人々の生活が豊かなものになるよう環境に配慮しながら、食を通じて社会への貢献をめざす、株式会社すかいらーくホールディングス様。ガストをはじめとしたレストランを多店舗展開するファミリーダイニング事業や、むさしの森珈琲のような外食ならではの豊かさの体験・価値を提供するカジュアルダイニング事業を展開しています。
全国約3,000店舗のQSC(※)を検証し顧客体験を高めるとともに、学生やシニア、近年積極的に採用している外国人スタッフなど、多様な人材が活躍できる環境を整備するためDXに取り組まれています。
※Q(クオリティ)S(サービス)C(クレンリネス)の略称
その一環として2017年にガストでTeachme Bizを導入。以降ブランドごとに順次活用範囲を拡大し、現在は全ブランドで活用されています。すかいらーくグループにおける導入に至った経緯や効果、活用方法について、株式会社すかいらーくホールディングス マーケティング本部 フィールドDXグループ フィールドチーム リーダー 山本 敦史 様にお話をうかがいました。
目指すのは働きやすい環境づくり・お客様満足度の向上。マニュアルは”辞書”のような人材育成の要になる存在
―――マニュアルの改善に取り組まれた背景を教えてください。
当社はデジタルメニューブック(セルフオーダー端末)や配膳ロボットの導入など、グループ全体として業務変革と働きやすい環境づくりを目的に、スピード感と柔軟性をもってデジタル化を推進してきました。DXにより店舗運営を効率化し、スタッフが付加価値を生むサービス提供との両輪で、お客様の満足度向上に取り組んでいます。
満足度の向上に必須なことは、スタッフの教育。DX推進とあわせて強化をしており、店舗に設置するデジタル端末やトレーニングツール、オンライン研修など、学べる環境の整備に着手しました。そのなかでも、多店舗展開している当社において重要となるのは、知りたいことを調べられる、まるで“辞書”のようなマニュアルの存在です。文字を中心に構成された既存のマニュアルは調理の手順やコツなどが伝わりづらかったため、イラストや画像などを使って視覚的にもっとわかりやすくする取り組みをスタートしました。
―――マニュアルの改善にあたってTeachme Bizを選ばれた背景を教えてください。
それまで調理マニュアルは別途動画の撮影や、本部から配信されたものを店舗で印刷・ファイリングしてポイントなどを手書きしていたんですよね。そのため、更新の手間が多く、店舗にのみマニュアルがあるのでスタッフが見られる環境も限られていました。
Teachme Bizであれば動画や画像を使ったマニュアルを簡単に作ることができるので、別途動画を撮影しなくてもわかりやすく伝えられる、スタッフ個人のスマホでも見てもらえるので自主学習に適しているということで導入を決意しました。
今では、当たり前のように自分の端末で自分の好きなタイミングで見られるようになっており、以前に比べるととても画期的です。しかも、文字を読まなくても、見たら分かる。動画だけじゃないという良さも感じています。動画だけのマニュアルだと、途中の特定のポイントから見直すことが大変で閲覧側に負担がかかっていました。Teachme Bizだと、長い動画1本ではなく、1個1個ステップで細かく分けられるのでスタッフからも確認がしやすいと好評です。
Teachme Bizを入れたことで、非常にマニュアルは進化したのではないかと考えています。
指先ひとつでマニュアル作成が可能、いつでもスマホで学べる教育ツールにも
―――具体的な活用方法について教えてください。
すかいらーくレストランツの調理マニュアルすべてで活用しています。スピーディーに作成できるメリットを活かして、期間限定のフェアメニューなど、更新頻度が高いものに特化して作成をしている状況です。Teachme Bizがあることでスタッフは事前に自習できるので、新しいメニューもスムーズに提供開始できるなど、当社において非常に心強い味方になっています。
また、画像や動画を主体としたマニュアルは、言語が理解の障害にならないため外国人スタッフからも大変評判が良いです。直近、多言語に対応した自動翻訳機能の活用も開始しましたが、本機能を使えば言語別にマニュアルを作成する手間もなく、詳細なポイントまで学べるので、高水準なサービス提供につながると考えています。
Teachme Bizを通じて多様な人材の働きやすさとお客様の満足度向上を目指す
―――導入の効果はいかがでしたか?
IDとパスワードを発行すればスタッフ個人の端末からでもアクセスできるので「最新のマニュアルを自分のタイミングで見られるようになった」「動画を用いたことにより基準が統一され分かりやすくなった」と大変好評です。社内への浸透も計画どおりに順調に進みました。評判が良ければ自然に広がっていくものなので、店舗でも浸透していったのだと感じています。また、画像や動画を用いることで、商品自体にも興味を持ってもらいやすくなりましたね。
紙でのマニュアル運用では店舗でどれくらいマニュアルが確認されているかを把握できないので、直接訪問して品質を確かめたり、お客様からのお褒めの声やクレームが出てから初めて状態を把握したりすることも起きていました。ですが、Teachme Bizのレポート機能を活用することで閲覧数の分析等を通じたサービス品質の担保もできるようになったのは画期的でしたね。
また、Teachme Bizで基本的なことを効率的に学べるようになったので、効率化できた時間を活用してQSC向上などの教育に時間を費し、1人ひとりのできることを増やせるようにもなりました。
―――今後の活用についてのお考えをお聞かせください。
すかいらーくグループは、全ての都道府県で飲食サービスを提供している企業として、全国どこでも同じおいしさを提供できるよう、どの地域で誰が作っても安定的な高い品質を実現する取り組みを進めています。
働く人材の多様化がより進む中、誰でも高い品質が提供できるマニュアルの整備は当社にとって必須です。また、お客様の満足度を向上させるためには、より良い接客サービスにつながるスタッフ1人ひとりの教育も重要になっています。Teachme Bizはマニュアル整備の効率化はもちろん、教育品質の向上にも寄与しています。
教育などが整った働きやすい環境を整備することは、従業員のモチベーションアップから、全国どこでも高い品質のサービス提供、ひいてはお客様の満足度向上につながっていくと期待を寄せています。
マニュアル環境の整備をゴールにせず、その先にあるお客様の満足度向上に向け、Teachme Bizと一緒にこれまで以上に心のこもった接客サービスを提供し続けていきたいと考えています。