60余年に渡り日タイの架け橋として発展
―― タイにおける事業概要を教えてください
Mr. Nakagawa:1957年に豊田通商グループ初の海外拠点としてタイに進出し、自動車や金属、化学、食品、物流など幅広い分野を取り扱う総合商社です。タイでのビジネスも60年を超え、現在は約80のグループ会社(総社員8000人)を抱えるまでに成長しました。主な事業は金属、グローバル部品・ロジスティクス、自動車、機械加工、化学品・エレクトロニクス、そしてフード&カスタマーサービスの6つです。
Teachme Biz で業務標準化と脱・属人化、そしてDX化加速へ
―― Teachme Biz 導入の背景をお伺いできますか?
Mr. Nakagawa:創業から現在まで、時代に合わせてさまざまな変化を遂げてきた弊社ですが、社内業務は以前からの慣習がそのまま残ってきた場面が見受けられ、業務の属人化という課題に直面していました。また人の入れ替わりも激しく、前任者ごとで引き継ぎ内容に差異があるなど業務の広がりが見えない状況に陥っていました。
K.Som:その一方で、弊社では以前から“学習する組織”を目指し、個人のノウハウを会社の財産として蓄積できるソリューションを検討してきました。その一つとして業務手順書の作成に取り組んできましたが、数を重ねるごとにその作業時間と労力が非効率的だと感じるようになっていました。
Mr. Nakagawa:加えて、近年は会社全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)化に注力しているのですが、普及の鍵になると考えていたのはDX化に対する複雑で難しいという先入観をいかに払拭するかでした。新しいツールに対して「自分の業務で試してみたい」と前向きに捉えてもらうためにも、ユーザーフレンドリーで手軽なツールが必要だと。そんな時にTeachme Biz の機能を知り、前述の課題改善に加えてDX化にも最適だと感じ、導入を決めました。
文字ベースからビジュアルベースへ移行し、問い合わせ8割削減
―― 以前の手順書はどのように作成されていたのでしょう?
K.Som:私は人事部で社員の評価制度を担当しているのですが、年3〜4回の評価時期に向けて毎回必要なデータなどを準備する必要があります。しかしながら、その作業は人事に関わる情報整理の他に、各社員がその評価システムを使用するための手順書の作成も含まれます。システム画面をスクリーンショットし、その画像をパワーポイントに貼り付け、説明文を加える。簡易的なフォーマットはあるものの、画像や文章が増えればそのバランスが崩れるため、細かい調整を繰り返す。そうして苦労して作った手順書を共有しても、全体の2割ほどしか見ていない。最終的には人事部へ直接問い合わせが来るなど、手間も人件費もかけているのに実際の成果に繋がっていないと感じていました。
Teachme Biz を導入したことにより、この問い合わせ件数が8割も削減できたことはとても嬉しい効果でした。画像を添えて「見える化」したことにより、手順が複雑な評価システムに対する各々の理解度も高まった他、人事部では昇進や異動、退職といった場合に対応するためのマニュアルとしても大いに活用しています。高頻度で起こる問い合わせに備えて、あらかじめマニュアルを作成・共有することで、より効率的でスムーズな業務体制へと繋げることができました。
―― 人事労務管理の一つ、昇進管理の場面での活用例も教えていただけますか?
K.Som:当然ながら、昇進が決まった人がいればその業務を引き継ぐ人もいます。その際には後任者が理解でき、なおかつ業務クオリティを下げずに遂行できる業務マニュアルが欠かせません。これまでも昇進候補が決まると、当人が作成した自身の業務マニュアルを人事部に提出し、昇進の可否を最終評価してきましたが、業務マニュアルを作ったことがない人は、その作業に長時間を費やしてしまう場合が少なくありませんでした。また、その完成度にも差異がある場合もありました。そういった非効率な作業時間や差異を解消するために、未経験者でも簡単に作れるようにTeachme Bizを活用しています。作成しやすいのはもちろん、視覚的に情報が理解できるTeachme Biz は業務クオリティを維持できるツールとして 最適だと感じます。マニュアル内には、業務をマニュアル化する理由、具体的な業務手順に加えて、「よくある問い合わせ・問題点」も明記するようにしました。こうした前任者の経験を含めることで、後任者に起こり得るトラブルを事前に回避でき、さらには新たな気づきや防止策の発見にも役立っています。
「マニュアル作成者・利用者どちらの立場からでも使いやすい」
―― Teachme Biz を実際に使用した感想はいかがでしょう?
K.Som:Teachme Bizは、画像や動画を簡単に挿入できるフォーマットが設けられているため、マニュアル作成時も必要なデータを挿入するだけ。初めて使う人でも説明を聞くだけで難なく操作することができ、実際に使用した社員は口を揃えて「他のサービスと比べて簡単で使いやすい」と話しています。また利用する(閲覧する)側としても、ビジュアルベースで情報を捉えられるので社員の理解度向上・業務の均一化に繋がり、さらに習得スピードも早くなるなどいいこと尽くしです。
特に、Centralized Managementと人事部ではもっとも高い頻度で活用されています。一例ですが、Centralized Managementでは全社員の業務効率化、問い合わせ対応の削減を目指し、社内ツールや工具、設備の使い方や就業規則など日常的に必要な情報はすべてTeachme Biz で共有・確認できる体制にシフトしています。
コロナ禍のコミュニケーションツールとしても活用!
―― コロナ禍でTeachme Biz の新たな活用場面はありましたか?
K.Som:Teachme Biz 導入当初の大きな目的は ①個人のノウハウを一元化し、会社の財産にすること ② 社員の業務品質の標準化 ③引き継ぎ体制の確立でしたが、当時は想定していなかった効果も実感しています。新型コロナウイルスの影響により直接的なコミュニケーションがとれなくなった際にも、Teachme Biz が役に立っています。例えば、動画を通して社長から全社員へメッセージを伝える時にも、Teachme Biz を使うことでタイムロスなく共有できますし、後から確認することもできるなど新たなコミュニケーションツールとしても重宝しています。
―― 今後の活用プランを教えてください
K.Som:現在は人事、IT、Centralized Management、Safety、Corporate Planingでの使用に限られていますが、将来的には他部門にも拡大していく予定です。最近では、取引先や顧客といった社外コミュニケーションの向上などを目的に、フード&カスタマーサービス部門からTeachme Biz 導入を希望する声がありました。各部署でその効果が現れているからこそ、自ずと活用の場が広がっていくのではないでしょうか。