「確かな技術とまごころで、電気を安全・安心、効率的にお使いいただく地域社会の実現に貢献する」ことを使命に、四国における電気および電気設備の安全確保に貢献する四国電気保安協会様。600名を超える従業員が四国全域26拠点に分かれ、電気にまつわる人々の安心を支えています。
四国電気保安協会様では、電気設備の保守点検におけるICT化や世の中のDXの流れを受け、2020年9月に保安事業の根幹となる業務用システムを刷新。その使い方を従業員に教育するツールとしてTeachme Bizを導入・ご活用いただいています。その経緯や具体的な活用法、導入のメリットなどについて、事業部 下本 一人様、福本 康二朗様にお話をうかがいました。
コロナで中止になった集合教育の代替ツールとして導入
―――まず、導入の経緯について教えてください。
下本様(以下、下本) 今回の新システム移行は業務の効率化を図るうえで大きな変化となるため、従業員に向けてしっかりとその仕様や使い方を教育する必要があると考え、7月から8月にかけて集合教育の時間を集中的に設けることになっていました。26ある拠点のうち規模の大きい4拠点で2回ずつ、残りの22拠点で各1回3日間ずつ、合計30回の研修を、従業員全体の6~7割にあたる約400名に向けて行う予定でした。
ところが、その準備を進める中で新型コロナウイルスの感染が拡大し、集合教育を中止せざるを得なくなりました。しかしシステム移行のタイミングは動かせませんので、どのように教育を進めるべきか、その対応策を急いで考える必要が生じたことがきっかけです。
―――Teacme Bizのことはいつ、どこで知りましたか?
福本様(以下、福本) 2020年1月に開催された展示会「Japan IT Week関西 2020」でスタディストさんのブースを訪ねたのが最初です。そこでTeachme Bizのデモンストレーションを体験したのですが、操作のわかりやすさ、使いやすさが非常に印象に残りました。今回、集合教育に代わる教育方法を探る中でTeachme Bizを思い出し、問い合わせをさせていただきました。
―――導入の一番の決め手となったのはどんなところでしょうか?
福本 学習の進捗が可視化できる「トレーニング機能」があることが大きかったです。これまでは別のeラーニングツールも使用していたのですが、教育資料を簡単に作りつつ学習の進捗管理もできればツールを一本化することができます。この点が導入の大きな決め手となりました。
コメント機能でフィードバックを得ながらブラッシュアップ
―――資料はどのような流れで作られましたか?
下本 まずは我々2人が分担して作り、それを現場や他部署の従業員に見てもらって、感じたことや足りない点をコメント機能を使ってフィードバックしてもらいながらブラッシュアップしていきました。全員がコメント内容を確認できるので、QAとしても活用できました。
―――6月初頭に弊社で運用設計サポートをさせていただきましたが、その時点ですでに53本もの教育資料が出来上がっていました。導入から作成へのスピードが非常に速かったですね。
福本 やはり使いやすさがスピードにつながったのだと思います。もし今まで通りの方法で作っていたら、もっと多くの時間がかかっていたのではないかと思います。
―――実際の研修はどのようにして進められたのでしょうか?
福本 システムのログイン方法や今回の教育研修の手順、画面の説明など基礎的なことをまとめた「基本編」、新規顧客の登録方法や見積りの作成方法、請求書の印刷方法などをまとめた「契約管理・請求収納編」、点検など作業の計画に関する「保安管理前編」と「保安管理編後編」、タブレットの操作方法などをまとめた「タブレット編」の5つのコースを、各自、業務の手が空いた時間を使い1週間かけてトレーニングしてもらいました。個人差はありますが、学習に10時間から15時間は必要な内容です。「この日にやる」と決めて集中して取り組む従業員もいましたし、空いた時間に少しずつ学習する従業員もいました。
学習の進捗は、事業所または係単位でチームを作って管理者を定め、チーム内で確認・管理をしてもらいつつ、最終的に学習が終わったかどうかをこちらでチェックし、終わっていない人に対しては再度コース別に学んでもらうように管理者経由で調整してもらう段取りとしました。また、教育研修が終わったあとでも資料が見られるよう、研修に使ったものと同じ資料を外部公開フォルダに入れておき、いつでも振り返りができるようにしました。
教育研修における時間的・費用的負担を大きく軽減
―――研修を受けた従業員のみなさんにはどんなメリットがあったと思われますか?
下本 集合教育は1拠点あたり約3日かけて行う計画で、その間は必ず事務所にいる必要がありましたから、もし実際に集合教育を行っていたら現場にとってはけっこうな負担になっていたと思います。しかし、今回こういう形での研修が実現できたことで、現場にとっては時間的な面で非常にプラスの効果があったと思います。
―――資料を作る側としてはいかがでしょうか?
福本 我々2人が手分けして1週間あたり3~4拠点ずつ、2ヶ月ほどかけて集合教育を開催する予定でしたので、それがTeachme Bizを使った研修に変わったことで、我々にとっても時間的、また費用的な負担の軽減につながりました。そのぶん、従業員から寄せられるたくさんのコメントや意見に対応する時間も必要になりましたが、それは従業員が教育資料をしっかり見てくれていた証でもあると思います。
―――もしTeachme Bizにトレーニング機能がなかったとしても導入を決断されていましたか?
福本 いつかは導入していたかもしれませんが、少なくともこの時期ではなかったと思います。トレーニング機能が導入のフックになったことは間違いありません。
―――今後はTeachme Bizをどのように活用されていくご予定でしょうか?
福本 現状、各地域で電気設備の保安にあたる検査員は、設備の取り扱い手順書を紙で持ち歩いています。しかし検査員はタブレットも使用していますので、それならば手順書もタブレットで閲覧できたほうがいいだろうということで、まずは現場における電気設備の取り扱い手順書の整備を進める予定です。同時に規定類のマニュアルや手引きも一部ビジュアル化していきたいと思います。
電気保安については昔からの手法や慣習がいまだに残っているところも数多くありますが、今回の新システムの移行を機に、当協会でもデジタルへの変革を進めていきたいと思っています。また新規事業の開拓など業容の拡大にも取り組んでいるところですので、その流れの中においてもTeachme Bizを大いに活用させていただこうと思っています。