マニュアル作成を行うための準備と作成方法|会社の業務をスムーズに行おう!
組織で働く上で、業務効率というのは非常に大切なものです。業務効率を上げるのに必要な要素として「マニュアル」の存在があるのです。マニュアルがあれば、会社の考え方やルールだけでなく、業務フローなども理解することができます。そこで今回は、マニュアル作成の前準備から作成方法を解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
業務を改善するためにマニュアル作成が大事になってくる
業務を効率化させる方法の中でも「マニュアル作成」は非常に大切な要素となっています。マニュアルがあるのとないのとでは業務効率に大きな差が生まれるのです。しかし、ただマニュアルを作成するだけでは意味がありません。
読み手にとって有益なマニュアルであることが大事になります。理解しやすい、読みやすい、参考にしやすい、業務がしやすい、などがマニュアルの意義です。では、マニュアルを作成するためにはどうしたら良いのか見ていきましょう。
会社に合ったマニュアル作成するためには準備が必要
マニュアルは一朝一夕で完成するものではありません。中身がしっかりしていて、それでいて読みやすいマニュアルを作成するには情報収集から文章構成、図や表を使った解説なども取り入れる必要があります。
マニュアルを作成する際、実際に経験してきたことや知識を織り込むことも多いでしょう。ですが、そのことをマニュアル化するためには、何をどうしたら良いのかわからない人も多いかと思います。まずは何から始めたら良いのか、どのように進めていけば良いのかを解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
どのフォーマットを用いるかをハッキリさせる
マニュアルを作成する際には、フォーマットを統一させるようにしましょう。統一させるメリットとしては、「マニュアルのクオリティが安定する」、「最初から最後まで読みやすくなる」、「知識がなくても理解しやすい」といった三点が挙げられます。
マニュアルは、とにかく読みやすく理解されやすいことが大事です。そういった点で形式を毎回同じものにするのは重要なことといえるでしょう。マニュアルで使われるのは、「Word」、「Excel」、「PowerPoint」が基本ですが、どのフォーマットにもメリット・デメリットがあります。事前に把握した状態で選ぶようにしましょう。
業務の手順を整理する
業務マニュアルは、全社員の業務クオリティを均一化して効率化するために作成されるものです。そのため、マニュアルには読むだけで業務の流れの全体像が掴めるほどの読みやすさとクオリティが必要になります。
まずは、今回作成するマニュアルの業務内容をしっかりと確認しましょう。確認ができたら、業務の手順を整理して全体像を提供できるようにします。全体像が分かっていれば、各手順の解説も頭に入りやすくなるのです。
業務上の問題点をハッキリさせてマニュアル作成に活かす
マニュアルは業務クオリティを均一化させると前述しましたが、業務上でとくに失敗や問題点が目立つ箇所があります。そこを重点的にマニュアルに落とし込むことも必要です。しっかりとした業務をこなすというのは、ミスをできる限りなくすことと同義になります。
どういった業務ではミスが多いのか、業務のミスになる原因とは何なのか、そのミスの原因をなくすための改善策とは、といったところを考えましょう。ミスや問題点に関しては、業務歴が長い上司が知っています。どういったミスが多くて、これだけどのような改善をしてきたのかを聞き出しておきましょう。
どのようなマニュアル作成のサービスがあるかを把握する
マニュアル作成は個人の力だけで取り組むこともできますが、外部の力を借りて作成することもできます。マニュアル作成ソフトや便利なツールなど、マニュアル作成の手助けになるようなものが多くあるのです。これらを上手く活用することで、読みやすくしっかりとしたマニュアルが完成します。
コンサルタントへ相談することが必要になることもあるでしょう。コンサルタントとは、作成する前に「マニュアル作成はどのようにすべきなのか」を、作成中には「こうしたら良い」というアドバイスを、完成後には「こういった箇所を直すべき」というフィードバックを行ってくれます。スタディストであれば、こういったサポートを受けられますので、ぜひ検討してみてください。
マニュアル作成の担当者を決める
マニュアルを作成する際最初に決めることが「マニュアル作成者を誰にするか」という点です。これがハッキリしない限り、マニュアル作成に進むことはできません。選ぶポイントとしては「会社のシステムや運用方法に精通している」、「本来の業務に支障が出ない」、「コミュニケーション能力を持っている」、「正確な情報だけを使える」、「読み手が理解しやすい文章を作れる」などです。
すべて当てはまるような人が良いのですが、そんな人はなかなかいないでしょう。重要なのは「読み手視点で作成できる人」です。システムなどに精通しているだけの人であれば、基本などを知っている前提で作成しがちといわれています。そういった点にも注意できる人を選びましょう。
業務に支障が出ない様に十分な期間を設ける
マニュアル作成者が決定した際、気を付けなければいけないのが「期間」です。マニュアルが早くほしい気持ちも分かりますが、マニュアル作成者もマニュアルを作成するために入社してきたわけではありません。他にも自分の仕事があるのです。
マニュアル作成に時間を割いてしまい、本業が疎かになってしまっては元も子もありません。そのため、マニュアル作成者の業務に支障が出ないことを見越した作成期間を設定してあげましょう。あまりに短いとマニュアルのクオリティにも支障がでます。
マニュアルの作成方法について
では、マニュアルの作成方法について解説します。ここでは基本的な流れを解説していますので、それを基に独自に応用してみてください。しかし、マニュアル作成のコツは基本を押さえることです。応用することも悪いことではありませんが、まずは基本を押さえてからにしましょう。
業務の手順を分かりやすく説明する
マニュアルを作成する上で、最も大事なことが「分かりやすく」説明することです。「分かりやすく」というのは、読みやすく理解しやすいマニュアルのことを指します。それに加えて、誰が読んでも一定の効果が得られることが大事なのです。作成した人だけが分かりやすくても意味がありません。
業務の内容だけでなく、なぜこの業務が必要なのか、どういった流れで行われるのか、緊急時の対策はどうしたら良いのかを細かく書きましょう。システムや機材だった場合は、部品の名称なども漏らさずに書くことが大事になります。
注意点としては、基本の流れを記載することです。「自分はこうした方が早くできる」のような気持ちは抑えて、誰もができる手順を記載しましょう。基本さえ押さえれば、その内自分で効率化することができます。
業務における要点をまとめる
マニュアルは、作業効率や業務クオリティを均一化するのが目的です。そのマニュアルを読むだけで誰もができるようにならなくてはいけません。マニュアルを作成する際にはその業務における要点をまとめてみましょう。
「何を伝えたいのか、何を目標にしているのか」という主題(テーマ)を最初に決めます。そして、「それを達成するためには何が必要で何をすべきなのか」という解説部分を執筆していきましょう。
このようなことを決める際に大切なのが「構成」を作ることです。構成とは、そのマニュアルの骨組みみたいなもので、「どういったことを伝え、どういったことをすべきなのか」を簡単にまとめたものです。この構成をしっかりと作ることでマニュアル作成の効率もクオリティも上がるのです。
業務に関する図や写真を挿入する
業務の要点をまとめて、どのようなマニュアルにするのか決まったら「解説文章の作成」に入ります。文章というマニュアルの基本要素がある程度書けたら、次は補足説明として図や表などを導入して読みやすく理解しやすいマニュアルにしましょう。
文章を「読む」ことに加えて、図や表を「見る」ことで理解が深まります。特に、機材を使うマニュアルには図や写真などは必須で、文章だけで部品の名称を書かれてもどこのことを言っているのか分からないことが多いのです。
機材の図や写真を挿入することで、文章に書かれている部品がどこのものを指しているのかを説明できます。できれば実物の機材を用いて解説するとさらに相乗効果は高まりますし、実際に触りながら覚えられるのでおすすめです。
一度作成したマニュアルをチェックして不備を修正する
マニュアルが完成すると、すぐにでも上司に報告し運用を始めたいと感じるかもしれません。しかし、その気持ちは一旦落ち着けて「本当に不備がないのか確認」しましょう。マニュアルというのは、何回も修正が加えられて完成します。内容の相違や、読み手にとって読みにくい部分があったりなどです。最初から完全なものは作れません。
しかし、提出前にある程度不備をなくすことで修正の手間を減らすことはできます。簡単なところで「誤字・脱字はないか」や「図や表の名称や数字が間違っていないか」「補足説明が抜けている部分はないか」などです。
コツとしては、完成したマニュアルを実際に声に出して読んでみることです。目で見るだけの「読む」と、声に出して「読む」のでは大きな差があります。実際に声を出すことで、文面のおかしさや適切な用語が使えてないことに気付くのです。おかしいと思った部分はすぐに修正するようにしましょう。
マニュアル作成時に考慮すべきポイント、注意点
マニュアルの作成について少し分かったところで、マニュアル作成のポイントや注意点についても知っておきましょう。ここをしっかりと押さえておくことで、ミスの少ないマニュアルが作れます。マニュアルにミスは許されません。ぜひ参考にしてみてください。
マニュアル作成に用いるツール
マニュアル作成には、それを手助けしてくれる便利な「ツール」と呼ばれるものがあります。ツールを活用することで、よりわかりやすいマニュアルを作成することが可能になるのです。良いマニュアルが完成すれば、業務の理解度もスピードアップさせ結果として作業効率向上に繋がっていきます。
ツールにはいろいろと種類がありますが、大事なのは「自分に合ったものを使う」ということです。口コミや実際に使った人の評価なども大切ですが、実際にいろいろと試してみるのも大切なことになります。無料のツールもあれば有料のツールもあるので注意してください。
コンサルタントから的確なアドバイスを受けているかどうか
マニュアルを作成する際、自分たちの力だけでは行き詰ってしまうことがあります。「どこをどう変えることで読み手にもっと理解できるようになるのか分からない」「図や表をどこで挿入するのが正しいのか」などです。
そのようなときは上司や同僚などに聞くのも一つの手ですが、「コンサルタント」を活用してみましょう。コンサルタントとは、このマニュアルに対してどのようなことをすれば、より良いマニュアルになるのかアドバイスしてくれる存在です。
上司や同僚と違うのは、その道のプロ・専門家ということでしょう。的確なアドバイスだけでなく、完成後のフィードバックもしてくれます。正しいマニュアルを作るには自分の力量も大切ですが、コンサルタントをいかに活用しているかも大事になるのです。
会社の目標
会社で働く以上、その会社の目標について知っておかなければいけません。「一体この会社は何を目指しているのか」「社員たちの到達目標は一体なんなのか」などです。これらについてマニュアルを通して伝えていくことも必要になります。
会社の目標というのは、会社を成り立たせていく上で最も大切なことです。社員に間違った目標を与えては会社のためになりません。そのため、できるだけ上司や社長本人に聞くのが一番なのです。過去のマニュアルや会社のホームページに載っていることもありますが、理解している状態で説明するのと、していない状態で説明するのでは大きな差があります。
部署ごとの業務内容
会社というのは、多くの部署で成立していることがほとんどです。基本的な会社のルールや考え方は同じだったとしても、業務内容は全く違ってきます。ですから、マニュアルを作る人は部署ごとに業務内容をしっかりと頭にインプットしておく必要があるのです。
似ている業務をしていたとしても、細かい点で違うところがあればそれは違う業務になります。混同しないように「どういった点が他の部署と違うのか」「よく勘違いしやすいポイント」などを重点的に記載するようにしましょう。そのため他の部署の人に聞く、マニュアルを借りて参考にする、などが必要です。
普段から社員同士のコミュニケーションが取れているか
組織で働いている以上、社員同士でのコミュニケーションは必須のものとなります。マニュアルを作成する際にも意見や改善点などの話し合いだけでなく、マニュアルが完成した後の意思疎通も大事です。しかし、これは簡単なことではありません。
コミュニケーション能力というのは人によって差があります。自分から意見を積極的に言う人もいれば、なかなか自分の意見を言い出せない人もいるのです。そのような差を出来る限り縮めるためにも、普段から少しずつコミュニケーションするようにしましょう。慣れてくればコミュニケーションが取りやすくなるでしょう。
マニュアル作成にかけるコスト
マニュアル作成はコスト0でやれることではありません。マニュアル作成者に選ばれた人にはそれだけコストがかかりますし、マニュアルが完成した後もたくさん印刷しなければならないため、どうしてもコストがかかってしまいます。外部に発注する場合人的コストはかかりませんが、費用コストの面で大きくなります。
ほとんどの場合、自分たちでマニュアル作成に取り組むと思いますが、マニュアルというものは一回目から『完成品』になることはありません。何回もミスや意見をフィードバックしてアップデートされるものです。そのため、その回数が多ければ多いほどコストは増えていくでしょう。
マニュアル作成するタイミング
マニュアルを作るタイミングというのは、企業によって違います。ではどのようなタイミングでマニュアルが必要になるのでしょうか。ここでは、何件か例を交えながらそのタイミングを紹介します。
新たに設備投資する時
新しい設備というのは、過去に触ったことがある人以外は何も分からない未知のものです。下手に触ると壊すこともあれば、個人情報などが外部に漏れることもあります。そうならないためにもマニュアルを使ってしっかりと理解しておく必要があるのです。
新しい設備について説明・解説する人にも分かりやすく作成する必要があります。マニュアルを作成する際は、実際に触っているところを参考にすると良いでしょう。最新設備を積極的に取り入れる会社などは、マニュアル作成者へのカバーも考えてあげてください。
入社員が入ってくる時
最もマニュアルが必要となる時期です。新入社員というのは、基本的に会社のシステムなどの知識はありません。その状態では仕事ができませんので、研修という形で会社のことやシステムについて学んでいきます。
それに加えて社会人マナーを学ぶことも多いです。そこで役に立つのがマニュアルで、ほとんどの企業が新入社員研修にはマニュアルを導入しています。新入社員も最初の3ヶ月ほどはマニュアルを見ながら仕事することで安心して業務に励めるのです。
業務をより効率化させたい時
業務を効率化させるためには、業務に携わっている人の業務クオリティを均一化させるのが一番早いでしょう。マニュアルでは、業務フローやシステムの運用方法、業務に関する考え方などが記載されていますので、社員全体の業務を効率化させることができます。
一度の研修で終わらせるのではなく、定期的に研修を行うことで業務クオリティは維持されます。その際、会社内で変わったこがあれば新しいマニュアルを作成するなどして対応すると良いでしょう。
まとめ
会社に合ったマニュアルを作成するためには、しっかりとした準備と業務の手順を分かりやすく説明できるかどうかが大事になります。良いマニュアルが完成すれば、それが業務効率化にも繋がるのです。
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マニュアル作成ではシンプルであること、わかりやすいことが非常に重要になってきます。
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