人材育成が企業の未来を左右する? 人材育成の重要性と4つのポイントを紹介!
IT化やAIの台頭、少子高齢化、働き方改革などにより働く環境は激しく変動しています。時代の流れに合わせて、会社の制度を見直す企業も多いのではないでしょうか。その中でも企業の競争力を高めるために注目されているのが人材育成です。
そこで本記事では人材育成に関して、見直しをするうえで知っておくべき課題からポイントまでを解説いたします。
目次
そもそも人材育成とは?
人材育成とは?
人材育成とは、単に仕事ができる人材を育てることではなく、戦力となり会社に、そして社会に貢献できる人材を育てることを意味しています。そのため、ただ会社のルールや仕事の仕方を教えることだけでは人材育成とは言えません。
なぜ人材育成が必要?
当たり前の事実ではありますが、会社を支えるのはその会社で実際に働いている人です。ゆえに、人材育成をすることは会社を育てることにつながります。人材育成によって社員が最大限の能力を発揮できるようになれば、会社は生産性の向上や利益の拡大など更なる成長が見込めるでしょう。
人材育成の重要性
出典:総務省統計局「人口推計2025年(令和7年)3 月報」
人材育成における課題
人材育成を見直したい!と考えてもいても、人材育成をするうえで企業は様々な課題を抱えています。人材育成を見直すためには、人材育成に直面する課題を理解することが大切です。
①人口減少による人手不足
少子高齢化に伴い、働く世代の人口は減少を続けています。厚生労働省が公表している人口動態の統計によると、2000年の出生数は119万547人であるのに対し、2024年の出生数は100万人を下回る 72万988人であり、24年間で47万人近くも少なくなっています。出生数の減少は働く世代の減少を意味しているため、結果として企業は優秀な人材を確保することがますます困難になっています。
参考:厚生労働省「人口動態統計速報(令和6年(2024)12月分)」
②人材育成にかける時間の確保が困難
IT化やAIの台頭により企業の生産性は1980年代と比較すると改善しています。その結果、従業員1人当たりの業務の幅が増え、あらゆるツールやシステムを使いこなす必要がでてきています。そんな業務に忙殺され、人材育成にかける時間を確保するのが困難な場合も多くあるのです。
③人材確保の難しさ
転職市場は未だに売り手市場が続いており、優秀な人材の確保が難しくなっています。そんな中で人材育成の仕組みができていない会社はより選ばれづらいという懸念に繋がります。
人材育成の重要性が更に高まる可能性?
人手不足が加速するなか、企業の競争力を高めるためには従業員1人1人が戦力となり生産性を向上する必要があります。人材育成ができていないと、人材を確保できても生産性が上がらず、更には優秀な人材が去っていき、新しい人材を育成する力も衰えていく可能性がありますので、この機会に人材育成の仕組みを見直して今後に備えましょう。
人材育成の4大手法
では、重要な人材育成を実際に実施するにあたりどのような手法があるでしょうか。大きく4つに分けられるため、1つずつご紹介いたします。
社内での集合研修
入社オリエンテーションをはじめとした社内での集合研修は参加者全員に一度に教育を行うことができ、業務に必要な専門的な知識を教えることができます。一方で指導者の選定や時間の確保が問題となります。
社外での集合研修
企業が負担し社外で行う研修は社会人として必要な基礎的な知識やスキルの習得ができ、一度に多くの人数の教育をすることが可能です。社外で行うため、指導者の時間的なコストはかかりませんが、移動費・場所代などのコストがかかります。
実際に現場で行う研修
一般にOJTと呼ばれる研修では、実際に業務を行うことで必要な知識・スキルを身につけることができ、職場での人間関係を築くことにもつながります。この手法は最も効果の高い手法ですが、指導者の指導能力や技量によって習得技術に差がでてしまうことや、指導者の時間の確保が課題となります。
マニュアルや通信教材を用いた研修
マニュアルや通信教材を用いると、指導者の時間的コストは最初にマニュアル作成するときのみであり、多くの人にいつでもどこでも同じ教育を行うことが可能になります。課題に直面した際にも指導者の手を借りることなく解決方法を学べるため、作業の平準化や指導時間の削減につながります。
若手・部下の人材育成のポイント
到達目標を立てましょう
人材育成の計画を立てるためにはそれぞれの会社、立場にあったニーズを理解し、必要なスキルを洗い出すことが必要です。誰がどのような仕事をしているのか、その仕事が生産性の高いものとなっているかどうかを把握し、どう改善するべきかを検討しましょう。
到達目標として必要なスキルとそのスキルを習得するまでの期限を設定すると、人材育成の目指すべきゴールが明確になります。ゴールを明確にすると、逆算して計画を立てられるので計画的かつ効率的な育成ができます。
特に若手社員の場合は「自分がいつまでに、どのようになっていればいいのか?」がわからない場合が多いため有効です。
人事評価制度を導入しましょう
人事評価制度とは、社員の仕事ぶりを客観的に評価し、昇進や昇格などの待遇に反映させる制度のことです。自分の能力が上がれば上がるほど評価につながる仕組みにすることで、社員1人1人のモチベーションが向上し、社員の成長の促進につながります。若手・部下の人材育成では、評価の際に成長への期待を伝えることが「やりがい」にも繋がります。
指導者の意識を改善しましょう
人材育成の課題の一つとして指導者の育成能力や指導意識が低いことがあげられます。教育の環境を整備しても、実際に指導する指導者に育成する意思がなかったり、いかにも「やらなければいけないからやっている」という雰囲気をだしていたりする場合は人材育成につながらないため、指導者の意識を改善することが重要です。
企業全体で人材育成に取り組みましょう
企業は人によって育っていきますが、企業によって人を育てることも重要です。目先の利益だけでなく長期的に会社の担う社会への役割を見つめ、人材育成に企業全体で取り組むことが企業のよりよい発展につながります。
新人社員の人材育成で押さえるべきポイント
社会人としての基礎的な知識を教える
社会人として第一歩を踏み出した新人社員に、心構えをはじめとし、ビジネスのマナー、主体性、コミュニケーション能力、基礎的な知識を教えることは必要不可欠です。
早期戦力化を目指す
あらゆる業種で人材不足が叫ばれている現状では、新入社員にも少しでも早く戦力になって活躍してもらいた企業も多いのではないでしょうか。予めマニュアルを整備しておいたり、教育スケジュールを組んでおいて手の空いている時間を減らすことも重要です。また、早期戦力となってもらえるように、入社前に実施できるような基礎的な知識の伝授は内定者研修などで行い、入社後には早期戦力となれるよう教育を行うことも効果的です。
自律的な成長をサポートする
新人社員が教育をただ受け身で受けるのではなく、業務を行う上で必要となる能力を主体的に学ぶ姿勢を身につけたほうが成長スピードは早くなります。そのため、新入社員が上司に相談しやすい環境を整備したり、新入社員の頑張りを共有したりするなど、他の社員が積極的に新入社員のサポートをすることが大切です。
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デジタル時代のスキルアップ・リスキリングに役立つ最新の研修手法
近年、会議やスケジュール管理、入力の自動化や在庫管理など、様々な業務にデジタル技術が活用されています。それは人材育成の現場でも例外ではありません。デジタル技術を用いた研修を取り入れることにより、企業側は費用や労力を抑えながら学習環境を提供でき、従業員側も時間や場所を選ばず学習できるなどのメリットがあります。
以下にデジタル技術を用いた代表的な3つの研修手法について、詳しく解説します。
eラーニング
「eラーニング」の「e」は日本語で「電子の」「電子工学の」を意味する「electronic」の頭文字です。eラーニングはあらかじめ準備された動画などの教材を、インターネットを使って視聴し学習する研修方法です。「オンライン学習」とも呼ばれます。
eラーニングの教材を配信するプラットフォームは「eラーニングシステム」と呼ばれており、一般的なビジネス教材を揃えたものから、専門性の高い教材に特化したものまで様々です。学習管理システムを含むものもあり、教材配信だけでなく、進捗管理や評価機能も備えています。価格設定は、分析機能の有無やカスタマイズ性によって様々です。
従業員側のeラーニングのメリットは、いつでもどこでも学習ができる点です。分からないところがあれば繰り返し視聴して復習でき、多くのラインナップから必要なものを選べるため、自分のペースで学習が進められます。また皆が同じ内容のものを視聴するため、教育の質も均一化できます。
一方、企業側もeラーニングを活用することで、会場代や講師を呼ぶコストなどを削減できます。従業員の学習状況なども、eラーニングシステムで一括管理できるのも利点です。
ただリアルタイムで質問することが難しく、一人で学習を進めなければならないため、モチベーション維持が難しいなどのデメリットもあります。
ウェビナー
「ウェビナー」とは「ウェブ」と「セミナー」を組み合わせた造語で、ZoomやTeamsのウェビナー専用プラットフォームを使って開催される、オンラインセミナーのことです。
eラーニングは基本的に録画した教材を使用しますが、ウェビナーは「録画配信型」以外に「リアルタイム配信型」のセミナーがあるところが違います。また、講師が一方的に講義を行う「一方向配信型」以外に、チャットツールなどでリアルタイムにコミュニケーションが取れる「双方向配信型」もあります。
従業員側のメリットは、遠方で開催されるセミナーでも参加でき、人数の制限がないことです。人気の講師のセミナーなども、自宅や会社から手軽に視聴できます。企業側のメリットは、セミナーに出向くための交通費がかからず、1度に大人数が受講できることです。
VR研修
「VR研修」とは、VR専用のゴーグルを装着し、仮想空間で行う研修のことです。実際の現場にいるような没入感があるため利用者側も能動的に学習しやすく、習得スピードの向上が期待できます。
「VR研修」は機械の購入や広大なスペースを必要とするなど、環境の準備に手間とコストがかかる研修に適しています。また、災害や危険な状況などを再現しなければならない場合にも有用です。危険な状況に身を置かなくてもリアリティのある体験ができるため、実際の現場に近い精度の高い研修が可能です。
さらに、繰り返し仮想空間で研修できるため、製造業や建設業など訓練を重ねて高い技術を習得しなければならない分野にもおすすめです。また体験しながら研修が行えるため、外国人従業員などでも従来のマニュアルによる研修より習得しやすいメリットがあります。
まとめ
人材育成は会社の未来を作るうえで、非常に重要な役割を担っています。教育をするためには時間的・費用的なコストがかかるため、今の会社の状況を考えながら人材育成の見直しをすることが必要です。
時間的なコストを削減し、生産性を向上させるにはマニュアルを利用した教育を取り入れることが効果的です。Teachme Bizならマニュアルが簡単に作成・編集できるだけでなく、トレーニング機能も搭載しているため、人材育成に有用です。トレーニング機能を使えば、事前に予習してからOJTに臨む「反転学習」に利用することもできるため、知識の定着を高めることが期待できます。更に、個人に合わせて習熟するべきマニュアルをコース化することができるため、目指すべきゴールを明確に示すことができ、学習率の向上も期待できます。ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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