少人数のチーム編成だからこそ必要不可欠な、マニュアル作成

  • 卸売業・小売業
  • #100名以上500名未満
  • #マニュアル作成・更新の効率化
  • #業務の標準化
  • #人材育成・研修
  • #外国人スタッフの教育
ポイント
導入目的 業務手順の可視化、スムーズな引継ぎの実現
課題 社員退職時に業務が引き継がれず、業務が止まってしまう
効果 引継ぎ工数の削減、言語を超えた正しい手順の理解

少人数のチーム編成ゆえのマニュアルの導入

―――貴社の事業概要について教えてください。
吉岡様(以下、敬称略) 弊社は化学品原料の専門商社です。文政年間(1818年〜1831年)に尾張名古屋で砂糖や油を扱う個人商店として創業し、戦後に法人化を果たしました。
タイに進出したのは2018年です。中国等から輸入してきた商品を在庫として販売するほか、一部タイのメーカーの商品を代理店として仕入れ、販売を行っています。

Andoh Parachemie (Thailand) CO., LTD., 吉岡 稔益様

―――3名という少人数のチーム体制でありながら、Teachme Bizを導入された背景をお聞かせください。
吉岡 少人数だからこそマニュアルが必要だったんです。立ち上げ時は、私とタイ人スタッフ2名という最小限の人数でスタートしたのですが、人数が少ないがゆえの課題がありました。

例えば、タイ人スタッフが4〜5人いれば誰かが一人退職しても、別のスタッフに引き継ぎ業務をお願いすることができます。しかし、我々は最低限に人数を絞って運営していたため、そういうわけにもいきませんでした。

さらに、タイ法人を立ち上げる前から、タイはスタッフの入れ替わりが激しいと聞いていました。一ヶ月前に退職の申し出があったとしても、そこから次のスタッフを探して採用するとなると、実質引き継ぎにかけられる期間が数日だけということもザラだと。また、私自身の英語力が高くないことも導入の理由の1つでした。口頭で流暢に説明するのは難しいですが、マニュアルにしておけば、片言の英語でも何とか業務を伝えることができます。着任当時は私もとにかく不安でしたので、藁にもすがる思いでTeachme Bizの導入を決めました。

煩雑な書類申請の手続きも、マニュアルのおかげでスムーズに

―――引き継ぎにかかるコスト削減が導入の決め手だったのですね。実際に導入してみた使用感や手応えはいかがでしたか?
吉岡 多言語対応していることが心強かったですね。私はタイ語も英語もそこまで満足に喋れるわけではなかったので、あらかじめマニュアル作成をしておけば、いざ引き継ぎが発生したときも、「これを見れば仕事のやり方がわかるよ」と業務内容をスムーズに教えることができました。

また、ビジュアルで内容がまとめられることも役立ちました。弊社は化学薬品を扱うので、定期的に役所に届け出を出す必要があります。その点、Teachme Bizは画像やPDFの貼り付けができるので、そういった提出書類を貼り付けておいて、「この書類が届いたらこうする」という流れを一目で分かるように管理できたのはとても便利でした。

スタッフのモチベーションを管理しつつ、少しずつ内容を充実させていった

―――導入後、引き継ぎに十分なマニュアルが完成するまではどれくらいの時間がかかりましたか?
吉岡 一年ぐらいはかかったと思います。中には、年に数回しかない業務や、数年に一度だけ行う業務もあったので。社員の入れ替わりが多い組織だからこそ、そういった頻度が低い業務ほど、マニュアルに残しておくことが必須でした。「あのときマニュアルを作っておいて助かった」という場面が何度もありましたね。

―――現地スタッフにマニュアル作成を浸透させるには、どういった工夫をされましたか?
吉岡 いきなりマニュアルを作ってくれと伝えても難しいだろうと思ったので、まずは私が作成できるマニュアルをいくつか作成し、「これを真似て別の業務もマニュアルにまとめてみて」とお願いしました。また、業務が発生するたびに、その都度「これもあとでマニュアルにまとめてね」と伝え、少しずつ内容を充実させていきました。

それから、「まさにこのマニュアルが必要だった!」という秀逸なマニュアルを自発的に作ってもらえた時は、「すごいな」「いいの作ったね」と伝えて、ちょっとしたドリンクやお菓子をご馳走していました。

―――自分でも手本を示しつつ、モチベーションの管理も行っていたのですね。秀逸なマニュアルとは、例えばどういったものですか?
吉岡 きれいにまとまっているというよりは、先ほどお話した数年に一度の業務など、「後々このマニュアルがあったら助かるだろうな」と感じるような、穴になっている部分を埋めてくれた時ですね。

導入二年目以降はTeachme Bizのマニュアル作成量をボーナス査定に反映させていました。実際に、たくさんマニュアルを作成してくれたスタッフがいた時は、「あなたはたくさん作成してくれたから」と伝えた上でボーナスを増額することで、他の社員のモチベーションも上がるように工夫をしていました。

実際に作成されているマニュアル

Teachme Bizのおかげで精神的な余裕ができた

―――実際に運用してみて、どのような効果を感じられましたか?
吉岡 まず、引き継ぎがスムーズになりました。タイでは人の入れ替わりが激しいのですが、マニュアルがあることで新しい社員への引き継ぎがずっと楽になりました。

また、予想外の効果として、私自身の精神的な安定にも繋がりました。人が辞めると慌ててしまうものですが、「マニュアルがあるから何とかなる」という安心感が生まれたんです。特に2年目、3年目くらいはこの安心感が大きかったですね。

さらに、マニュアル作成を通じて、私自身も業務フローを整理できました。3年目くらいになると、マニュアルを見ながら新入社員に「次はこれ、次はこれ」と説明できるようになりました。

―――素晴らしいですね。少人数組織ならではの使い方で、大きな効果を得られたんですね。最後に、これからTeachme Bizの導入を検討している企業へのアドバイスがあればお聞かせください。
吉岡 マニュアルツールは大規模組織向けというイメージがあるかもしれませんが、少人数組織こそ効果的に使えると思います。引き継ぎの効率化はもちろん、言語の壁を越えたコミュニケーションツールとしても活用できます。また、マニュアル作成は地道な作業ですが、長期的に見ればとても重要です。特に海外拠点の立ち上げ時など、不安定な状況では大きな支えになります。ぜひ、自社の状況に合わせた活用方法を見つけてほしいですね。

会社名 ANDOH PARACHEMIE (THAILAND) CO., LTD.
URL https://www.anp.co.jp/
所在地 #10room 2 JASMINE BLDG., 12TH FL., SOI SUKHUMVIT23 (PRASANMITR), SUKHUMVIT ROAD, NORTH KLONGTOEY, WATTANA, BANGKOK 10110, Thailand
事業内容 ろうそく用ワックスなど化学品原料の販売

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