コロナ禍でも遠隔で新システムの構築をスムーズに。障がいのある社員の活躍にも貢献。

  • 運輸業・郵便業
  • #1,000名以上
  • #業務の標準化
  • #業務浸透の徹底
  • #障がい者雇用
  • #システムの運用定着
ポイント
導入目的 新しい業務フローのスムーズな標準化
課題 個人本位の作業手順書、システムに関する情報格差
効果 業務伝授の円滑化

1951年の誕生以来、日本の航空業界を牽引してきたJALグループ様。旅客販売や予約・発券、貨物、整備などさまざまな業種のグループ企業があり、国内・国際航空運送事業を中心に多数の事業を展開しています。

客室部門とコンタクトセンター部門につづいてTeachme Biz導入を決められた、日本航空株式会社 旅客営業本部 業務部 レベニューアカウンティング室 統括マネジャー 小島 寛子 様に、新しい会計システムを導入するにあたり気づいた問題点や、実際にTeachme Bizをどのように活用して解決したのか、どういった効果を感じていらっしゃるのかについてお話を伺いました。

海外ベンダーとのシステム構築プロジェクトを遠隔で完遂

――導入の背景を教えてください。

私たちの組織は、航空券の売上データを会計情報として処理する仕事を担当しています。間違いがあってはいけない、かつ複雑な会計処理を担うという業務特性のため、新システムを導入するにあたっては、フローをしっかりマニュアル化し、メンバーに理解いただく必要がありました。

また、システムの販売元が海外企業のため、情報はすべて英語で提供されます。英語に詳しい人しか一次情報を得られない状況下で、こまめに情報共有することで情報格差を埋め、標準化できる環境を整備しなければなりませんでした。

ただ、Teachme Biz導入前の作業手順書は、Office系ソフトを用いて個人本位の言葉で書かれており、格納場所もさまざま。私が現在のポジションに着任した当時は、サイロ化・属人化によって部署内でも他メンバーの業務が見えづらい状態に陥っていました。

――導入の決め手はどんなところでしたか?

社内ではe-learningや動画作成など別のツールも使われていたのですが、使いづらさが難点でした。Teachme Bizなら静止画や動画を使った視覚的なマニュアルが簡単に作成できて、これからの時代に合うのではないかと考えました。特に操作性はすでにTeachme Bizを活用している他部門のメンバーからも評判が高く、未経験でも簡単に操作できる点が一番の魅力でした。

日本航空株式会社 旅客営業本部 業務部 レベニューアカウンティング室 統括マネジャー 小島 寛子 様

Teachme Biz導入によって半日がかりのOJTが1.5時間に短縮

――実際の活用方法について教えてください。

システムベンダーから直接教育を受けるリーダーが業務フローをマニュアル化し、“先生役”として他のメンバーに伝えるミッションを担っています。システムがクラウドで動いているため、パソコンの画面操作を記録したものが多く、項目にすると300以上に及びます。動画を使ったものもあれば、スクリーンショットで50ステップに近いものもあります。そのほか、Teachme Bizの使い勝手の良さを感じてか、社内の送達物の処理方法といったシステム関連以外の業務にも、どんどん広がってきている状況です。

――効果はどのようにお感じでしょうか。

新システム導入に際しては販売元のフランスと導入支援のインド、日本の3箇所に拠点があったため、検証フェーズでは私が現地に常駐することも覚悟していましたが、コロナ禍では渡航もままならず、プロジェクト遂行のための最適なコミュニケーション方法を模索していました。検証フェーズにおいてもTeachme Bizを活用し、画像、動画を共有することで言語の壁を越えて作業内容の細かな指示ができ、遠隔でも相互理解を深められた結果、スムーズに作業を進めることができました。

おかげさまで新システムの導入プロジェクトも問題なく完遂し、情報共有できるプラットフォームも構築できました。新システム操作の業務伝授の時間はほぼ半減しており、なかには半日かかっていたOJTが1.5時間に短縮したものもあります。また、動画ネイティブと呼ばれる若い世代にも業務の手順が伝わりやすい、視覚的に理解ができるTeachme Bizには感謝しています。

新システムのUIは英語だが、画像メインのマニュアルで操作方法がわかりやすく伝わる

ビジュアルメインの業務伝達で、聴覚に障がいがある社員の活躍の幅が拡大

――Teachme Bizが聴覚に障がいのある社員の方とのコミュニケーションにおいても一役買っているとうかがいましたが、どのように活用されていますか?

関連会社の一つに、JALの特例子会社であるJALサンライトという会社があります。JALサンライトは、これまでも障がいのある社員がネイリストやシューシャイナーとして活躍するなど、障がいのある社員の挑戦を促進し、活躍の領域拡充に積極的に取り組んできました。私たちの業務の一部もJALサンライトに委託しています。

従来は画像を貼り付けて文字で説明した資料を用い、筆談を交えながら教育を行っていたのですが、十分に伝わらないこともありました。Teachme Bizの導入後は、動画で前もって操作の流れに目を通してもらうことで作業イメージがわきやすくなり、復習や分からなくなったときも参照できるので、業務の精度が上がったように感じます。

特に、聴覚に障がいのある方は目から情報を得るのが得意なので、対面伝授では補えない業務一つ一つの流れなどを視覚的に理解し、業務をスムーズに進められるようになりました。現在は、障がいのある社員に、表現が不足していると思うところは適宜加筆修正してもらうことで、さらに精度を高めていっています。

――具体的にどのようなお仕事をされているのですか?

それまではExcelを使ったレポート作成業務などがメインでしたが、現在はシステム内のデータのエラー処理といった、より重要性の高い業務を遂行いただいています。作業手順が伝わりやすくなったことで、いろいろな業務に挑戦する自信がつき、ステップアップしてもらえるようになりました。

もしかすると、私たちのほうが配慮し過ぎることで業務を限定し、チャレンジの機会や能力発揮の機会を奪っていたのかもしれません。Teachme Bizを活用してひとつひとつ業務の再現性を高めてもらうと同時に、幅広い仕事を担ってもらえる環境づくりを進めていかなければと感じました。

――今後はどのような活用を計画していますか?

日々の業務を気軽にマニュアル化しようという、この流れは止めたくないなと思います。今後はそこに加えて、業務ごとに断片的になっているものをつなぎ合わせて、教育素材としてシリーズ化できればとも考えています。

また、できればマニュアル作成者が報われる仕組みもあると嬉しいです。マニュアルの完成度というのはどうしても作成者の任意の良心に頼ってしまいがちで、それが報われないと“丁寧さに欠けるマニュアル”になりかねないという懸念があります。マニュアルを作ることがゴールではないので、読み手に伝わったかどうかの評価があれば、完成度はぐっと上がると思います。自社の評価制度とTeachme Bizの機能をうまく組み合わせた運用を考えていきたいです。

会社概要
会社名 日本航空株式会社
URL https://www.jal.com/ja/
所在地 東京都品川区東品川二丁目4番11号 野村不動産天王洲ビル
事業内容 定期航空運送事業及び不定期航空運送事業、航空機使用事業、その他附帯する又は関連する一切の事業

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