代理店様の作業の質=自社商品の良し悪しに直結
——Teachme Biz 導入の背景をお聞かせください
Mr. Suzuki:弊社のタイ市場における主な事業内容は、建造物用の窓やサッシを中心にした製造・販売です。工場で完成度50%に仕上げた商品を現地の代理店様に販売し、その代理店様スタッフが現場で組み立て・取り付けを行うというビジネスモデルをとっています。つまりは、現場で作業を行う代理店様スタッフの技術が、エンドユーザーの方々が感じる弊社の商品の品質を大きく左右することになります。だからこそ、自社工場でいくらコンマ何ミリという世界にこだわった精度の高い商品を作っても、雑に組み立てられ、雑に取り付けられてしまえば他社との商品との差がなくなってしまうんです。
その対策として、以前から代理店様に対するトレーニング研修として紙のマニュアルを配布し、直接的な指導プログラムに取り組んできたのですが、研修では正確にできても現場には入れば忘れてしまうなど大きな効果は得られませんでした。その時に強く感じたのが、「作業の流れが視覚的に分かる画像と動画のマニュアル」と、「作業スタッフが見たい時に見れるツール」です。そんな“ちょうどいいツール”がないか探していた時に、弊社のIT部門スタッフから教えられたのがTeachme Biz でした。
スキル・経験不問! “自分が確認したい場所” にすぐ飛べる
——他のサービスもあるなかでTeachme Biz を選んだ決め手は何だったのでしょう?
Mr. Suzuki:一番は「使い勝手の良さ」です。5年ほど前に一度、予算をかけて制作会社にトレーニングビデオを作ってもらい、研修中に見せていたこともありましたが、やはりトレーニングを離れると正しい作業ができなくなっていたりと効果は得られませんでした。加えて、各々が「見たい(分からない)部分に戻れない」という使いにくさを非常に感じたんです。動画は視覚的に流れが分かりやすい反面、それだけでは戻りたい場面に戻れなかったり、細かいポイントが流れていってしまうといった不具合があるなと感じていました。
Teachme Biz は、マニュアル内のスライドで紙芝居的に作業を確認でき、なおかつ肝心なところに動画を挟み込むことができる。画像をメインにした説明と動画を自在に組み合わせることができる使い勝手の良さ、柔軟性が非常にいいと感じました。
——実際に現場で作業を行う代理店様スタッフは何人いるのでしょうか?
Mr. Suzuki:弊社とお取り引きのある代理店様スタッフは延べ1000人を超えますが、それぞれの技術や経験は初心者からエキスパートまでさまざま。立場が異なる人たちが一斉に同じスピードで動画を流されても、理解度がまったく違うものになってしまいますが、Teachme Biz なら初心者の人たちは自分のペースで手順を追い掛けることができ、エキスパートの人たちは自分が確認したい場所にピンポイントに飛んで確認できるとイメージできました。
また、タイというお国柄、ラオスやカンボジアなど近隣諸国からの出稼ぎワーカーが少なくないのですが、今まで配っていた紙のマニュアル(タイ語・英語)は読めないという問題もありました。文字や写真の説明文だけでは大きく開いてしまう理解度も、映像を見せることで視覚的に理解することができる。そういった言語の溝も、Teachme Biz を通して埋めていきたいと考えています。
トレーニングの理解度・習得度向上でクレーム削減へ
——Teachme Biz を実際に使用した感想をお聞かせいただけますか?
Mr. Suzuki:私自身は出来上がったマニュアルを確認する側で、実際には社内スタッフが活用しているのですが、作業に必要な機能や使い方などをすぐにマスターし、自らマニュアルを作れるようになっているので端から見ても相当使いやすいんだと感じています。
トレーニング研修を担当するスタッフによると、従来のやり方からTeachme Biz に変わったことで作業者の修得スピードや理解度が高まり、作業ミスが軽減できたといった効果に繋がっていると報告を受けています。
Admin Installation Team・Mr. Unnop Chinsen:もともと弊社では、TCD(Tostem Certify Dealer)という厳しいトレーニングプログラムを各代理店様に対して導入しています。基本的な研修に加えて、各作業者の現場での作業観察から評価まで行っていて、そのトレーニングは基準通りに作業ができるまで実施します。
Teachme Biz を使い始めて約2年ですが、最近では、各作業に対する理解度や正確性の向上など研修時の効率が高まってきたと感じています。 それと同時に、トレーニングの効果はすぐに現れるものではなく、根づかせるためには反復が必要だということも分かってきました。研修外でも復習のために、Teachme Biz の組み立てマニュアルをQRコードにして定期的に送っているのですが、『現場で作業を行う際のミスが減った』『クレームが減った』『他社のトレーニングと違って簡単で分かりやすい』といったフィードバックを頂くなど、代理店様の皆さんにも徐々にTeachme Biz の効果が現れていると感じます。
今でも紙のマニュアルはありますが、やはり理解が難しい箇所があるのでTeachme Biz で作ったマニュアルには積極的に動画を入れて共有しています。今後、オンラインでのトレーニングが主流となってくると思いますが、集合トレーニングを完全に無くしたいわけではなく、「必須」から「適宜」に形を変えていきます。外国人が多い代理店様など、現場に行った方が効率がいい場合もあるので、状況に応じて形式を変えてるつもりです。
また、研修の他、社内の人材育成や情報共有の効率化を図るためのツールとしても活用できる場面があると考えています。Teachme Biz を各部署の人材育成のために使うことで、一人の時でもトレーニングやスキルアップができるなど、教える側・教わる側双方にメリットがありますし、社内に蓄積された技術を共有することにも繋がると思います。そして、各現場で過去に生じた問題やその解決方法についても Teachme Biz を使うことで、全員がひと目でわかる形にしていきたいです。そうすることで同じようなトラブルを回避できますし、会社全体のノウハウとしてしっかりと蓄積できると期待しています」
“スマホをワンタッチ” でTeachme Biz を開く習慣を
——Teachme Bizの今後の活用プランがありましたら、お聞かせください
Mr. Suzuki:直近の課題は、Teachme Biz で作ったマニュアルを代理店様内でいかに定着させるかということです。トレーニング研修に紐づいた効果は少しずつ出てきている一方で、各マニュアルの閲覧回数が伸びていない点が気になっています。各代理店様でマニュアルを見る際には、弊社代理店様向けポータルサイトににアカウントとパスワードを入力する必要があるのですが、そのステップが「面倒くさい」と思われているのではと思い、今は各自のスマートフォン(以下スマホ)で簡単に使ってもらえるよう、ホーム画面にショートカットを設定する方法を研修に取り入れるなど、どうしたらマニュアルを「スマホですぐに見れるもの」として浸透させられるか模索中です。
またタイの他、フィリピン・インドネシア・ベトナム・インドもTeachme Biz のマニュアルを浸透させていこうと取り組んでいます。タイでうまくいった点・いかなかった点を踏まえ、それぞれの国の代理店様に作業マニュアルを見てもらえる環境を整えていきたいと考えています。