国内随一の低温物流拠点網と全国を網羅する輸配送ネットワーク、海外ネットワークで、長年にわたり、食品物流業界をリードしてきたニチレイロジグループ。そこに新たな発想力と提案力を加えながら、最適な物流ソリューションを提供します。
事業存続に対する危機意識が最大の出発点
―――Teachme Bizを導入した背景を教えてください。
近年、物流業界全体が労働力不足の問題に直面して、エリア・時間帯によっては外国人アルバイトに依存する傾向にあります。当社も例外ではなく、そういった状況を打破していくためにはやり方・仕方を変えていかないといけないという、切迫感がありました。
そのために取り組んだのは、小手先の効率化ではなく、業務全体を見直すこと(業務革新)。まずは業務を可視化することによって取捨選択し、さらにRPAで自動化できないか、やり方の変更をお客様と交渉できないかを選別しました。これらの根底にあるのは、社員一人ひとりの貴重な時間を、定型的な入力やチェックの業務から付加価値の高い業務、例えばお客様とのコミュニケーションや業務改善、あるいは積極的な休暇の取得といったことにシフトしたいという思いです。当社では「リソースシフト」と表現し、このことが働きがいの向上、働き方改革につながると考えています。
業務のやり方・仕方・手順が変われば、当然マニュアル作成も必要になります。ただ、ExcelやPowerPointでマニュアルを一生懸命作成してもなかなか見てもらえない、改訂が大変といった問題点があるため、動画などを上手く使って作成・共有できるツールを探していました。
そんな中でも、Teachme Bizを導入する決め手になったのが、直感的な操作性。誰でも簡単に使えそうだと感じられたからです。
社員アンケートで「使ってみたいツールNO.1」に!
―――実際にどのようなマニュアルを作っていますか?
RPAのマニュアルが約3割。それ以外にも、事務やエンジニアリング系の修繕・維持、保管物に対する取扱方法など、内容は様々。現場作業員を指導するスタッフのための手順書として、フォークリフトが行き交う場所や低温度帯での作業が発生するので安全教育のコンテンツとしても使用しています。
今後は、ISO取得のための手順書づくりにも活用していければいいですね。
―――社内に浸透させるため工夫していることはありますか?
それまで新しいツールを導入する際には、各エリアの事業所のIT担当者を本社に集めて説明会を実施し、使い方を覚えて帰ってもらっていました。ただそうなると、その後のことは任せっきりになって、なかなか一般社員まで浸透しません。そのため、2018年度は各事業所へ赴いて、業務革新全般に関するセミナーを全国50か所で開催することにしました。セミナーには述べ700名の社員が参加し、業務革新は「我がこと」であるという意識が徐々に醸成されていく手応えを感じました。
事業所における事務業務に精通しているのは女性社員が大半ということもあり、RPAについて集中的に学ぶ女性社員限定の合宿も実施しました。現在も多くの女性社員が高いモチベーションを持って活躍しています。
年間20,000時間の業務時間のRPA化が現実的に
―――導入の効果はいかがでしたか?
Teachme Bizを含め、RPA全体の導入効果で言うと、2018年度の1年間で、10,000時間の業務時間を削減のRPA化を目標にしていたのですが、20,000時間の業務のRPA化を達成することができました。2019年度は、さらに推し進めて180,000時間の業務時間削減のRPA化にコミットします。
Teachme Biz の存在は、非常に大きなRPAの推進力となっています。
言葉だけでは伝わりにくいことでも、Teachme Biz上の画像とコメントを利用することで、意思の疎通もサポートもバッチリ。各事業所に対して現地に行かなくても、遠隔でサポートすることができます。
また、事前に挙げてもらった「やりたいこと」をセミナーのネタにするケースもあるなど、やり取りの“キャッチボール”ができる点で大きな効果があったと感じています。
また、アルバイトが日替わりのように入ってくる現場もあるので、作業説明に手間がかかっていたような実態はありましたが、“Teachme Bizさえ見れば分かる”状態になれば、手間が削減されて付加価値時間の創出につながるという期待をしています。
Teachme Bizが社員の業務を負うことで働き方を改革する
―――今後の活用計画を教えてください。
非常に使いやすいので、活用できる範囲をさらに拡大していきたい。思いを巡らせていると、アイデアが湧いてきます。
例えば、Teachme Biz上のコンテンツをVRで体験できる等、他のシステムと連動すれば、もっと大きな効果も得られるのではないでしょうか。
また、QRコード機能を活用することで、必要な情報に辿り着くのに手間も省けてハードルも下がる。そのシーンに応じたマニュアルをすぐに確認できます。
事務所の受付にドライバー用・お客様用のQRコードを用意すれば、事務員の負荷が下がって“働き方改革”の一助となるかもしれません。
もはやTeachme Bizは当社の業務革新や品質安全管理向上の取り組みに欠かせないツールとなっています。2019年度はさらに活用を進め、効果を最大化していきたいですね。