1,100を超える国内大手法人に導入されている人事・給与システム「COMPANY」を開発する株式会社Works Human Intelligenceの関連会社で、BPOサービスベンダーの株式会社ワークスビジネスサービス様。取引先企業の多種多様な業務内容に柔軟に対応したオーダーメイド型のBPOサービスを提供し、成長を続けています。
ワークスビジネスサービス様では、約200名の従業員が40ほどの運用チームに分かれて各取引先企業のサポートに従事されていますが、これまではチームごとに手順書のフォーマットや運用方法がバラバラで、その標準化が大きな課題となっていたと言います。そこで、手順書の標準化と共に、手順書を作ることが当たり前の企業文化を作ることを目標にTeachme Bizを導入されました。
その導入の経緯や運用方法、成果について、株式会社ワークスビジネスサービス BPO Div. CEO Office Dept./BPO Div. BPO営業 Dept (Dept長) 堀口健二様、BPO Div. 運用 Dept. BPR Grp. (Manager) 中山寿二様、BPO Div. 運用 Dept. BPR Grp. 標準化Team 細谷栞様にお話をうかがいました。
手順書作成の属人化を解消すべく、品質統一のしやすさで選択
―――Teachme Bizを知ったきっかけは何でしたか?
中山様(以下、中山) 弊社は各企業様のニーズに合わせてカスタマイズしたオーダーメイドのBPOサービスを展開しており、手順書も企業様ごとに存在しています。しかしながら、手順書の作成やメンテナンスは各チーム任せにしており、手順書の維持管理という部分で定期的なチェックを行っておりませんでした。そのために手順書の更新が遅れてしまったり、紙ベースで打ち出したものに赤ペンで修正した手順書を自分のデスクで保管しているというケースもありました。
そこで、2年ほど前に全チームの手順書の棚卸しをしました。その結果、従来の手順書のあり方で品質や保管方法の統一を図っては人的リソースやコストがかかりすぎるという結論となり、WEB手順書への移行を検討する中でTeachme Bizを知りました。
―――導入の決め手はどんなところでしたか?
中山 重視したポイントは、品質の統一ができるかどうかと、保管のしやすさ、使いやすさです。当時すでにかなりの数のWEB手順書サービスが存在していて、検討段階では10製品ほど比較したのですが、今お話ししたポイントを他社のツールと比較しつつ、操作性、網羅性、価格、他社実績などを考慮して決定しました。
堀口様(以下、堀口) 手順書は何のために作るかというと、当社の場合は品質の向上が一番の目的です。そこで怖いのは手順の漏れや抜けですが、Teachme Bizの場合は1ページごとに「これをやった」「次はこれ」とステップを踏みながら手順を知ることができる構造になっている。そうした作りも決め手になったと思います。
専任の人員を配して手順書作成の実績を積み上げ
―――導入にあたってはどのような取り組みをされましたか?
細谷 200名近く社員がいると、やはり導入への温度差もありますので、Teachme Bizを使って手順書を作ることが当たり前だよということを広めるためには実績が必要だと考えました。そこで、一つのチームに対して専任の人員を1名追加配置して一気に手順書を作り切り、「短期間でこんなにたくさんの手順書が整備されたよ」という事例を作ることにしました。専任の一人がチームのインフルエンサー的なリーダー社員を巻き込み実績を作って、その事例をまた別のチームで繰り返し、横展開していくようなイメージです。
そうすると、その実績を見た別のチームのリーダーから「自分たちもやりたい」とオファーが届き、実績がさらに広まるようになりました。
―――導入の過程で苦労された点はありますか?
中山 一番難しいのは、既存の手順書がすでにたくさん存在するチームへの浸透です。
チームの中でOffice系のソフトで作成した手順書が完成していた場合は新しいツールの導入によってその資産を一度捨てなくてはいけないわけですから、当然心理的抵抗は高く、「このままでいい。なぜ変えなきゃいけないのか」という考え方があって当然です。それに対して、将来的にはこの方が必ず良くなるということをきちんと示していくことが必要でしたし、これからも続けていかなければいけないことだと思っています。
2時間の手順書作成時間が30~40分に短縮
―――実際に手順書を作成される中での効果はどのように感じていらっしゃいますか?
中山 最終的なトライアルの段階でTeachme Bizともう1社の製品を比較し、それぞれで実際に手順書を作成してみたのですが、Teachme Bizを使ってみると、Office系のソフトで作ったそれまでの手順書に比べて大きく時間を削減することができました。
細谷 弊社の手順書の作成では、個人情報が含まれるキャプチャにモザイクをかける作業が多いのですが、Office系のソフトにはモザイクをかける機能がないために一つひとつに黒塗りの枠を作る必要があり、それが大きな時間を要する原因でもありました。それをツール上で簡単にできるようになったことが時間の削減につながったのかなと思います。具体的に言えば、1時間かかっていた画像編集作業が20分に減りましたし、手順書全体の作成時間で見ても、2時間かけて作っていた手順書が約30%の30~40分程度の時間で作れるようになりました。
堀口 汎用性の高いソフトは確かに便利ではありますが、そのぶん手順書には関係のない調整が必要になることもあります。しかし、手順書作成に特化したツールであれば作成者が作業に集中でき、作成に迷う時間を減らすことができるという利点もあると思います。
年末調整で毎年引き出しの奥から手順書を引き出すような手間がなくなった
―――どのようなシーンで実際に活用されていますでしょうか?
中山 メインはBPOの運用業務においてです。お給料の計算というとボタン一つでできるように思われがちなのですが、1,000名以上在籍するような大きい会社様には給与計算のためだけのチームが存在しますし、固定給はもちろん、残業代、各種福利厚生、入退社の対応など、月次のルーティンワークにも非常に高度な技術が求められます。なおかつ、そこに多くの法律が関係し、多岐にわたった知識を必要とします。その高度なルーティンワークを我々が受託し、より高精度に、かつリーズナブルなサービスをご提供させていただく。それが我々の業務であり、その中でTeachme Bizを使い手順を明確化しているということです。
特に効果があると思われるのは年末調整です。みなさんもそうだと思いますが、人事部にとっても年末調整は年に一度しかない作業であり、正直やるべきことを忘れてしまう。その時に手順書があると大変助かるわけです。しかも、普段使う手順書と同じフォーマットで、同じ場所にある。そうでなければ、毎年毎年引き出しの一番奥から手順書を取り出すようなことになってしまいますから、非常に業務がしやすくなったと思います。
―――教育面においても活用されているそうですね。
細谷 はい。引き継ぎ資料や新しく入ってきた方の教育資料にも活用しています。WEB上でも引き継ぎができるようになりましたし、それをビジネスプロセスマネジメントのツールと組み合わせることによって、引き継ぎの作業自体が約50%削減できたという数値も出ています。
「作る」「使う」の意識定着をBPOサービスの品質向上につなげたい
―――よく活用されている機能についても教えてください。
細谷 間違った情報が書かれていないかなど手順書の質の担保を図るため、承認ワークフロー機能をチーム毎のフォルダに設定し、公開にはチームリーダーの承認が必要なように設定しています。
また、クリップボード機能を活用し、手順書の表紙や、文字だけのページを作りたい時のイメージ画像などをテンプレートのような形で保存して、ビジュアルの統一を図っています。
運用に入ってからも、1~2ヵ月経過した後にアカウント発行者全員のログイン履歴を調査し、活用が進んでいないチームには個別に声がけして手順書作成を進めていくようお願いをしました。また、各チームのフォルダの手順書を1ヵ月に一度ずつサンプリングチェックし、社内で定めた作成ルールに則った手順書が作られているかを確認しています。
―――最後にあらためて、導入の効果や期待していることについてお聞かせください。
中山 導入から3ヵ月ほどで670ほどの手順書を公開できましたので、順調に定着を進めることはできているのだろうと思います。これからも、Teachme Bizで作る、Teachme Bizを使うという意識がより定着し、それがオペレーションミスやトラブルの防止につながって、BPOサービスの品質向上という大きな目標を実現できればと思っています。