チャットボットとTeachme Bizの連携で問い合わせ対応の未来を創る|第5回User Conference レポート: 伊藤忠テクノソリューションズ様編

今回の記事では、2019年5月24日(金)に開催された「Teachme Biz User Conference 2019」についてのレポートをお届けいたします。

カンファレンスでは、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社様(以下CTC様)とMipox株式会社様の2社にご登壇いただきました。本レポートではCTC様にお話しいただいた「CTCデータセンター・クラウドサービスにおける業務効率化と顧客価値向上に向けた取り組み」についてご紹介いたします。

IT会社であるCTC様は、システムのトータルソリューションを提供するシステムインテグレーターとして第一線でご活躍されています。今回ご登壇いただいた大塚様・横堀様は共にデータセンター・クラウド事業を担当するグループに所属しており、クラウドサービスの運営やサービス管理システムの開発をご担当されています。

Teachme Biz導入でトリセツの作成・メンテナンス性が改善

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(画像:クラウド・セキュリティサービス本部 クラウドサービス企画開発部 サービス企画管理課 課長 大塚謙輔氏)

大塚 謙輔氏:Teachme Bizにて、社内のシステム運用者と弊社サービスをご利用いただくお客様向けの手順を作成、管理しています。お客様向けとしては、具体的には、弊社のクラウドサービスをご契約されている方向けに、サービスの利用方法を公開している「トリセツ」というシーンで使用しています。

弊社では2017年の時点では、Wordでマニュアルを作成し、お客様に対してデータファイルをお渡ししていました。あるマニュアルでは、1マニュアルで122ページ、ファイルサイズも10MBというものもありました。それだけ重くなるとマニュアルの更新をしようとしてもパソコンが固まって動きません。また、マニュアルを更新して弊社のポータルに掲載しても、すべてのお客様が最新のマニュアルを閲覧していただけるわけではなく、過去にダウンロードした古いマニュアルに記載された操作手順を用いてしまいトラブルに至るケースもありました。

このような状態ではあまりにも生産性が悪いという中で出会ったのがTeachme Bizでした。現在、Teachme Bizで作っているマニュアルの総数は479です。あまり長いマニュアルはお客様に読まれませんので、1つのマニュアルあたり平均10ステップくらいの手順にして、各ステップにリンクを埋め込むなどの工夫をしています。

お客様が情報にたどり着けないと問い合わせは減らない。「チャットボット」の開発を推進

(画像:DCサービス基盤開発部 システム開発課 課長 横堀雅人氏)


大塚謙輔氏:しかし、クラウドサービスの提供においては、トリセツとして500近くのマニュアルを公開しているだけでなく、他にも契約書やサービスの仕様書や設定シートなど、膨大な種類のドキュメントをお客様に提供する必要があります。

そのためお客様が本当に必要としている情報にたどり着けず、問い合わせが多くなるという問題が発生しました。すなわち、運用する自分たちの生産性向上には成功しましたが、その価値をお客様に還元できていなかったのです。この課題に対するチャレンジとして今進めているのがチャットボットです。

チャットボットで問い合わせ対応を効率化

横堀雅人氏:チャットボットとは、IBMのWatsonに代表されるような、ソフトウェアロボットが人に代わって会話を行う仕組みの総称です。マニュアルでは標準化できない、個々のお問い合わせをFAQとしてまとめましたが、利用者がFAQから必要な情報を探すことは、ことのほか困難な作業です。必要な情報を全て取り揃えたとしても、情報を探せない方や、そもそも探す気もない方もいて、やはり問い合わせが発生してしまう。
そのため、問い合わせはそもそも無くなるものではなく、必要なものと考えました。人手で問い合わせに回答するところはもちろんなくなりませんが、一部の問い合わせ対応はチャットボットに代行してもらい、人の負担を減らしています。

チャットボットはどのように動くのか

(画像:チャットボットの学習の仕組みについて説明する横堀氏)


横堀氏:チャットボットがどのように動いているかというと、大きく分けて2つあります。
1.探索と知識
探索した情報を、知識として蓄える動きです。大量にあるマニュアルやFAQを探索し、瞬時に知識として記憶します。定期的に再記憶する事により情報の鮮度を保ち、また記憶した情報は忘れません。

2.学習と理論
蓄えた知識の使い方を学習して、理論として覚える動きです。専門用語を覚えさせ、挨拶文など、情報の検索に不要な文字を除去していきます。また、正しい質問とそれに対する回答も学習させます。身近な例でいうと、グーグルの検索サイトで検索結果を見たときに、優先度の低い文字が消され、かつ正しい回答を表示する処理と似たものです。

様々なインターフェースで同時に問い合わせに対応できるように挑戦している

(画像:チャットボットの次に開発ステップとして、様々なインターフェースへの対応に挑戦している。)

現時点では独自のチャットだけですが、ビジネスチャットのSlackやTeamsとの連携、音声をテキストに置き換えた電話対応、メール対応などの開発を進め、様々なインターフェースからの問い合わせに同時対応できるような仕組みを、次の開発ステップとして挑戦しております。

(画像:現在開発中のチャットボットのイメージ。)

開発中のチャットボットはTeachme BizとのAPI連携も行えております。また電話での音声応答にもチャットボットで対応できるような技術検証も進めています。音声をテキストに置き換える、もしくはテキストを読み上げるといった処理が英語ではほぼ実用レベル、日本語では、まだ課題がありますが、日々精度が向上しています。たとえば、日本語は同音異語が非常に多いので言語処理としては難しいのですが、文脈を読み取って正しい漢字を当てる精度が高くなっており、間もなく実用レベルになる事が想定され、実用化に向けた開発に取り組んでいます。

Teachme Bizの新しい価値は、CTCの価値になる。

弊社もIT企業ではありますが、Teachme Bizのような、マニュアルに特化した生業をされている専業ベンダの力をぜひ活用し、共にビジネス展開をすすめていきたいと思っています。ウェブマニュアルは確実に我々の業務能率化に活用できており、この価値は十分強調したいです。
加えて、Teachme Bizを活用している価値を我々のお客様へも発揮したいという思いで、チャットボットとの連携開発を進めて、ユーザーの情報アクセスの効率性・迅速性とユーザーのエクスペリエンスの向上にチャレンジしております。Teachme Bizを利用してみて、様々な機能がスピード良く展開されているのはよく分かりました。Teachme Bizが新しい価値を増やすとCTCの価値になるという関係になっていると思いますので、このスピードを緩めることなく、開発を進めていただきたいと大きく期待をしております。

【質疑応答】小さなことから一つずつ。Teachme Bizへの工夫

(画像:質疑応答に対応する、大塚氏)

講演では、事前にお伝えしていたよく寄せられる質問について回答していただきました。

---マニュアルの内容レベルの統一感を保つために決めておいた方がいい基準やルールはありますか?

大塚氏:主に3つあります。

1 マニュアルの名前を「~したい」「~する」など動詞形にする。
2 トリセツのフォルダを分割して公開先のお客様を制御する。
3 フォルダ名に英数字をつけて表示順を整理する。

これらはすべて、トリセツはお客様に使っていただくシーンを考え、お客様目線を大事にしようという行いの一環です。

---維持・継続していくために工夫していることはありますか?社内体制はどのようにしていますか?

大塚氏:一言で言うと「スモールスタート&クイックウィン」です。要するに「小規模で始めて周りを巻き込み成功体験を作る」ことを繰り返すのです。最初Teachme Bizを使う際には、社内から業務の変化に対する反発がありましたが、私含め少人数で小さなものでも成功体験を作り、少しずつTeachmeBizを利用する人を増やしていきました。その結果、すべてのサービスのお客様マニュアルをTeachme bizで作成するまでに2年もかかりませんでした。また、社内推進という役割は、トリセツの利用で終わりではなく、チャットボットの開発を提案するなど、Teachme Bizを使う意義を常にいろいろな形で検討しスモールスタートをやり続けるようにしています

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