品質管理の4Mとは?6Mとの違いや変更管理の目的・方法など

最終更新日: 2024.05.17 公開日: 2024.05.14

品質管理の4Mとは?

品質管理における4Mは、人・機械・材料・方法の4種類の要素を指します。これらは品質管理において重要な要素であり、品質改善や不良品の防止に関わります。一方、5M+1Eや6Mではさらに要素を加え、より包括的な管理も可能です。本記事では、それぞれの要素や4M変更管理の方法、目的について詳しく解説します。

製造業の4Mとは?

4Mとは、「Man(人)・Machine(機械)・Material(材料)・Method(方法)」の4つの要素から名づけられたフレームワークのことで、製造業において重要な考え方のひとつです。4Mは、品質管理を内包した品質保証を始めとして、製造オペレーションの改善、生産ロス対策の立案などにも幅広く活用されています。さらに、近年では物流業などにも応用されるなど、4Mは今や業種の垣根を越えて重要視される考え方です。

また、品質保証についての理解を深めることで、4Mフレームワークの実践にも役立ちます。

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1. Man(人)

Manとは、製造現場で働く従業員のことを指します。製造現場においては、人間が機械を操作し、材料を扱うことが欠かせません。そのような環境で製品の品質を保つためには、現場の従業員の技術力や意識の維持管理が非常に重要です。しかし、製造業ではヒューマンエラーや不注意が品質に影響を与えることも少なくありません。それらを防ぐためにも、モチベーションやモラルの管理なども含めたMan要素は、4Mフレームワークの中でも特に重要です。

2. Machine(機械)

Machineは、製造業で使用される機械工具や設備機器などのことです。これらの機械は、生産性の向上や品質管理に大きく影響します。製造現場ごとの設備レイアウトも考慮したうえで適切な機械を導入すると、作業効率が向上するとともに品質も安定します。
また、定期的なメンテナンスで機械が正常に機能しているかどうか、劣化や故障が起きていないかといった確認をすることも重要です。機械を稼働させ続けるだけでなく、点検や保守管理も行うことで、正常に運用しながら長期的な生産の安定性を維持します。

3. Material(材料)

Materialは、製造業で使用される材料についての要素です。製造現場では、製造する製品によってさまざまな原材料や加工品が使われるため、品質を保つためにはそれらの正確な管理が求められます。材料の調達から製造、そして管理に至るまでのプロセスを明確に把握する、トレーサビリティ(製品がいつ、誰によって作られたかを追跡できる状態にしておくこと)の確保も重要です。

また、材料の調達量を管理し適切な調達計画を立てることで、一部の材料不足や過剰在庫を予防し、生産ラインの停止や在庫の処分などを避けられます。さらに、定期的な材料の検査も重要です。材料に欠陥や不足がある場合、製品の品質に大きな影響をもたらす可能性もあるため、品質管理体制を確立し、材料に関するリスクを最小限に抑える必要があります。

4. Method(方法)

Methodは、製造現場の生産形式や手順など、方法に関するものを表す要素です。製造業では、同じ条件下で毎回同じ結果を得るために、製造プロセスの標準化が求められます。手順ひとつひとつを明確に定義することで、効率的かつ品質の高い製品を生産するための基盤を確立することが必要です。

また、品質管理では業務の属人化を防ぐためにマニュアルの整備や定期的な見直しも重要です。マニュアルを整備することで、作業手順や品質基準を従業員全体で共有し、常に一定の品質を保った製品を提供できます。作業手順の定期的な見直しを行うことで、変化する環境やニーズに対応し、継続的に改善を実施することも可能です。

5M+1Eや6Mとの違い

上述した4Mに、新たな要素を加えた5M+1Eや6Mという考え方もあります。ここでは、追加要素となる検査・測定、環境、マネジメントについて解説します。

5M+1Eとは?

5Mは、4MにMeasurement(検査・測定)を加えた考え方です。品質管理では検査や測定を通じて生産プロセスや製品の中から不良部分を早期に発見することで、不具合に対する迅速な対応が可能となります。

5M+1Eは、5MにEnvironment(環境)を加えた考え方です。温度や湿度、気圧、明度といった作業環境は、部品や原材料、製品の品質や安定性に大きな影響を与えるため、適切な環境を保つ必要があります。また、作業環境が悪いと従業員の安全性やモチベーションの維持にも影響し、労働災害の発生や品質の低下につながるため、安全性や快適性を考慮した環境の構築も必要です。

6Mとは?

6Mは、5MにManagement(マネジメント)を加えた考え方です。品質管理や製造プロセスにおいて、全体を見渡した包括的なアプローチをするために生まれました。

特に近年では小ロットで多品種の製品を作るニーズが高く、OEM生産(他社ブランド製品の生産)なども台頭しています。このように顧客ニーズの変化が激しい現代では、マネジメントが生産性や品質管理の面で大きな役割を果たします。生産ラインや作業内容が複雑化していることから、こまやかな品質管理が求められており、従来の生産方式にとらわれない柔軟なマネジメントが重要です。

4M変更管理とその方法

4M変更管理は製造業における重要な取り組みであり、「4M変更」「4M変化点管理」とも呼ばれます。この管理方法では、製造プロセスにおいて生じる4Mの変化点を適切に洗い出すことで、不良品の発生や流出を防ぎます。洗い出した変化点には優先順位をつけ、影響や対策を明文化しておくことが必要です。これにより、変化点の管理が効果的に行われます。ここでは、4Mの各変化点やその目的について詳しく掘り下げていきます。

「Man(人)」の変化点と方法

人の変化点にはさまざまなものがあります。具体的には担当者の変更、人員の増減、残業時間の変化、配置の変更などです。これらの変化は、製造プロセスや品質管理に直接的な影響を与えてしまう可能性があります。
担当者や人員配置の変更は珍しいことではありませんが、それにともなうリスクを最小限に抑えるためには事前の対策が必要です。たとえば、経験が浅い新人でも作業できるようなマニュアルの作成や、トレーニングプログラムの充実などが考えられます。また、チームのコミュニケーションを円滑にする取り組みも重要です。このような人の変化に対する適切な管理と対策が、品質の維持や生産性の向上につながります。

「Machine(機械)」の変化点と方法

機械の変化点には、新しい機械の導入、生産ラインのレイアウト変更、改造などが挙げられます。これらの変化は、生産性や品質に直接的な影響を及ぼす可能性があり、継続的な管理が必要です。
たとえば、製造設備は時間の経過とともに劣化し、新しい機械への変更が必要になることがあります。この場合、速やかに新しい機械に対応するためのマニュアルを作成または改定することが重要です。また、変更にともなうトレーニングや運用手順の見直しも行うことで、変化に対応する柔軟性も強化できます。生産効率の向上や品質の維持には、機械の変化点に対する継続的かつ適切な管理と対策が必要です。

「Material(材料)」の変化点と方法

材料の変化点には、仕入れ先や原材料の変更、輸送ルートや保管場所の変更などが挙げられます。これらの変化は製品の品質や特性に大きく影響を及ぼす可能性があります。たとえば仕入れ先の変更や原材料の変更は、わずかな違いでも製品の仕上がりに大きな影響を与えることがあるため、変化に対応するための対策が重要です。一例として検査項目を増やしたり、作業内容を変えたりすることで、変化によるリスクを最小限に抑えることができます。
さらに、各材料の情報を明確に管理することも重要です。具体的には、材料のロット番号や生産日、出荷先などの情報を記録しておくと、有事の際に追跡や検証がすぐに始められます。材料の変化に対する適切な管理と対策は、製品の品質を確保するために欠かせません。

「Method(方法)」の変化点と方法

方法の変化点の例としては、製造方法、操作方法、作業方法の変更などが挙げられます。これらの変更を現場の従業員が把握していないとミスによる不良品の発生や労働災害につながるおそれがあります。そのため方法の変化があった場合は、管理者から全体への周知を行うなどの対策を行い、従業員間での作業の一貫性を保つことが重要です。

また、方法の変化によって品質の低下を招かないために、品質管理ツールを活用してデータを分析するなどして、作業方法の品質を管理する必要もあります。情報の共有と適切な管理を行うことで、方法に変化があっても柔軟に対応できる体制を整えられます。

4M変更管理を実施する目的

4M変更管理の実施は、品質管理の向上に直結します。そのため、製造業においては製品の品質を維持し、不良品の発生や流出を防ぐために、定期的に変化点を管理することが必要です。ここからは、4M変更管理の目的についてより詳しく解説します。

品質を向上させ不良品の流出を防ぐため

4M変更管理を実施する目的のひとつは、製造の品質を向上させるとともに不良品の流出を防ぐことです。4Mはどの要素も品質に大きな影響を与える可能性があり、それによって不良品が発生しやすくなります。

製造業では、製造に入る前の段階でも万全の体制を整えて不良品発生の予防策を講じますが、製造工程で生じた変化点を認識できないと予防策でも防ぎきれないことがあります。そのため、製造工程における変化点を事前に予測して対策を講じるとともに、突発的な変化が発生したときのルールや対応フローを決めておきます。こうすることで、不良品の流出を防ぐことができ、不良品の流出にともなうクレームや信頼低下も未然に防ぐことが可能です。

顧客満足度を向上させるため

製品に対する顧客満足度を向上させる目的としても、4Mの変更管理が重要です。変化点を記録しておくことで、品質が安定するため、顧客満足度も高まります。また、トラブルが発生した際も4Mにおいてトレーサビリティを確保しておくことで、原因とトラブルの波及範囲を特定するとともに、リコールなどの速やかな対処が可能になります。顧客満足度を向上させるためには、品質管理を徹底し、製品の信頼性を高めることが重要です。

4Mの分析をするためのポイント

4Mの分析をするためには、いくつかの方法が確立されています。やみくもにデータを蓄積するだけでなく、特性要因図やQC工程表を用いて情報を整理したり、4M×3Hの考え方で事故が起きやすいタイミングを考慮し、対策も含めて品質管理をしたりすることも必要です。各手法と期待できる効果について詳しく解説します。

「特性要因図」で結果と要因の関係性を整理する

特性要因図は、結果(特性)と要因の関係性を整理するための手法です。特性要因図は大きく分けると、解決したい問題点、考えられる大きな要因、比較的小さな要因の3つの要素から構成されています。魚の骨のような形をしていることから「フィッシュボーン図」とも呼ばれ、問題点(背骨)に対して大骨、小骨、孫骨といったように要因を細分化していきます。
この際、大骨の部分には4Mに関わる要因を入れることが一般的です。そこから、大骨に関連する小さな要因として小骨や孫骨を入れていきます。この手法を用いることで、問題の根本原因を特定し、適切な対策を講じることが可能となります。

「QC工程表」で品質管理をチャート化する

QC(Quality Control)工程表は、品質管理をチャート化する手法です。この表は、品質管理に関する情報を整理する図であり、原材料の入荷から出荷までの工程ごとに、管理項目や管理方法を記載していきます。これにより、製造プロセス全体や管理方法、管理基準などを把握しやすくし、品質管理を効果的に行うことが可能です。また、QC工程表を基にひとつひとつの手順についての作業標準書を作成し、運用することもあります。
QC工程表は取引先に向けた製造体制の説明にも活用されることもあり、品質管理を徹底するための重要なツールのひとつとされています。

「4M×3H」で管理する

品質管理は、4M×3Hで効果的に行うことが可能です。この手法では、4Mの分析とともに3Hの考え方を踏まえて管理を行います。3Hとは、「初めて、変更、久しぶり」の3つのHを取った考え方で、作業やプロセスが初めて行われる場合や変更があった場合、そして久しぶりに行う場合を指します。これらのタイミングは、品質不良や事故が起きやすいと考えられており、特に丁寧な管理が必要な変化点です。4M分析とあわせて3Hにおけるリスクを把握し、適切な対策を講じることが重要です。

まとめ

4Mとは、Man(人)・Machine(機械)・Material(材料)・Method(方法)の4つからなるフレームワークです。4Mの変化点を適切に管理することで、不良品の流出を防ぐとともに品質や顧客満足度の向上につながります。4Mを分析する際には特性要因図やQC工程表を活用し、あわせて3H(初めて、変更、久しぶり)の考え方を踏まえて管理をすることで現場が適正かつ効率的に運用できるようになります。

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