都心と横浜に直営のフィットネスクラブ「エスフォルタ」を6店舗展開する住友不動産エスフォルタ様。インドアゴルフスクール、パーソナルトレーニングジム、指定管理施設など、フィットネスクラブ以外にもスポーツ施設の運営事業を展開し、施設の数は合計30、アルバイトも含め合計1,000名近いスタッフが在籍しています(2021年3月現在)。
エスフォルタの魅力は、都会で働く人々のニーズを満たす高級感のある雰囲気とサービス。それだけに、人材の育成には特に力を入れていると言います。そこでご活用いただいているのが、Teachme Bizで作成した動画による手順書です。研修でのご活用の他、コロナ禍以降のお客様サービス向上のための動画配信にもお役立ていただいているそうです。
そんな住友不動産エスフォルタ様における導入の背景や活用方法、効果について、企画部事業推進課 ジムディレクター 小野由紀子様、プールアシスタントディレクター 奥田悠介様にお話をうかがいました。
手順書の移行とコロナ禍が重なり思わぬ効果へ
――Teachme Bizご導入のきっかけを教えてください。
小野 一番のきっかけは、研修における時間の確保が難しくなってきていたことでした。数百名在籍しているアルバイトスタッフに対して採用のたびに対面で研修するのはスケジュール的に難しく、紙のマニュアルを使って各自で研修してもらうこともありましたが、トレーニング方法や機器の使い方などについては伝えきれない部分が多く、動画を使った手順書の必要性を感じていました。
また、新入社員の教育に関しては集合研修を行っていましたが、教える側の時間的な負担が大きく、その方法に関しても改善の必要を感じていました。
――導入の決め手となったのはどんなところでしょうか。
小野 使い勝手の良さや、使う側にとっても見る側にとってもシンプルでわかりやすい操作性、また導入前後のサポート体制の良さも大きかったと思います。
――導入後、コンテンツ制作はスムーズに進められましたか?
小野 導入時、エスフォルタ内ではすでにある程度しっかりしたマニュアルができていたので、それを移行する形で制作を進めましたが、2019年8月に導入してその年の12月までに移行を終えるという目標が社内で示されていたので、その3~4ヵ月はとにかく必死に作りました。大変ではありましたが、否応なしに作らなければいけない環境であったからこそ、逆に活用までのスピードを早められたのかなと思います。
――制作から実際の運用への流れはスムーズでしたか?
小野 想定とはまったく違う結果ではあったのですが、効果は大きかったと思います。というのも、手順書が一通り完成した直後に新型コロナウイルスの感染が拡大し、新入社員が在宅勤務となってしまったからです。そこで、ちょうど作り終えていた手順書を活用してリモートでの研修をおこないました。手順書が出来上がっていなければ、研修に非常に苦労したかもしれません。
――具体的にはどんなふうにリモート研修を進めたのでしょうか。
小野 月曜日から木曜日までは動画を見て覚える自習期間とし、水曜日には小テストを、金曜日には研修担当と1対1のテストを行うという流れで、手順書の章ごとに一週間サイクルで研修を進めました。
機器の操作や泳ぎの解説、救助法まで幅広く活用
――手順書の具体的な内容について教えてください。
小野 ジムでは大きく分けて3つの手順書を作っています。まず一つは、運動生理学や機能解剖学といった内容を座学で研修する「理論研修」の手順書で、トータル90分ほどの内容を分割してコンテンツ化しています。2つめは、各マシンやダンベル、バーベルといった機器について説明する「インストラクション」。正しい案内の見本を動画で解説しています。3つめは、お客様からのヒアリングをもとにトレーニングメニューを提供する「カウンセリング」について、その見本となるロープレを紹介したものです。
奥田 プールにおいても大枠はほぼ同じですが、泳ぎのメカニズムを解説する理論的な内容のものや、スタッフの中で特に泳ぎが上手なスタッフの動画を撮影してチェックすべきポイントをわかりやすく示したもの、お子様向けのレッスンを行う時の注意点を解説したものなどがあります。
また監視業務のスタッフに向けては、姿勢や服装、お客様との接し方などに加え、救助の際に使うボードの使い方や溺れた人の引き上げ方などを解説した手順書を用意しています。リアルな訓練も欠かせない重要な仕事であるため、動画を見て手順を覚えたうえでプールで実際にロープレをする流れで研修を行っています。
奥田 社内向けだけでなくお客様に向けたサービスとしても活用しています。コロナ以降、ヨガやエアロビクスなどのオンラインレッスンをオンデマンド配信しているのですが、特に緊急事態宣言中などは動画のアクセス数が伸びましたので、Teachme Bizで作ったコンテンツがサービスの一つとしてお客様に喜んでいただけているのかなと思います。
――動画はどのようにして配信しているのでしょうか。
奥田 Zoomで録画したレッスンをTeachme Bizの外部公開フォルダにアップし、会員向けにリリースしている「esforta life」というアプリを経由して配信する仕組みです。具体的なデータがあるわけではありませんが、こうしたコンテンツの充実がお客様の満足度向上につながっているところもあるかもしれません。
研修時間の短縮や交通費などのコストカットに成功
――導入による効果は他にも実感していることはありますか?
小野 ジムの研修では、これまで100名近いジムの正社員を5〜6班に分け、年2回、1回あたり3~4時間をかけて対面で研修していたのですが、それを動画に切り替えることで、教える側の時間的な負担と社員の移動交通費や移動時間の両方を軽減することができました。
――今後はどのようなご活用を計画されていますか?
奥田 お客様向けのものでは、スタジオレッスンの予約システムの操作手順をアップしたり、オンラインでのパーソナルトレーニングを指導するインストラクターの紹介動画の配信などを計画しています。
小野 スタッフ向けとしては、新しい取り組みとして、既存スタッフに向けて毎月一回、15分から20分の授業形式の動画をアップし、スキルの維持や向上に役立ててもらう取り組みも予定しています。
サービスの特性上、お客様に対してもスタッフに対しても動画があることでよりわかりやすく伝えることができる内容が多いので、今後も活用の幅をより増やしていきたいと思っています。
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https://biz.teachme.jp/casestudy/esforta/ (事例動画なし)