繰り返し使ってもらえるマニュアルで理想の状態を実現
―――Teachme Bizを導入した背景を教えてください。
株式会社ビッグ・エーは、東京都・埼玉県・神奈川県・茨城県を地盤とする、食料品・日用品のハードディスカウントストアとして229店舗を展開しています。
以前、紙のマニュアルを使用していた際に人手をかけても現場で使ってもらえない経験がありました。それに紙のマニュアルだと何度も改訂するのは大変でした。そこで使い勝手がよく、現場で繰り返し使ってもらえるマニュアルを探していたときに、Teachme Bizと出会いました。
ハードディスカウントストアでは、単純化・徹底化・標準化が大切で、実行するためにはマニュアルは欠かせません。使ってもらえるマニュアルには動画や写真が必要でした。またTeachme Bizはマニュアル作成がしやすく改定も簡単にできるため、これこそ求めていたマニュアルの形だと思い、導入することにしました。
―――実際にどのようなマニュアルを作っていますか?
一部の店舗にあるインストアベーカリーでは、パンの調理工程をマニュアルにしています。季節により販売するパンが変わるため、種類はどんどん増えています。調理方法や衛生管理は難しいことが多いため、とても役立っています。
店舗の売り場づくりにも使用しています。本部から新しい商品陳列の指示を平面図で送ります。その指示をもとに、SV(スーパーバイザー)が実際に陳列した写真をTeachme Bizでマニュアル化して、タスク配信することでどの店舗でもきれいに並べることができます。
大切なのは助走期間
―――どのようにTeachme Bizを浸透させましたか?
全店舗導入するまでに半年かけました。まず15店舗を対象に試験導入し、3か月経ったころに良い点・直す点を洗い出し、改善しました。
次に9店舗に追加導入し、1か月様子を見たところ、現場との乖離が見られなかったためさらに22店舗追加で導入しました。先行導入した合計46店舗にランダムにヒアリングしたところTeachme Bizの使用に問題はなく、作業時間も設定したマニュアル通りに進められていることが確認できたため全店導入に踏み切りました。
私は「いいものなんだから、早く全店に導入したい!」と思っていましたが、長い目で見たら「ホップ・ステップ・ジャンプ」の「ホップ」である助走期間が重要だったのだと今は感じます。先行導入の段階で不具合もわかりましたし、携わってくれた従業員も「これはいい!」と言ってくれました。
年間16,000時間の研修時間削減を実現!
―――導入の効果はいかがでしたか?
教育の部分で大きく効果がありました。ビッグ・エーでは年間1000人程度の従業員が入れ替わります。今まで新人従業員が独り立ちするまでに14日間かかっていました。しかし新人研修にTeachme Bizを用いたことで10日間に短縮することができました。これを年間で考えると新人従業員が独り立ちする時間が16,000時間短縮ですから、かなり大きいコストカットですよね。
直接的な効果とは言えないかもしれませんが、離職率を下げることにも役立っていると感じています。サービス業における、パートタイマーやアルバイトの退職理由は「作業がわからない」「わからないことを聞ける人がいない」というものが多いそうです。Teachme Bizがあることにより、「わからない」「聞けない」という環境を改善できたことは効果があると思います。
また作業方法において、本部と現場で認識が異なっていることに気が付きました。本当は良くないのですが、現場はより効率的に作業する方法を各自工夫するため、作業は店舗によって少しずつ異なっていました。そういった認識の違いが分かったときに、動画や写真を活用することでより効率の良い方を素早く判断し、採用できるようになりました。このことは作業の標準化にもつながりました。
229店舗が作業時間を各店1分縮めれば、合計で229分の短縮になります。これは大きなメリットです。現場で工夫していることを吸い上げ、正しいと認めてあげることもTeachme Bizだからできることだと思います。
小売りはお店でやる作業を「商品補充・清掃・レジ精算」の3つ以外はなくすことができるといわれています。そのくらいお店での作業は少ない方が良いのです。既存のマニュアルをTeachme Bizに移行するにあたり、本当に必要な作業なのか見直しができました。そのおかげで今まで店長が覚えなければならなかった100種のマニュアルを、70種にまで減らすことができたのも良かったと思います。
―――今後の活用計画を教えてください。
Teachme Bizの使い方は、マニュアルにとどまらず、アイディア次第でもっともっと広がると思います。例えばお客様のサポート。売り場の変更をした際、よくお越しいただくお客様にとっては探しているものがいつもの場所になく、「あれはどこ?」となることが多々あります。売り場をより良くするために変更するのですが、お客様にとっては一時的に不便になってしまう場合があります。聞きたいのに聞きにくいという状況をなくすためにも、Teachme Bizを用いてお客様のサポートをすることもできたらいいなと考えています。