半導体検査工程で使われる重要部品を生産するヨコオエレクトロニクスベトナム。2020年以降の半導体需要急増に対応するため、急速な増産体制の構築が求められる中、新人教育の効率化という大きな課題に直面していました。その解決策として導入したのが「Teachme Biz」。General Directorの山村様、品質管理部門マネージャーのハイ様、生産管理スーパーバイザーのフエン様に、導入の背景と現場で起きた変化について伺いました。
日本語→ベトナム語、膨大な翻訳コストが生んだ課題
――導入前、どのような課題があったのでしょうか。
山村様(以下、敬称略): ヨコオエレクトロニクスベトナムでは、半導体メーカーの検査工程で使われる重要な部品を生産しています。2020年のコロナ禍以降、半導体の需要が世界的に急増しました。当時私は日本にいたのですが、日本のキャパシティだけでは到底対応できず、マレーシア拠点に続く第三の柱として、ベトナム進出を決断しました。
ベトナム人の国民性、手先の器用さや真面目さは日本での雇用経験で理解していたため、彼らの能力なら高品質なものづくりができると確信していました。立ち上げ時には、日本で働いていたベトナム人スタッフに声をかけ、8名が志願してくれました。彼らが現地のリーダーとして非常に良い働きをしてくれています。
生産体制を整えていく中で、作業手順書の整備は重要な課題でした。ただ、日本でもそうでしたが、ISO等のために「手順書を作ること」が目的になってしまいがちです。せっかく作成しても、現場で必要な時にすぐに見つからないという課題がありました。また、文字中心の手順書では理解するのに時間がかかっていました。
――ベトナム特有の課題もあったのでしょうか。
山村: はい。日本語からベトナム語への翻訳コストが膨大でした。せっかく多大な労力をかけるなら、現場で「活きる手順書」にしたいと考えていました。誰でもすぐに見つけられて、誰でも一目で理解できる。そうしたツールを探していたところ、それを実現できたのがTeachme Bizでした。

General Director, 山村様
品質管理部門が紙を完全廃止、教育時間30%削減を実現
――品質管理部門ではどのように活用されているのですか
ハイ様(以下、敬称略): 私の部門には現在15名のメンバーが在籍しています。Teachme Bizを、主に3つの場面で活用しています。第一に「新人教育」、次に実際の作業中に手順を間違えたり忘れたりした際の「再確認用」、そして定期的なトレーニングによるスキルの定着」の3つの場面で活用しています。
――具体的にどのような効果がありましたか。
ハイ: まず1点目は、紙の手順書を完全に廃止できたことです。これによって現場の作業スペースが非常にスッキリと整理されました。以前は紙の資料が作業台に散乱していましたが、それが一切なくなったことで、作業環境が劇的に改善されました。
2点目は利便性の向上です。どこからでも最新の手順にアクセスできるようになりました。紙を使っていた時は、必要な手順書を探すだけで時間がかかっていましたし、更新されたかどうかも分かりにくかったのですが、今では誰でもすぐに最新情報を確認できます。
そして3点目が、教育時間の短縮で、約30%の削減に成功しました。動画の活用により作業手順が非常に「視覚的」になったことで、複雑な工程のトレーニングでもスタッフの理解が格段に速まりました。

品質管理部門マネージャー, ハイ様
1.5ヶ月の教育期間を30%短縮、修正わずか5分のスピード感
――生産管理の現場ではどうですか?
フエン様(以下、敬称略): 私のチームには現在90名のメンバーがいます。かつては、新人一人が作業を覚えるのに約1.5ヶ月かかっていました。私たちの作業は非常に細かく、一つひとつを確実に理解し、実践できるようになってもらう必要があるからです。当時は先輩が付きっきりで教えるスタイルでしたが、それでも新人が作業中にわからなくなると、その都度先輩を呼んで確認しなければならず、指導する側もされる側も多くの時間を費やしていました。
ところがちょうどその時、工場が安定稼働に入ったことで日本側から増産要請があり、採用人数が急激に増え、従来通りの教育方法では時間が足りなくなってしまいました。教育時間の短縮は、会社として大きな課題となっていたのです。
以前も自作の短い動画を見せる工夫はしていたのですが、不十分でした。動画を見せつつも紙の手順書が残っていたため、現場が混乱しやすかったのです。直感的な理解が難しかったその状況を変えるために、Teachme Bizを私の部門でも活用し始めました。

生産管理スーパーバイザー, フエン様
――活用を始めてから、どのような変化がありましたか。
フエン: 導入後は、新人のオンボーディングの時間を30%強削減できました。これは、新人だけではなく、トレーナー側の時間も30%削減できたので、双方にメリットがありました。
最初は操作に慣れる時間も必要でしたが、いざ使ってみると手順の修正が非常に簡単だとわかりました。修正から公開までわずか5分で、すぐに最新情報が現場に行き渡ります。このスピード感は、以前の紙の運用では考えられなかったことです。
現場スタッフからも、視覚的で分かりやすいと非常に好評です。そのおかげで、実際の作業への移行がスムーズになりました。今後は作業手順だけでなく、良品・不良品の判定基準などもTeachme Bizで作成していきたいと考えています。

Teachme Bizを使っている様子
日本・マレーシア・ベトナム3拠点、工場の「業務基盤」として進化する未来
――今後の展望を教えてください。
山村: 現在では生産現場だけでなく、PCの操作手順や事務の引き継ぎにも活用しています。食堂の利用ルールといった日常的な案内にも有効だと感じています。
興味深いのが、部署間で手順書の「お披露目会」のようなものが自然と始まったことです。「あの部署が取り組んでいるなら、うちも取り入れよう」という良い連鎖が起きています。私が指示するのではなく、現場から自発的に改善が広がっているのが非常に嬉しいですね。
理想は、国を超えた情報の共有です。日本、マレーシア、ベトナム。同じ工程であれば、一つの手順書をベースに各言語へ展開し、グループ全体で同期したいと考えています。言語の壁を超えて「正しい作業」が瞬時に伝わる環境を構築していきたいですね。
Teachme Bizは、もはや当社の工場の「業務基盤」のように深く浸透しています。現場の隅々まで入り込んでいるため、これを取り除くことはもう考えられません。工場を安定運営していく上で、なくてはならない存在になっています。
※掲載している内容、所属や役職は取材を実施した2026年2月当時のものです。
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https://biz.teachme.jp/casestudy/yokowo-electronics/ (事例動画あり)
