防止に役立つ作業手順書を効率よく作成できます。

本記事では、テンプレートを活用した作業手順書の作成方法や大切なポイント、運用で得られるメリットなどを解説します。


マニュアル作成の教科書1

テンプレートを活用した作業手順書作成のメリット

テンプレートを活用すれば、わかりやすい作業手順書を作成でき、内容が従業員にきちんと伝わります。また、テンプレートに沿って作成すればよいため構成などを考える必要がなく、作業が効率的に進みます。

わかりやすい作業手順書を作成できる

テンプレートを活用すれば、見やすくわかりやすい作業手順書を作成できます。わかりやすい作業手順書に仕上がるよう、あらかじめデザインされているためです。

時間をかけて作業手順書を作成しても、現場の従業員が「使いにくい」と感じるようでは意味がありません。読みやすく理解しやすいコンテンツに仕上げることで、運用時にメリットを得られます。

効率的に作業手順書を作成できる

ゼロから作業手順書を作成するとなると、時間も手間もかかります。全体のレイアウトや画像の配置などを考えるだけでも時間がかかり、なかなか運用を開始できません。

テンプレートを用いれば、既存の枠組みに沿ってコンテンツを追加するだけなので、効率的に作成を進められます。完成までの時間を短縮でき、スムーズに運用を開始できる点がメリットです。

そもそも作業手順書とは

そもそも、作業手順書がどのようなものかを理解しないまま作成を進めるのはリスキーです。どのようなものなのか、マニュアルと何が違うのか、といったことを理解したうえで作成に取り組みましょう。

作業手順書の定義

作業手順書とは、特定の作業に関する手順や方法をわかりやすく整理した文書です。対象の作業に対し、作業者がどのような順番で取り組めばよいのか、どう行動すべきかを整理しています。

なお、作業手順書は「SOP(Standard Operating Procedures)」とも呼ばれ、日本語では「標準作業手順書」を意味します。

作業手順書とマニュアルの違い

作業手順書とマニュアルの違いは、網羅している範囲です。一般的に、前者は特定の作業を対象とした具体的な取り組み方を記載しており、後者は業務全体の流れや注意点、大切なポイントなどを整理しています。

また、マニュアルには仕事に取り組むときのルールや、心構えなどが記載されるケースも少なくありません。このあたりは企業によって異なります。

作業手順書を作成するメリット

作業手順書の作成によって、品質の安定化を図れるうえ、業務効率化にもつながります。また、誰もが同じように作業できるため属人化を防止できるほか、効率的に教育を行えるのもメリットです。

品質の安定化

具体的な作業の進め方が詳細に記載されているため、品質の安定化を図れます。記載されている内容に沿って作業を進めればよく、すべての従業員が同じように作業できるためです。

手順書がないケースでは、個々が思い思いのやり方で作業を進めてしまうかもしれません。このような状況下では品質にムラが生じやすく、クレームの発生にもつながります。手順書の整備により、誰もが同じやり方で作業を進められれば、品質の安定化を実現できます

業務効率化

業務効率化を実現できるのもメリットです。具体的な作業の進め方を細かく解説した手順書があれば、従業員は無駄のない動きで仕事に取り組めます。誰もが効率的に作業を進められ、業務時間の短縮にもつながります。

また、手順書の運用で業務効率化が実現すれば、今までと同じ作業時間でより多くの成果を得られるため、組織の利益拡大にもつながるでしょう。作業時間の短縮によって無駄な残業も減り、従業員の負担も軽減されます。

属人化の防止

手順書の作成により属人化を防止できるのもメリットです。手順書によって作業が標準化され、誰でも同じように取り組めるためです。

業務の属人化がもたらすデメリットは少なくありません。ケガや病気などで担当者が休んだときや、突然会社を辞めたときなどに対応できず、業務がストップしてしまうおそれがあります。

手順書を運用すれば、特定の作業を特定の従業員しか担当できない、といった状況を回避でき、仮に何らかの理由で担当者がいなくなっても問題なく対応できます

教育の効率化

作業手順書には、作業に取り組む順番や方法などが事細かく記載されているため、教育担当者が新人のそばに張り付いている必要がありません。従業員は手順書を見れば作業に取り組めるため、教育の時間を短縮できます。

また、作業に関する注意点も明記しておけば、従業員がケガなどをするリスクを軽減できます。上司や先輩の従業員が常に注意する必要がなくなり、自分の仕事に集中して取り組めるようになります。

作業手順書を作成するデメリット

作業手順書の作成にあたっては、いくつか覚えておくべきデメリットがあります。作成や管理に時間がかかる、記載されている通りにしか動かない、自発的な行動を阻害する、といった懸念があるため注意が必要です。

手順書の作成や管理に時間がかかる

クオリティの高い手順書を作成するには、相応の時間を要します。作業の流れや方法を細かく記載しなければならず、そのためには現場へのヒアリングも欠かせません。

わかりやすい手順書に仕上げるために画像も用いる場合は、撮影の手間がかかる上に、収集した情報を整理する作業も必要です。効率よく作成しないと、いつまで経っても運用ができない、といった事態に陥る可能性もあります

手順通りに動くことが目的になってしまう

従業員によっては、「手順書通りに動けばよい」と解釈してしまう可能性があります。記載されていること以外は何もせず、現場の人間関係が悪化する、かえって業務効率が低下する、といった事態につながるかもしれません。

自発的な行動を阻害する可能性がある

「手順書に記載されている通りに動けばよい」と解釈した従業員は、自ら創意工夫や試行錯誤をしなくなる可能性があります。実際には、手順書に記載されている以外の方法でより効率的に作業を進められる可能性があっても、それに気付こうとすらしないかもしれません。

このような状況では、従業員の成長を促せません。手順書はあくまで作業のベースとなるコンテンツであり、自身で創意工夫や試行錯誤をすることも大切であると、従業員に伝えておくとよいでしょう。

作業手順書の作成フロー

作業手順書を作成する際には、まず何のために作ろうとしているのか、目的を明確にしましょう。そのうえで作業を洗い出して骨子を固め、仮運用を経てから本運用に切り替えるのが一般的です。

作業手順書を作成する目的を明確にする

作業手順書を作成する目的が明確でないと、何のために作成しているのかわからなくなり、手順書作りそのものが目的となるおそれがあります。その結果、内容が薄く従業員に伝わりにくい手順書となってしまい、誰も利用してくれなくなるかもしれません。

目的を明確にすれば、手順書に盛り込むべきコンテンツが見えてきます。たとえば、従業員の安全確保が最大の目的なら、作業でケガをしないよう、リスクや注意点などをしっかり伝える内容が適切です。

作業を洗い出す

次に、対象となる作業を細分化して洗い出します。このプロセスをいい加減にしてしまうと、記載すべき手順や方法が抜けてしまう、といったことになりかねません。

作業の洗い出しは、実際に現場で働いている従業員へヒアリングも行いつつ進めましょう。手順書作成の担当者が対象作業について詳しくないのなら、なおさら現場へのヒアリングは重要です。

骨子を固める

手順書のベースとなる部分を固めるプロセスです。洗い出した情報を精査しつつ、全体の構成を考えていきましょう。ひとつの項目にまとめられる工程はないか、より効率よく作業を進められる順番はないか、などを考えます。

骨子にあわせて作業内容を記入する

効率よく作業を進められる手順が完成したら、作業内容を記入していきましょう。作業内容は、できるだけ具体的かつわかりやすく記載します。

手順書を利用する対象によっては、さらなる配慮が必要です。たとえば、新入社員を対象とした手順書なら、できるだけ専門用語や難しい言い回しを使わないなど配慮しましょう。

校正を行う

誤字脱字や必要な情報の漏れなどがないか確認します。実際に運用が始まってから、内容の誤りや抜けなどが発覚すると、作り直さなくてはなりません。余計な手間が増えるため、しっかりと校正を行う必要があります。

作成した手順書は、制作チームのメンバーだけでなく、実際に現場で働く従業員にもチェックしてもらいましょう。制作側は問題ないと判断しても、現場の従業員が内容の誤りに気付くかもしれません。

仮運用する

完成した手順書を実際に運用します。ただ、この時点ではまだ完成形ではなく、修正や改善の余地が残されています。そのため、問題なく活用できるかどうか、試験的に運用しつつチェックします。

実際に現場で運用すれば、手順書の至らない部分や改善すべきポイントが見えてきます。必要に応じて内容を見直し、適宜改善していきましょう。

本運用に切り替える

仮運用でブラッシュアップを続けた手順書は、ある程度高いクオリティに仕上がっていると考えられます。一定期間の仮運用で問題がないと判断したら、そのまま本運用へと切り替えましょう。

ただ、本運用に切り替えたといっても、そこでおしまいではありません。仮運用では問題がなくても、本運用を続けるうちに何かしらの不備が見つかる可能性があります。そのため、本運用へとシフトしたあとも定期的に内容をチェックし、必要に応じて修正や改善を行いましょう

わかりやすい作業手順書を作成するためのポイント4つ

わかりやすい作業手順書を作成するには、誰を対象としているのかを明確にしなくてはなりません。また、写真やイラストも活用する、5W1Hを意識する、改善を繰り返すなども大切なポイントです。

誰に向けた手順書なのかを意識して作成する

手順書の対象によって、記載すべき内容やボリュームなどが変わります。たとえば、新人であればできるだけ専門用語を使わず、かみ砕いた説明が求められます。一方、ベテランが対象であれば専門用語を使用しても問題はなく、ボリュームも少なくできます。

新人や他部署から異動してきた従業員を対象とした手順書なら、誰が読んでも理解できるようなコンテンツを意識しましょう。事細かく記載してから、不要な部分を適宜削っていくと効率よく作成できます。

写真やイラストを適宜用いる

テキストのみでは理解しにくい作業もあります。わかりやすい手順書に仕上げるため、写真やイラストは積極的に活用しましょう。

写真やイラストを用いれば、利用者は直感的に内容を理解できます。テキストのみでは文字数が多くなり、利用者が要点を理解できない可能性もありますが、写真などによる視覚的な説明が加わればそのような事態も避けられるでしょう。

5W1Hを明確にする

5W1Hのフレームワークを利用すれば、わかりやすい手順書を作成できます。より具体的で中身の濃い手順書に仕上がるため、対象の作業に関してまったく知らない、未経験といった方にも伝わりやすくなるでしょう。

反対に、5W1Hからどれかひとつでも欠けると、わかりにくい手順書になってしまいます。たとえば、「誰」に向けたものなのかわからない、「いつ」のことを指しているのか理解できない、といった状況に陥るおそれがあるため注意が必要です。

改善を繰り返す

運用を続けつつ改善を繰り返しましょう。改善の繰り返しにより手順書がブラッシュアップされ、より成果につながりやすい手順書へと進化します。

作業機械のアップデートや業務フローの変更などによって、既存の手順書では作業効率が低下してしまう可能性があります。何かしら変化があったときは、なるべく早く手順書を見直し、必要に応じて修正や改善を行いましょう

作業手順書の作成にはテンプレートを活用しよう

作業手順書をゼロから作るのは非効率であり、運用までに長い時間がかかります。また、わかりにくい手順書に仕上がる可能性もあるため、作成時にはテンプレートの利用をおすすめします。

完成されたデザインを利用できるテンプレートであれば、見やすくわかりやすい手順書を効率よく作成できます。運用までの時間を短縮できるため、テンプレートを活用した手順書作成がおすすめです。

マニュアル作成・共有システムの「Teachme Biz」を利用すれば、テンプレートを用いて誰でも簡単にわかりやすい手順書の作成が可能です。本記事でお伝えした手順書作成のデメリットもカバーでき、活用状況のチェックも行えます。

ステップ型のフォーマットで作成できるため、作業をいくつかの段階に区切って説明できるのがメリットです。たとえば、「1.部品をセットする」→「2.赤いボタンを押す」→「3.製品を取り出す」→「4.専用の箱へ格納する」といった具合に表現できます。

工程を一つひとつ区切って説明できるため、従業員は手順書を見ながらスムーズに作業を進められます。作業の再現性が高く、自分がどこでつまずいているかもわかるため、上司や同僚に相談しやすいメリットもあります

まとめ

テンプレートを用いた作業手順書の作成によって、業務や教育の効率化、属人化の防止などが期待できます。「Teachme Biz」なら、ステップ型のわかりやすい手順書を作成でき、分析機能により活用状況の把握も容易です。少ない手間で優れた手順書を作成・運用できるのは大きな魅力です。

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