テレワーク環境でも社員研修の質や育成効率は落とせない
ビジュアルSOPマネジメントプラットフォーム「Teachme Biz」の開発・販売を行っているスタディストでは、Teachme Bizを自社でも活用しています。なかでも、事業の成長に伴って毎月数名が入社する当社で新入社員研修を一手に引き受ける人事部では、いかにスピーディーに採用した人材を教育・育成し、即戦力として現場に送り出すかが求められます。
弊社は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、世の中の動きに先駆けて全社員テレワークにシフトしたため、これまで集合研修を実施していた入社時の研修を、オンライン研修に切り替えることになり、教育担当は大きな不安を抱えていました。そのような状況でどのように研修を実施し、集合研修以上の効果を得ることができたのか。その秘策を探るべく、同部の部長である坂野亜希子にインタビューを実施しました。
コロナを機に集合研修からオンライン研修へシフト
弊社では毎月のように数名の社員が入社します。新メンバーが配属部署で即戦力として活躍できるよう、私の部署で、会社やサービスの理解を深めるための新入社員研修を担っています。
Teachme Bizを提供する弊社では、自社サービス以外にも様々なクラウドサービスを導入し、いつでもテレワークができる環境が整っています。そのため、新型コロナウイルスの感染拡大を受けていち早く全社テレワークに切り替えることができました。しかし、新入社員研修はこれまで全て対面式で行ってきたため、完全にオンラインで新入社員研修を行った例がなく、集合研修と同じようにオンライン形式で新人教育ができるのか、集合研修と比べて質や習熟度が落ちてしまうのではないかと懸念していました。とはいえ、集合研修を実施するわけにいかず、Teachme Bizを使ったオンライン新入社員研修がスタートしました。
―――どのような方法で研修を行っていますか?
弊社の新入社員研修にはTeachme Bizを活用しています。例えば、業務で使用するツールの使い方、サービスの機能説明、営業メンバーの商談の進め方に至るまで、あらゆるものをTeachme Bizで手順書化しています。数ある手順書の中から、習得してほしい手順書を選定してスプレッドシートで一覧化し、研修の学習教材として使用し、講師がメンバーに解説するという方法で新人教育を行ってきました。
紙の資料を使って研修を行うのに比べれば、動画や画像によって理解も深まり、保管性も高く、印刷の手間を省けるのはTeachme Bizのメリットです。ただ、社員ごとに研修のカリキュラムを組む作業は、毎月新入社員を受け入れる教育担当にとっては、工数がかかるものでした。
しかし、2020年2月に「トレーニング機能」β版がリリースされたことで、Teachme Bizで作成した手順書を選んで、簡単にトレーニングのコースを組み立てることができるようになったことで、教育担当の負担が大幅に軽減しました。
トレーニング機能なら反転学習ができるから、知識の定着が加速
―――テレワーク環境下でどのように新入社員研修を実施していますか?
トレーニング機能のリリース直後に、弊社は全社テレワークに切り替わり、翌月3月に入社するメンバーの研修は全てオンラインで行うことになりました。
研修は基本的にウェブ会議システム「Zoom」とTeachme Bizを使用して行います。研修時には、教育担当がメンバーの配属先、担当業務などの属性に合わせて、Teachme Bizのトレーニング機能で受講してほしい順にコースを組み立てます。研修を受けるメンバーは、配信されたトレーニングコースを確認することができます。
入社間もないことから緊張し、加えて集合研修と比較するとコミュニケーションの取りづらいオンライン環境、ましてや初対面ですからメンバーの不安は大きいです。しかし、研修の全体感を事前に把握できて、研修期間でどんなことに取り組むのか分かっていれば、その不安は半減します。また、研修に先立って配信しておくことで事前学習に取り組んでいただけるので、講義についての説明も省くことができ、学習効率が飛躍的に高まります。
例えば、これまで集合研修で2時間かけてレクチャーしていた講座が、トレーニング機能を活用することで事前学習が徹底されて、講義時間が30分に短縮されました。また、講義の内容が不明点の解説中心になることで、研修内容の習熟度が上がったのは、教育担当にとってもメンバーにとっても大きな効果と言えます。
Teachme Bizがオンライン研修の価値を最大化
―――新人教育や新入社員研修におけるTeachme Bizの導入効果は?
Teachme Bizを使う利点は、更新の手軽さにあります。今回の新型コロナウイルス拡大を受けて、入社直前にテレワークに切り替わり、経営方針の見直しもあって、予定していた研修内容から大きく変更が必要になる部分もありました。しかし、研修の直前までコースを変更したり修正したり、追加できるのはクラウドサービスならではです。また、Teachme Bizを研修の学習教材として使用すれば、講義中であっても研修メンバーの質問や指摘を受けて、その場で講義用の手順書を適宜改善することができます。常に、最新かつ最良の学習教材にアップデートしながら使用できるのは本当に便利ですね。
また、Teachme Bizなら学習の進捗状況をリアルタイムで把握できます。研修のメンバーが多いときでも、それぞれの進捗に応じたコミュニケーションが可能になります。またTeachme Bizであれば、学習が進んでない人を把握できますから、声がけによるフォローを行いメンバー全員をオンボーディングまでしっかりと見守ることができます。
テレワーク環境になって、標準作業手順が定まっていることや、業務手順書が整備されていることの重要性を痛感しています。各種ツール類や申請方法などのマニュアルはもちろんですが、緊急対応に関する定めや、テレワーク時のルールや手順書などをクラウド上で一元管理できていなければ、決定からわずか1日で全社テレワークに移行することは難しかったと思います。
わかりやすい手順書を手軽に作れて、瞬時に共有できるTeachme Bizは、今回の緊急事態宣言のような急激な環境変化に応じて「はじめて」作業を行う必要がある場合や急な「変更」がある作業や「変化」する業務をスピーディかつ正確に組織に浸透させることに、その役割を存分に発揮してくれます。また、新人社員だけでなく、「久しぶり」に作業を行う社員にとっても有効で、ビジュアルベースのわかりやすい手順書は強い味方になってくれました。
集合研修からオンライン研修に。今こそ新人教育変革
―――教育担当として取り組むべきことは?
新入社員を迎える時期に世の中がこのような状況に陥り、新入社員研修を延期したり中止したりする企業が相次いでいます。しかし、社員に学ぶ機会を提供することは企業の大切な役割です。それによって社員が定着し、ひいては企業成長へと繋がっていきます。
私たち教育担当は、今まさに人材育成や社員教育の方法を考える分岐点に立っていて、これまでの研修の在り方を見直すことで、より効率的で効果的な研修に生まれ変わるチャンスだと捉えています。
オンライン研修であれば集合研修にかかる交通費もかかりません。Teachme Bizの場合は、資料配布コストもかからないため、研修費用の大幅削減が実現するかもしれません。
弊社のお客様の中には、200名を超える新入社員の研修を急遽オンラインに切り替え、Web会議システム「Zoom」を使用して実施されたお客様もいらっしゃいます。その際に、これまで手順書ツールとして使用していたTeachme Bizが研修の学習教材として役立ったと喜びの声をいただきました。セキュリティ上、ICT活用が困難な組織においても、新人教育変革は進んでいます。従来のやり方にとらわれず、より良い方法を取り入れていきたいものです。
不況や危機に負けない強固な企業基盤づくりには、人材育成は欠かせません。どんな状況にあろうとも社員の成長に向けた教育環境を整備しておくことは、教育担当の大切な責務であること考えています。