マニュアル作成はパワーポイントを活用しよう! 作成のコツと運用方法を解説
レイアウトの自由度が高いパワーポイントは、マニュアルの作成にも適したツールです。本記事では、パワーポイントを活用してマニュアルを作成する際のコツと注意点、メリットを解説します。マニュアル作成時に必要な業務内容の整理法や構成の決め方、運用方法について悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
目次
マニュアル作成でパワーポイントを活用するメリット
企業が業務に関するマニュアルを作成する際、必ずしも特別なソフトウェアを用いる必要はありません。プレゼンテーションや報告書の作成によく使われているパワーポイントは、マニュアルの作成に適したツールのひとつです。パワーポイントを活用し、視覚的に理解しやすいマニュアルを作成すれば、さまざまなメリットを享受できます。
ランニングコストの負担が軽い
パワーポイントは、多くの企業が使用しているMicrosoft社のOfficeに含まれるソフトウェアです。パワーポイントは、単品で販売されているPowerPoint 2021、Office 2021を購入するほか、サブスクリプション版として提供されているMicrosoft 365で使用できます。
買い切り版であれば、購入後に継続した支払いが発生しないため、ランニングコストを心配する必要はありません。一方、サブスクリプション版となるMicrosoft 365を利用する場合、月払いあるいは年払いの契約が必要となるため、定期的に利用料の支払いが生じます。なお、Microsoft 365では、常に最新版が提供されます。
画像・動画、グラフなどを挿入しやすい
パワーポイントは、資料作成に適した仕様が採用されているため、テキストのみならず図表や画像、動画などを挿入しやすいのもポイントです。テキストだけの説明では伝わりにくい内容であっても、フォントの変更や画像を埋め込むことで視覚効果が高まります。また、動画を埋め込むことも可能です。
Excelで作成したグラフを貼り付けられるほか、パワーポイント内で簡単な図表を作成できるなど、マニュアル作成に必要な機能を備えたツールです。
スライドを自由に動かせる
パワーポイントでは、スライドと呼ばれるページを制限なく作成できます。作成したスライドは、順番の前後を自由に入れ替えられるなど、スムーズに編集できるのも魅力です。たとえば、現時点で作成できるスライドを完成させ、あとから構成を大きく変えるなどの作業も容易に実行できます。
マニュアルの場合、運用の途中で変更が生じるケースも少なくありません。そのような場面でも簡単に修正できるため、パワーポイントを用いれば作業効率の向上が期待できます。
テンプレートを活用できる
パワーポイントには、多数のテンプレートが用意されており、ビジネス・教育・技術をはじめ、40以上ものカテゴリからシーンに適したテンプレートを選択できるようになっています。テンプレートを活用するメリットは、マニュアル作成の効率を高めるだけではありません。全体のデザインに統一感があることは、マニュアルの見やすさにつながります。
パワーポイントを使ったマニュアル作成のコツ
マニュアルを作成する際は、読み手が理解しやすく、必要な情報をすぐに見つけ出せる構成を意識しなければなりません。知りたい情報を見つけやすくするために検索性を意識することも大切です。読み手のストレスを解消するために、さまざまな工夫が求められます。
1.マニュアル化する業務内容の棚卸しを行う
まず、マニュアルにまとめる必要のある業務を知るために、業務内容の洗い出しを行います。ただし、実際に業務を担当している社員でなければ、細かい作業や注意すべき点を正しく把握できていない可能性があるため注意が必要です。現場ならではの知識やノウハウ、技術を把握するために、現場へと足を運び、日常的に業務を遂行する社員にヒアリングを行うなどして、リアルな情報を収集しましょう。
マニュアル化すべき業務が決まったら、集めた情報を基に業務内容を見直し、盛り込むべき内容をリストアップして整理します。
2.パワーポイントの構成を決める
マニュアルの出来不出来は、構成によって決まるといっても過言ではありません。全体の方向性や盛り込むべき内容を明確にすることで、使用する従業員にマニュアルの意義や自身が担当する業務の重要性が伝わりやすくなります。単に業務内容をリスト化しただけのマニュアルは、全体の流れが掴みづらいため、必要な情報を見つけるまでの手間と時間が必要です。
業務品質の向上や作業効率を高めるためには、情報をスムーズに見つけ出せるような工夫が必要です。構成について検討する際は、業務全体の流れがスムーズに把握できるよう意識することが重要です。なお、構成案を練る際は、ExcelやWordなど、普段使い慣れている別のツールを使用しても問題ありません。
3.内容を詰め込みすぎないようにする
実際の業務に携わるスタッフから得た細かい情報を、あれもこれもとマニュアルに盛り込んでしまった結果、本当に重要な情報が分かりづらくなってしまうケースも少なくありません。マニュアル作成に取り組む際は、読み手にとって分かりやすいかどうかという視点を忘れないようにしましょう。完成前の段階で、業務に従事するスタッフへレビューを依頼するのも有効な手段です。
またマニュアルは、一度つくれば終わりではなく、定期的にブラッシュアップすることをおすすめします。定期的な見直しを実施し、改善を繰り返すことで新たな発見を得られる可能性は高くなります。過不足なく伝えるべき内容を盛り込み、検索しやすい設計を考慮することが重要です。
4.わかりやすい画像・動画・グラフを挿入する
誰にでも分かりやすいマニュアルの完成を目指し、画像や動画、グラフなどを積極的に挿入しましょう。テキストのみで解説されたマニュアルは見づらくなるため、読み手はストレスを感じやすくなります。また、心理的なハードルも高くなりやすく、理解するまでに時間がかかります。
テキストのみの説明で伝えることが難しかったり、イメージしづらかったりする情報を共有する際には、画像や動画、グラフを用いる方法が効果的です。内容に適した画像や動画の採用は、読み手の理解を促すため、読み進めやすいというメリットもあります。ただし、テキスト量があまりに少なく、図表や画像を多用してしまうのは逆効果です。バランスを考えながら、挿入する箇所を見極めましょう。
パワーポイントを使ったマニュアル作成の注意点
パワーポイントでマニュアルを作る際は、注意すべき四つのポイントがあります。あらかじめ理解した上で作成に取りかかれば、より効果的なマニュアルを効率よく作成できます。
容量の大きい画像や動画は重くなりやすい
一つめは、マニュアルの動作に関する注意点です。理解しやすい資料をつくるため、画像や動画を貼り付けること自体は悪くありませんが、容量の大きい画像や動画をそのままのサイズで挿入してしまった場合、パワーポイントの動作不良につながるおそれがあります。
画像のサイズは、画質を保てる範囲で圧縮するようにしましょう。パワーポイントには、一括で画像を圧縮できる便利な機能が実装されていますが、一括圧縮機能を使ってサイズを小さくした場合、元のサイズには戻せないため注意が必要です。
また、パワーポイントにExcelで作成した図表を埋め込む際、グラフ以外のデータが埋め込まれていることで動作が重くなるケースもあります。
動作不良の原因として、もっとも多いのはパワーポイントに埋め込まれた動画サイズです。ファイルサイズが大きくなれば、表示が遅延するなどさまざまな不具合が生じやすいため、マニュアルを活用する効果が十分に発揮されません。
パワーポイントでマニュアルを作成する際は、Excelからグラフだけをコピーして図として貼り付けたり、インターネット環境がある場所ではリンクを活用して動画を再生したりするなど、さまざまな工夫が求められます。
文章による説明が多いと理解しづらい
二つめに挙げるのは、文章と画像のバランスです。ある程度マニュアルが完成したら、1枚のスライド上で文章量の割合をチェックするようにしましょう。文章の割合が多くなっていると、最後まで読んでもらえない可能性があります。また、読み進めてもスムーズに理解できず、ストレスを感じる社員が出てくるかもしれません。
先述したように、マニュアルは誰でもわかりやすいことや、必要なときにすぐ情報をチェックできることが重要です。文章で説明する必要がある場合には、パワーポイントにこだわらず、Wordなど文章に特化したツールの方が向いているケースもあります。
複数のフォントがあると読みづらい
三つめは、パワーポイントで使用するフォントです。パワーポイントには、さまざまなフォントが用意されています。大きさや色なども自由に変更できるため、テキストのみでも重要な内容を強調して表現することが可能です。ただし、ひとつのマニュアルで複数のフォントを使用してしまうと、読みづらさにつながる可能性があります。
デザインに統一感をもたせる意味でも、読みやすいフォントをひとつ選定し、それを基本に作成することが使用者の分かりやすさにつながります。
使用する色が多いと強調箇所があいまいになる
四つめは、色の使い方です。先述したように、パワーポイントでは多様な色が使用できますが、多くの色を使いすぎてしまうと、どの部分が重要なのか伝わりづらくなります。強調したいポイントがあやふやにならないよう、マニュアルに使用する色は多くても三色程度に抑えましょう。どの色を採用すればよいか迷った場合には、企業のブランドカラーを採用するのも一案です。
パワーポイントを使ったマニュアルの運用方法
作成したマニュアルの意義を高めるために、運用の際に意識したいポイントがいくつかあります。
現場でのマニュアルの使用を呼びかける
貴重なリソースを投じてつくったマニュアルでも、使ってもらえなければ意味がありません。また、実際の現場で使用してもらわなければ、改善点を見つけ出すことは困難です。マニュアルを運用する際は、従業員に対してマニュアルを積極的に使用するよう、声をかけることが大切です。このとき、どのような業務やシーンで使ってもらいたいマニュアルなのか、作成の経緯や目的を明確に伝えるようにしましょう。
定期的にマニュアルの内容をブラッシュアップする
マニュアルの運用を開始したら、読みやすさや理解しやすさ、検索のしやすさなど、実際に使用している従業員を対象にヒアリングを実施します。タイミングによってはマニュアルに書かれた内容が古いケースもあるため、定期的なチェックを行ったうえで最新の情報に更新しましょう。
マニュアルの更新頻度を定めるなどして、繰り返しブラッシュアップを実行していけば、業務品質がより高まるなど多様なメリットを享受できます。マニュアルの改善をきっかけに、これまでとは違う視点から業務内容を見直すことで、新しいアイデアを発見できる可能性も高まるはずです。
Teachme Bizを活用し、マニュアル作成時間と手間を大幅削減!
パワーポイントを使ったマニュアルの作成には、相応の手間と時間を要します。特に、パワーポイントの操作に不慣れな場合、想定以上のリソースを要するかもしれません。これらの問題を解決するために、マニュアル作成を支援するツールを導入することも視野に含めてみましょう。
マニュアル作成に特化した「Teachme Biz」は、マニュアル作成の効率化を支援するクラウド型のサービスです。用意されたテンプレートに沿ってテキストや画像を入れるだけの簡単な作業で、誰でも簡単にマニュアルを作成できます。
マニュアルに使う画像や動画の編集作業もTeachme Biz上で実行できます。また、フォルダごとにマニュアルを管理できるため、使用する従業員が必要な情報をすぐに探し出せるのもポイントです。Teachme Bizはマニュアルの作成後の運用やデータの共有・管理を容易に実行できるツールです。
ここでは、マニュアルツールに「Teachme Biz」を選ぶべき理由を3つご紹介します。
マニュアルの作成・修正が簡単
Teachme Bizでは、PCだけでなくスマートフォンやタブレットからも作成・修正が可能です。いつでも誰でも簡単にマニュアルを作成したり、最新の情報にアップデートしたりすることができます。
マニュアルは業務手順を撮影して補足説明を加えるだけで完成するため、マニュアル作成に要する時間を大幅に削減できます。テンプレートが用意されているためレイアウトに悩む必要もありません。さらに、動画を入れることも可能であり、編集機能も充実しているため視覚的にわかりやすいマニュアルを簡単に作ることができます。
マニュアルを閲覧しやすい
作成時と同様にPC・スマートフォン・タブレットから時間や場所を問わずにマニュアルを閲覧することができるため、必要な時にマニュアルを確認でき、「せっかく作ったマニュアルが活用されない」という状況を回避することができます。
複数のデバイスから同じマニュアルに同時アクセスすることも可能です。
マニュアルの共有が簡単
Teachme Bizで作成したマニュアルはクラウド上に保存されます。作成完了を通知する機能も備わっているため、わざわざマニュアルの保管場所を作成者が連絡しなくても、自動的にマニュアルを共有することができます。アカウントごとに閲覧・編集できるフォルダを分けられるため、配置ポジションごとに作業手順を記したデータをクラウド環境に管理可能です。部署間のマニュアル共有時や外部委託時のセキュリティ面も安心です。
またTeachme Bizでは無料トライアルをお申し込みいただけます。「自分達でも簡単にマニュアルが作成できるのか試してみたい」「実際に使ってみて自社に合うか相談したい」という方はぜひ無料トライアルをご利用ください。
マニュアル変革の目的は様々ですが、マニュアルツールの導入によって得られる効果は、マニュアル作成や管理の工数削減だけでなく、マニュアル整備によるコスト削減効果や、業務標準化による組織力強化など経営にも良い効果をもたらします。
マニュアルツールの導入にお悩みの際は、ぜひTeachme Bizをご検討ください。
まとめ
マニュアルは、使用する誰もがわかりやすい構成・内容で作成することが大切です。パワーポイントを使ってマニュアルを作成することが難しい際には、マニュアル作成に特化したツールの導入も検討してみましょう。