ITリテラシーに左右されない直感的な操作性
―――貴社の事業内容をお聞かせください。
少子高齢化を迎えた今、「家事」に課題を抱える家庭が増えています。株式会社インテンツは、首都圏および関西都市部の食品スーパー等と連携することにより、小売店で購入した商品を玄関先までお届けするサービスを提供。時間と場所に制約されない食生活を可能にし、「家事」の悩みを解決します。
サービス内容も、「来店宅配型宅配ソリューション」をはじめ、「ネットスーパー型宅配ソリューション」や「買い物代行型宅配ソリューション」といったように、多様化するライフスタイルにあわせて、オムニチャネル化が求められています。
200人強の配送スタッフ(お客様係)を中心に、年間100万件のお買物をサポート。「モノ」を運ぶだけのドライバーではなく、「大切な想い」も一緒にお届けしながら、地域社会に貢献することが私たちの使命です。
―――Teachme Biz導入の背景を教えてください。
宅配業界は個人情報を取り扱っており、温度管理の必要なため意外に厳密な手順が必要とされます。導入当時、お客様係は30人くらい。集合研修はせずにトレーナーが赴いて、現地で3人ずつ程で研修を行っていました。しかし、すぐに事業拡大のフェーズに突入し、従業員の数も急増。それまでの方法が、現実的に不可能になってしまったわけです。
しかも、マニュアルを紙媒体で配布していたため、業務自体がどんどん進化する中にあって、刷り上がって数十箇所を越える現場へ配り終える頃には陳腐化してしまう。また、古いマニュアルが積み重なっていて最新版が見つからない、そもそも最新版がないといった状態では、せっかくのやる気も失せてどんどん自己流になってしまうのです。オンラインツールへの切替を検討し始めたとき、偶然にも、テレビ番組(NHKニュース「おはよう日本」)でTeachme Bizを知りました。
導入の決め手となったのは、具体的な作業手順やスピード感が伝わりやすい“動画”をベースにしたマニュアルを作成できること。そして、配送車両1台につきスマホ1台という環境にも最適だったことです。平均年齢も比較的高く、ITツールに弱いスタッフが多いため、直感的な操作性もポイントでした。
Teachme Biz導入により、研修期間を10日から7日に短縮
―――作成したマニュアルにはどのようなものがありますか?
130あるマニュアルは、コールセンター・お客様係・管理部門向けに分けられています。なかでも、最も多いのがお客様係向けのものです。例えば、身だしなみをはじめ、出荷検品といった作業、お金のやり取り等、玄関先での接客方法もマニュアル化されています。
最近増えているのが、親会社が作ったシステムの利用マニュアルです。あらゆる業務にスマホアプリを用いることで、紙を使わないオペレーションになっています。
そのほかには、有給休暇の取得など、雑多な人事総務系や、経営理念・行動指針・クレドを示したもの。管理部門向けとしてはシフトの組み方や昇格試験の要件。教えることや目標、修了試験の問題と回答が記された、トレーナー用の新人研修マニュアルもあります。
―――今はどのように研修を行っていますか?
いざ宅配先に到着すると、お客様と向かい合うのは玄関先、つまり、先輩も上司もいない中での対応が求められます。新人スタッフは不安を抱えていることも少なくありません。研修を通じてその不安を取り除き、自信を持たせてあげる必要があります。
以前はトレーナー用のマニュアルがなかったため、教え方や順序に個人差があり、研修に80時間(10日間)を要していました。しかし、現在では56時間(7日間)まで短縮された上、1日を振り返る時間を設けることで、不明点や不安を引き出し、解消することができます。
しかも、Teachme Bizを見ながら教えることを義務化。全部覚えるのは無理でも、頭の中にすり込んでおき、分からないときに再度見る。そういう習慣を作るのも、一つの目的になっています。
―――マニュアルはどのように運用していますか?
実際、現場に出てからTeachme Bizで復習しているスタッフが多いようです。昇格試験前の1ヶ月間限定でアカウントを発行し、個人スマホでのマニュアル閲覧も認めています。誰が何を見ているのかという状況も確認できるので、試験せずともその努力を窺い知れるのも良いですね。
また、マニュアルどおりの行動が出来ているか否かを“人事評価制度”の評価項目にも採用。半年に1回、マニュアルどおりに業務できているかをチェックしはじめて以降、Teachme Bizの浸透も広がっています。マニュアルに関する疑問や不明点があれば、放置したままにするのではなく、社内SNSを通じてやり取りできるようになったのも良かったのかもしれません。
マニュアル更新に対する抵抗感を和らげることで、事業改善が加速!
―――導入の効果はいかがですか?
入社後1年以内の離職率は、目に見えて低下しました。Teachme Bizを導入したことはもちろんですが、業務ボリュームの軽減や、コンタクトセンターがお客様係の問合せ先としてサポートする体制の整備など、さまざまな安心して働ける環境を揃えた結果でしょうね。これからも、まだまだ下がっていくと思います。
そして、「変わるのはいいことだ」ととらえる社内文化が芽吹いたことです。一般的には面倒で敬遠されがちなマニュアル更新でも、「変わることを善し」とする文化を広めたい。そうしなければ進化し続けることができないからです。そこで懸念点となるのは、変更点がスタッフにきちんと伝わっているかどうか。伝わっていなければ、ミスが発生してご迷惑をお掛けすることもあるかもしれません。
その点では、導入から約2年が経った今では、2週間に1回必ず業務改善が行われることも認知されています。マニュアル更新の通知が届き、それを見れば変更点を理解できるというのが分かっていて、「変わることを当たり前」として捉えてくれているのです。
ミスが起こった場合に再発防止策として手順を追加することを約束するとしても、その日の夜に配信すれば、次の日には伝わっている。改善スピードが速くなったおかげで、「すぐにできます」と答えられるわけです。Teachme Biz無くしては、ここまでのスピードで変革することができなかったのではないでしょうか。店舗様側の対応を待つことも多くなったので、Teachme Bizをおすすめしているくらいです。
―――今後の活用計画を教えてください。
おおむね満足していますが、強いて言うなら、M&Aの可能性を含めて、今後他社と事業連携していくこともあるかもしれません。そんなとき、当社で作ったマニュアルを共有して、一部だけを別で管理することも可能。さらに、当社側がシステム利用料を支払いながら、アカウント管理だけは委ねられる。つまり、マニュアル配布機能として、当社の契約だけで外に出せるようになれば理想的ですよね。
「仕事が楽しくなければ、人生が楽しいわけがない」
―――Teachme Bizの導入を検討している方へメッセージをお願いします。
Teachme Bizは、当社にとって事業の改善スピードを維持するためには欠かせないツールです。マニュアルが整備されていて、いつでも閲覧できる状態。なお且つ、それに従って指導されていると、働くスタッフにとっては安心感があります。
当社の考え方としては、楽しく仕事することが基本。人生を楽しいものにするためにも、起きている時間の半分は働いているわけですから、時間を売るような働き方はやめようと呼び掛けています。
どうしてこの方法なのか、どうしてこの手順なのか、自分の仕事ぶりによってどんな影響があるのか。自分の仕事が全体のどこに位置付けられているかも理解しておく必要があります。最も重要なのは、スキルを身に付けることではありません。考え方や仕事に対する情熱を教えるのが、トレーナーの役割だと考えています。
そんな当社に共感して働き続けてくれるスタッフも増えてきました。常に進化し続けていかねばならない企業にとって、Teachme Bizは不可欠なツールとなってくれるのではないでしょうか。