東広島市でクリニックを開業し、26年目を迎えた(2022年10月現在)医療法人 好縁会グループ様は、広島県内だけでなく沖縄県でもグループホームやデイサービス、看護小規模多機能施設のほか、職員の働きやすい環境づくり・子育てを支援する保育園など、多角的な事業を展開しています。グループの核となる2つのクリニックでは、内科を中心に各種領域の専門医が診療にあたりながら、高齢者向け介護施設・事業所でも健康相談・慢性疾患管理・緊急時対応などをしっかりサポートし、医療・介護のシームレスな連携を目指します。
そんな医療法人 好縁会グループ様におけるTeachme Biz導入前後の変化や活用法などについて、同グループ管理支援本部 HRBP 本部長の濱崎 敏宏 様にお話を伺いました。
医療・介護業界で即定着したデジタルツール
―――導入の背景を教えてください。
業界全体に言えることかもしれませんが、紙媒体で管理する機会が多く感じます。それがマニュアルだった場合、閲覧されない、紛失・破損の恐れもあります。だからと言って、OJTトレーニングを実施しても、属人化する、誤った内容で指導される、施設や個人間で品質に差が生まれるといった課題を抱えていました。
また、バージョンアップしていく作業が非常に負担で、作成したものの活用されない状況が発生していました。特に、社会保険の改正などで大きな変更が必要なときは限界があります。更新履歴を見ると10年前で止まっていることも珍しくなく、まずは更新作業を簡略化しなくてはなりませんでした。紙媒体から離脱し、これまで長い間大きな悩みとなってきた問題を解決するために、導入を検討しました。
―――導入の決め手はどんなところでしたか?
他社サービスと比較検討した結果、パソコンだけでなくスマホやタブレットでも閲覧できる、簡単な操作で更新しやすいといった、ITリテラシーを問わず使いやすいところにメリットを感じ、すぐに導入を決めました。いつでもどこでも何度でも見ながら、どんどん最新情報を収集できます。ただ、Teachme Biz の使いやすさに確信はありましたが、 ITやシステムという言葉にメンタルブロックが働き、紙媒体が根強く残るこの業界においては、導入したものの定着するかについては半信半疑でした。
しかし、ふたを開けてみると導入自体もスムーズで、多くの職員が見ているのを履歴から確認できました。期待以上にしっかりと定着しただけでも、業界において革命的なことだと思います。また、早い段階で導入できたのはプラスになっているはずです。半年が経過してまだ途上ではありますが、少しずつ業務の標準化に向かっているという認識もあります。
技術面や言語の問題も動画によってクリア
―――具体的な活用方法について教えてください。
研修を専門に行っている組織が作成・更新を担当しています。ほとんどは現場経験者ですので、既存のものを移行するだけでなく、自発的に新規マニュアルを作成してくれています。
介護においては、技術やおもてなしといったところを中心にしながら、入社1~3年目までの職員向けに作成しています。例えば、お食事やご入浴、就寝時や緊急時など、ご利用者様の症状・事象ごとに対応できるような方法や、介護職に必要な「人が人をしっかりと支える」という忘れてはならないマインドもマニュアル化しています。
クリニックにおいて治療法などはマニュアル化するのが難しいため、機械の使い方をはじめどう活用を広げていくかが課題ではあります。事務職をはじめ、少しずつ標準化しているところです。
―――定着においてはどんな工夫をされましたか?
職員一人ひとりにパソコンやメールアドレス、Teachme Bizのアカウントは支給されないため、個人のパソコンやスマホでの閲覧を許可して自由度の高い学習をコンセプトに掲げることで、Teachme Bizの手軽さを存分にアピールしました。文字と動画を併用できるという特徴も定着した一因であり、言葉で理解したとしても実践するのは難しい技術面で、新入職員や外国人職員にとって分かりやすく好評でした。外国人職員の積極採用にあたって実際に30名弱ほどが勤務する中、コミュニケーションツールとして言語の問題に役立っています。
マニュアルの数が非常に増えてきた現在は、マニュアルごとにQRコードを発行して見たいときに見たい情報をしっかりと見られるように簡略化することで、ITアレルギーも軽減できたと思います。また、各マニュアルのQRコードを一覧として紙媒体で管理するだけで、マニュアルがどこにあるのかと大騒ぎすることがなくなり、いつでもどこでも気軽に見られる環境が整備できました。
職種に制限されない自主学習により相互連携
―――導入の効果はどのようにお感じでしょうか?
Teachme Bizはなにか困ったときに管理者が不在でも、すぐに確認できる安心感があり、ちょっとした“お守り”のような存在になっています。常に最新のマニュアル、教育ツールを提供できることによって、現場のスキルや業務効率、また管理者の業務負荷の軽減、健全な企業運営が実現します。
以前は年間30回以上の集合研修を実施していましたが、コロナ禍で事業所間の往来も困難な状況になりました。それでも、ビデオ会議などで知識面はカバーしたのですが、 Teachme Biz を繰り返し見ることで技術面も補完できました。
この業界で働くのは「難しい」「しんどい」というイメージから、経験者でないと踏み込みにくいと思われがちですが、介護職員は未経験であっても務まりますし、1~2年かけて資格を取得してスキルを磨くこともできます。Teachme Bizを教育ツールとして利用していることをHPに掲載することで、ハードルを低くしこの職種をもっと身近に感じていただければと思います。
―――今後はどのような活用の計画をお考えですか?
例えば、経営層のメッセージをもっと気軽に伝える等、コミュニケーションツールとして応用していきたいです。まずはこちら側から発信し、その延長で職員の要望や悩みを相談できるツールとしても活用しようと考えています。
また、マニュアルの閲覧を職種ごとに制限しなければ、担当外の業務についても学び、知識をつけられます。もちろん越権行為は認められませんが、おたがいの業務を理解し助け合う文化が醸成すれば、将来タスク・シェアにも役立てられるかもしれません。
ただ、当法人としては、紙媒体の存在意義を完全否定する立場ではありません。ITアレルギーのある職員などのため、Teachme Bizで作成したものを印刷して各施設にすべて紙媒体でも置いておき、端末での閲覧と併用していく方針です。
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https://biz.teachme.jp/casestudy/koenkai/ (事例動画あり)