マニュアル作成ソフトを選ぶうえで重要なポイントとは?そもそもマニュアル作成は必要か
かつては新人研修などで社内利用するマニュアルの多くは、ワードやエクセル、パワーポイントなどを使って作成するのが一般的でした。しかし最近では「マニュアル作成ソフト」を利用する企業も少なくありません。
需要があるということは、それだけのメリットがあるに他なりません。しかし導入しようにも、「ソフトが多くてどれを選べば良いかわからない」という方もおられるでしょう。また「ワードやエクセルで十分なのではないか」という疑問が浮かぶかもしれません。
そういった方のために、以下よりマニュアル作成ソフトの選び方、利用するメリットなどを解説していきます。
目次
マニュアル作成ソフトとはなにか
マニュアル作成ソフトは、一言でいえば「簡単な操作で、手軽にマニュアルを作成できるソフト」のことを表します。この「簡単な操作で、手軽に」というのがポイントです。
従来のやり方で考えれば、マニュアルの作成は大変手間のかかる作業でした。単に説明文を羅列するだけでは読む人に伝わりづらく、場合によっては動画や画像を挿入したり、レイアウトにも気を配ったりする必要があります。ワードやエクセルでこれをやろうと思うと、文章を考える以外にも多大な手間が掛かります。
その点、マニュアル作成ソフトは画像や動画の挿入が感覚的にできるようになっていたり、読みやすいマニュアルが作れるよう、あらかじめテンプレートが用意されていたりします。
またクラウド型のサービスを使えば、オンラインでの共有も簡単にできる、といった利点もあり、導入する企業が年々増えています。
マニュアル作成ソフトを選ぶ上で重要なポイント
インストール型、クラウド型など、マニュアル作成ソフトには数多くのサービスが提供されています。ご自身のニーズに合わせて、使い勝手の良いものを選んでいく必要があります。ここでは、どういったポイントから、サービスを選べば良いのかを押さえていきましょう。
マニュアル作成ソフトの特徴
それぞれのソフトのホームページでは、そのソフトがどういった点を一番売りにしているのか一目でわかるように紹介されています。ご自身ならどういった機能が付いたソフトが使いやすいのか、また自社の体制を考えたときにマニュアルに何を求めるのか、ソフトの特徴とそういったニーズを照らし合わせてみましょう。
例えば、「動画の編集にこだわりたい」「多店舗展開しているので、オンラインの共有をしやすいものが良い」などです。マニュアルに何を求めるのかをまず社内で話し合って、いくつかポイントを挙げておくとソフトの選定もしやすいでしょう。
いくつかのマニュアル作成ソフトを比較する
ニーズに合っているからといって、一つのソフトを見ただけで即決してしまうのはおすすめしません。必ず複数のマニュアル作成ソフトを比較するようにしましょう。「そのソフトで十分なのだから、他を見る必要はない」と思うかもしれません。しかし、そのソフトを長く使っていくことを考えれば、ちょっとの違いにこだわることが後々に響いてくるはずです。
Web上の比較サイトには、それぞれの利点をわかりやすく解説したものがあります。そういったサイトを参考にするのも良いでしょう。
スタディストが運営している「Teachme biz」では、14日間の無料お試しサービスなども用意しています。ソフトの使い勝手というのは実際に利用して初めてわかる部分でもあります。お試しサービスが用意されているものに関しては、積極的に試してみましょう。
マニュアル作成ソフト導入にかかる費用
マニュアル作成ソフトは、クラウド型のサービスの場合、初期費用の他、月々に月額利用料が掛かってくるものが一般的です。一方インストール型のサービスの場合、買い切りになるので初期費用のみで済みます。
これを考えるとインストール型の方が良いように思えますが、クラウド型はその分ソフトのアップデートが早いです。また提供会社のサーバーを利用しているので、自社のパソコンがトラブルに遭ってしまった場合にも、データが飛んでしまうようなことも起こりません。
Teachme bizは簡易版のスターター、ベーシック、より多くのアカウントが利用できるエンタープライズと、3つの料金プランを用意しています。自社の規模に合わせてこれらのグレードを選ぶことで、費用の無駄を省くことができます。
マニュアル作成ソフトがどのOSに対応しているか
インストール型のマニュアル作成ソフトを利用する場合、対応OSについても確認しておきましょう。Windowsならほとんどのソフトが対応していますが、Macの場合はソフトによっては対応していないものもあります。また、WindowsでもOSが古い場合は対応していないことがあるので、動作環境はよく確認しておきましょう。
なお、クラウド型に関してはブラウザ上での利用になるので、どのOSを使っていても関係なく利用できます。
またスマートフォンでの利用を考えている場合、「iPhoneは対応していてもAndroidは未対応」といったソフトもあるので、その点もよく確認する必要があります。さすがに社員のスマホまで指定するわけにはいきませんから、幅広く対応したソフトを選びたいところです。
扱いやすいマニュアル作成ソフトかどうか
多くの企業に利用されているということは、それだけ扱いやすいことを表しているともいえます。特に同業種の企業が使っているソフトを参考にすれば、自社にとっても扱いやすいものである確率も高いでしょう。
他社がどのソフトを導入しているか調べる段階では、どのソフトがよく使われているかだけでなく「企業がそのソフトを選んでいる理由」を考えながら確認するようにしましょう。そういった見方で下調べをしていけば、その業種のマニュアル作成において何が大切なのかが明確になってきます。
大切なポイントがはっきりすれば、他の企業を真似するだけに留まらず、自社ならではのポイントをプラスした視点で選定を行うことができます。
下調べはソフトの選定のための作業ですが、このような心掛けで行えば、実際にマニュアルを作成する場面でも大いに役立ってくるでしょう。
マニュアル作成ソフトを導入する意義
「簡単な操作で、手軽にマニュアルが作成できる」ということが、マニュアル作成ソフトを使う利点だということはわかりますが、それだけでは説明不足なところもあるでしょう。ソフトを導入することで、具体的にどういったメリットがあるのかをここからは解説していきます。
分かりやすいマニュアルを作るため
前項でも少し触れましたが、マニュアル作成ソフトは画像や動画、音声などを簡単に組み入れることができるのが、大きな利点です。動画や画像が適宜使われていれば、文章を読むのが苦手な人にも理解しやすいマニュアルになります。
分かりやすいマニュアルは文章だけでは成立しません。文章が読むのが好きな人や、読解力のある人なら良いかもしれませんが、社員全員にそれを求めるのも無理のある話です。多くの人にとって受け入れやすいマニュアルを作ることで、社員の育成もさらに効率化していくことができるでしょう。
社員の育成がスムーズに運ぶことは、会社の業績アップにも直結します。こう考えると、「マニュアルが分かりやすい」ということが、会社運営にとってどれほど重要なポイントかということもわかります。
仕事におけるコストを少しでもカットするため
マニュアル作成ソフトを使えば、仕事におけるコストを大幅にカットすることができます。これを聞いて「導入の費用や月額料金が掛かるじゃないか」と思われた方もおられるでしょう。しかしそれを踏まえても、マニュアル作成の手間を省けるというのは、大きなコストカットになります。
マニュアルのための画像や動画の編集、レイアウトを工夫するのに何時間もかけていた労力を別の仕事に回せると考えれば、それだけお金を掛けても価値のあるものだとわかるでしょう。またクラウド上での共有も簡単にできるので、わざわざ紙に印刷したり、データを送ったりという手間を減らすこともできます。
マニュアル作成ソフトを利用することで削減できるコストは、時間的コストです。時間が浮くという利点は、必然的に利益にも繋がってくるのではないでしょうか。
マニュアル作成ソフトを導入する上で理解しておくべき点
分かりやすいマニュアルの作成を手助けするのが、マニュアル作成ソフトの役割です。しかしソフトがしてくれるのは飽くまでも手助けです。実際に質の高いマニュアルを作るためには、作成において何が大切なのかを知っておかなければいけません。以下で紹介する項目を参考に、ソフトの真価を引き出せる使い方を心掛けていきましょう。
日頃の業務の流れ
マニュアルはその業務に慣れていない人が上司から説明を受けなくても、目を通せば作業を行えるものが理想です。初めてその仕事をする人でも、マニュアルを見れば業務の流れが把握できるものにしましょう。その際は、「なぜその行程を経る必要があるか」を記載していることが大切です。
例えば、厨房勤務の場合に「厨房に入る時は大きな声であいさつをする」と書くだけでは、なぜあいさつが必要なのか分かりません。「出勤したことが厨房全員に分かり、すぐに仕事が割り振れるように、大きな声であいさつをしましょう」とあれば、説得力もあり頭に残りやすくなります。
このように、普段の業務の流れを想定したときに「その行程を経る理由は何か」に意識を巡らせながらマニュアルを作成すると、わかりやすいマニュアルになりやすいでしょう。
日頃の業務における問題点
業務の流れや、その行程を経る理由と同じく大切なのは、どういったトラブルが起こりやすいかを考えることです。業務上、生じやすい問題をあらかじめ想定し、その解決策をマニュアルに盛り込んでおくことで未然にトラブルを防げます。
例えば飲食店勤務で、「お皿を持っている人の後ろを通る時は一声かけましょう」というマニュアルを作れば、お皿を持っている人がふいに動いた時にぶつかって料理を落としてしまう、というトラブルを避けられます。
特に、マニュアルを必要とする新人は業務になれていないため、マニュアルの意味を取り違えてしまう可能性もあります。そのため、業務の流れのときと同じように、なぜそのマニュアルが必要なのかも併記することで、問題を防ぐという目的がより達成しやすくなるでしょう。
マニュアル作成ソフトを導入してどの位業務を改善できるか
以上にわかりやすい説明文を作るポイントを紹介しました。これらを踏まえて、「マニュアル作成ソフトのどの機能を使えば、それぞれの行程をわかりやすく説明できるのか」もイメージしておくようにしましょう。事前に「この機能を使えば、ここの部分は説明しやすいな」という風にイメージ立てておくと、実際のマニュアル作成もスムーズに行えます。
業務の流れをしっかり確認しておくことも大切ですが、ソフトにどういった機能があるのかを一通り確認しておくこと、作りたい説明文と機能を照らし合わせてイメージを作っておくことが大切になってきます。
新人研修のカリキュラム
企業の新人研修となると、段階にわけて習得していかなければいけない場合もあるでしょう。そういった場合、マニュアルも一冊に詰め込むのではなく、段階ごとに使い分けたほうがわかりやすい研修になるはずです。
また、どの順番で仕事を覚えていくと効率が良いのか、カリキュラムをしっかり練った上でマニュアルも順序を決めていくことが大切です。マニュアルの前後関係がしっかりしていれば、「なるほど、この作業はここに繋がるのだな」という納得感も生まれます。
ただ作業をこなすのではなく、自分の仕事がどこに繋がっているのかがわかると、仕事に対する当事者意識が大きく変わります。新入社員としても、会社運営の一因を担っている実感を得やすいでしょう。
会社の目標はなにか
マニュアルは、業務に当たる最初の一歩をサポートするためのものです。それぞれの業務は仕事である以上、会社の目標を達成するために行われなければいけません。新入社員の場合は特に、会社が何を目指しているのかも伝わるようなマニュアルであることが望ましいです。
そのためには、マニュアルを作成する側としても、会社の理念をよく理解しておく必要があります。「新しく業務に当たる社員たちに、会社のことをもっとよく知ってもらおう」という意識でマニュアル作成に当たれば、きっと質の高いマニュアルに仕上がるでしょう。
マニュアル作成ソフトは、そういう高い志を持つ人たちに、感覚的にマニュアル作成ができるよう、サポートするためのツールです。
マニュアル作成ソフトを導入するときの方法
ソフトを導入したのは良いものの、そのメリットを活かし切れていないのはもったいない話です。特に導入した初期というのは、いくら簡単だといっても要領が掴めないこともあるでしょう。ここではより早く、マニュアル作成ソフトの真価を引き出すためのポイントを押さえていきましょう。
メーカーに問い合わせる
ソフトを使っていて、わからないことや不具合があるなら、一番早い解決手段はメーカーへの問い合わせをすることでしょう。インターネットを探せば情報を載せているページもありますが、結局はそれも開発元の情報を参考にしたものです。それなら開発元にたずねたほうが、より確実な情報を得ることができるでしょう。
また問い合わせる際には、ホームページのサポート欄で、「よくあるご質問」の項目を事前にチェックするようにしましょう。わざわざ問い合わせをしなくても、大抵の問題はここで解決するものだったりします。そういった項目が設けられていることも、問い合わせの手間を省こうというメーカーの配慮だということです。
優秀な社員に使い方を聞く
パソコン関係に強い同僚がいる場合、使い方をレクチャーしてもらうのも慣れるための近道です。同じ場所で働いているなら、わからない箇所をその都度訪ねることもできますし、時間を取って徹底的に教えてもらうのも良いでしょう。
「他の社員の手を煩わせてしまうのは気が引ける」という方もおられるかもしれませんが、そもそもマニュアル作成ソフトを導入するのは企業のためです。新しいものを導入していくときというのは、一早く活かせるよう、社内で協力し合うことが不可欠だといえます。
また人に聞くというのは、コミュニケーションの手段でもあります。なんでもかんでも他人任せは良くありませんが、それが企業の発展を考えた上でのコミュニケーションであれば、積極的に取っていきましょう。
勉強会を開いてマニュアル作成ソフトの使い方を共有する
「メーカーに問い合わせる」「詳しい社員に尋ねる」など、知識を深める方法は多数あります。そこで得た知識を社内で共有すれば、よりソフトの真価を発揮させることも可能です。ある程度知識が深まってきたら、マニュアル作成ソフトの勉強会を開くのも良いでしょう。
せっかくクラウド上で編集、共有ができるのですから、多くの社員が使い方を知っていれば、より運用の幅も広がります。また教える立場になれば、その知識を自分のものとして、さらに落とし込めるでしょう。
勉強会を通して使い方を共有していけば、「こういう使い方もできる」といった意見が出てくるかもしれません。このように多くの人に共有することで、新たな知識や可能性も見出すことができます。
まとめ
会社にとってマニュアルは人材育成の要です。また状況に合わせて、適宜作り変えていかなければいけないものでもあります。そういった意味で、簡単な操作で、手軽にマニュアルが作成できる環境はぜひ整えておきたいところです。
企業のニーズをよく踏まえた上で、どのソフトを選ぶかを考えていく必要があります。
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