セルフメディケーションの必要性が叫ばれる昨今、1955年の創業以来、健康な人に健康を提案する「未病」というテーマを掲げ、事業活動を行ってきた株式会社キリン堂様。お客様の健康を総合的にサポートするため、生活習慣病の予防などに重点を置いた、独自商品の開発にも取り組んできました。
立地や業態の変革を経て、現在は関西を中心に関東、四国、北陸にドラッグストア・調剤薬局約400店をチェーン展開しています。さらなる拡大を目指した構造改革を進めるにあたり、気づいた問題点とその原因、また実際Teachme Bizをどのように活用し、どういった効果を感じていらっしゃるのか、株式会社キリン堂 営業企画部 業務改善課 大喜多 剛 様にお話を伺いました。
マニュアル改革でサービスレベルの向上を目指す
――導入の背景を教えてください。
収益性や成長性を高めるための構造改革の一環として、店舗業務のシステムなどの見直しを行うなかで、問題点の一因がマニュアル環境にあることに気づきました。
導入以前は、オンライン上にあるマニュアルを印刷するなどして使用していましたが、更新の体制やルールが整っておらず適切に活用されていませんでした。また、検索機能もないため、わからないことがあっても必要なマニュアルが見つけられません。そうなると自分で考えるか人に聞くしかなく、時間のムダや属人的な業務が発生する。そして、業務手順が統一されない、必要なくなった業務が続けられるといった状態になっていました。
しかし、マニュアルを適切に活用すれば作業や教育時間を大幅に削減でき、業務の質も安定するのでサービスレベルも上がっていくのではないか。結果として、お客様から永くご愛顧いただける店舗を目指せるのではないかと考えたからです。
――導入の決め手はどんなところでしたか?
Teachme Bizなら、誰でも簡単にマニュアルを作成・更新できます。また、関連するものはフォルダで管理でき、検索機能を使えばすぐに見つけられます。業務手順がステップ化され単純明快なので、作業者側のスムーズな業務遂行も可能です。
導入前は文字ベースになりがちで、「読む気が起こらない」「わかりにくい」という意見もあったマニュアルが画像・動画を貼りつけることができて視聴覚的に理解しやすくなったことも、導入の決め手になりました。
――導入前にPoCを実施されましたが、その結果を受けてどうでしたか?
数店舗ですが3ヶ月間試験運用することで、前後の変化や現場の反応を検証できました。例えば挨拶や清掃、電話応対、店内放送、レジの流れなど、マニュアルはわかりやすいか、教えやすいかといったアンケートでは大多数が肯定的で、否定的な回答は少数でした。結果は概ね想定通りでしたが、導入前に実証できたのは良かったです。
差異が大きかった教育の内容はマニュアルに即した形で統一されるので、時間も一定範囲で収束し新人教育のコスト削減も見込めそうということで、ドラッグストアだけでなく調剤薬局への導入も決まりました。
PoCでは、以上のような導入効果とあわせて、マニュアルの作りやすさや操作性といった機能面についてもしっかり確認することができたので、安心感がありました。
マニュアルに沿った作業のタスク化でTeachme Bizが習慣に
――具体的な活用方法について教えてください。
まず既存マニュアルをそのまま使用できるもの、変更するもの、作成するもの、削除するものに分類しました。なかでも、いわゆる基本業務については「店舗運営業務」というフォルダで管理し、 Go To キャンペーン対応などの突発的な業務は別フォルダとして新規公開しています。内定者アルバイト1名に手伝ってもらいながら進めたことで、初めてのひとにもわかりやすい、現実味のあるマニュアルが出来たのではないかと思います。
「店舗運営業務の習得シート」と呼ばれる、新入社員が3~4ヶ月以内に習得すべき業務が記された管理帳も、育成責任者側のマニュアルが更新されていないがために活用されていなかったのですが、マニュアルと一致する形に変更したことで大いに役立てられるようになりました。
――社内浸透においてはどんな工夫をされましたか?
棚替えや清掃など、毎月テーマを決めて、マニュアルを公開しました。それに沿って作業を実施してもらい、ブロック長がチェックすることにより、徐々に閲覧数も上がってきました。また、週ごとのチェックポイントなど、タスク機能を使って配信すればTeachme Biz上で閲覧・実施状況を把握することもできるので、作業指示には最適でした。
さらには新しいシステム構築のタイミングで、積極的にマニュアルを公開することによって、Teachme Bizを見ざるを得ない状況をつくりました。こういった新しいことに適応できる習慣が定着しただけでも、すでに一定の効果が得られたのかなと感じています。
導入コスト以上の価値ある効果に期待
――導入の効果はどのように感じていますか。
新人教育においては特に評判も上々で、育成責任者の自己判断ではなくTeachme Biz上のマニュアルを共通ツールとして研修を進められるようになったことにより、業務習得の期間やレベルもある程度均一化されたと思います。
また、労働人口減少が時代背景にあって、当社でも社員の業務をできるだけパート・アルバイトに移管したいという動きが出てきています。Teachme Bizを見れば誰でも作業できる仕組みを手に入れたことによって、パート・アルバイトが担う役割の幅が広がり、社員は売上アップ方法を考えるなどの業務に専念できるようになります。
Teachme Bizを導入することによって人件費削減につながるだけでなく、彼らのやる気ややりがい等を大切にすれば、数字だけで測れない大きな費用対効果が得られると期待しています。
――今後はどのような活用の計画をお考えですか?
まずはお客様に影響する現場マニュアルをきちんと確立させたいと考えています。
なかでも、これまでで導入の効果を一番感じることができたのが社員教育のマニュアルです。今後もっと人事部と連携しながら新入社員のみならず、パート・アルバイトにも対応できるようなものを整備していきたいと思っています。
とにかく、Teachme Bizをマニュアル作成のツールにとどめているようではもったいなく思います。まだまだ活用の幅を広げられる可能性を感じていますので、様々な事例を参考にしながらもっと使いこなしていきたいですね。