「社員数」に頼らない経営を実現するには
「社員数」は何を意味するもの
企業の事業規模を見る上で社員数は、非常にわかりやすい指標です。「10人の会社」と「100人の会社」では、後者の方が10倍大きなビジネスを行っているように見えます。
しかし、「業績のよい10人の会社」と「業績のよくない100人の会社」はどちらがよいと言えるでしょうか?事業の成否を「社員数」だけで単純に測ることはできません。
「社員数」に頼らないしくみづくり
当社は、できるだけ少ない人数で大きな成果をあげる=経営効率を徹底的に高めることを意識した、社内のしくみづくりを行っています。(下記のような事例も参考にしています。)
経営効率を高めるための手段のひとつが「社内業務マニュアル化の徹底」です。(実はTeachme Bizは、そのような自分たちのニーズに基いて作られたプロダクトなんです。)
当社のようなベンチャー企業では、日々新しい業務に取り組み、そのルールを決めていく必要があります。例えば、プリンタの使い方、名刺の注文の仕方、経費精算の仕方など・・・。
見過ごされがちなささいなひとつひとつの業務でも、手順(ルール)をきちんと整理し、あとから入ってくるメンバーに滞り無く伝えることができるように「基盤(しくみ)」を整えておくことが重要と考え、マニュアル化を推進してきました。
現在では、社員専用のTeachme Bizの環境下に60件を超える社内用業務マニュアルが整備されています。
業務マニュアルは、業務を「パッケージ化」する
そのように数多くのマニュアルを整備してわかったことがあります。それは、マニュアルがあると、誰でも(人)、最短の時間で(効率)、正確に(品質)業務を行えるようになる、ということです。効率と品質を高めつつ、人に依存しない「業務パッケージ」になるのです。
例えば「名刺の注文」という業務は、どこの会社にもあります。どのデータを使って、どの業者に注文し、どの用紙を使うのか。手配作業はどのように行うのか。それほど頻繁ではないけれど、社員全員分、何度も繰り返される作業です。
このような作業は、一般的な会社であれば総務スタッフに任せてしまうことが多いですが、当社では社長も取締役も関係なく、自分の名刺は自分で注文しています。
・・・といっても、マニュアルに沿って実施すればものの5分で終わる作業。ちょっとした合間の時間にやってしまうので、大きな負担ではありません。
「いやいや、社長はそんな雑用やってちゃいけないよ。」という意見もあるかもしれません。ただ、それは雑用=ごちゃごちゃと面倒で手間ばかりかかる状態での話。マニュアルに「効率と品質が最適化された業務手順が誰にでもわかりやすく」示されていれば、もはや「雑用」ですらなくなります。
それよりも総務スタッフを抱え、依頼するほうが費用的にも時間的にもよっぽど非効率になってしまいます。
「人手不足」への対抗策になりうるか
もちろん、社内外で役割分担を決めている業務もたくさんあります。大事なのは、業務のひとつひとつを誰でも効率と品質を保って実施できる状態にしておく=パッケージ化しておくことです。
当社の場合、「名刺の注文」という業務は、自分でやってしまったほうが効率的という判断をしています。
人が増える→仕事が増える→人手が足りない→人を採用する→仕事が増える・・・というサイクルを回す前に、ひとつひとつの業務をしくみ化しておけば、少ない人数で仕事を回せるようになります。
そのためにマニュアル化はオーソドックスですが有効な手段のひとつです。マニュアルによる社内業務の体質改善が、人手不足への対抗策の一つになりうると身を持って体感しています。