良好な学習環境を整備し、定着率を50%から90%へ引き上げ
技術や知識のマニュアル化で、技能伝承と多能工化を実現

  • 製造業
  • #50名未満
  • #マニュアル作成・更新の効率化
  • #人材育成・研修
  • #技術伝承
導入目的 若手技術者への技能伝承
課題 マニュアル環境の未整備
効果 人材育成の効率化

技術ノウハウのマニュアル化によって次なる企業成長のステージへ

1933年の創業以来、ベアリング専門メーカーとして多岐にわたる産業の発展に貢献してきた前川製作所様。幅広い製品ラインナップの開発により、クライアントのニーズに応じた特殊ベアリングの製造や技術相談などを実現し、海外製品との差別化を図ってきました。その功績を支えてきたのは、経験を積んだ職人によるノウハウであることは紛れもなく若手への技能伝承を目的として、Teachme Bizを導入されました。

導入に至った経緯や社内浸透の工夫、どういった効果を感じていらっしゃるのかについて、株式会社前川製作所 執行役員 中村 友和 様、製造課 係長 高橋 豊 様、主任 石井 力斗 様、営業管理課 係長 新屋 将 様、中澤 亮 様にお話をうかがいました。

―――導入の背景を教えてください。

中村様(以下、敬称略) 会社として「多能工化」を進めていきたいという意向はあったものの、なかなかマニュアルや教育の整備に着手できていない状況でした。そうした中、取引先銀行にTeachme Bizを紹介していただき、マニュアル環境を整備し、次のステージに移行するフェーズを迎えているのではないかとアドバイスを受けました。このまま作業が属人的で標準化されていない状態では、やはり企業としてさらに大きくなれないと感じ、導入を決意しました。

株式会社前川製作所 執行役員 中村 友和 様

―――各現場でもマニュアルや教育についての課題感はあったのでしょうか?

石井様(以下、敬称略) 製造課では各人がマニュアルを管理しており、どこに片づけたのか分からない、更新していない、読まれていないという状況でした。Excelなどを用いて作成するケースもありましたが、なかには、データとして保存せずに手書きする人がいて紙の劣化や乱筆で文字が読みづらいといった問題を抱えており、技術伝承に課題があったと思います。「読めば分かるから」と教える側のフォローがあまりない状態で業務を覚えなければならず、また個人によってやり方が異なるため教わる側も困惑していました。 

新屋様(以下、敬称略) 営業管理課でも現場作業があるため、口頭で伝達するのは容易ではありません。肝心なところを省略してミスが起きる、同じことを何度も教えなければならず仕事が増える、また大きな課題であった定着率の一因が、指導方法にあると考えました。しかし、当時はマニュアルの重要性が理解されておらず、サプライヤーとの調整や調達品の出荷作業など日々の業務で忙しい中、作成の時間を確保できていませんでした。 

導入前に使用していた紙マニュアル

業務の属人化を解消して部門横断型プロジェクトを実現 

―――社内浸透において工夫した取り組みはありますか?

中村 導入に向けたプレゼンからスタートしましたが、社内からはIT化に対する抵抗の声も多い状況でした。それでも、共通の問題意識を持ち賛同してくれたメンバーとともにプロジェクトを組み、八尾工場から本社まで拡大していくことができました。 

2人1組のチーム制で簡単なマニュアルから作成し始め、3ヶ月かけて1サイクルしたところで、営業管理課、製造課、本社へと展開していきました。当初は各担当者から発表されるアイデアに、管理職が集まる合同会議で内容にフィードバックなどもしていましたが、今はまず作成したことを前向きに捉え、受け入れるようにしています。 

そのおかげもあり受動的だった従業員たちが、自分の意見を言えるようになり、部門横断での仕事のやり方を覚えてきています。まずはやってみるという社内風土が芽生え、新しい仕事に挑戦して、自分のキャパシティをどんどん広げていると感じますね。

―――具体的な活用方法について教えてください。

高橋様(以下、敬称略) 本来仕事のノウハウは会社が持っておくべきもので、特定の従業員しか知らないことがあってはなりません。そのため、属人化を解消してマニュアルがあれば稼働できる、ライン間を移動できるようにしたいと考えました。会社全体として注力している「多能工化」の推進ですね。

具体的には、Teachme Bizで作成するマニュアルを「教育訓練計画表」と紐づけました。教育訓練計画表に沿って仕事を教え、計画表にはTeachme BizのマニュアルURLがついており、事前学習や振り返りができる仕組みです。マニュアル化されていない業務は、教わる側が教わった内容をマニュアル化し、計画表に追記します。教わる側が作成することで復習にもなります。新人教育で活用しているほか、業務や担当領域が変更になるときも、チェックし、スムーズに業務/担当変更ができるようにしています。

中澤様(以下、敬称略) 営業管理課は製造課よりも後にマニュアルの改善や活用強化をはじめたのですが、ここ1~2年のうちにTeachme Bizで仕組み化し、人材を育成していく流れがようやくでき始めました。具体的には推進メンバーが現場を取材して画像や動画といった素材を集め、ベアリングに自社のロゴなどを刻印する手順書や本社・八尾工場間の物品移動の手順書などを作成しています。マニュアルを作ることで自身の復習になると同時に、会社の知的財産を生み出すやりがいも感じています。

学びやすい環境づくりにより定着率向上・組織の若返りを実現

―――導入の効果はどのようにお感じでしょうか?

中村 Teachme Bizの導入以外にも、採用方法の見直し等を行っていたので、複数の取り組みの成果にはなりますが、50%ほどだった定着率が90%になりました。また、若い世代の採用に苦戦していましたが、今では平均年齢が35歳を切っています。マニュアルが整備されていない環境では、良い人材育成をしている企業と言えませんし、優秀な人材を採用することもできません。実際に面接でも、育成方法やマニュアルについて20代の方から質問をいただくこともあり、育成体制への関心の高さは感じています。

技術や知識の蓄積・伝承による多能工化を実現するとともに、挑戦しやすい環境と意識から生まれた社員のチャレンジ精神は、面談により掬い取れるようになっています。それまで単に個人のためにあったマニュアルが会社を活性化し、利益にも貢献できるものだということに気づかされました。 

中澤 協力会社に依頼している一部の業務のレクチャーがうまくいくようになりました。これまで、1年間かけても独りで作業できなかった業務が、Teachme Bizで教えるようにしたところ1ヶ月で自己完結できるまでになり、驚きましたね。ステップ構造で伝えられるため、1手順ずつ流れに沿って伝わるようになったことで実践できたのだと思います。標準化しておけば誰がやっても同じ手順で作業できるのでミスが防げます。また、フォーマットが統一されて見やすくなっただけでなく、作成の負担が減ったのも大変ありがたい効果でした。 

石井 文字だけのマニュアルではまったく理解できなかったことも、画像や動画を使用できる Teachme Bizなら分かるようになったとの感想の声をよく聞きます。動画では一連の流れが確認できるのでさらに分かりやすくなりました。実際にマニュアルどおり動かせばひとりで、機械を制御できたというケースも。人材育成において教える側の負荷が軽減し、非常に効率的になりましたね。

高橋 想定していなかった効果としては、 従業員のコミュニケーションの増加にもつながりました。これまでは分からないことが把握できず、なかなか質問もしづらかったのが、Teachme Biz導入により、マニュアルをベースとしたコミュニケーションが取れるようになりました。どの部分がどう分からないのかなど具体的に話ができるのがよいですね。きっかけはTeachme Bizですが、その後の会話のしやすさにもつながっていると感じます。

―――今後はどのような活用の計画をお考えですか?

中村 マニュアル重複を解消することが課題である一方、人事や事務にも活用の幅をもっと広げていきたい。また、長年の経験によってのみ得られるマニュアル化しにくい領域にも挑戦していきたいと考えています。職人の技術や知識だけでなくアイデアも財産だと考えているので、そうして、Teachme Bizへ残すことで会社の利益に貢献していきたいです。最近では部門を跨いで作業することもあるので、Teachme Bizを起点にして、もっと相互理解を深めていけるといいですね。

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会社名 株式会社前川製作所
URL http://www.mbs-m.co.jp/
所在地 大阪府大阪市平野区平野市町1-14-3
事業内容 ボールベアリング・テーパーローラーベアリング・シリンドリカルベアリング等 各種ラジアルベアリングの製造・販売

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