小さなミスも許されないからこそ使いやすいマニュアルを
1885年の創業以来、技術革新や創意工夫を重ねてより豊かな暮らしと環境に優しい社会を志しながら都市ガスを供給し続けてきた、東京ガスグループ様。近年では、都市ガス・電力を含めたエネルギーソリューションを関東圏に限らず、国内および海外に提供しています。
「脱炭素化」、「デジタル化」、「お客さまの価値観の多様化」、「エネルギー自由化」など、現在のエネルギー業界を取り巻く事業環境は大きな変革の時期を迎えました。そこで「3つの挑戦」[(1)CO2ネット・ゼロをリード、(2)価値共創のエコシステム構築、(3)LNGバリューチェーンの変革]を掲げ、2019年に東京ガスグループ経営ビジョン「Compass2030」を策定されました。
このビジョン実現のため、LNG基地や火力発電所等を管理するエネルギー生産本部では、「コスト削減・オペレーション&メンテナンス効率化/高度化を徹底的に追求」を目指す業務スタイルとし、DX化に取り組んでいます。取り組みの一環としてTeachme Bizを導入された、東京ガス株式会社 エネルギートレーディングカンパニー エネルギー生産本部 エネルギー生産部 生産技術イノベーショングループマネージャー 荒屋 真人 様、同グループ 田中 興大 様、エネルギー生産本部 袖ケ浦LNG基地 飯塚 亮太 様に、どのように活用されているのかお話を伺いました。
東京ガス株式会社 エネルギートレーディングカンパニー エネルギー生産本部
エネルギー生産部 生産技術イノベーショングループマネージャー 荒屋 真人 様
―――導入の背景を教えてください。
導入前はマニュアルの多くがOffice系ソフトで作成されていたのですが、文章が中心で作成者によるところが大きく、新人や異動者が初見で読むには理解しづらいと感じることがありました。また、作成や更新、撮影した写真1枚を移動するのにも手間がかかります。保管場所もバラバラで探すのに時間がかかり、他グループや基地のものとなると尚更でした。そんなマニュアルの分かりづらさ・作りづらさ・探しづらさという課題を解決すべく、若手社員が発起人となり業務やニーズ、本格導入前に実施したPoCの結果を整理して関係各所を説得し、本社エネルギー生産部と4つのLNG基地で構成するエネルギー生産本部への導入に至りました。
―――導入の決め手はどんなところでしたか?
エネルギー生産本部では安心・安全・信頼の維持のもと、都市ガスを供給しつづける重要拠点として、操業への影響にかかわらず、作業すべてで些細なミスも起こさないという意識で業務に臨んでいます。そのため、マニュアルは分かりやすいものでなければなりません。
Teachme Bizなら写真・動画が中心となるマニュアルを作成できるため、分かりやすく、ミスの防止や理解スピードの加速に大きく寄与してくれると感じました。一度使ってみると使いやすさも実感できるので、今は定着に向かってプロセスが進んでいます。
東京ガス株式会社 エネルギートレーディングカンパニー エネルギー生産本部
エネルギー生産部 生産技術イノベーショングループ 田中 興大 様
作業代行やアドバイスも頼れるプロフェッショナルサービス
―――社内浸透においてはどんな工夫をされましたか?
導入から6ヶ月間を重点作成期間と定め、半ば強制的に必要なマニュアルをリストアップし、2週間に1度の定例会議で各基地の達成率を共有しました。まずは、自主的な活用の土壌づくりに取り組んだものです。
また、プロフェッショナルサービスを利用して運用ルール・体制の整備や初心者向けの使い方講座など、導入にあたって必要な作業の代行やアプローチ方法の助言などを実施していただきました。定例会議にも出席していただいて適度なプレッシャーを感じながら推進できたのも良かったと思います。
Teachme Bizはボトムアップで導入が実現したツールで、若手主体で浸透するように考え取り組んできました。今となっては、管理者が介入しなくても自発的に進行している状況です。若手社員自身が知りたかったことを簡単にマニュアルへ反映でき、予想していた以上の浸透につながっていったのだと思います。
東京ガス株式会社 エネルギートレーディングカンパニー エネルギー生産本部
袖ケ浦LNG基地 飯塚 亮太 様
―――具体的な活用方法について教えてください。
グループに1~3名ずつ推進者を配置し、アカウントを共用してパソコンやスマホ、タブレットを使いながら作成し、本部約500名全員で利用しています。現在(2022年10月)、830あるマニュアルは事務系・システム系・現場作業系がほぼ同率になっています。ガス製造の操業と密接に関わる重要な作業は、内容の変更頻度が低いこともあり従来通りOffice系ソフトで作成したものを使用していますが、デジタル化による業務改善の結果として変更される作業との親和性が高い印象です。
教育分野のほか、ビジュアル(映像による音・動き)を活用できる分野や、特定の人しか持たないノウハウ、定期作業・非定常作業などの中でマニュアルが不整備だったもの、導入による効果が期待できるものを優先的にマニュアル化しました。そのあと、既存マニュアルの一部も情報を充実させながらTeachme Bizに移行しています。
東京ガスにおける実際のマニュアル
操作性の高いTeachme BizがDXを推し進める基盤に
―――導入の効果はどのようにお感じでしょうか?
マニュアル作成をスマホひとつで完結するのが大きなメリットです。動画から画像を切り出して使うこともでき、分かりやすいようにビジュアルで示せます。おかげさまで、新人・異動者にかける教育や準備の時間短縮になるだけでなく、多くの手順の取りまとめや引き継ぎが必要なDXを推進する基盤のひとつになりつつあります。また、導入前は電子ファイルと印刷した紙媒体のマニュアルがある状態だったので、印刷代などのコストカットにもなりました。
また、Teachme Bizはマニュアルに特化してクラウド上で一元管理されるので、探す手間を省けます。マニュアルに関して寄せられていた問い合わせが減少した例や、プログラミングに精通した社員が計算テクニックを手順化したところ、別拠点が有効活用して作業時間の削減になった例があり、他グループや他基地のマニュアルの見える化による業務効率化につながりました。
―――今後はどのような活用の計画をお考えですか?
袖ケ浦LNG基地ではマニュアルコンテストを実施予定です。現在、マニュアルを新規作成あるいはブラッシュアップするエントリー期間中で、これらはTeachme Bizのさらなる定着や新たな発見を促す目的があります。こうした取り組みや、Teachme Bizに今後も追加されていく機能を通じて、活用シーンが一層増えると期待しています。