東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県に都市型小型食品スーパーを展開する、まいばすけっと株式会社様。イオンリテール株式会社として1号店を開店して以降、順調に拡大し、分社化ののち、現在(2022年7月)では1,033店舗を展開しています。
「近い、安い、きれい、そしてフレンドリィ」のコンセプト実現のため流通を合理化し、店舗オペレーションを磨く取り組みの一環としてTeachme Bizを導入されました。紙媒体のマニュアルから移行するに至った背景や、どういった効果を感じていらっしゃるのか等、まいばすけっと株式会社 営業本部 営業部 店舗業務改革推進 マネージャー 岡田 英里子 様にお話をうかがいました。
短期間、低コスト、低労力でマニュアル品質を向上
―――導入の背景を教えてください。
私たちが創業以来、大切にしてきたものの1つがマニュアルです。ただ、1,000店舗という規模になってくると、紙媒体のマニュアルを店舗ごとに差し替えた場合、どうしても抜け漏れが発生してしまいます。また、更新内容が確定したあと、配布し終えるのに2ヶ月程かかっていました。全店のマニュアルを正しいものにすることと、そのスピードが課題でした。
紙媒体はページの制約があって詰め込み過ぎてしまうので、文字量が多いのに画像が少なく、新入社員や外国籍スタッフなど、見るスタッフによっては分かりづらいものになっていました。外国籍のスタッフにヒアリングしてみても、文字より画像で直感的に分かるほうがいいという声があり、ソリューションとなる手段を探り始めました。
当初は自社でシステムを開発できないかと考え、プロトタイプを作成しましたが、分かりやすさや検索性に課題が残りました。一方、導入実績が豊富なTeachme Bizはすでに私たちが欲しい機能が望んだように実装されていました。自ら膨大な数のトライ&エラーを繰り返してようやくちょっとずつ良くなるというところを、試し尽くされたベストな状態から導入できるのは非常に大きなメリットでした。
また、他社サービスと比較してみても大きな画像と簡単な説明文という“つくり”が既存のマニュアルに最も近く、一目で誰もが分かりやすい構成と操作性が決め手になりました。初めてということもあり、導入に際してすでに使用している機器やシステムに応じて個別に相談対応をしていただけたのも、非常にありがたかったです。
動画や画像を使って手順をステップ構造でシンプルに表現
―――具体的な活用方法について教えてください。
例えば、入荷伝票に押印するためのマニュアルでは、いくつものステップが凝縮して紙に書かれていたのですが、1ステップずつに分解することで分かりやすくなりました。また、加工食品の対象である売場範囲や陳列手順、出来栄えの見本など、紙面の都合で十分に載せられなかった新人スタッフ向けの情報も、クラウド化により制限がなくなったことで、盛り込めるようになりました。情報量が増えることで見づらくなる懸念もありましたが、Teachme Bizは検索がしやすいので、ベテランスタッフは必要な箇所だけを参照すれば問題ありません。また、マニュアルに動画を使用できるようになったことで、危険なポイントなど、より臨場感を持って伝えられるようにもなりました。
Teachme Biz導入にあたって全社の紙マニュアルの回収を徹底して行いました。しかし、運用にあたってマニュアルを紙で見ていたスタッフにとってタブレットは心理的なハードルが高いのではないか、特にデジタルへ苦手意識のあるスタッフに使ってもらうことができるのか、というのが懸念材料でした。
一目見れば字や画像が大きく、分かりやすくなったことを実感できるはずなので、まずは全員に見てもらえるよう工夫しました。マニュアルひとつずつに対してURLが付与されるので、ワークスケジュールから該当する作業のマニュアルへリンクを貼り、ワンタップで開けるようにしたのです。また、導入1か月で全従業員の8割以上にTeachmeBizを見てもらうことを目標とし、TeachmeBizで作成した使い方マニュアルの教育を店舗側に仰ぎました。週次で閲覧率をフィードバックすることで、速やかに浸透を図ることができました。
コメント機能や分析機能を活用してPDCAサイクルを速める
―――導入の効果はどのようにお感じでしょうか?
スタッフの反応は気になるところでしたが、マニュアルが見やすくなった、分かりやすくなったという声が多く、導入して非常に良かったと感じています。全店舗のペーパーレス化によって、1店舗あたり毎月5分間かかっていた差し替え作業がなくなり、全店舗合計で年間1,000時間の労力を削減できました。印刷費や店舗へ届くまでのリードタイムも省けるので、紙で管理していた時より短期間・低コストで、品質を向上できたことになります。また、マニュアルに関する提案をコメント機能から抽出できるので、「ホコリが溜まりがちなポイント」など、現場ならではの指摘をよりスムーズに反映することも可能です。
―――今後はどのような活用の計画をお考えですか?
既存マニュアルをそのまま運用するとなるとどうしても店舗数に比例し、コストや情報が正しく伝わらないといった“負”の問題も増えていきます。社会における多様性が広がり、さまざまな働き手も増えるなかでTeachme Bizは紙では対応できないフェーズで現れた、まさに救世主のような存在でした。
現在、Teachme Bizをスマホで見てもらうことで、新人スタッフへ教育を行っている状況です。紙のように補足事項などの書き込みが自由にできなくなった等、マイナスの反応が出ることも心配しておりましたが、蓋を開けてみると、マニュアルの理解度を測るテストの平均点はアップしていました。デジタルネイティブ世代にとってデジタル媒体が最適なのはもちろん、既存スタッフや外国籍のスタッフなど、誰にとっても分かりやすいシステムなので、今後は教育の場面でもっと活用していきたいと考えています。