10店舗のホテルへ“自分がいなくても”想いを共有できる仕組みを
―――事業内容を教えてください。
松田様(以下、松田) 「Kokotel Bed & Cafe(以下ココテル)」は、タイにたくさんある50~150室の小規模ホテルの運営をオーナーさんから委託していただき、お客様にサービスの提供をしています。タイ全土で11店舗を展開しており、今後新たに8店舗の展開を予定しています(2020年9月現在)。お客様に最高の体験をしていただくための宿泊サービスはもちろんのこと、質の高い食事を提供する“Bed & Cafe”としてのポジション確立を目指しています。
―――ココテルの名前の由来は?
松田 ココテルは、日本語で「ハート」を意味する「こころ」に由来しています。「We Are Friends & Family Serving Friends & Family」をコンセプトに、日本の高水準のサービスとタイ式の「微笑み」のサービスを融合させ、心温まる体験を提供することが自分たちの役割だと考えています。
―――Teachme Bizの第一印象は?
松田 初めて聞いた時、日本でもたくさんの企業がすでに利用されていて、その中には同業のホテルも含まれていたので、きっとうまくいくに違いないと思いました。日本の事例を紹介していただき、弊社もそろそろこのようなツールを使わないといけない時期に差し掛かっているとも感じました。スタッフにTeachme Bizの概要を説明したところ、「ホテルのプレオープニングに使える」という意見をもらい、導入を進めました。
―――Teachme Bizをどのように使っていますか?
松田 現在11店舗のホテルを運営していますが、今後もさらなる拡大を目指しているので新しいスタッフを採用することはもちろん、教育し続けていかなければなりません。そのためには、より簡単に初期研修ができる各ホテル共通の業務マニュアルが必要だと感じ、手始めにフロント、キッチン、ハウスキーピングなどの業務にTeachme Bizを適用しました。最近では、バックオフィス業務や、当初の予定にはなかった本社業務にも活用しています。営業部門をはじめ、経理・人事部門でも、手当ての申請方法やシフト変更の申請方法などに加え、社員とのコミュニケーション手段としてもTeachme Bizを有効に使えているなと実感しています。
―――Teachme Bizに対するスタッフの反応はいかがですか?
松田 他のマニュアル作成ツールとは違ってスマートフォンで写真や動画を撮るだけで、すぐにマニュアルを作ることができるので、「とても使いやすい」という反応をもらっています。「頭を抱えて長い時間をかけて作るもの」という従来のマニュアル作成の方法やイメージ、手順が大きく変わりました。
特に厨房部門では、指先だけで写真や動画をアップロードすることができ、紙のレシピよりもはるかに簡単にレシピが作成可能になったことで、作業時間の大幅短縮に繋がりました。また、教わる側も写真と動画で簡単に作業内容を理解できるので、スタッフ間におけるレシピの認識違いを防ぐことにも役立っています。
―――今後の利用方法について。
松田 Teachme Bizを実際に使用した所感としては、単純なマニュアル作成ツールというより、会社全体の企業文化を変えるプラットフォームだと感じています。マニュアル作成で業務を標準化し、改善するというマインドをスタッフに意識づけする効果もあると手応えを感じています。また、社内向けの業務改善プラットフォームとしてTeachme Bizを活用するだけでなく、お客様とのコミュニケーションツールとして、さらに活用していきたいと考えています。
―――続いて Jojo シニアマネージャー(以下、Jojo)のインタビューです。
Teachme Bizが“ココテルらしさ”を維持する鍵に
―――Teachme Bizを導入してみての感想は?
Jojo これまでの私の経験上、ホテルの基準やマニュアルのほとんどがハードコピーでした。毎日のように大量の紙を使って打ち合わせをしてきましたが、オンラインツールであるTeachme Bizの存在を知ってからは、重たくて場所をとる紙のマニュアルを持ち歩かず、またマニュアルを保管している場所に足を運ばず、自宅でも本社でも業務マニュアルを見ることができるようになりました。
以前は接客や清掃といったサービスの提供場面で、会社の基準に則していないという問題がごくまれにありました。しかし、Teachme Bizを活用することによって、会社の基準に則しているかどうかをスタッフが現場ですぐに確認・判断ができ、ホテルごとのサービス水準におけるバラつきがなくなりました。これは、全社的な業務を標準化することができるようになったということですね。
―――複数あるホテルを物理的に管理することは難しいですもんね。
Jojo その通りです。サービスを複数展開する上で、ホテル間の連絡や移動の問題に加え、同じレベルのサービスを維持するためにはスタッフ教育を徹底することが必要です。
ココテルでは新入社員の初期研修とは別に、年に2回のスキルオンラインテストを実施しています。テストの結果が最も悪かったホテルには、復習してもらうためにTeachme Bizにあるマニュアルを送っています。これを定期的に繰り返すことでサービスやスタッフの教育水準の維持及び向上に繋げています。
―――Teachme Bizに対するスタッフの反応は?
Jojo 例えば、Teachme Bizを導入する前はスタッフが社内用の申請書などが欲しい場合、その都度本社に連絡して書類がどこにあるかを聞いたり、届けてもらったりしなければなりませんでした。ですが、Teachme Biz導入後は、書類をオンライン上に保管できるようになり、本社に連絡しなくてもそれぞれで確認・申請できるようになりました。そのおかげで、それぞれの作業時間を妨げることがなくなり、お客様への対応に時間を充てることができるようになりました。
―――現場での具体的な活用方法はいかがですか?
Jojo スタッフの反応も良好、かつTeachme Bizは作成・活用・アクセスがしやすいプラットフォームではありますが、導入初期はスタッフがちゃんと理解してシステムを使いこなせているか不安でした。そこでTeachme Bizにある、「レポートを見る」という機能でスタッフのアクションを確認することができるので活用したところ、マニュアルを確認していないスタッフがいることがわかりました。これまでの紙のマニュアルでは見えなかった点が見えたことは収穫でした。
マニュアルを確認をしていないスタッフに対して、どうにかしてマニュアルの活用を促せないかと考え、「SOP of the day」という企画に辿り着きました。既に利用していたLine Botと組み合わせて、Teachme BizのマニュアルのURLを毎日自動的にホテルのスタッフへ送る設定をしています。そうすることで習慣の中にマニュアルを確認するという行為が根づき、スタッフはそこから知識を増やし、その知識がパフォーマンス向上に繋がっています。
――― トンローに新たなホテルを開業すると伺いました。
Jojo はい。現在、トンローで新しい支店の準備を進めているのですが、その中で新規採用スタッフの教育は不可欠です。そこで活用すべきはやはりTeachme Biz。これを使うことで、膨大な量のテキストを読む必要がなく、写真や動画で操作手順を覚えることができ、そうすることにより研修の流れをスムーズに進めることができます。
日常では、作業手順を覚えられないときや作業に困ったとき、すぐに操作マニュアルを確認したり、出勤前に携帯電話でその日の準備や改善すべき点を調べたりとお世話になっていますね。
エコ時代に対応する新プロジェクトをTeachme Bizで
———今後の取り組みについてお聞かせください。
Jojo 現代のニーズに応えるべく、環境に配慮しながら、お客様により良いサービスを提供できるよう新プロジェクト「Koko Loves Eco」を立ち上げました。具体的には、これまで提供してきたペットボトルの飲料水の代わりに再利用可能なガラス瓶を使用したり、いつでも給水所でガラス瓶を補充できたりするようにしました。また、これまで紙でしかなかった部屋帳をTeachme Bizによってデジタル情報に置き換えることで、更新が容易になりました。紙の使用量が削減され、お客様がホテルサイトに簡単にアクセスでき、また部屋にあるQRコードをスキャンするだけで最新情報にアクセス可能になりました。
このプロジェクトをさらに浸透させるために、Teachme Bizを使って全ての作業内容をマニュアル化しました。今後は社内だけでなく社外へ、そしてお客さまへ共有できるようTeachme Bizを展開していきたいと思います。