宿泊業のデジタルシフトを推進。コロナ禍でのリモート対応もスムーズに。

  • 宿泊業
  • #1,000名以上
  • #マニュアル作成・更新の効率化
  • #業務の標準化
  • #業務浸透の徹底
ポイント
導入目的 手順書の更新・管理体制の刷新
課題 検索しにくい手順書の管理体制
効果 手順書共有体制の構築と社内のデジタル化の促進

2004年に石川県の山代温泉に「彩朝楽(さいちょうらく)」をオープン以来、西日本を中心に温泉旅館やリゾートホテルを展開し、現在30の施設を運営する湯快リゾート株式会社様。「活気ある温泉地の復活と地域貢献」をテーマに、今の時代に沿った新しいおもてなしのスタイルでさまざまなサービスを提供されています。

湯快リゾート様では、ホテルチェーンとして統一された質の高いサービスの提供を目指し、2019年10月にTeachme Bizをご導入。館内サービスや調理現場において効果的にご活用されています。

その活用方法や導入前後の変化、今後の活用ビジョンなどについて、施設運営部 ゼネラルマネジャー 川崎 俊介 様、施設運営部 推進課セクションマネージャー 須藤 考章 様、施設運営部 推進課 ホスピタリティチームリーダー 内藤 美智子 様にお話をうかがいました。

――導入の背景を教えてください。

内藤様(以下、内藤) 以前、当社では手順書の更新と管理に大きな課題を抱えていました。まず更新についてはスピード感の問題です。作成して承認を得るまでのステップが非常に長く、タイムリーに手順書を作りたい時でも長い場合には1ヵ月以上かかっていました。そのため、本来であれば四半期ごとに内容を見直すなどの体制を取るべきであるところ、新しい手順がうまく伝わらず現場に負担をかけてしまっていました。

須藤様(以下、須藤) 管理については2つの課題がありました。まずは手順書の探しにくさの問題です。ポータルサイトに保管庫を作り管理していましたが、フォルダ分けが細かくなり過ぎて必要な情報にたどり着くまでに時間がかかってしまい、結局探すのを諦めてしまう状況に陥っていました。

また、それが原因で店舗ごとに手順が独自に進化してしまうということも起きていました。当社はチェーンストアですので、本来であれば基本の手順をしっかり統一していかなければならないのですが、店ごとにバラつきが生じてしまっていました。

これらの状況を改善するために、手軽に更新できる上に、誰からもわかりやすい保管が実現できるツールを探していました。

――以前はどのように手順書を作成・共有していたのですか?

内藤 作成はExcel、保管はpdfで部門ごとに、共有フォルダーで管理。アウトプットは紙ベースが基本。紙の場合、現場内でタイムリーに新規手順の差し替えがされていないなどのデメリットがありました。

湯快リゾート株式会社 施設運営部 推進課 セクションマネージャー 須藤 考章 様

動画なら五感で手順を伝えることができる

――導入の決め手になったのはどんなところでしょうか?

川崎様(以下、川崎) 一つは閲覧履歴を確認できることです。これまでの手順書では、たとえば麻婆豆腐を作る場合、それらしく作ることはできたとしても本当にレシピを見て作ったのかどうかまで確認することはできず、手順の周知を結果でしか判断できませんでした。Teachme Bizなら、本当に手順を閲覧して調理をしているのか、その経過を見ることができるのが導入の大きな決め手の一つでした。

もう一つは、動画で手順書が作れることです。特に調理手順に関しては動画を活用するメリットが非常に大きいと考えています。活字の場合は長々と調理手順を説明する必要がありますが、動画なら数秒で理解させることができますし、目からだけでなく耳からも情報を得て、五感で手順を知ることができます。我々のような地方産業では高齢者の方を雇用するケースも少なくありませんが、視力が低下して文字を読むのに苦労される方も少なくありません。実は高齢者の従業員ほどデジタルデバイスがマッチするのではないかと考えました。

さらには、スタディストさんにお邪魔してデモ機を使って実際に手順書の作成をレクチャーしていただいた際、初めて触ったスタッフでもすぐに作ることができたこと、また我々のようなチェーン展開をしている企業の視点から言うと、大手外食企業様への導入実績があるツールだったことも後押しになりました。

――作成はどなたがされているのでしょうか?

内藤 各部門のリーダークラスのスペシャリストが監修・作成をして、部門ごとにフォルダ分けをして管理しています。業務を熟知した立場の社員が作ることで、内容が濃くクオリティの高い手順書が作られるようになってきています。

Teachme Bizの導入が社内のデジタル化につながった

――導入の効果をどのように感じていらっしゃいますか?

須藤 以前のポータルサイトで起きていたような検索の手間がなくなり、キーワードを入れれば欲しい情報にピンポイントでたどり着けるようになりました。

また、バージョンコントロールの不安も解消しました。これまでは一世代前の手順書が残ってしまっているようなことがよくありましたが、Teachme Bizなら古い情報が残ってしまうことがなく、常に最新の情報を共有できるようになりました。通知機能により新しい手順書がアップされたことをアナウンスしてくれることも、タイムリーに情報を届けるという点で助かっています。

――コロナ禍における活用という意味では何か効果はありましたか?

須藤 Go Toトラベルの複雑かつ変更の多い仕組みを運用するためのオペレーションにおいて大きな効果がありました。文字ベースでは到底無理だろうなというような説明も、パソコン画面を操作する動画などを交えつつ見せることでトラブルなく運用できました。

また清掃の部分でも、お部屋の消毒などにおいて動画を交えながら的確に手順を伝えることができました。

実際に活用されている清掃の手順書の1ステップ

――調理現場での活用についてはいかがでしょうか。

須藤 実際ホテルの現場を回っていて明らかに変わったなと感じるのは、料理長がタブレットを使って調理の内容を確認する光景が一般的になってきたこと。Teachme Bizが身近になってきていることを実感する瞬間です。

川崎 Teachme Bizを導入したことのメリットはもちろん感じているのですが、Teachme Bizを導入するためにタブレットというデジタルデバイスを手に入れたということが、実は当社にとって最も大きな変化だったと感じています。というのも、当社がTeachme Bizを導入した半年後に新型コロナウイルスの感染が拡大しはじめたんです。大変な危機感を持ちましたが、すでに各部署にタブレットが行き渡っていたことでリモートの料理説明会がすぐに開けたりするなど、違和感なくコロナ対応モードに業務をシフトすることができ、一気にデジタル化が進みました。

これはあくまで副産物的な効果ではありますが、Teachme Bizを導入していなければ、おそらく当社がタブレットを部署に置くという決断はしていなかったと思います。その点でTeachme Bizの費用対効果は非常に大きかったと感じています。

湯快リゾート株式会社 施設運営部 ゼネラルマネジャー 川崎 俊介 様

社員の意識改革にもつながる活用を目指す

――今後はどのように活用の幅を広げたいとお考えですか?

内藤 今までは施設の運営やオペレーションの手順というところに注力して手順書を整備してきましたが、そこからさらに範囲を広げ、人事書類の報告手順など本社管理側にも周知を進めていきたいと思っています。

須藤 動画を活用できることに大きな効果を感じていますので、テレビクッキングのような形でダイジェスト的に調理手順が見られるようなコンテンツ作りも考えています。

QRコードを取り入れた活用の促進もしていきたいですね。たとえばボイラーの故障など緊急性が求められる対応をする場合、ボイラーのどこかに修理手順書にアクセスできるQRコードを貼っておいて、その場で手順が見られるとか、そういったことができれば活用の可能性はさらに広がると考えています。

さらに、これはすでに準備を進めているものですが、館内各所の備品の位置などを示す統一の手順書も現在作成中です。たとえばカラオケコーナーにある備品はどこにどのように置けばよいのか、などといったことを手順書にまとめます。清掃においても、お部屋の掃除の仕方やシーツのかけ方などを統一化し、手順書にまとめているところです。

川崎 社内研修にも活用していきたいですね。Teachme Bizの場合、編集できる動画が最長10分までなので、その制約をうまく利用して、10分ずつの講習を単行本のように切り分けて提供すれば学習意欲が増すのではないかと考えています。また研修する側においても、現状は講師のレベルにバラつきがあるので、優秀な講師の研修を動画化することで講師レベルの底上げや平準化を図ることも考えています。

各館にタブレットがあることを考えれば、いずれは施設ごとの優秀なパートさん、アルバイトさんに手順書を作成してもらうことも考えたいです。優れた手順書を作った人は社長賞がもらえるなど、スタッフに還元できる仕組みを整えながら活用できれば、生産性の向上に寄与したいと考えるスタッフが増えるなど社員の意識改革にもつなげられるのではないかと思います。

会社概要
会社名 湯快リゾート株式会社
URL https://yukai-r.jp/
所在地 京都府京都市下京区五条通河原町西入本覚寺前町830
事業内容 温泉旅館・リゾートホテル展開

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